スポンサーリンク




« 連絡のない欠勤者考 | トップページ | その人の退職 »

2007.03.22

やっぱダメかな…

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポート★やっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

--
一昨日の火曜日、班長達と課長と主任のミーティングがあった。
その場でヒロアキさんの立ち上がり状況を主任から確認された。

通常の新人と比べて立ち上がりがあまりに遅いので、
懸念した正社員達が主任に突っ込みと入れたのだった。

申し訳ないが、ヒロアキさんは、
「使えるスタッフかどうか今ここですぐ判断せよ」と言われたら、
「難しい」というのが正解かもしれない。

私達の仕事の場合、入社後一ヶ月だと、
サポートメンバーが横に付きながら逐一指示出しをして、
やっと日に1~2本の電話が取れる程度。

が、本番に入ると急速に新人さんは力をつけ始め、
二ヵ月後になると早い人で先輩達とほぼ同程度の20件以上、
遅い人でも7~8件は誰の手も借りずに自己完了できている。

が、先日で入社後2ヶ月が経過したヒロアキさんは、
(40代後半/男性スタッフ/仮名)は、
いまだ机上研修とロールプレイング主体の立上げ中である。
質問には答えられるし、内容もわかっているのだが、
人の話を聞いて、自分で考えて、次の行動を選択するという、
通常誰でも無意識にやっている事がどうやらできないんだよね。
言い換えれば、一瞬一瞬の自己判断をしないという事かな。

普通の新人さんは、だいたい内容がわかってくれば、
サポートメンバーを横につけて本番のお客様対応に、
入れることができる。

お客様の話と新人さんの話を、
両方聞けるリーダー用の専用電話機があって、
横に付いた先輩は双方の話を聞きながら、
新人さんが戸惑いそうになると間髪おかずに
「○○を聞いてみて」
「ツールで確認して」
「できないから断って」
と、逐一脇から短い指示出しをしていく。

新人さんはそれを瞬時に自分の頭の中で咀嚼して、
「○○はどのようになっておりますでしょうか?」
「ただいまこちらで確認しますので、少々お待ちください。」
「申し訳ございませんが、お客様のお宅には伺っておりません。」
と、すぐに自分の言葉に返還して対応してくれる。

だが、ヒロアキさんにはそれが難しい気がする。
ひとつひとつに対して、
「それはどうするんですか?」「なんて言えばいいんでしょう?」と、
聞いてきそうな気がするんだよ。

そしてそこで手短に説明したとしても、すぐに
「あー、違う違う!そうじゃなくて…」と、
再びストップをかけるような事になりそうな気がする。

だから、なかなか本番には入れることができずに、
練習ばかりが続いてしまうのだが、正社員達の間から、
「本人のためにも判断するなら早いほうがいい」という声が上がり、
それを受けて今野主任が、「3月中の判断」を命じてきた。
たぶんそれも社員達の意見だろう。私もそれでいいと思った。

    *    *    *    *    *    *

実は班長の芦田君(30代前半/男性スタッフ/仮名)と、
先週のうちに話し合って、メンバーの気持ちを聞いて欲しい、と、
彼にお願いしてあった。

育成に時間のかかる新人である事は、
早い段階でわかっていたが、
それでも指導に取り組んでいたのは、
この班の欠員状態が断続的に1年以上も続いており、
シフト的に大変苦しい状態が継続していたからである。

何とか仕事が出来るレベルにして、
至らないところがあっても頭数に入ってもらったほうがいいのか、
例えシフトのキツさが続いても、
ヒロアキさんと共に仕事をする手間やストレスを思うと、
いないほうがいいのか。

こんな言い方でヒロアキさんには申し訳ないが、
彼のような人は、結局周囲の理解や存在の納得が無ければ、
なかなか仕事を続けていく事ができない。指導する意味も無い。
みんなが「それでもいて欲しい」と言って初めて、
育成も指導も成立する話だと思う。

