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2009.01.19

苦しい人選

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先週の土曜日、会社の同僚で、
採用担当の上川さん(30代後半女性/仮名)から電話が来て、
本来なら今日から現場入りするはずのスタッフが、
突然キャンセルの連絡を入れてきたとのこと。
先週の時点でまだ一週間あり、
いわゆるドタキャンではないのですが、
翌週から研修開始の予定だったので、
私達にすればドタキャンも同じよね。

電話は女性スタッフのお父さんからで、
「うちの娘には難しすぎる業務なので断りたい」と、
最初から一方的な話で、
上川さんがいくら「娘さんと直接お話をさせてください」
とお願いしても「家に居ない」と拒否。
その後、スタッフの携帯に電話を入れてもつながらず、
「ぷらさぁん、いや~参った。どうしよう…」

代わりの候補者の当てはなくはないが、
一人はその女性スタッフに決まったため一度断った男性で、
口数が極端に少なく、態度も顔立ちもぱっとせず、
電話の仕事にはあまり向かない印象に思われる、
20代前半の男の子。(うちの次男よりも若い)
前述の女性と一緒に、
2名の候補者として企業に打診したのですが、
「最初の会社を数ヶ月で辞めている。不安だ。」という理由で、
断られ、その枠は他社に持っていかれてしまいました。

そしてもう一人が、
「こちらの女性のほうがお奨め」と上川さんが推す、
20代後半の女性。
でも最近(というか前からだよね~)
うちの会社で推薦する人の質が悪く、
ここのところ企業の判断で短期終了が続き、
最近うちの評価は下がりっぱなし。

こうなると、仕事ができるさすがの上川さんも不安で自信が無く、
「ぷらさんも一度会ってどちらの人がいいか見て欲しい」
って言うのね。

今回のこの仕事は昨年まで自分が働いていた部門なので、
担当の社員さんの癖とか職場の雰囲気とか、
入れたときの他のみんなの反応とか、受け入れられ度とかが、
結構わかっているので、
それで上川さんもSOSを出してきたのだと思うけど、
上川さんがポイント高く評価している、
「高校のときに少しCOBOLをやっていた」という彼女の売りは、
逆に私には気乗りしない感じを助長させます。
だって女の子でそういったスキルを提示してきた候補者に限って、
いい人に会ったこと無いんだもん。

「でも、電話の仕事の経験者だし、経歴的にいい感じだよね」

うーん、それも個人的にはNOかな。
電話に関しては、職歴の有無は完全に当てにならないと思う。

「え?どうして?1年以上やっているのに?」

「いやね(笑)~、あなただってNG当落線上の赤井沢さんを、
企業さんをなだめてなだめて、交渉して交渉して交渉して、
一ヶ月で早々に評価が下っているのに、
何のカンの言って、もう半年以上も継続させているでしょ?
そういう場合もあるってことよ。」

そう、周囲のブーイングの声が高く、
皆に「本当にすぐにでもやめて欲しい」なんて言われている人が、
元の職場でも、もう6年目に入る。
応募者の履歴書は、それだけでは真相はわからない。
あるときは職場の軽い無視とあきらめの結果かもしれないし、
あるときは各社の涙ぐましいスタッフフォローの、
血と汗のにじむ結果かもしれないのだ。。。

えーもー、ホントにわかんない。
と上川さんがひとこと。
いや、それは私も同じだって。

    *    *    *    *    *    *

月曜日。

本来なら決まっていた女性スタッフの研修の開始日でしたが、
人が決まらないので当然研修を始めることはできません。
が、その日のうちに研修に入らないと時間が足りなくなるので、
私は午前中に二人の面談を頼まれ、
決まったら午後からそのまま即研修入り。
上川さんは職歴シートを作ってすぐに企業に走る予定に。
ドタキャンをドタキャンで終わらせず、すぐに人を差し替えて、
なんとしても受注を殺さない上川さんのその根性がとても好きだ。

彼女とは途中からペアを組むようになったのですが、
もう少し前から彼女が相手なら、私はもしかして、
もっと長く仕事を続けていたかもしれない。
決断力があって賢く潔く、そして数字には誰よりも貪欲。
いいね~。そう来なくっちゃ。
それまでの私は誰に対しても物足りなさを感じていたのかも。

    *    *    *    *    *    *

約束の10時。
本日最初の候補者の塩野さん(20代後半女性/仮名)と会う。
あれ?マスク取らないんだ。
私の視線に気がついたのか、
「あ、マスク…すみません」と少しだけ触れる。

「風邪なの?」「はい」

でも取らないんだよね。ま、いいか。

塩野さんは上がり症なのか、
初対面の私と向き合ってすごく緊張しているようで、
視線がよく動いて定まらないし、
しょっちゅう髪に手をやって落ち着かない感じ。
メモ帳を広げているのも個人的にはポイントダウンだね。

だってこれまた経験則で(以前にも書きましたが)、
面談時にメモを取った人でいい人に当たったことがないんだもの。
過去に最高にもめてトラブルの長引いた女性のスタッフがいましたが、
その方などは、人の話を何度か制止までしてメモを取っていた人で、
彼女のイメージからも私の印象はあまりよくないです。

