スポンサーリンク




« 電気の話をする次男 | トップページ | パソコン買いました »

2007.05.02

「経験者」という職歴

向かいのビルに私が働いている企業の支店がある。
私の職場は「お客様センター」という名称になって、
かつての支店から枝分かれしたらしいのだが、
関係が切れたわけではないので、
たまに出向く用事があると、私はさほど広くない道を、
クルマの流れを見て横断し、書類や各種の申請用紙などを、
持参する。


先週その向かいのビルの1階で、
昨年退職したスタッフに出会った。
「ぷらたなすさん!」と、
はしゃいだような声で呼びかけられたので、
誰かと思って振り向いたら、
昨年の春に辞めた洞口さん(30代前半女性/仮名)が、
その場に居た集団の中から歩み出て、
私に声を掛けてきたのだった。


過去の記事は読み返すと至らない点が多く、
あまりリンクを張りたくないが、(でも張る^^;)
彼女は「体調不良によるリタイア」で退職した人だった。
見ると全員がほかの契約会社のロゴの入った、
名札をぶら下げている。


私は瞬時に状況が飲み込めた。
私の働く企業のその支店のほうで、
私が勤めている職場とは別に、
まったく分野の違う小規模なコールセンターを、
そのビルの一室に独自に立ち上げたのだが、
そのオープニングスタッフとして、
他社経由でやってきたらしい。


でも、私は思うよ?
洞口さん、本当にまた電話の仕事で大丈夫なの?って。


そんな私の心情を知ってか知らずか、
「あれから体調もすっかりよくなりまして、
お陰様でまたこうして働けるようになりました!
その節は、ぷらたなすさんには大変お世話になりました♪」
なんて、屈託なく頭を下げるんだけど、
私の気持ちはどうにも晴れない。


うちで長続きしなかったスタッフが、
他社の仕事に応募して、
(たぶん)電話の仕事の経験者として、
有利に採用されているのだろう。


心無い言い方かもしれないが、
「また同じことにならなきゃいいけど…」と、私は思い、
他人事(ひとごと)ながら、私はその契約会社の幸運を祈った。


すると今日はなんと、「連絡の取れない人」で、音信不通になり、
解雇に近いような措置を取るしかなかった、
繭香さん(20代前半女性/仮名)に、
そのビルのエレベーターでバッタリ会ってしまった!
え?彼女もここにいるんだ!


辞め方の経緯から考えて、おおいにバツが悪いのだろうが、
私も彼女には、複雑な思いがあって、
どう声を掛けていいかわからない。


結果、目が合って一瞬でお互いに目をそらしてしまったけれど、
先日の洞口さんとは名札の色が違うので、
リーダー格で入っているのだろうか?
契約会社の名前までは確認できなかったが、
うちの会社としては、再びの応募があったとしても、
二度とお仕事をお願いすることはないだろう。


用事を終えて自分の職場に引き返す途中、
なんだかため息が出てきた。


私達の仕事って、どうしてこう二層構造になっているんだろな。


ご存知のように私達の職場は、
非正社員の仕事の代表みたいな部分があるが、
それではなぜ皆がここにやって来たか?と言うと、
その理由は様々だ。


以前多かったのは、身分の安定よりも、
業種・業界に関心があってその分野でならなんでもいい、
と、やってきた人達。
また、大きな夢を持ちすぎて挫折し、
年齢が高くなってしまい方向転換した人達。


その他、かつての職場の雰囲気や上司とソリが合わず、
ストレスのない職場を望んで正社員を辞めた人や、
会社の倒産や不本意なリストラに合った一家の大黒柱の男性、
ご主人の病死や離婚など、
突然転職して本気で働かなければいけなくなった、
家庭のある相応な年齢の女性達など。


そんな様々な人達にはなぜか優秀な人材が多く、
中には家族の生活がかかっている人も多いため仕事にも熱心で、
皆、条件が悪いのを承知の上で、
「ここにつかまって生きていく」と腹を決め、
タフにたくましく仕事をしている。
彼ら、彼女らは、社員並みに働き、そして、
社員以上に仕事ができる優秀なテクニカルスタッフでもある。