その結論次第では、主任や社員達と掛け合うは可能。
社員達はスタッフ側の意思や要望を尊重してくれるので、
そうだといえば、再検討はしてくれるだろう。

もちろん、「使える」「使えない」が一番大事な話だが、
今までいろいろ書いてきた事は、実戦的な指導をしてみて、
初めて明確になった部分が大きい。わかっていても、
まずは取り組んでみないと答えが出ないような人は、
そこの判断が難しい。

そして芦田君の聞き取りに寄ると、
メンバー全員の回答が「NO」だった。
つまり、シフトがきつくてもヒロアキさんはいないほうがいい、
という判断を全員がしたのだった。

そうだね。研修指導がより実戦に近くなると、
研修室でのレクチャーと違って場所が仕事の現場に移り、
教えるほうと教えられるほうとがどういう会話をしているのが、
段々スタッフには見えてくる。

ロールプレイングの様子などを見ても、
ヒロアキさんが問われているのは、
業務スキルの完成やノウハウの習熟度ではなく、
一体この仕事が可能なのか?というレベルとわかってきたので、
皆がようやく納得して出した回答がそれなのだろう。

やっぱり、「こんな人だけど大丈夫?」と言葉でいうのと、
実際に毎日間近にやり取りを見てみるのとでは違うものだな。
「ぷらさーん、大変だと思いますが早く一人前にして下さい。」
「何とか頑張ってもらって、続けてもらえればいいですよね。」
本当にそう思ってきた彼女達の土台が崩れちゃったんだろうな。

    *    *    *    *    *    *

さて、回答を出すと言ったって、受け入れ側が拒否なのだから、
ヒロアキさんには辞退してもらうしかないのだろうね。
そうするとこれからの研修指導は目的がガラリと変わる。
しいて言えば育てるための研修指導ではなく、
辞めてもらうための研修指導だ。

研修というのは目的が変われば手法も変わる。
私は、ここから先はむしろ本番のお客様対応をさせて、
その難しさを感じ取ってもらうのがいいと思った。

そして私のサポート付きで三件の電話を取ってもらい、
そのときにまた別な欠点がわかってしまった。
彼、お客様の質問内容が長いと、
最初に聞いた内容を忘れちゃうんだねぇ。。。

お客様が、
「こうでああでこうしたら、こうなちゃったんですよ。
だからそれをこのようにしてみたら、あんなふうだったので、
どこかをなにしたらうまくいきませんでした。
どうしたいいでしょう?」

こんなときヒロアキさんは、最後の2行しか、
頭に入っていないようだ。
全体を聞いて内容を自分なりに取りまとめた上で、
次の質問を投げかけたり、簡単に回答してみるのではなく、
「どこかをなにしたらうまくいかない」だけを覚えているので、
それについて知っている内容を延々と語りそうになる。
お客様が途中で何度か話し掛けてきても、
耳に入っていないのか、全くお構いなしである。

「保留!保留!」とすぐに電話を代わって対応を終える。

(保留も「あ!」と叫んで、こちらを見たあと、
相手がまだ話し続けているのに全く意に介せず、
「少々お待ちください」と唐突にボタンを押してしまった…
こうなると、逆に苦笑して受けてしまう(笑)。
普通、保留は会話の切れ目やタイミングをうかがうし、
相手の話を遮るときでも早口で断りを入れるとか
それなりに工夫するよね。)

「ヒロアキさん、今のってどんな質問だった?」

「どこかをなにしたらうまくいかないという話ですよね?」

「その前に、お客さん、自分のやった事を話したでしょう?」

「(キョトン)いえ…言いましたっけ?全然覚えていません。」

「最初、こんな風に言っていなかった?(以下略)
思い出してみて?思い出せる?」

「あーーーー、そういえば言いましたね。」

「本当に思い出したの?本当に覚えている?」

「はい。」

「じゃ、今の質問はお客様の手順の間違いだってわかる?」

「わかりません。」

ま、こんな感じ。

それと、知っている言葉や事柄が出てくると、
それに気を取られて他の事は忘れちゃいますね。

(お客様)
「住所が変わったんですけど、住所変更手続きをすると、
契約ナンバーも変わってしまうんでしょうか?」

これも途中で電話を代わる。

「今のはどういうお問い合わせだった?」

「住所変更ですよ。住所変更の申請方法です。」
(彼は住所変更の申請方法はよく知っている)

