スポンサーリンク




« 質問するのが苦手な人 | トップページ | 量ってほしいんですが^^1 »

2008.01.24

他人情報がない

この前の日曜日は、友人であるクライアントさんと、
ランチを食べながら対面コーチング。
実はこの人なんです。すべてに口が重く、
セッションもなかなか充実したやりとりにならずに、
コーチングがなかなか機能しない人って。

彼女、水野ちゃん(30代前半女性/仮名)は、
地元では一番の大学を出ていて秀才のはずなのに、
お仕事は、一見「さえない事務員」さん。
(学歴を聞いて私のほうがびっくりした!)
それは同世代の女性のように元気でタフな明るさがなく、
どんなにいまどきの服、いまどきの髪型をしても、
なんとなく"地味"と"野暮"を、
感じさせるようなキャラクターだからなんですが、
でも、仕事はすごいの!早くて正確!凡ミスがない!

細部に渡って細かくルール化されているような、
そんな作業が昔苦手だった私は、
若い頃の事務作業は結構ミスが多く、
それを自覚するが故の緊張感や焦りが、
更なるミスを生む悪循環だったので、
そんな私から見ると、
常に平常心と同じペースを保っている、
彼女の事務能力は秀逸に思えるし、
同じ仕事に就いている人達よりも、
ずっと優れているように感じます。
だから心から尊敬しているんです。
ネット好きで、私ととても話が合うことも、
親近感を感じる大きな要素です。

なんですが、私の知っているほかの人達同様に、
手腕のある女性事務担当者って、どこか雰囲気が固くて、
人としての柔らかさがあまり前に出ていないような気がします。
彼女もそうで、仕事中に仲間内で盛り上がるような事はなく、
周囲の少ない同職の人達と必要最低限の話だけをして、
必要な残業なら文句も言わずにバリバリこなすけど、
誰かと話が興じて職場に長居していることは絶対にない人。
終わったら帰る。すぐ帰る。
同僚と連れ立ったりせずに一人で帰る。

先日参加してコーチング勉強会で、
私は、自分の課題として、
「コーチングがなかなか機能しない人」というテーマを挙げて、
仲間達とディスカッションなどしたのですが、
そのときの私は、ずっと彼女をイメージして話をしていました。
私達のコーチは、「私の個人的な感覚ですが」と前置きして、
「自分は、エネルギーの返ってこない人…
コーチからエネルギーがただ出て行くだけで、
コーチングしていても疲れるだけの人…
そんな風にとらえています。」と言っていましたが、
非常に当を得た表現だと思いました。
なので、中盤を越えても水野ちゃんとへのコーチングは、
なかなか前に進まず行き詰っていました。

そういうときは朝から思案が続いていて、
出かけるのも少々億劫だったりするんですよね^^
でもまぁ、約束だからしょうがない(笑)。
お金もらってるし^^

    *    *    *    *    *    *

そんなわけで、日曜のお昼に、
パスタのプレートをはさんで向かい合った私達でしたが、
水野ちゃん、相変わらず口が重いです。
前の日記の猪飼さんと同じように、
何かを尋ねても「うーん…」と長く絶句するばかりで、
理想、イメージ、憧れ、意見、感想、思惑などの、
心を映す言葉がほとんど出てきません。

なので、私は突然思いました。

「やーめた!」(笑)。

元々友達だし、日曜にわざわざ街中まで出かけてきてくれて、
お金を払って一緒にランチまで食べているのに、
楽しいことや愉快なことがひとつもないまま終わってしまったら、
なんだか彼女に申し訳ない気がしてきて、
「もう、いいや、コーチングなんて!」とそっちは横において、
完全に雑談モードに入りました。

そして話題にしたのが、先の「質問するのが苦手な人」の、
猪飼さんの話とか、今まで担当したいろいろなスタッフの話とか、
差し支えない程度の情報で、
実際にあった事、それで自分が感じた事、思っている事などを、
延々と独演会状態で話したわけです。

