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2008.01.13

サイストリー

年末から年始にかけてのいわゆるお正月休み。


その期間に、私が自分の興味関心を強くそそられ、
思いがけず高揚して、
一気に読み進めてしまったホームページがあった。


それは立花裕希(たちばなゆうき)さんとおっしゃる男性の方の、
サイストリーというサイトです。


確か、"脳のしくみ"とか"脳科学"とか、
そういったたぐいの検索ワードでたどり着いたはずですが、
脳科学だけではなく、心理学や精神分析などの、
豊富な知識を土台にした、
「『自由な心』を得るための方法論(健康法)」は、
コーチングという手法の不足を埋めるような、
サイエンスの知識を模索していた私の心に、
著しくヒットしました。
私は思わず、「そう!これだ!」と思いました。


私は現在"食っていけるプロコーチ"を目指し、
コーチングスクールのカリキュラムを一通り終えて、
今は認定試験の受験資格取得のために、
帰宅後も毎日のようにコーチングの予約を入れています。


その段階の、まさにひよっこの私が言うのも何なのですが、
コーチングというのは、すぐにでも大きく機能し始める人と、
そうでない人の差が大変大きくて、
そうでない人に対しては、コーチングよりもまず、
コーチングが機能するような人に、
クライアント自身を変えていかないと、
何事も始まらない…そんな風に痛感し始めたのです。


私が現時点で感じる"コーチングが機能しない人"というのは、
自分の様々な本音を自分で掬い取り、
それを自分にフィードバックする事がなかなかできない人達です。
発達障害の傾向をあまり感じない、普通の人達の中にも、
そういった特徴を持つ人はとても多いのです。


彼女達は、何をどう質問してもすぐに答えが返ってきません。
そうでない人が、何を尋ねても迷う事無く素直な本音を、
スラスラと言葉に載せてくるのとは対照的です。


彼女達は一回のセッションの中で、
まさにそれが肝心だよね!とこちらが膝を打つような、
重要なキーワードを何度も口にするのに、
振り返りタイムに本日の気付きを伺っても、
「別に何もない」と即答してしまうような人達です。


もちろん私の"腕"の問題もありますが(笑)、
あんなに素晴らしい気づきと発見の発言をしながら、
自分では全然そこに気がつかないなんてもったいないです。
この自分の素直な心情に自分でフタをしてしまている、
この状況は一体何なのでしょう。


そこをきちんと理論的に解決できるようになるためには、
もっともっと心理学や脳科学の知識がないとダメだな、
そんな風に思っていろいろ検索してたどり着いたのが、
立花裕希さんの「サイストリー」でした。


    *    *    *    *    *    *


サイストリー。


これ、サイ・ストーリーじゃなくて、サイスト・リーですからね。
これは管理人の立花さんの造語なのですが、
興味と関心のある方はぜひご一読してみてください。
もしかしたら、心身症的な体調不良でお悩みの方には、
何かのヒントになるかもしれません。


ボリュームの多いサイトを、
私のような一元の客が要約していいものかどうかも、
わかりませんが、要するに、
人が状況的に感じる様々な不安の中で、
苦手なのは性格のせいだ、と自分が信じている事柄にも、
実はそうなるに至ったそれなりの原因があることが多く、
(もっとぶっ飛ばして言い詰めてしまうと)
もしかしたらそのうちの大半は、
幼い頃の親子関係に起因する可能性が高い、
と、おっしゃっている文章群です。


脳の中では、同じ記憶媒体であっても、
大脳辺縁系の記憶と前頭前野の記憶の違いとか、
過去の記憶を手繰り寄せて文章化することの意味とか、
私にとってはひとつひとつに深く頷けてしまう様な、
知りたかった情報のオンパレードだったりするのですが、
その中でも"抑圧"という精神作用の説明がわかりやすく、
私はすべてのページを即日全部印刷して、
歯医者にまで持ち込んで熟読しておりました(笑)。


    *    *    *    *    *    *


サイストリーの説明を借りつつ自分の言葉で言い直すと、
"抑圧"というのは何かの原因のために、
幼い頃の記憶を封印してしまう脳の働きの事で、
(だから自意識の中ではなかった事として抹殺されている)
自ら必死に探ってもなかなか呼び出されてくれないばかりでなく、
時にはこれ以上自分が傷つかないように、
美しくて感傷的なストーリーに、
無意識のうちに書き換えられちゃっている場合もあるような…j
何とも自分では意識的に制御できない、
記憶を閉ざしてフタをしてしまう作用の事です。


じゃ、なんでそれが大事かと言うと、
分別がつくようになってからの記憶というのは、
言葉という論理的なツールを通して記憶する事が可能なので、
思考や分析や自意識などの、人が人であることを司っている、
前頭前野という部位に意識と共に記憶されるらしいのです。


