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2012.05.07

主体を責めない

前回のhttp://platanus.cocolog-nifty.com/monologue/2012/05/post-d748.htmlのつづきです。


一昨日、駐車場で時間調整するタイミングができたので、
土砂降りの雨の中、車の中から彼に電話しました。
先の日記で書いた、中途半端なまま終わってしまった話に、
なんとなく決着をつけたかったんだな。


なので、一度流れを頭の中でシュミレーションしてから電話する。
ぐっちゃん(男性/40代後半/加盟)は今日はお休みで、
自宅にいるの、わかってるんです。
しかもこの大雨、たぶん家にいるでしょう。


「あ、昨日の話だけどさ、結局どういう話だったの?
もう一度詳しく聞かせてくれる?
ガシガシ怒鳴られたりしたわけ?」


「いや、怒鳴ったりはされてないですよ。
ただですね、前々からそう思っていたんですけど、
いや、、、だからって、それはもうわかっているのでいいんですけど、
部長の態度って言うか、なんていうか、
やっぱり、AさんやBさんとオレとでは、
あからさまに違うわけですよ。」


「どんな風に?」


「リジチョーには、提案しろ、提案しろ、ってよく言われるんですが、
同じ内容でもAさんが言うと『なるほど。じゃA君、早速取り掛かって』
みたいな感じなんですが、俺が言うと却下です。
いや、いいんですよ、Aさんは部長が引っ張ってきた人物だし、
部長との付き合いも俺よりずっと長いみたいだし、それはいいんですけど、
ただ、あそこまであからさまだと俺もやる気なくなるし。

昨日なんて、『そろそろ決断したほうがいいんじゃないか』なんて言われて、
要は辞めろって話ですけど、そこまで言われてプレッシャー掛けられたら、
誰だって、「ああ、わかりました、辞めればいいんですね、そんなの望むところです」
って言いたくるし、そこまで言われてここに長居する理由もないし、みたいな」


あぁ~なるほどね。
そろそろ、この辺がタイミングかな?
絶好のチャンスが来たと思ったので、ちょっと投げてみる。


「ぐっちゃん、あのさ(言葉を遮る)、
今話してみて感じたんだけど、
私、ぐっちゃんと話していると悲しい気持ちになるんだよね。」


「???」


「ぐっちゃんと話すと、自分が傷つくの。悲しいの。
だって私は少しでも自分が力になれればと思って電話しているのに、
『いいんですけど』『いいんですけど』って拒否してるじゃん。」


(ちょっとウソー(笑)
そんなことちっとも思ってません。
でもこの辺はロジカルにいかんとね。)


「………」


「いつもそうだよ?何かお願いしても、
ぐっちゃんは一度だって、『はい』とひとことで快諾したことがないよ?
『今忙しいんですが…はい、でもやります』
『個人的には気乗りしませんが、
はい、でもやらないとダメなんですよね、はい、わかりました』


そうじゃなくて、これこれこういう理由で『できません』と言ってくれたら、
時間を延ばすなり、自分でやるなり、そのときはあきらめるなり、
ぐっちゃんの動きやすいようにできるだけ協力してあげようと思っているのに、
いちいちその言い方だと、私、拒否されてんのかな~?嫌われてんのかな~?
って、くよくよ考えて(ウソ(笑)!)私、悲しくなるの。傷つくの。」


「……」


「掲示板の件だってそうでしょ?
私、おととい、ぐっちゃんとAさんとBさんに、
それぞれあるファイルのメール送信をお願いしました。
AさんとBさんは、掲示板ですぐに了解のコメントをつけてくれて、
実際にすぐに送ってくれました。
ぐっちゃんはどうなの?
電話でその件について部長がどうこうという話はされたけど、
掲示板で書いた私のお願いに対しては、
今もレスがないしメールも送られてこないし、
放置されてますよね?これはどういうこと?」