なのにその片方では、様々な事情で長続きできずに、
中には一人で仕事ができるようにさえならずに、
適性を問われて辞めていく人もいる。


理由があって、「ここでいい」と人生に妥協した人達と、
理由があって、「ここしかない」と切羽詰っってやって来る人達と。
なのに、神様は意地悪くも妥協組に軍配を上げる。


そして辞めた人達の行く先は、やっぱりまた「電話の仕事」で、
きっと結局長続きできないまま、同じような業種をぐるぐると、
渡り歩いて行くんだな、きっと…。


それはまた、逆も大いにあり得ることで、
だから最近の私達は、「経験者」だからと言って、
手放しには喜ばず、歓迎もあまりしなくなった。
むしろ、「経験者」さんほど"要注意"
と、見るべきだったエピソードがどんどん増えてきている。


不向きの自覚がないと言えばないし、
懲りない人達とも言えるが、
過去の経緯を詳しく知らない各契約会社にとっては、
魅力のある「経験者」と映るので比較的就業しやすいと思われ、
またそうやって生きていくしかない、せつなさを思う。


    *    *    *    *    *    *


今朝、前々回までの日記に登場していた、
小川さん(30代後半男性/仮名)が先週一杯で、
退職した旨の伝達が今野主任からあった。


彼はこの先、どこに行くのだろう。。。


やはりまた、「電話の仕事」なのだろうか?
わずか4日じゃ履歴書にも書けないと思うが、
うちのかつてのスタッフのように、
「研修中に家族が入院して断念した」などと告げるだろうか?


いや、彼はとても純真で正直な人だ。
嘘はつけず、見栄もズルさもない人なので、
間違ってもそういうことはしないだろうな。


長い間、自分の知っている世界の中だけで生きてきた私は、
自分の生き様だけがすべてで、
評価に高揚したり、大失敗に落ち込んだり、
山あり谷ありの毎日だったが、
そんな自分の語るひとつひとつが、
自分の知らないうちに、「勝者の言い分」になってしまっている。


私の勝ち負けは、生きにくい人々にとっては
ちっとも「勝ち負け」ではなく、
元々「勝っている」という土俵の上での勝ち負けに、
なっちゃうのかな。。。


いろいろな当事者の方からメールを頂くと、
お返事を書くのが申し訳なくて、
つい恐縮してしまう私だが、
本日いただいたメールの中にあった、
======
>  でも共感と共生はまた別の問題。だから難しいのですよね。
> 世の中って。。。
======
という言葉に、深い真実を感じた私であった。


※Rさん、メールをありがとうございました。
 そのほかの皆さんも、いつもありがとうございます。
 あまりいいタイミングではありませんが^^
 この場を借りて、お礼を申し上げます。
 それにしても、最近暗い話ばっかりですみません。
 本当は、おちゃめで陽気なぷらたなすなんですが…
 

 
【採用・事前研修に関する最新の10件】
★「経験者」という職歴  資格がたくさんある人 押しの研修、引きの研修 怒った演技のできる人! 彼女は岡ひろみになれるか 研修担当者のSOS! ストリーミングな研修 難しいほうを選ぶ人 運もご縁もタイミング 30分の「雑談」をしに東京へ (もっと読む⇒

« 電気の話をする次男 | トップページ | パソコン買いました »

.ビューティフルヒューマンライフ」カテゴリの記事

コメント

ぷらさん、こんばんは。

あと、1時間もしないうちに歳をとります。
あー、やだやだ><。

 経験者という話ですが、最近、なんかの話で見たのですが(このサイトでしたっけ?)、アメリカ人は他人に投資するときに、「一度失敗したのだから、もう失敗しないだろう」と考えるというのがありました。その話を思い出しましたよ。今度の場合、どうなのかなぁ?私は日本人なので、「何回やっても、ダメなものはだめ」と考えてしまいますね^^;。

>理由があって、「ここでいい」と人生に妥協した人達と、
>理由があって、「ここしかない」と切羽詰っってやって来る人達と。
>なのに、神様は意地悪くも妥協組に軍配を上げる。
 なるほど、思いましたが、よく考えてみれば、当然の話ですよね。「ここでいい」と妥協した人は、能力から言えばもう少し難しいことができる、最低でも、本人はできると思っているのですから。「ここしかない」の人は、能力が足りていない可能性が高いんでしょうね。

>でも共感と共生はまた別の問題。だから難しいのですよね。世の中って。。。
 ある意味、名言ですね。人間が経済活動を行なっている以上、特に仕事面では利益が絡んじゃいますからね。不利益だけを与える人と付き合うわけにはいきませんよね。最低でも、「気があって、話し相手になる」みたいな利益くらいは無いと。

話したいことがたくさんあるけど、明日でかけないといけないので、また今度~^^/

----------------------------
けるさん、こんばんは~!
そうなんですかっ!
お誕生日おめでとうございます!