ですが、言葉が未発達な時期に経験した、
自分にとってのよろしくない思い出は、
五感と共に原始的な感情として、
大脳辺縁系(動物的な脳部位)のほう記憶され、
やがて抑圧されて、いつしかなかった事になってしまっても、
記憶としてはずっとそこに存在し続けているので、
五感が当時と同じ状況である事を察知すると、
その記憶が正体不明の不安となって、
当事者を不安定な気持ちにさせる。
でも、本人はその原因がなんだかわからない。


私が自分なりの把握で解説すると、
上記のような説明になります。
そして以下、解決策を教えてくれれているのですが、
私はこの一連の文章に出会って思わず、
「これだ!」と思いました。


私がコーチングセッションのときに、
一部のクライアントさんに感じる、
「フタをされている感じ」というのも、
もしかしたら似た理由に寄るものかも知れません。


    *    *    *    *    *    *

そんなわけで、自分としては貴重な新しいヒントを得たような思いで、
新年への決意を新たにしていたその時期、
それと時期を同じくして、
前出の上山君の契約終了話が出てきた

詳細は前の4回分の日記で書き切ってしまったので、
ここで再び文章にすることはありませんが、
上山君もまた、私達の業務である電話対応への妙な不安と、
それが原因と思われる体調不良や、
拒否感ベースのNG行動が目立つ人だったので、
私は突然思ってしまったのだ。
「これってもしかして、上山君にも有効なんじゃない?」


    *    *    *    *    *    *


1月4日金曜日。


一回目の面談の後、
私は彼が自転車を置いているという自宅近くの最寄り駅まで、
車で送っていった。


一昨年の夏、
彼が長期休暇を希望して提出してきたのが、
抑うつ神経症の診断書。


今の私は検索などで本物の"うつ"と抑うつ神経症は、
別物らしいと把握できてきましたが、
1月4日当日の私は、
休憩時に細川さんが見せてくれたその診断書の、
"うつ"という文字が脳裏から離れず、
「自殺の危険があるので、本人の意思確認を経なくても、
雇用側が強制的に当事者を病院に連れて行っていいのって、
あれ?うつだっけ?違ったっけ?あー何かあったような…」などと、
惜しくも2点足りなくて落ちてしまった、
10月のメンタルヘルス検定の勉強内容を、
必死に思い出そうとしていた。


いずれにしても平常心を失った上山君が、
心がここにない夢遊病者のように、
JRのホームから無意識に線路に転げ落ちるなんて事は、
絶対にあってはならない事なので、
せめて行ける所までは、と思い、
私は彼を自分の車に乗せて、
彼が「そこまででいい」という某駅まで送って行った。


そして道すがら、私は彼に聞いたんだよね。
「上山君、上山君のお母さんてどんな人なの?」って。
そうしたら上山君はこう言いました。
「うちの母親は、できないものはできなくていい、
できる事だけを一生懸命にやりなさい。
そう言ってくれるような母親です。」


え、全然問題ないじゃん~?


が、上山君がすかさず、
「母親というよりはむしろ父親が…」


ぷら:「え?お父さん?
じゃ、お父さんのほうはどんな人なの?」


上山:「うちの父親は厳しかったですよぉー。
もういろんな事がスパルタでした。
逆上がりができないとわかると、
毎日鉄棒のある所に連れて行かれて、
できるまで練習させられたり。」


ぷら:「辛かった?」


上山:「いや?今思えば、
そのお陰で忍耐力や根性も身に付いたし、
うちの父親にはむしろ感謝しているぐらいです。」


ぷら:「でも毎日鉄棒のある所に連れて行かれるなんて…
本当は怖かったんじゃないの?
つかさ、お父さん、よくそんなヒマあったね?(笑)。」


上山:「あ……。そういえば今ふと疑問に思ったんですけど、
なんでウチの父親は、
毎日自分を公園に連れて行くことができたんでしょうね?
あれ?あれって俺が夏休みとかの話だったのかなぁ?
小学校低学年だったというのは記憶にあるんだけど、
そう言われるとなんだか全然当時の事を覚えていないですね。」


上記の話も、前述の父に感謝しているという話も
サイストリーで言うところの"抑圧"って事なのかな?
なんだかすぐにあっさりと、
「記憶にない、覚えていない」という事柄が出てきたので、
ちょっとびっくりする。


その後上山さんは、泳ぎができなかったので、
毎日お父さんにスイミングスクールに連れて行かれ、
結果的に泳げるようになったのでこれもまた感謝している事。


理数系である父親に、算数が苦手な自分を不満に思われ、
毎日勉強させられた事などを淡々と語ってくれた。


ぷら:「算数の勉強はその後どうなったの?」


上山:「中学生ぐらいになっても同じなのを見て、
俺には向かないと気がついたんじゃないですか?
たぶん母親も、裏ではそんな話を、
きっと父にしたんじゃないかと思います。」


なるほどねぇ。お父さんは理数系なのねぇ…


ハッ!!!!!!!!そうだっ!!!!!!
上山君が平常心を失うお客さんて、
みんな物言いが理屈っぽくて居丈高で、
どこか鼻持ちならないタイプのユーザーが多いよね?
もしかして、それってお父さん?
お父さんと同じタイプの人達なんじゃないの?


