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2007.04.14

できる事とできない事

【新規参入の会社から新人がやって来た!】
人を見かけで判断する此頃ボールは誰が持っている?全員一致の日を待とう研修担当者のSOS!★できる事とできない事彼女は岡ひろみになれるか

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今回の研修では、林田さん(20代後半男性/仮名)の提案で、
毎回終了時に新人さん達に白紙を渡し、
感想や疑問点などを自由形式で書いてもらう事にしている。
名付けて「白紙アンケート」。

林田さんとその話をしているときに、私は初めて彼が、
以前一時的にミュージックスクールの、
講師をしていた事実を知った。
そうか。同じ周波数で話が出来るのは、
そういった経験によるものだったんだな。
私は非常に納得がいった。

が、残念ながら、この白紙アンケートは、
林田さんが想像したような、
講師の参考になる具体的な感想や、
疑問・質問のフィードバックにはならなかった。

なぜなら、彼らは(一部の人を除き)
「どこがわかって、どこかがわからないのか?も、全くわからない」
「今は言われた事を意味もわからずただその通りにやっているだけ」
という状況なので、知識やノウハウを身に付けるには程遠く、
頭の中を埋め尽くしている「??」が整理されなければ、
何をどう書いたらいいのかも全くわからない状態なのだった…

(ぷら)
「ほらね?だから言ったでしょう(笑)?」

(林田)
「うーん、やっぱりマンツーマンで楽器を教えるのとは、
違うもんスねぇ。」

(ぷら)
「そうね…楽器とかはできるようになりたくて、
向こうから習いに来るものだからねぇ。
こっちは、紹介されて来て見たら、
ちんぷんかんぷんで、見るもの聞くものが、
ただもうびっくり!って感じなんじゃないの(笑)?」

そんな会話が交わされた。

さて、そんな事を言いながらも、私は、
初日に仕事に向かない人だと直感した、
日下部君(20代前半男性/仮名)と、
翌日に、「あ、この人もだ…」と感じた、
南さん(20代前半女性/仮名)の文章は、
どんなものが上がって来るのか、
やはり毎日気になっていた。

南さんは女の子らしい、か細くて可愛らしい文字、
日下部君は…字が汚いねぇ(笑)、小学生のような文字かな。
しかも、皆が紙を縦に使って書いてくるのに彼だけ横長。

私は職業柄、そういった「一人だけ周囲と違う」という点には、
どうしても敏感になってしまうのだけど、
それよりも、二人の内容は、
「何がなんだかわからなくなって頭が真っ白になってしまう」とか、
「パニック状態」とか「混乱してしまった」とか、
こちら側が受ける研修での印象とよく合っていて、
私が何かの作業的な指示を出したときに、
一瞬フリーズしてしまう感覚がよく伝わってきていた。

そんなとき南さんは、ニコニコと笑顔を作って、
うしろのアシスタントメンバーの顔を黙って見上げる。
「どうしたらいいかまったくわからない」と目で訴える。
それが第三者には、人に媚びているように見え、
アシスタント参加の準社員やスタッフ達の首をひねらせる。
「自分で調べればいいのに、やる気あんのかな…」

一方日下部君は、しばらくじっとしたのちに、
「はい。」と小さくゆっくり手を上げて、
「すみません、わかりません。」とギブアップの意思表示をする。
それは課題を進めるために疑問点を尋ねているのではなく、
毎回、「降参」の白旗を掲げ、
何かを丸ごと相手に委ねている感じがした。

これが講師側にはとても負担が大きく、
こういった6人一緒の研修では、
彼らに関わってしまうと、進行が長い時間止まってしまう。
非常に時間的なロスが大きく、
他の人達のモチベーションも下がってしまい、
これでは共倒れの可能性がある。

なので次からは、
南さんをメーンに他の初心者の女の子達も合わせて一人、
日下部君には専属で一人、
合計2名の支援者を毎日要請する事にしたものの、
それでこの二人の状況が好転していくかと問われれば、
私の胸のうちの回答は、NOで、
特に日下部君は、トンチンカンや勘違いの度合いが強く、
ヘルプをつけても、
やはり、研修の進捗は日下部&ヘルプのペアで、
毎回止まってしまいそうな気がした。

だから私はこの時点で、日下部君は、この研修には、
「混ざってはいけない人」と判断したのだった。

そしてまた、
ここ数日、彼から提出された白紙アンケートの内容は、
要約すると以下のようなもので、私は少し危険な感じがし始め、
これ以上研修を続けると、彼の健康状態にまで、
悪い影響が出てしまいそうな気がした。(以下は編集済み)