「それはですねぇ、ご依頼のファイルに関しては、
まだ確定というわけではないので、一度Cさんと詰めないと…」


「じゃ、なんでそれをすぐに書いてくれないの?
私、あの3人の中でぐっちゃんからのメールを一番待っていたんだよ?
『まだかなぁ?まだかなぁ?』って、ずーっと待っている私の気持ちわかる?
しかもあのままでは、掲示板を見ているどの人の目にも、
あなたが回答をつけていないのはすぐわかるでしょ?
その一点だけでも、やるべきことをやっていないと皆は思うし、
そういった行動のひとつひとつが実は周りの人を傷つけているんだよ?」


「あぁ、、、、、」


「それにおととい、伝票の記入ミスをしたよね?
それで残高が合わなくて皆でチェックしてたよね?
その前も、何かの締切忘れたでしょ?
お手伝いで現場に入ると、やっぱりぐっちゃんのミスは少し目立ちます。
という事を考えると、部長の態度が他の人と違うのは、
当然だと思わなくてはいけないし、私この件は、
部長の方を、もっともだ、と思うよ?」


「えぇ、まぁ、そうですね。。。」


ちっとも褒められたフィードバックじゃありませんが(笑)、
相手に対して「自分にはこう見える、自分はこう感じる」
という内容を相手に伝える事を、
コーチングではフィードバックと言います。


適切なフィードバックは、通常一行でシンプルに伝えるのがベストです。
そして伝えただけで、その後の判断は相手に任せるのが手法です。
ここで決して指導や助言に入ってはいけません。
それを聞いて、相手がどう思い今度の行動をどう変えるかは、
相手の選択に委ねます。


なのでコーチングの王道は踏み外しているフィードバックなのですが(笑)、
ただし私なりに自分の鉄則は厳守しています。
それは、主語を自分(私=アイ)にすることです。
私は悲しい、私は傷ついた、私はこう感じた、等々。


それと決して相手の存在や主体(人としての有りよう)を責めないということです。
話題として取り上げているのは、その人の目に見える行動のみ、事実のみ。
そうしてあげないと精神的なダメージを与えてしまうという理由もありますが、
実は(厳しい話ですが)事実を指摘されると相手は逃げられないのです。
言い訳は山のように出てくるかもしれませんが、事実は認めざるを得ません。
なぜなら、それはすでに起こった誰の目にも明らかな「結果」だからです。


私はふと、ある傲慢なアイデアを思いつきました。


「ぐっちゃん、あのさ、ものすごくワガママで傲慢で信じられないお願いしてもいい?」


予告することで聞く耳を持ってもらいます。
ましてやこのタイミングですから(笑)、
彼は私の言い分には従いやすくなっているはずです。
(それは「読み」です^^)


「ぐっちゃんて、車持ってる?
確か自分の車で外歩きするから、
自転車でも来れる距離だけと自家用車通勤だったよね?」


「はい。」


「じゃね、お休みのところ悪いけど、
今から今すぐ車で会社に行って、
あの掲示板の私の書き込みに回答付けてください。」


「え?今ですか?」(外は大雨)


「今です。今すぐです。早いほうがいいです。
一刻も早いほうがいいと思う。
今なら間に合うはずです。
何に間に合うのか自分でもよくわからないけどさ、
なんか、急いだ方がいいと思うんだよ、こういうのは。」


「えーと確か、あそこには…自宅からもアクセスできたような…」


「え?自宅にパソコンないって、この間言ってたじゃん?」


「いや、あるんですけど、あるに入らないスペックのしろものです。」


「じゃ、すぐに立ち上げて。」


「はい。」


ところがこれが、彼の言うとおり起動に半端ない時間がかかるようで、
彼、ついに自宅PCを断念しました。
言おうか言うまいか、一瞬迷いましたが思い切って言ってみる。


「あのさー、どうせ家に居てもやることないんでしょっ!!」


ぐっちゃん、ツボにはまったのか大爆笑!!(言ってよかった。。。)