念のため就活サイトなどを検索して見ると、
「メモを取ったほうがいい」と書いているアドバイスをよく見るので、
私はちょっとびっくりするのですが、
私は、純粋に自分が評価されるだけの場であれば、
メモは取りません。というか相手に失礼な気がして取れません。
(実は私と同じ感覚の面接担当者もそこそこいるみたいなので、
ちょっと安心します^^;)

就活サイトの感覚とはズレるかもしれませんが、
勤務日数、シフト別の出勤時刻や条件の提示は終わっていて、
うちからの仕事の紹介にOKをもらっている状況で、
その次の段階として、
「それでは現場で長くスタッフ管理をやっていた、
弊社の担当と会っていただけませんか?」
という案内で会社に来てもらうため、
「人間性の中身を見られるのだ」と嗅覚が働けば、
面談の場で覚えきれないほどの事は言わないと感じると思う。

なので逆に、
メモ帳を出すということは異常に物忘れが多いので用心しているか、
そのせいで他人に「メモを取れ」と常々言われ続けているか、
そう書いてあるのを見て自己判断せずに実行しているだけか、
または今後のために証拠として一言も漏らさずに残しておきたい、
とか…まぁ、こちらとしては、
ちょっと感覚が違う人なのかな?と思ったりするわけです。
あ、でもこれは、ユーザーサポートのための面接限定かも。
向き不向きで言うなら、メモ派は向かないと思うってことだね。

さてさて、塩野さんが大きなマスクをしているので、
顔が半分以上隠れていて顔立ちや表情がよくわからず、
なんとなくやりにくいな。それってとっても大事なんだよ。

「さっきから気になっていたんだけど、
マスクをつけたままなのは何か理由あります?」と聞いてみる。

「あ。咳がひどいんで…。取ったほうがいいですか?」
「はい。お願いしてもいいですか?
咳でちょっとぐらい風邪が移っても、
風邪のほうが逃げていくので大丈夫だから(笑)」

ジョークを言っても本当に笑わない人だなぁ…
何を話しても、相手の心に響いている感じが全然しない。
感情が動いているのか動いていないのか、手応えが無い。
よっぽど緊張しているのかなぁ。
でも、これから電話対応で、
お客様に怒鳴られたり、感情的に苦情をガンガン言われたり、
あまり緊張するタイプの人だと、そのうち体壊すよね。

いろいろ今までについて聞き取りをして、
ラストのいくつかの質問。これが結構重要かも。

「塩野さんは他の人から見て、
どんな風に思われていると思いますか?」

ところがこの質問の答えが一向に出てこないんです。

(あ~、自分を客観視するのは苦手な人かな?)

本当に長い間考えていて、それでも何も出ず、
質問の主旨を図りかねているような気もしたので、
「例えば私だったら、
元気で明るくて話好きな人と思われていると思う。
そんな感じいいよ?」と自分の例を出す。

「あ…うーん、…だったら、サバサバしている人?
サバサバしていると思われていると思います。」

サバサバしている人?サバサバか。
私から見るとクールでとっつきにくい感じにも見えるな。
ちょっと荒川静香似?

「人から見た塩野さんと実際の自分が、
合っていないと感じるところはどこですか?」
「前の仕事で得た塩野さんの強みは何ですか?」
「それが今回の仕事でどんな風に生かされると思いますか?」

塩野さんは、質問に答えるときに、
必ず少し長めの間をおくので、回答までに数秒の空白ができる。
もしかしたら「メモリを空けろ」の赤井沢さんと、
同じタイプの人なのかもしれない。
何か聞かれてもパッと浮かばないのかな?
回答はシンプルなのに、それを話し始めるまでに時間がかかり、
どう答えていいかわからない感じがよく伝わってくる。
(のちほど塩野さんは担当の上川さんに、
「質問に答えるのがすごく難しかった」と感想を述べている。)

最後に道案内。

「私が始めて塩野さんのおうちに遊びに行くとして、
最寄の駅からの道順を、確実にたどり着けるように、
説明してみてね」

「はい。電車を下りて駅から出ると、
タクシー乗り場があるのでそれを通過して、
右の道路をまっすぐに言って少し行ったら左に曲がって、
そのまま進んで角を曲がると私の家です。」

うーんやっぱり、ちょっとユーザーサポートには向かないかな…

あの20代前半の男の子はどうだっただろう?
そうだ、ボソボソしたシャベリだったけど、
私にわかるように伝えるために言い方を迷って考え込んだり、
要所要所で「ここでこれが見えるので」と私の視点に立ってくれたし、
確か看板などの目印も言ってくれた様に思う。

塩野さんは淡々とあっという間に終わらせちゃったけど、
自分のいつも見ている風景をそのまま簡単にトレースするだけで、
初めての人がわかりやすい具体的な目印もないし、
時間や距離など数字的な情報(←高得点!)はもちろん言わないし、
何より説明のための語彙が少なくて、
ちょっとこれではたどり着けないよね。