    *    *    *    *    *    *


そう気づく前にM駅に到着し、
上山君はとっくの前に私の車から降りていた。
一人での帰り道、私は「お父さんなんだ…」と、
強い確信を得たような思いで車を走らせた。
だったら何か新しい指導方法も見えてくるような気がする。


でも、もう、遅い話だったのよね。
サイストリーの手法を取入れた研修を、
私が彼に試してみる機会もないまま、
彼は職場を去って行った。
そこに自分の悔いが残らないと言ったら、
それはウソになるだろう。


「精神論よりサイエンスを」


とあるメンタルヘルスのサイトで読んだこのキャッチフレーズに、
私はひと目で強い共感を抱き、
それは私が職場でNGと思われている、
スタッフを指導するときの強い基本方針にもなっている。
精神論が通用しないような人をも的確に育て導いていくのが、
指導者の手腕でもあり、自分の長年の課題でもある。


この一件を持って、
私はますます人を指導するときの、
サイエンスの必要性を痛感し、
そういったノウハウが欲しいな…と、
思い始めたのでした。
 

 
 

 
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コメント

サイストリーのサイト、まだ読み始めたばかりですが、とっても参考になります!
この方のサイトの別コーナー(きまぐれコラム)は私は過去に読んだことがありました。
関心ごとが似ていると似たようなとこに行き着くんですね。

それからコーチングって有効な人とそうでな人がいるらしいですよね。心の状態が健康でないたダメってことなんでしょうかね。

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こんばんは。私もここ最近知りたかったことの答えを得たようで、本当にすっかり読み入ってしまいましたよ!でね、実は私もなごふくさんと同じように、過去に訪問したことのあるサイトだったんです。だから、気まぐれコラムまで歩を進めてみて初めて、「あ、ここって前来た!」と気がつきました。
それから、私が感じる"コーチングが機能しない人"というのは、こちらからの何かの働きかけに対して"戻り"の少ない人です。その人の考えや思いつき、理想や感情は、言葉という音声に乗り確かなエネルギーとなって私に戻ってくるのですが、それがあまりない人に対して、コーチングは即効性がない気がします。口数が少なくても"気"が返って来れば調理してまたまた戻してあげることができるのですが、素材の提供がないとなんとも…という部分はあります。でも、最近少し解決方法が見つかったかな♪また、書きます。そのうちにね!
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こんにちは。
上川くんの話、うちの息子の切れ方にそっくりなんで、気にかけていました。
結局そういうことになっちゃったんですね・・・
うちの息子は、明らかにASなので、がんばっていい子にして、小さい子のするむちゃくちゃに耐えているのですが、むちゃくちゃという予想し辛いストレス(予想できないという事自体、大きなストレスですが。)に対して、ある一点、許せないポイントが来てしまうと、今まで我慢してたぶんも、ぶち切れ。ということになってしまうようです。

あと、抑圧についても興味深かったです。
私は、CAP(暴力防止プログラム)の方で勉強したのですが、こっちのスキルは、暴力による抑圧を、傾聴によって開放にむけることが、隠しテーマなので、そっちの観点から、ああ~!!と納得できました。
私も、母に職場に絶対来てほしくないですもん。(爆)
これ、反抗期で、しっかりお父さんと戦っていたら、上川くんは、ものすごく変わってたんじゃないでしょうか。
でも、そういう抑圧で、気付きが少ないと自分が何をされていたのか、分からないという問題もあるのかもしれませんね。

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あぁ、息子さんもそんな切れ方をするんですね。上山君は、面と向かっている人に対してはそうでもないんですけど、電話だと豹変するんですわ。誰が見ても少々自信なさげで気弱な感じのするキャラなのに、電話中にパチンとスイッチが入ると突然口調が荒く高飛車で、断定的に攻めるような感じで最高に嫌味っぽくなるので、ほとんどの人が「オマエ何様?」ってカチーンと来ると思うよ。数年前から周囲の頭痛の種だったので、昔の過去記事でもhttp://platanus.cocolog-nifty.com/monologue/2005/04/post_7.html
で頭痛めてます、私^^。でも、たぶん彼はメーンの体質としてはASじゃないと思います。
そうそう、彼ね~小学校のときにいじめられていたんだよね。なんと同じ職場のほかの部門に彼の同級生だったという人がいて、その人からお酒の席で聞いたの。でも、「あぁ、なるほどなぁ…」という感じだった。動きがのろくて走り方とかもおかしい、というのはよくわかるもの。
サイストリーだったかどうかウロ覚えですが、実際に虐待を受けた子供達に12年後(だったかな?)に面接したら、ほとんどの子供達はその事実の記憶がなかったというのを読んで、抑圧というのは、つまりそういう事なんだなぁと興味深く思いました。実は上山君も、お父さんにはすごく感謝していて、「あれもこれもオヤジのお陰」と言うのですが、最近の私はむしろ、親との不仲を明確に認識していて、感情的に憎んだり恨んだりしている人のほうが、体は健康なのでは?と思い始めているんですよね。(長くてごめーん^^)
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