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2015.06.16

「抑うつ」も理解できるよ

小さなコミュニティFM局でラジオをやっています。

と、言っても残念ながら、
「出演してくれ」と言われたわけではなく、
そこの関係者が知り合いなだけ。

「放送枠が売れなくて困っている」と聞いたので、
放送料を値切って大負けに負けさせ(笑)
自分が所属するある会にかけあって(笑)
予算を出させ(笑)、
毎週、会員(希望者)を週替わりで出して、
その人の自己PRに活用していただくとともに、
「ラジオに出たぞ」的な、少々うれしい気持ちを持つことで、
会員への貢献度もアップしようという狙いの、
カジュアルなトーク番組です。

前回のゲストは元学校関係者のDさん(60代前半/男性)。
パーソナリティはわたくし。
テーマは出演者が話したい話題でよいのですが、
今回は、「うつからの復活」がテーマでした。

Dさんは今から20年以上も前に、
同僚女性に言われたある辛辣なひとことがきっかけで、
翌日から、食べ物がのどを通らなくなり、
流動食しか食べられなくなりました。

フラッシュバックで再発したら困るので、
それがどんな言葉だったかは敢えて聞きませんでしたが、
言われたそのときは、悔しくて「こんちくしょう」と思ったそうです。

ところが、翌日から体調を壊してしまい、
「あんなことで、こうなるなんて、俺ってこんなに弱かったのか」
と、思ったそうです。

そしてそこから、20数年、病気に苦しみ、
一度は入院するも、なぜか「薬でよくなることはない」と感じ、
「これ以上、仕事で迷惑はかけられない」と、自主退院。

その後、不安定な勤怠を繰り返しながらも、
定年まで勤め上げ、今は第二の人生に入った方です。

入院中は、病室の天井を見上げ、
「もしかして、俺もこれで終わりか」と思うと、
何か、記録を残したい衝動に駆られ、
これまでの経緯や、今、思っている事を
”遺言代わり”に書き溜めて、自費出版しました。

ラジオでは、当時の診断書や、
自費出版された本などもご持参くださいました。

と書けば聞こえはいいけど、
だがしかし・・・と、私は思うんだな。

メンタルをやられたDさんの気持ちもわかるけど、
Dさんに辛辣な言葉を投げた人の気持ちもよくわかる(^_^;)

Dさんは、少々アスペがかっている人なので、
年齢的には礼儀正しく常識もある感じだけど、
物事の雰囲気というものを察知するアンテナがないんだよね・・・

今までの録音を聴いてもらい、
番組の進行や流れを事前に確認するようにお願いしたんだけど、
気楽なトーク番組なのに、硬くて長い原稿をつくってきて、
番組前半は、その読み上げに終始することになりました^^

その中で、
「◯◯学校、父母教師会の皆さん」
「◯◯学校、同窓会の皆さん」
「および、◯◯学校○○部後援会の皆さん」
という、演説のような呼びかけが何度かあって、
もちろん、初めてラジオに出るのですから、
オジサンぽい可愛らしさの許容範囲なのですが、
でもそのラジオ局、そこまで電波届かないんだよね。

それは最初からお伝えしてあるのですが、
やっぱり、うれしくて言いたくなったのかな。

でもその後、その人達に番組を聞かせる手立てはあるか、
何度も何度もメールが来まして、そっちには少し辟易しました。

番組では、自分が出版した本を持参して、
大いに自慢しかけましたが、
それは私がうまく阻止しました(笑)

ですが、本物の病院の診断書を持って来たのには、
さすがに、びっくりよ・・・

番組の性質上、そこには触れませんでしたが、
診断名は「抑うつ」と書いてあり、
これは「うつ」ではなく、「うつ傾向」ということらしいですが、
たとえ「うつ」じゃなくて「うつ傾向」でも、長期入院して、
20年も苦しむんだから、おんなじじゃない?と思ったりね。

でもこの診断書。番組でどう使って欲しかったのかしら・・・
「これが診断書なんですよ、あはは」
「えー、きゃー、ホントですねー、抑うつだって。キャハハハ」
なんてことには絶対になるわけないし、
終了後に聞いてみればよかったな。

    *    *    *    *    *    *

Dさんは所属する会に最近入った新入会員さんです。

その入会の手続きの手順も、
なかなか理解してくれなくて大変でしたが、
事前申し込みが必要なイベントに、
何の連絡もなく突然やってきて、
資料が足りなくなって役員連中がコピーに走ったり、
質疑応答で主旨違いの発言をしたり、
会としては、まぁ、何かとお騒がせな人ではあるのです。