============
今日もパソコンと一日中向き合っていたので疲れました。
それに加えてコマンドの英語の羅列を見ていたので
更に疲れました。
============
極度に神経を集中させていないと、
少しでも気を抜いたらあっという間に
わからなくなってしまう。
============
日に日に研修がハードになっていくような気がします。
覚えるべき内容が多くて、夕方3~4時くらいになると、
頭が疲れてくるのが分かります。
研修は眠くなるものと言う人もいますが、
むしろ寝させてくれません。
============

特に最後の内容は、
これはマズイ!とすぐに思った。
このままだと、彼、本当に壊れちゃうよ。
これは、見極め云々ではなくて、
マジでストップかけないとやばいよ。

なので私はそれを読み終えた後にすぐ立ち上がって、
今野主任に走ったのだった。
これ以上、彼の処遇を先延ばししてはいけない。
「契約会社への連絡は課長がいないから明日以降」
なんて、とんでもない話だ。

日下部君はすでにSOSを出している。
自分でそれに気がつかかずに、
極度に神経を張り詰めて無理を重ねようとしている。

    *    *    *    *    *    *

今野主任は、変な判断をする人として評判がよくない。
が、結果的に今回はそれが効を奏し?た。

通常、スタッフと直接触れる機会が少なく、
ありのままをよく見ていない課長などは、
「この段階での結論は早急すぎるんじゃないの?
もっと長い目で見てあげたら?」という考えを抱きがちだが、
それは人として当然の感覚で、むしろ好ましい発想だと思う。

けれど今野主任の頭の中は、いろいろあって今や、
「経費節減のための早期見極め」に変にこだわっているので、
私の申し出は一発で通った。
「わかりました。それじゃね、今、電話しましょうか。契約会社に。」

ま、主任の気持ちはちょっとだけわかっている。
今度は上部から叱責されている経費云々の是非よりも、
仕事に向かないと思われる人への処遇を先延ばしして、
配下の社員や準社員、そして契約スタッフ達から、
大ブーイング攻撃を浴びる事を極端に恐れ始めたのだ。

全体にとって何がいいのか?自分はどうすべきなのか?
これらをあまり考えて行動しない今野主任は、
こんなときは、好都合とも言える^^。

やがて主任は、私のところに、
「電話、しました!」と軍隊調の報告をしにやってきて、
その様子は、「どうだい?俺だってやればできるんだからね♪」
と、言っているようで少しおかしかった。

そして翌日、課長や主任達が、
入れ替わり立ち代わり研修を見学しに来て、
午後には人事部の部長も入って何かの会議。

そのまた翌日には、朝に日下部君の姿は見えなかった。
それを見て、私は結果を知った。

    *    *    *    *    *    *

明言は避けたいが、日下部君を見ていると、
発達障害の多少ある人なんだろうな…という感は強い。
が、自分なりに厳密なフィルターを通してみると、
同じような人は職場にたくさんいると思う。

最近は当事者の方のご訪問も多いので書きにくいのですが、
それに臆することなくありのままを述べると、
私にとっての第一の合格ラインは、仕事の優劣ではなく、
それが一人でできるかどうか、なんです。

例え今はできなくても、きちんと教えてあげれば、
一人でできるようになれそうかどうか?という事でもありますし、
わからなくても自分で調べるなり尋ねるなりして、
解決のための行動が取れるかどうかでもあります。

研修中に何か課題をお願いして、
「それでは確認のために、実際にこの作業をやってみましょう」
と、言ったときに、その内容が間違っているのは、
初期段階ではまだ許容範囲ですが、
私の意図する事が全くわからずに固まってしまったり、
何をどうすべきか、皆目検討がつかずに無言で微笑むだけなのは、
この後に続くもっと専門的な内容のレクチャーや、
速度と効率を要求される実際のお客様対応、
そしてヒヤリングやコミュニケーション能力など、
何を取ってみても、入り口に入って来れない人のような気がする。
しかも、
==============
(1)スタートボタンを右クリックする。
==============
などと、手順を丁寧にホワイトボードに書いているのに、
という事である。