    *    *    *    *    *    *

面談を終えてオフィスに戻ると、
「どうだった?どうだった?」と上川さんが駆け寄ってきました。
「いいでしょ?いい感じでしょ?」

「それがねー、うーん、もしかしたら向かない人かもしれない。」

「えーーー!どうして~???見た目いいよ?
かわいくて第一印象は絶対に企業受けするよ?」

「そうだね。美人さんだし、
確かに彼女が皆の前でスーツで挨拶したら、
いい感じの普通の人が入ってきたと誰もが思って安心するよね。
ただねー、うーん、レクチャー中心の研修はいいけど、
実際にお客様対応の練習が始まったら、体壊す気がする。」

「えーーー?どうして~?」

私は感じたままを述べました。
横で聞いていた同僚の稲美さんは、
「私だったらマスクを取らない時点でNG。」と即答しました。

「そうなんだよね。私はつけているのは気にならないんだけど、
『咳が出てご迷惑になるので』と、
誰が聞いても正統と思われる理由を述べて、
相手に理解を求めないのはちょっとね。」

「私は挨拶とか礼儀とか、そういうのができてない人は絶対イヤ。
そこが至らない人はダメ。本当にマジでその場でお断り。
すぐに帰って欲しいと思う。」

あらら、稲美さん、昔からそうだったけど、
結構きついんだよね(笑)。
彼女は元の職場の他部門にいた他社のリーダーで、
昔、うちのスタッフを何人NG終了されたことか。
それが今、私の紹介と推薦で私の後任として来ているなんて、
ご縁ってなんだか不思議。

    *    *    *    *    *    *

二番目の候補者が連絡もないまま来なかったので、
20代男子と塩野さんのどちらがいいか?
という話になったのですが、
いやーー、これは難しすぎる。

塩野さんは顔立ちがよくて第一印象がいいけど、
20代男子は目つきが悪くてボサっとしていて、
第一印象が悪いので、
下手すると初日から「何アレ?大丈夫なの?」と、
口うるさい某社員から余計な突込みが入りまくるだろうし。
そのため正しく評価してもらえない可能性も。

一方塩野さんは最初はいいけど、
お客様対応する段になったら、
タフにこなしていけるか全くわからない。
人の気持ちを察知してわかりやすく話すのは苦手のようなので、
毎日そこを指導され続けたら健康を害するのでは?とマジで心配。
人って向かない事を強要されると体に出たりするんですが、
それに自分では気がつかずに必死に努力して余計悪化するなど、
なかなか厄介なんです。でもあくまでも憶測ベース。

うーん、難しい。

「上川さんは?」

「もうだめ。自分では決めらんない。無理。」

「いつまでだっけ?」

「いや、もう、今すぐにでも職歴シートを作って、
企業先に向かわないと。
スタッフの直前の差し替えはなるべく早いほうがいいから。
遅くなればなるほど、うちの評価が下がるし。」

だよね~。うーん。

よし。私は20代男子の野村君に座布団一枚!
野村君で行こう!
見た目がよくないし印象も悪いけど、
彼は回答が的確だったし、他人の視点でものを言えたし、
私は現場の人を見る目を信じたい。
見た目や印象でごまかされない人達だと思いたい。
問題を今から感じる人よりも、最初から見所を感じるほうで行こう。

苦しい人選だ。どしらも無条件にお奨めできるスタッフではない。
人材が豊富だった数年前ならどちらも即決で断っている。
でも今は、そういうわけにもいかないんだよね、とほほ。

    *    *    *    *    *    *

たった今、自宅でPCに向かう私に、
上川さんから電話が入り、
「どうしよう~?今日の野村君すごくいい感じだったのに、
三上チーフが何かと難癖をつけているらしいの。
野村君、研修中に目薬をさしたらしいんだけど、
うちのほかのスタッフに、
問題だ、人間性を疑う、って言ったらしい」

なにーーー?馬鹿ジャン、そんなの。
目薬をさしたのはもしかしたら眠かったんだと思うけど、
「研修中に目薬をさす」ぐらいで「人間性を疑う」わけ?
以前他の部門で、「研修中に居眠りをしていた」ということで、
会社に大きなクレームが入ったことがあったけど、
自分の事を思えば、そいつもちょっと権威主義的過ぎる。
いや、だって、講師がどうしようもないときは、
マジで眠くなりますよ?人って。
(ですが、そういった教え方しかできない人もいるんです)

最近は人もセンターもみんな、人の悪いところばかり見て、
変だよ、おかしいよ。
契約会社とクライント企業は価値観が合っていないと、
人選ひとつとっても不必要な迷いが出てしまい、
それが悪い目に出て、何もかもがチグハグになっていく悪循環。

野村君は見かけ以上にいい子で伸びる要素を持っているので、
もし事実と違う妙なクレームを担当者がつけてくるのなら、
うちは全力で彼を守りたい。

あー、でもこうやってつい戦略を練ってしまうので、
なかなか会社から離れられないのよね。
そうよね。今までの仕事は今もずっと好きだもん。
でも今はそれだけじゃ、ドーパミンが出ないの(笑)
もしかしたらそれが、
人材ビジネス業界全体の現状なのかもしれません。
 

 
 

 
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