実はコーチングは相手にしゃべらせるスキルなので、
コーチがあまり語ってはいけないんですよね。
手元のテキストにも、
「自分の経験を話すときは100文字以内で手短に」
などと書いてあって、コーチが一方的にベラベラしゃべるのは、
あまりよろしくない事とされているんです。
もちろん、ガチガチのセオリーではなく、
「相手が望めば何でもあり」といった柔軟さは当然あるのですが、
通常クライアントさんのほうから、「もっとこうして」という事は、
ほとんどないので、どうしてもそこにとらわれてしまうわけです。

で、 あー、一方的にしゃべっているなぁ、アタシ…」
などと自分で感じながら話を続けて一息ついたら、
(結局、やめた!といいつつ、コーチングをあきらめていない私^^)
水野ちゃんが今までにない感じの関心で聞き入ってくれて、
特にこちらから尋ねなくても、それについての感想を、
淡々と切り出してくれるんです。え…これって何?
今までこんなに話してくれた水野ちゃんを見たことない…

お?と思った私は、ここがチャンス!と思って聞いてみました。

「ひとつ思っていることを言ってもいい?
水野ちゃんて、何かを尋ねたときの回答が、
他の人より少し時間がかかるような気がするんだけど、
それはどうしてなんだか、聞いてもいい?」

「うーーーーーーんーーー、そうかなぁ、うーーーん…」

あ、またいつもの水野ちゃんに戻っちゃった^^

「実はね、さっき話したあるスタッフさんみたいに、
質問の苦手な人だと、
(私の仕事場である)ユーザーサポートの現場では、
とても苦労するのね。
じっくり聞き取らないですぐに結論付けをするので、
間違ったり、苦情も多いし、そうでなくても人見知りなのに、
余計に電話が嫌いになってしまって可愛そうなのよ。
だから、私、そんなスタッフのためにも自分の仕事のためにも、
水野ちゃんからヒントが欲しいの。」

「あぁ、あぁ、なるほど。」

「例えば、私がさっき話した某スタッフさんに聞いたように、
私達がもしこの場で、初対面のAさん、Bさんで、
何か声を掛けないと気まずい雰囲気だったら、
水野ちゃんは私になんて声を掛ける?」

「あぁ……そう…ですねぇ。。。
自分もその人と同じように、基本的に知らない人には、
自分から声を掛けないので…うーん…
でも…そうだなぁ…もし、共通の誰かを待っているというのなら、
『遅いですね』ぐらいは言いますかね。
でもそれで終わりですね。
私って会話の続かない人なんですよね。」

「あぁ、そうか。ここに共通の知人のCさんの存在があって、
その人を、初対面同士の二人が待っているというのなら、
確かにそれが一番だよね。」

「でも、あとは、また黙って雑誌を読んだり、
携帯をいじったり…
私ってそういう沈黙があっても、
全然苦にならないんですよね。
うん、そう。
会話ってそういえば必要な事しか言わないですね。
連絡事項とか何かの伝言とか指示とか、
伝えたい内容があるときだけ言うって感じで。」

そうか。水野ちゃんにとって、
確かにそのシーンでの声がけは、
伝えるべき必須の内容がないし、
であれば、言葉はかけない、と。
というか初対面の人とのコミュニケーション自体が、
必要な事じゃないんだな。。。

「ねぇ、水野ちゃん、今もじっくり考えながら、
言葉を選ぶようにして時間をかけて答えてくれたけど、
そういうときって頭の中では何を考えてんの?
研修や指導の参考にぜひ聞かせて!
こればっかりは、友達じゃないと聞けないし。」

私は手帳とペンを取り出して耳を傾けた。
あなたの話が私にとって必要なもので、
それは私の役に立つとても有益なもの…
なぜそうしたかと言うと、
今思えばそれをぜひ知って欲しい、
一種のパフォーマンスだったかもしれない。

「そうですねぇ…やっぱり、
まず、『こんなんでいいのかな?』というのはありますね。
なんかこう、もっとこう、違う事を言ったほうがいいのかな?
と、思いつつも、浮かばないから、この辺にしておけみたいな。」

「なるほど~」メモメモ。(やっぱりそういう事もあるのか…)