話は少しそれるが、私は理数科目の点数が異常に低かったので、
たとえ医者になりたくてもそれが無理なのはわかっていたし(笑)、
さほど歌が上手くないので、なりたくても声楽家にはなれない。
人にはやはり、できる事とできない事があるのだ。
そういった観点で見れば、
会社に選抜のための入社試験があるように、
可能なら職場でも向き・不向きの判断はあっていいと思うし、
背景にどんな事情があろうとも、事実は事実として、
肯定していかなければならないと思う。

思えば、今まで「職場の困ったさん」として、
ここで取り上げてきた人達は、
この研修は難なくクリアした人達であった。
なのにそれでも実務に入れた途端にできない事が目立ち始め、
最後には退職を迫られるような結果となってしまうので、
私は立ち上がりを願って指導方法を変えたり、
早期に見抜けるように研修カリキュラムを工夫したり、
それがここ数年間の自分の軌跡でもあった。

だが、今回の人達は、
研修段階でもすでに周りに付いていけないのが明白である。
それは内容が理解できないのではなく、
研修を通して物事を習熟していくというスタイルに、
付いていけない特徴があるように見える。
これが、今までの私の日記と今回の私の日記との、
熱意や捉え方が大きく違う点である。

南さんは、一見わからないと思うけど、
日下部君は少し話しただけでも、面接慣れした人なら、
「ちょっと変わった人かな?」と、すぐわかる。
その雰囲気からも、私達の仲間になれるとは、
(残念ながら)あまり思えない。

なのにそれでも入れてくる彼らの契約会社の神経に、
私はかすかに憤りを感じた。
「頑張っていた分だけ彼が可哀想じゃないか。
こんな事、二度とすんなよな~」と、言いたいね。
でもまぁ、そこをこれ以上問い詰めるような事は言うまい。
特定の企業と実績があるとかないとかいうのは、
結局そういう事なのだと思う。

    *    *    *    *    *    *

主管会社のうちも人を出せず、
付き合いのある各社とも総辞退する中、今野主任は、
新規参入で手を挙げたユーマン社さんに、
「適性はこちらで判断するから、まずは人を出してくれ」
そういったオーダーを出したと聞いている。

そしてそれを判断するのが、
会社は違えど同じ契約会社側の人間であるこの私ってのも、
見ようによっては不公平で変な話だと思うが、
まぁ、それは出向先の企業の皆さんが、
現場における私は決して一社(自社)の利益のためだけに、
動いているのではない、と、思ってくれている証拠でもあるので、
信頼されている気もして、光栄ではあるが、
「これってノウハウの公開だよなぁ…」と、
納得がいかない部分もある。

「ぷらたなすさんが、普段自分の契約会社でやっている、
見極めのための研修と同じ事をやって、
人選のフィルターをかけて下さい」っつってもねぇ。。
林田さんじゃないけれど、「んなのは、おまえがやれよ!」
の世界だよな。

が、仕事の現場ではほとんどの業務が、
契約スタッフの自主管理に任されている今、
正社員側に見極めや育成はおろか、
業務運営のスキルさえないのが現状だと思う。
だから、いざという時、誰も人を見極められないし、
誰も判断を下せない。

加えて今は、課長も主任も大した事無い人達なので^^;、
おかしい事、変な事を改善していこうと思うと、
「それじゃ、頼むね。」と丸投げされてしまって、
その負担はいきなり重くなる。

準社員の林田さんも、
それに対して日頃から不満が溜まっており、
先日は、プチ爆発して、ひとしきり気持ちが落ち着いたそうだ。

さて、私が担当する研修は昨日でおしまい。来週からは、
角田君(20代後半男性スタッフ/仮名)が担当する「新人研修」だ。
通常はここからが現場での研修開始となる。

が、これまた心配。
角田君は初心者を見下す態度が評判悪く、
ため息をついたり、舌打ちをしたり、首をひねったり、
ひどいときには、罵倒する事もあるので、
今回からは、林田さんが監視役に入ってくれる事が決まった。
いずれ、一人では無理なメンツなので、それがいいだろう。
私は大賛成。

昨日、「私の研修は本日を以って終了です。
来週からは内容も講師も変わります。
皆さん、引き続き頑張ってくださいね!」と、
挨拶した。

すると昨日の白紙アンケートでは、
お礼の言葉や、淋しいという感想が大半で、
こういうときは、講師冥利につきるかな、と、思う(笑)。

でも、まだ、気は抜けないのよ。
私に取っては問題児が一人、
他の人達からは二人の名前が挙がっていて、
その結論が見えてくるまでは、どこか落ち着かない。

そうね、次回は第三の問題児?の新人さんの話を、
書こうと思います。

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