>最近、なんかの話で見たのですが(このサイトでしたっけ?)

いや、ここじゃないですね^^
私は、失敗を学習能力に反映させていける人と、
学習能力が起動しない、何かの原因がある場合と、
二種類あるって、思うかなぁ…

>話したいことがたくさんあるけど、

ふっふっふ♪ そのうちお待ちしてますよーん(笑)
----------------------------

なすさんこんばんわ!お久しぶりです。
外資系はいっぱいいますよ、経験だけの経験者(笑)。わらしべ長者のように、どんどんステップアップしていって、能力もないのに妥協してる(気でいる)人もいれば、破綻してしまう人もいるし、もう何が何だか。。
なすさんは「パターン」にはめるのが好きみたいですが、パターンにはまらない(予測不能とも言う)人たちが良い意味でも悪い意味でも、多すぎて、ある意味うらやましいです。。心の平穏が欲しいこの頃。
#病気かも

----------------------------
やまさん、こんばんは!
連休なので夜更かしして、
記事を二つ(明るめの^^)書き終えて、
さー寝るか?というタイミングでコメントが!
でも即レスしちゃいます(爆笑)!!

さて、外資系はそんなにすごいですか!!
私の知らないその世界、「もう何がなんだか」の世界をちょっとのぞいてみたい気がします。うちの職場は(ご存知のように(笑))良くも悪くも日本的です!が、どっちにしても"経験だけの経験者"(←いい表現!)って期待はずれでがっかりしますよね。履歴書がいいから"わらしべ長者"のように上がって行けるのかもしれませんが、企業で重用されているような人はそもそも会社を変わらないもん!

パターンにはめるのは、うん、好きですね^^。すばやく人を見るときに有効だと思うんですが、私はそういう情報ストックの仕方をするタイプみたいなんで、「パターンにない」ってのも、ひとつのパターンなんですよね(笑)、分類不能型!
#病気かも

----------------------------

はじめまして

ミクより拝見させて頂きました。

ざっとですが、あるキーワードに惹かれてしまい
タイプをとった次第です。

そのキーワードスポットとは、『あなたの会社を辞めた人・辞めることになった人との偶然の出会い』です。

なぜ、そこで出会うのか?そして、そのような方々が、そこにいらっしゃるのか?

この点、なにかしら嫌なつながりを感じずには、いられないですね。

基本、貴方のおっしゃってる事は、正解でしょう

『ここで通用しないものが、ほかで通用するはずがない』

私も同感。つまり、共感致しました。それでは

----------------------------
ひろっぴさん、こんばんは。はじめまして、ぷらたなすです。コメントありがとうございました。私は今の仕事にスタッフとして入り、途中から契約会社のスタッフ管理社員となりましたが、その間に面接や指導に関わった人達は150人ぐらいになります。問題なく仕事を続けた後に、正社員を希望して辞める方、この仕事はこの辺でもういいか、と感じて辞める方、そして一人前になる以前に研修段階で不向きが明確で、これ以上の続行は困難と判断される方など、いろいろです。辞めていく方よりも残ってずっと続けている方のほうが累計上は圧倒的多数なのですが、近年その傾向が様変わりしておりますので、ついいろいろと書きたくなってしまうんですよね^^;
----------------------------

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

----------------------------
【職務経歴書の書き方の見本さん】
コメントありがとうございました。放置モードで恐縮ですが、いつでもお越しください。
----------------------------

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54136/14922078

この記事へのトラックバック一覧です: 「経験者」という職歴:

« 電気の話をする次男 | トップページ | パソコン買いました »

スポンサーリンク

3か月継続で白歯実現!

介護の転職

経理の転職

無料ブログはココログ

★★★