「あとは…やっぱり、考えても全然何も思いつかないって言うか、
そもそも全然考えていないっていう話もありますね(笑)。
あ、そっちのほうが強いかな。
(急に語調が強まり)
私、やっぱり、他人には興味ないんですよね。
昔からそうなんですが、人はどうでもいいんです。
だからその人の事を知りたいとか、仲良くしておきたいとか、
そういう事を一切思う人ではないので、
何かを聞こうとも思わないし、考えもしないっていうか。」

「あぁ、あぁ、参考になるわ、そういう事なのね。
あ…でもちょっと前は、
いろいろエピソードに感想を言ってくれて、
それは、質問をしたときの水野ちゃんとは、
ちょっと違うように感じたんだけど?」

「あ、やっぱり他の人の話は、
聞いていて面白いですよね。
だから、今日はとっても面白かったです。
私、営業さんやぷらさんのように、
会社からは一歩も出ないし、
長年会社の人以外と仕事する機会もないし、
知り合う機会もないし、
あんまり他の人の話って聞いたことがないんですよね。」

あ…

私、ふと思った。

確かに水野ちゃんは事務担当なので、
いつも会社に居て同職の数人の人達とだけ、
連携して仕事をしている。
そんな水野ちゃんは今の職場以外の人と触れる機会もないし、
そもそも「他人に興味がない」のだから、
機会があったってそうそう親しくはならないだろう。

…と、するとだよ?
そうか!水野ちゃんの頭の中には、
何かを述べたり行動したりするときに、
比較参照するような他人の情報が、
他の人よりもとても少ないんだな?!
(そもそも収集の気持ちがないもんね。)

なるほど!きっと他人情報がないから、
回答の候補も選択肢もなくて、
自分が実際にやることしかイメージできないのかも!
だ・か・ら、予想外の質問をされると答えが出ないんだね?
誰にでもすぐに浮かびそうな、
平凡でありきたりの回答さえ出てこないのは、
きっとそういう事なんだな。
おーーーー!なんか見えた気がする!!!

    *    *    *    *    *    *

今までの私は、
コーチは自ら雄弁であってはいけない事を忠実に守り、
しゃべらせよう、しゃべってもらおう、と思って、
質問のほうばかりを工夫してきたけれど、
水野ちゃんみたいな人に対しては、
たぶん有効じゃないんだね、それって。

水野ちゃんは、いろいろな人の話をすると、
共感したり、「それってこうなのかな」と推論したり、
「そういえば、それで今思い出したけど」 と、
自然に自分から自分の話を聞かせてくれたり、
材料を渡してあげると、あげた分だけ返ってくるトークがある。
何かのエピソードを聞くと、それに対しての感情は、
ストレートに出てくる人なんだね。

うん、そう。 そうだ、やっぱり他人情報だな(笑)!
こっちから材料をたくさん見せてあげて、
そこで初めて挙がってきた意見や感想を、
丁寧に掬い取っていけばいいんだね!
あー、そういう事もあるという事か。なるほどね~。

今回クライアントになってもらって初めて知ったのですが、
水野ちゃんは意外にもセミナー好きで、
東京に行ったついでに東京の各種のセミナーに参加したり、
読んでいる本は自己啓発関係の本が多かったり、
「へぇ、そういう人だったんだ」と少し驚いたのですが、
もし本当に何かの現状を変えたいと感じているのなら、
自分に何かを取り込もうとするよりも、
身近な他人の生き方や考え方、動き方や話し方などを、
真剣にその気で観察してみるのもいいように思う。

他人に関心のない水野ちゃんに、
「他人に関心を持て」 と言っているのではなく、
そのままのあなたでいいから、
他人をたくさん眺めて、たくさん傍観して、
そのたくさんの自分なりの感想をストックしていけば、
ある日何かが変わるんじゃないかなぁ、と、思うんだよね。

    *    *    *    *    *    *

さて本日は水野ちゃんとの電話コーチングの日でした。

今度はもう迷わないよ。

私は最初から飛ばして?
自分の話、スタッフの話、自分の親の話、小さい頃の話、
そういった話をたくさんした。
すると思ったとおりに、
水野ちゃんからはいい反応がたくさんあって、
「会話が続かない」なんて、とんでもない!
おしゃべりな女の子同士の普通の会話のように、
途切れる事無く話が続いて、今日はとても楽しかった。
ついでに散りばめたコーチング的な質問にも、
よどみなく答えてくれた。
おー、なんだか、階段を一段上ったような気がする。

