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2012.05.14

不思議な依頼

先週、登録のない番号から携帯にかかってきた電話をとると、
相手の方がいきなりこう言いました。


「パソコン指導お願いします。」


挨拶もなく、名前も名乗らず、
状況説明も何かの確認もなく、
電話に出た瞬間に、この通りの言い方でした。


本業ではありませんが、
前職が電話でユーザーサポートをするコールセンターだったため、
それを知っている友人達からよく質問をされます。
主に個人で仕事をしている士業やフリーランスの人達で、
以前はブログやスカイプ、一昨年はツイッター、
昨年からはフェイスブックを教えて欲しいとよく頼まれるので、
ホームページにも目立たないようにチョコっと記載しています。


ちょうど前日、「パソコン教室 フェイスブック ミクシー ツイッター」
というキーワードで閲覧があったので、
この方だな、と思いました。


でもまるで通販でモノを注文するような、
とてもあっさりとあっけない言い方なので、
大丈夫だろうか?と心配になって、
いくつか確認の質問を投げてみました。


特に料金は、私、お客様を絞り込む意味でも、
(本業があってあまりそこに稼働を割けないので)
少しお高めに設定しているので、
「ホームページをご覧になってのお問合せですか?」
「時間や料金もこちらでご了解いただけますか?」
と思わずすぐに確認してしまいました。


お話を伺ってみると、内容はPC指導ではないようで、
自分の個人情報がネットに流れていないかどうかを知りたい、
というものです。


特にツイッターやフェイスブックやミクシーで、
自分の事がどう見えているのか、
実際に私のアカウントで見て欲しい、とおっしゃるのです。


SNSで公開範囲の設定の確認をしたいのかな?
第三者からどう見えるのか、それを知りたいのかな?
そんなニュアンスに聞こえたので、
だったら可能と思い、お引き受けしてお名前などを伺い、
日時を決めて早速お会いしました。


    *    *    *    *    *    *


無表情でそっけない声の様子から、
私と同じかそれ以上のご年齢の方のように思いましたが、
実際には私より若い感じの知的な雰囲気の女性の方でした。


ただ、ご依頼の内容というのが事前の予想と異なり、
「私の書いた作文がネットに流れていないかどうか調べて欲しい」
と言うんです。


「え?作文?作文ですか?どんなものですか?」


「報告書のようなものです。」


「報告書。。。それには個人情報が載っているのですか?
それがどこかのサーバーにアップされていて、
検索で出てくるかどうかを調べたいのですか?」


「…そういうことはよくわからないんですが…」


「あ、すみません。では『ネットに流れる』というのは、
具体的にどういったイメージですか?」


なんかね、何を伺ってもあまり埒が明かないの。
受け答えにつかみどころがないし、
どんな事情で何が心配で何に困っているのかが見えません。


初心者さんだからというわけではなく、
知られて困る事情はぼかして伝えているというわけでもなく、
第三者が納得して行動に移せるような説明が、
できない方なのだと思いました。


    *    *    *    *    *    *


電話でのやりとりからピンと来ていたのですが、
この方は他人とうまくコミュニケーションが取れない人だね。


普通のお客様なら最初の電話の時にも、
「ホームページで見て電話しているんですけど…」などと、
電話のきっかけを話してくださいますし、
「これこれこういう事はお願いできるものでしょうか?」と打診し、
「実はですね…」と個別の事情を伝えてきます。


それによって私は、「なるほど、そいうことね」と理解して、
お受けできるかどうかの判断に入るのですが、
この方はそれが全くなくて、とにかく聞かないと、
いったい何をどうしたいのか、あまりよくわかりません。


実際に会ってお話をしてみても、
それだけじゃ何もわからないし何もできない、という説明がほとんどで、
何度も何度も深掘りして尋ねないと、
意思も状況も真実もなかなか伝わってこないんですよね。


「◯◯さんの報告書がネットに公開されているとすれば、
それはどういう理由やいきさつが考えられるのですか?
または担当者のミスでそうなっているのが心配という事ですか?
それとも、◯◯さんに悪意を持っている人の心当たりがあって、
その人が故意に嫌がらせでそういった事をしそうな状況なんですか?」


ソフトに穏やかに尋ねているつもりでも、
こんなに質問ばかり連発されたらやっぱり感じ悪いよね。
だけどやっぱりつかめないなぁ。


具体的に答える必要はないので、
差支えない範囲で…とお願いしてやっとわかったのが、
「5年前に社内の数人が1台のPCに集まってその報告書を読み、
口々に感想を語っているのが遠くから聞こえた」ということですが、
それだけじゃちょっとね。。。


当初伺っていたSNS関連のお尋ねも、
ご自身ではアカウントをお持ちじゃないんですね。
というか、教えたくないのかな?


色々と言いたくない事や伝えたくない事もあるのだろうと思い、
自分のPCで新たにユーザーを作って、
各SNSもダミーで新規にアカウントを作ってあげて、
「それじゃこのパソコンを使って、
少しご自分で調べてみたらいかがですか?」とPCを貸してあげる。


私は「これで自由に検索してみていいですよ」と伝えて、
PCに打ち込む文字や画面が読めない距離まで離れました。


平日の日中です。
先の電話で希望日をお尋ねした時も、
「空いている日で一番早い日」とおっしゃっていました。


ということは、今はお仕事していないんだね。
それを裏付けるかのように、
バッグから取り出したクリアファイルの中に、
広げて挟み込んである履歴書がちらりと見えました。
今からどこかに応募するのに、
応募先の担当者に見られたら困る内容が、
その「報告書」というものの中にあるのかな?