たぶん、物事の認知が人と違っていて、
何かの指示命令を受けても、
ビンゴで相手の要望に沿った動きはできないし、
それが、皆が望んでいない行動、という事実も、
場の空気からは獲得できないんだと思う。

この調子で長く仕事をしてきたのだったら、
そりゃ、言う人は言うよね。
気が短くストレートな人なら、
結構、キツイ事は言うと思う。

でも、本人は、なぜ自分の行動が
人の反感を招いているのか理解できないから、
対策もとれないし、他人が怖くなるし、
いたずらに第三者から攻撃だけを受けているようで、
そりゃ、うつにもなる、というものです。

番組では、話がトンチンカンな方向に曲がって行かないように、
私がしっかり手綱を握ってコントロールしたので(爆)、
内容そのものは、上々の出来栄となり、
むしろ、人の心を打つような深さがあってよかったのですが、
お話を伺いながら自分は、
非常にDさんの状況に納得と理解がいき、
そちらの意味で、自分にはとても参考になりました。

ただ、この人達(60代以上のアスペっ子と思われる男性)が、
非常にエライと思うのは、人に迷惑をかけちゃいけない、と、
すごく思っていて、それが復帰復活の、
直接の理由になっていることなんだよね。

私は前職で、メンタルをやられて職場を去る人を、
たくさんたくさん見てきましたが、
非正規社員の職場ということもあり、
復活できた人を今まで知りません。

クライアント企業さんのご好意で、
相当な期間待ってもらっても、
周囲が望む形で復帰できたケースは全くなく、
どの人も皆、辞めていきました。

番組の放送が終わってから、Dさんに聞いてみました。

「復帰しても、そんな感じだと、
お休みはそれなりに多かったでしょう?
そのあたりは、どうやって乗り切ったの?
周りから、また何か言われることがなかったの?」

「だから、たまった仕事は家に持ち帰ったり、
土曜や日曜にひとりで出勤して片付けた。
体調が悪いときは休まなくちゃいけないけど、
それで、職場に迷惑だけはかけないようにしてきた」

「お休みが多いことで、悪くいう人はいなかったの?」

「上司が、Dは今までどこそこに入院していて、
今度、職場復帰してくるけど、
これこれこういう理由によるものだから、
周りの皆さんは、十分配慮して、
言動にも気を付けるように。
・・・って、復帰前に朝礼で全員に言ったらしい」

「あら、それはいい上司かもね」

「ところが、実際に復帰したら同僚には、
『病気だって聞いていたけど、どこも悪そうに見えないね。』
と言われて、全然配慮してもらえなかったなー(笑)」

だそうです。
そうなのよね、こころの病って、人にはわかりにくいからね。

それにこういうときは、
公務員って本当に恵まれているな、と、心から痛感します。
切り捨てないで雇用を継続してくれるだけでなく、
上司がちゃんと対策もしてくれるんだもの。

だから、自分がKYじゃないか?という自覚のある人は、
何が何でも公務員を目指したらいいと思います。
公務員は、ダメな子でも取りあえず雇い続けてくれる組織です。
それで公務員の質が下がろうが、
そんなのは知ったこっちゃないね。
あ、これ、皮肉じゃなく、メンタルが弱い人への助言です。

ところで、Dさんの言動を仲間として見ていると、
これはきっと小さい頃からのものだと思うんですよね。
なので、また、尋ねてみました。

「Dさんて、子供の頃、人にいじめられたりしなかった?」

「あーもう、おれはいじめられっ子だったよ?
兄弟の中で俺だけひ弱で細かったので、
どこに行ってもいじめられた」

なるほどね、やっぱりね、予想通りね。

それでもこの年代の人達は強いのです。
頑張って社会に適応して来たのです。
そして、どの人も、真面目で誠実です。
他人には礼儀を払い、言葉遣いも丁寧で、
ときにユーモアがあって面白いので、
「またDさん?(が何かやらかした)」と言われながらも、
それなりに愛されています。

それは家庭のしつけ力や、社会環境や、
学校での教育力とか色々あると思いますが、
いい意味で、「他人が自分に理解がなく甘やかされなかった」
のも、ひとつの要因に思えます。

「他人に理解されない」のは、ご本人には辛い事ですが、
そういった葛藤を得て人が成長するとしたら、
多少の無理解も悪い事ではないのかもしれません。



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