「お客さんなんて言った?実際に言ったとおりに、
再現してしゃべってみて。」

「…すみません。覚えてません」

「住所変更をしたい、って言ったっけ?
そういう言い方したっけ?」

「はい。そう言いました。」

「ホントに(笑)?」

「はい、間違いありません。」

「マジで?(笑)」

「はい。言いました。」

「あのさ、今のは、
住所変更をしたら、契約ナンバーも変わるのか?
って聞いて来たんじゃないの?」

「…????」

「お客様が知りたいのは、住所変更の申請方法じゃなくて、
そうしたときに契約ナンバーが変わるかどうかの、
Yes,Noなんじゃないの?」

「あ…あーーーーー、そうですね。あ、そうか。ははは。
そうだった、そうだった。」

ま、こんな感じ。

たぶん彼の頭の中では、
「住所変更」という言葉が出た時点で、
聞き取り機能はオートシャットダウン、
入れ替わりに「住所変更」の説明体勢が起動!
という仕組みでしょうか^^?

ヒロアキさんには、すでに何度か面談して、
今が見極め期間であることを伝え、
結果次第では辞退していただくことを話してある。
でも…やっぱダメだね、これじゃ^^
 

 
【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・出番です、待たせたね。1(周辺記事) ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について  ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ★やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題




スポサーリンク

« 連絡のない欠勤者考 | トップページ | その人の退職 »

.ビューティフルヒューマンライフ」カテゴリの記事

コメント

この記事を読む限りでは、彼、自覚無しですね。
つまり、ここを自分の居場所にしようというある意味「気概」がないようだけど・・・

しかし、それはそれで、「彼」にとっては幸福なのかもしれませんしね・・

仕事≒幸福

ぷらたなすさんの記事で感じる目線はそこを捉えていてとても好感がもてます・・

「彼」どうなるんでしょうか?

今月の末ころの記事をちょっとどきどきしながら
待ってます・・

 と、書くと野次馬根性のようにも思えるのかもしれませんが、このケースはだれの職場にもあるしかも最近増えているケースのような気がするのですが・・・なぜこうなるのか?しかも、高学歴な人で、専門的な教育を受けているひとほどこうした傾向が強いような気がするのですが・・

 どうしてでしょうかね?

 気のせいなのかな?

 つぎの記事を待ちますね・・


電気 3五郎(改)さん、おはようございます!

話が急転したので、昨日の日記にしました。昨日は本当に「これは今日のうちに書き切ってしまいたい!」と思って帰宅しました。

>高学歴な人で、専門的な教育を受けているひとほどこ
>うした傾向が強いような気がするのですが・・

同感です!私の個人的な言い換えをお許しいただければ、理系の人に多いように感じます。。

私は今回のように(アスペルガー症候群など)自閉的な傾向のある人だなぁ…と思うときはその話を書きますが、そのためにいろいろ読んだり調べたりしていますと、そういうのってその人の経験や研鑚の有無以外に、脳の器質的な違いも個々にあるのかな?などと思い始めたんですよね。

何かの原因で脳が損傷すると、部位によっては社会性が欠けたり、恐怖心が薄れたりするというのを読むと、今まで努力の足りない人間性と思ってきた事も、実は「作りの問題」なのかな?なんて思ったりします。もちろん、何でもそれで片付けようとは思っていませんが。

昔からガリ勉君とか天才で変人という人はいたと思いますが、最近増えたと感じるのは職種に寄ったり、今の世の中が一部の人には苦手な事を強いてしまっているからかもしれません。でも…結構いますよね、そういう人(笑)!「いる!いる!」というお便りをたまにいただくんですよ、私。そういうときは(内緒ですが)、少しうれしくなります^^

であっても、なくても、
今回はコミュニケーションの困難さがなぜ生まれるのかとても勉強になったと思っています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54136/14341045

この記事へのトラックバック一覧です: やっぱダメかな…:

« 連絡のない欠勤者考 | トップページ | その人の退職 »

スポンサーリンク

3か月継続で白歯実現!

介護の転職

経理の転職

無料ブログはココログ

★★★