「つべこべ言わないで、未完了はさっさと終わらせる!
はい、今すぐ、車出して!
掲示板にコメントが付くと私のスマホにメールが飛ぶようになっているから、
ぐっちゃんが書き込んだのはこの場でリアルタイムにわかります。
だから、そうだね、時間を決めましょう。4時!(16:00)。
4時までならできるでしょ?私、今、駐車場に止めた車の中だけど、
4時までここでずーーっと待っているから、必ず回答付けて。
わかった?」


「はい!」


電話を切って窓の外を見ると、
すんごい土砂降り。大豪雨。
県内の幾つかの河川にも警戒情報が出されたようです。
こんな中で車を出させて会社に向かわせて、
掲示板にレスしろって言うのも無謀だと思うけど、
そうまでしても、完了して欲しいのさ。


あそこにぐっちゃんが何かを書き込んだら、
きっとみんながすぐに「お疲れ様」「了解」と、
暖かい返信をつけてくれるでしょう。
私にはたぶん部長が真っ先に労をねぎらうコメントを、
つけてくれるはずだ、という確信がありました。
部長は本当は心根が優しくていいやつなんです。
他人に不満を持った時のアプローチに問題があるだけで、
やるべきことをやった人間には暖かい人なんだよ。


それをさ、ぐっちゃんにぜひ体験して欲しいわけ。
部長からねぎらいのコメントが付くのをその目で見て欲しいわけ。


    *    *    *    *    *    *


15分後、私のスマホが鳴りました。
(あ~、すぐに向かってくれたんだな、うれしいね)


スマホで掲示板を見ると、ぐっちゃんが私の依頼に対して、
現在はこうなっているので、少し時間が欲しいという内容の、
返信つけてくれていました。


そうだよ、それでいいんだよ!


そしたらね、すぐに部長から、
「池口くん、お疲れ様です。了解しました、引き続きよろしくお願いします」
のコメントが!!!


おーーーー!部長!!!あんたいいやつ~!!!
このタイミングはナイスだよ!さすがです!
私もすぐにそれにレスを付ける。


そのスレッドは3人の間のやりとりが少し続き、
とってもいい感じでクローズしました。よかった。。。


    *    *    *    *    *    *


あれから、ぐっちゃんは何かに気付いたかな。
何か思った事があったかな。


次に会うときは、きっと今までとは違った感じで、
コミュニケーションが取れるはずって私は信じているんだよ?


ぐっちゃん、これからは「仕事」しようよ。
感情じゃなく完了を目指そうよ。
自分の気持ちでなく、他人の気持ちを考えようよ。


私、ぐっちゃんみたいない人が大好きなんだからさ、
どうせなら、いい関わり方で幸せな気持ちになりたいよ。


なんか次の訪問がとても楽しみになってきたぷらたなすでした。

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コメント

さすがぷらさん。お上手ですね。

彼も、きちんと説明すれば従う力のある人のようですね。
私は、以前ぷらさんにご相談したケースで、未だにというか、今まさに手こずっている最中なので、悲観的になってしまったのかもしれません。
また、機会があれば、ゆっくりお話ししたいですね。

【めろんぱんさん】
ありがとうございます。ちょうどいま、ぐっちゃんから電話が来てしゃべっていたばかりなので、偶然のタイミングにびっくりしました。お蔭様で、彼はいい感じです。もう普通に仕事仲間として私とは十分やれると思います。マイナスの言葉も後ろ向きの発言も何もなく話ができるっていいですよね。これが本当の仕事の姿だと思いました。今思えば最大のヒットトークは「どうせ何もやることないんでしょ?」でした。この言葉を境にガラリと関係が変わりました。これが最大の勝因だったかも。

そうですね、また久しぶりにお話したいですね!めろんぱんさんさんが担当されている方はお元気なんですね。それだけでも何よりで、私は少しうれしかったです♫

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