でもなぁ。。。


この人のこの受け答えの感じだと、
たぶんどこに行っても長続きしないように思います。


頭のいい方です。
申し訳ないことに私は目がいいので、
履歴書で一瞬学校名だけは見えてしまいました^^


ですが言葉数がとても少なく、
お話を伺ってもなかなか核心をつかみづらいので、
面接もきっと通りにくいでしょうし、
もし派遣だとしてもきっと短期で契約終了になるかも。
物事を相手の納得が得られる形で、
きちんと説明ができなければ、
他人との齟齬や感情の行き違いも多いかもしれない。


たぶんそれですっかり自己価値が低下しているし、
他人に対しては疑い深く、半ば被害妄想的な考えに、
なっているのではないかしらね。


たぶんアスペさんなんだろうな、と感じるけど、
その場合は、自分がなぜ仕事が続かないのか、
なぜこうもどこに行っても受け入れてもらえないのか、
なかなか理解ができない事が多いため、
毎日が不条理の連続で心身の健康にも影響出てくるよね。


彼女が私のPCで調べ物をしているときに、
何かの確認で出した紙のようなものが手元から落ちましたが、
それは職務経歴書でした。
遠目で内容まではよくわかりませんでしたが、
20以上の会社がリストアップされていたように思います。


そうなのよね。。。
やっぱりね。。。
たぶん、ずーっと短期&短期で働いてきて、
ここにきて、ふと前に進めなくなったのではないかしら。
私にはそんな風に思えました。


    *    *    *    *    *    *


長い時間が過ぎた後、
「やっぱり具体的な事がわからないとダメですね。」
と、彼女がPCを離れました。
結局、お尋ねの件はわからずじまいでした。


これでは正規料金は取れないと思い、
オマケした金額を受け取り領収証を渡すと、
お母さんが迎えに来ていました。


「わかったの?」
「やっぱりよくわからない。」


私はお母さんにも簡単に色々説明しました。


もっと詳しい状況がわからないと何とも言えない事。
具体的な手掛かりないと検索もできないし、
もしパスワードで保護されているようなところで、
◯◯さんのことが話題になっていたとしても、
それはこちらではわかり得ないし、
逆に他の第三者にもそれはわからない等々。


私はその道のプロじゃないので、
この説明でよかったかどうかも疑問ですが、
お母さんがこう言いました。


「そうですか。ありがとうございます。
最近、不安で眠れないって言うんですよ。
心療内科が先か、こっちを調べるのが先か、
迷っていたようでしたけど。」


え、眠れないのね、そりゃまずいわ。
食欲もなくてやる気もまったく起きないなら、
ウツの始まりかも。(←私の心の声ですよ?)


「あのぉ、体調に関しては、
早めに病院で受診されるのがいいと思います。
『眠れない』というのはあまりよい事ではないので、
信頼できるお医者さんに診てもらうのも方法だと思いますよ。」


そう伝えるのがせめてものアドバイスだと思いました。
先方から見れば、私はただのパソコンの先生なので、
そうお伝えするにとどめて、私たちは別れました。


あの人、どうしたかなぁ。。。
ちゃんと病院行ったかな。
いいお医者さんだといいけどな。
それともあのままだろうか。


前の仕事で、
仕事がうまく行かないたくさんの人を見てきましたけど、
こんな方に出会うと、今でも色々思うことが多い私です。

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コメント

こんにちは。
つい、専門からみてしまうんですが、この方、妄想があるようです。
統合失調症か、非定型の精神病か、どちらにしても、早めに病院に受診されたほうがいい方でしょうね。

まったく関係ないのですが、昨日、学会の分科会で、開業を考えている心理士の情報交換の場に参加しました。が、あまりにも内容が悲しく、「開業で生計を立てるのは無理」という結論でした。心理の専門家の方たちは、営業努力をまったくされないのです。HPを作ることさえためらうのに、「ケースが来ない」と嘆いているのを聞き、すごく疑問でした。
開業仲間が欲しいな・・・と思う今日この頃です。

また、ぷらさんとそのあたりのことを、お話しできたらいいな。

【めろんぱんさん】
コメントありがとうございます。自分もそう思いました。本文では書きませんでしたが、実際は「心療内科にいったほうがいいものか…」とお母さまがおっしゃったんです。心療内科って微妙みたいですね。聞いた話ですが、内科の先生でも看板出せるのでお薬を出すだけで根本的なところをあまり見てくれない先生もいらっしゃる聞きました(違ったらごめんなさい)。ですが、人目を気にしてなかなか精神科の門をくぐらない方が多いとのこと。なのでこうお伝えしたんです。「外聞を気にせずに経験が豊富で信頼できる精神科のほうがよいかもしれませんよ」って。

「開業で生計を立てるのは無理」の件に関しては、コーチングでも似たような考えがあります。私も当初そう思っていました。お金(それほど安くない)金額を払ってまで受けたい人なんているんだろうか?って。でも実際に動いてみるとコーチングを受けたい方は確実にいらっしゃいますし、そうでなければ「お金のある方を探す」という方法もあります。「クライアントなんていない」「コーチングに対価を払う文化がない」というのは、最初からあきらめていることなんですよね。最初から無理と思っているから努力もできないんだと思います。もしクライアントサンは探せば確実にいる!という確信があれば、人はもっと頑張るはずなんですよ。

私たちの周りでは今はそういった声は聞こえません。なぜなら私も(ブログでよく話題にする)友人の”やぶきま”もかろうじて食べていけてるし、そういう人が実際にいることは後輩達のいいモデルになるはずだと思っています。めろんぱんちゃんも、ぜひ、後輩たちのモデルになって欲しいです!!「食えている」人が現実にいることがわかれば、あとに続く人たちは目の色が変わってくるはずです♫

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