講座の感想~感想を言えない人~
講座の最後にアンケート用紙を配って、
皆さんに感想をお尋ねしています。
よかった点よりも悪かった点のほうが次回の参考になるので、
自分が主催する講座のときには、質問を工夫して、
できるだけ悪かったところをすくいあげるようにしていますが、
物忘れ講座は自分が主催ではなかったたため、
主催者がいつも使っている既定の用紙による、
ざっくりしたアンケートになりました。
今回はそこで面白いと感じた事がありました。
通常、感想と言うと、
「参考になった」とか「楽しかった」とか、
自分が受講してみて感じた事を、
用紙に書いて来る参加者が大半なのですが、
今回の物忘れ講座で、ある男性からのアンケート回答が、
他の方達とは異質だったので、思わず目にとまりました。
そのアンケート用紙には、
「気が付いたらすぐやる」「具体的な対策が大事」など、
結論的な項目が箇条書きで書いてあり、
私などはつい、(これって"感想"なのかしら?)と思ってしまいます。
その前に2度行った、
skypeでのDiSC講座でもそうだったのですが、
いわゆる(こちらが思っているような)感想を、
言えない人っているんですよね。
自分が思うに、感想というのはその字の通り、
感じたり想ったりした心の動きだと考えていました。
言い方としては、「よかった(と思う)」「悪かった(と思う)」、
「ためになった」「疑問が解けてうれしかった」「難しかった」など、
受講中や受講後の自分に沸き起こった感情や気持ちなどを、
相手に伝えたり共有するためのメッセージだと思ったのですが、
そうはならずに、結論や事実を書いてくる方が一定数いるんです。
DiSCの講座のときにも、最後にそれを尋ねたら、
「全体的に正しい説明でした」という感想だったため、
「ではあなたはそれに対してどう感じましたか?」
と聞いてみたかったのです。
が、その方はそのときのDiSC講座で「C」が高いという結果が出て、
感情よりも事実やデータを見るほうの特性があると判断されるため、
苦手なんだろうな、と思いその質問はしませんでした。
自己分析や自己評価などをするためのシートやプログラムを、
アセスメントツールなどと言います。
DiSCを含めいくつかのアセスメントツールの考え方では、
人の行動傾向を大きく4つに分類して、
その特性ごとにベストな接し方や伸ばし方を探っていくのが、
共通の発想だと思います。
(中にはもっと細かい分類のものもたくさんありますが)
物忘れ講座で結論を箇条書きした男性も、
DiSC講座で「説明が正しかった」と述べてくれた男性も、
(他人に対しても自分に対しても)
感情はあまり見ない傾向があると思われるので、
感想を請われれば、それが偽りのない感想であって、
本当はそれでいいのです。間違いでもなんでもないんです。
けれど講師側の気持ちとしては、
自分の話した内容が相手に対してどのように響いたか、
そちらのほうを主に知りたかったりするので、
その感想だと相手が何を思いどういう印象を持ったのか、
よくわからない感じがするんです。
自分勝手な発想ではありますが、
講師が一番知りたいのは参加者にとってこの内容が、
よかったか?悪かったか?
参考になったか?ならなかったか?で、
反応が悪ければ次回は内容や資料や進め方を修正しますし、
アンケートというのは、その指針となるものなんです。
そのための、アンケートなんです。
決して人数の多くない講座ですが、
実際には内容によって色々な方がやってきます。
もし万が一、事実やデータを重視するタイプの人が多かった時には、
どうすれば受講者の満足度が上がるのか?
ところが現実にはそのタイプの人達から、
次回につながるような適切なフィードバックを受け取る事って、
本当にないんですよね。
そこで私はDiSCで「C」だとすでに分かっている、
コーチ仲間のやぶきま(40代前半女性/仮名)にお願いして、
時間を取ってインタビューをさせてもらうことにしました。
題して、「C対策を教えてけろ~」(笑)
※DiSCは血液型のようなタイプ分けではないので、
分類やタイプ分けという言葉を嫌うのですが、
ま、わかりやすいので、今回は勘弁してもらって、
その表現を使わせてもらいます。
彼女は「C」なので、「I」の高い私のように、
「だったら任せて!」などと気のいい安請け合いはせずに、
「え、いったい何を話せばいいの?」と、
当初は疑惑で首をかしげながらその真意を探りますの^^;
そしてこちらの主旨に理解と納得が得られると、
ようやくいつもの口調が戻って、
「そういうことならいいよ!」とそこで初めて快諾のお返事。
そういうところも、Cは慎重派なんですよね。
* * * * * *
そしてこのインタビューがとても参考になり、
非常に面白かったです。いい勉強になりました。
やぶきま曰く、
「Cは物事の正しさにこだわるので、
何をやるにもこれでいいのかな?と考えるんだよね。
で、自分の中でどんどん精査していって、
最終的には無難な事しか言わないの。
やればやるほど、つまんない結論になってしまって、
そこは自分でも「私ってちっとも面白くないヤツだな」と、
結構気にしていたりするんだけど、
そういう特性だからしょうがないんだよね(笑)」
やぶきま曰く、
「感情とか感想とか言うのは、
何が正しいというのがない世界だからCはそういうの苦手。
なのでCから、
ぷらちゃんが思っているような感想を引き出すのは無理。
あきらめたほうがいいよ。あきらめなさい。」
「いや、それは十分わかってるよ。
でもさ、講座のフィードバックとして次回につながるような、
情報が欲しいんだよね。」
そうなの。
それに固執してこだわっているわけではありませんが、
一度、「どうしたらいいのかな?」と思ってしまうと、
自分が納得の得られる回答を得るまでは、
どこまでも探究してしまう…これも性質(タチ)なんですよね(笑)。
やぶきま曰く、
「あ、だったらね、最初から枠を10個ぐらい作っておいて、
そこに書かせるといいと思うよ?