水野ちゃんの残りのコーチングはあと数回。
いつも思うんだけど、こういう気づきや発見は、
毎回、終盤以降に出てくるんだよねぇ^^
もっと早くに思いついていれば、
水野ちゃんのコーチングももっとよくなったかもしれないのに…
(すまないなぁ…)

けれどもし今度、
水野ちゃんと同じタイプのクライアントさんに出会ったら、
ためらわずこちらがたくさん話してみようと思う。

「コーチングと雑談は別物ですよ。分けて考えてくださいね?」

スクールでそう教えられたことを思い出すけど、
私は、そんな事など気にかけないで、
自分の自由なスタイルでいったほうがいいみたい。

といいますか、コーチングだろうが何だろうが、
誰かに自分の話をきちんと聞いてもらうことは、
その人の心の安定にとてもいいことなので(健康にもいい)、
あまり人とおしゃべりする事のない水野ちゃんと、
まずは楽しく話をすること!
私はまず、そっちを最初に考えないといけなかったんだなぁ。
水野ちゃんも、実はそんな期待で、
クライアントを引き受けてくれたのかもしれないしね。

さて、そうなってくると、
今度はそれを新人研修でも使いたくなってくる私です。
近いうちに、人見知りの猪飼さんや、
他人に関心のない水野ちゃんみたいな、
行動を問う回答にすごく時間のかかる新人さん、来ないかな。

もしそんな人が来たら、今度は、
架空のAさん、Bさんの会話をまず私が演じて、
それについてどう思うかを述べてもらうことにしよう。
そっからだなぁ…ちょっと楽しみ。
やっぱり何事もイメージが大事で、
イメージがない人には、まず、イメージを。これだな!
でも、実際にそれをやっているときの私を想像すると、
落語家みたいで受けますね。
 

 
 

 
【人の性格と資質に関する最新の10件】
★他人情報がない 質問するのが苦手な人 だんご、だんご、だんご 持たざる人-顔をゆがめる- そいつは誰にも救えない 苦情はいつも同じ人 人にストレスを感じやすい人 前回の少しだけ訂正 じっくりマイペース型の受難2 (転んでもいい環境) じっくりマイペース型の受難 (続きを見る⇒




スポサーリンク

« 質問するのが苦手な人 | トップページ | 量ってほしいんですが^^1 »

.ビューティフルヒューマンライフ」カテゴリの記事

コメント

あ~そうか~。なるほど~。うんうん。
と最初っから最後までうなづきっぱなしで読んでます。

私はこれを読みながら思い浮かぶ人がいまして
その人はこっちからの問いかけに答えるときは間があります。
選択肢をいくつか挙げると「これに近いかなぁ」程度は返してくれます。
相手の問題点に関わる質問をなげかけると、押し黙ってしまいます。
その人に関係ない事柄(ニュースとか新商品と話題のもの)については、比較的早く答えが返ってくるんですよねぇ。

間があるのは、こんなこと話して大丈夫かなぁと、いつも相手の反応を気にしているらしいです。
なので、話の主導権を渡されると困るのでしょうねぇ。

その人はネットのチャットだとよく話すんです。
対面だと怖い?っていうのもあるのかもしれません。

----------------------------
なごふくさん、共感のあるコメントをいただいていたのにご返信が遅れてすみません。

>間があるのは、こんなこと話して大丈夫かなぁと、い
>つも相手の反応を気にしているらしいです。

そ!そ!そ!それっ!次に書こうと思っていた話がビンゴでそのお話だったので、「おー!」と思いながら読ませていただきました。でも時間がなくてなかなか書けないの^^タイトルは決まっているんだけどなぁ…
----------------------------

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54136/17808923

この記事へのトラックバック一覧です: 他人情報がない:

« 質問するのが苦手な人 | トップページ | 量ってほしいんですが^^1 »

スポンサーリンク

3か月継続で白歯実現!

介護の転職

経理の転職

無料ブログはココログ

★★★