Cはカンペキ主義でもあるので、10個用意されたら、
絶対に全部埋めようと思って、時間を掛けてでも完遂すると思う。
いや、これホント。
シーンとすごく集中して、カリカリと本気で書き上げると思う。
基本的に手は抜かない。家に持って帰ってでも仕上げると思うよ?」
「がはは!わかる!なるほどね!
でも、事実や結論がリストアップされるだけなら、
こちらにとってはあまり次回につながる感じがしないけど…」
やぶきま曰く、
「うーん、うーんと…ちょっと待ってね、今、考えるから。
あ、そうだ。質問を工夫して、Cが答えやすいものにすると、
いいと思うよ?」
「たとえば?」
「あなたがこの講座で理解できたことは何ですか?とか、
今日初めてわかった事を書いてください、とか。
これだと、ちょっとはぷらちゃんの得たい情報が得られるんじゃない?
とにかく、感想とか気持ちとか言われるとすごく答えにくいので、
事実を問う形式の設問がいいと思う。」
な・る・ほ・ど!さすがCだ!
Cの事はCに聞け!だね!
私はやぶきまのこのアドバイスに心から感服しました。
先日行った某組織の研修でも、
その組織の特性として感情表現が苦手な方が多かったのですが、
(その組織は感情表現はしないほうがいい職種)
私はうっかりこの事実を忘れて、
つい、「どう思いましたか?」などと聞いてしまいました。
結果として、「○○については順番が間違っている」
「△△に関する説明に不足がある」などと、
その方達が今まで受けて来た業務的な研修と、
人材育成研修とのスタイルの違いにばかり視点が集中して、
ワークやロープレがあまりいい形で成立せず、
最近の中では一番大きな反省点となりました。
(自分で考えるという行動を制限されてきた人達でもあるので)
この場合は、
「□□さんが先ほど述べたエピソードを聞いてあなたが考えた事を、
考えた通りにそのまま相手に伝えてください」とか、
「○○○な話だと思った、という言い方で述べてみてください」とか、
手法を細かく指示して引き出さないとダメなんだな、と思いました。
感想という言葉一つとっても、
私や私と似たタイプの人同士の間では、
「だいたいこんな感じ~」という暗黙の認識があって、
それはお互いに言わなくても合っていることがほとんどですが、
こと、自分とは異なる特性の人に対して、
それが通用するかといえば、そうでない事も多く、
自分の伝えたい内容を様々な人に等しく伝えていくためには、
それなりの工夫が必要だと今はすごく思っています。
* * * * * *
最後に余談になりますが、
物忘れ講座で他の人とは違う感想を書いてきた男性は、
実は、告知を見ての申込みではなく、
主催者の奈良さんのお知り合いでした。
うん、そうだよね。それを知ってすごく納得。
なぜなら私、物忘れ講座になんて来る人は、
基本的にそこそこ話好きだけどどこか抜けている、
おっちょこちょいの女性がメーンだと思っていたからです。
結果として残りの女性達はまさにそうだったのですが、
その男性は部屋に入って来た時からとっつきにくい感じで、
表情も険しく無口で、話しかけにくい雰囲気でした。
その方が自分の失敗に関して奈良さんに色々話したところ、
奈良さんから、こういうのがあるから出てみない?と言われて、
参加したということでした。
ただ私の個人的な印象としては、
この方は職場で周りの人達とうまくやっていけているのかな?
と感じ、心配な面も感じました。
時間中、講師の私とのやりとりの中でも、
お尋ねした質問に対して回答がズレていて、
残りの参加者の方が「え?」と感じてる場面が、
何度かあったからです。
だけどこの方、あとで名刺をもらってびっくり!で、
私もよく知っている会社の2代目社長さんなのかもしれません。
(所属団体ののほうの名刺だったので、実際は不明ですがたぶん…)
だったら、物忘れというお話以前に、
たくさんの部下を扱う会社のトップリーダーとして、
色々自分なりの課題や深い悩みもあるのかもしれません。
今思えばもう少し早めに気が付いて、
講座の内容に、その方にしかわからないその方へのメッセージを、
その方にだけヒットしやすい言い方で、
ひそかに盛り込んであげればよかったと思います。
※あとでわかったのですが、
奈良さんはこの方から継続的に悩みの相談を受けていて、
それで、奈良さんが参加を勧めてくれたそうです。
私は自分の活動とは別なところで、
何か力になってあげられることはないかな、と、
その後、思い始めました。
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