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2007.03.29

困った上司達 (主任編)

数日間、終日職場を不在にした後、
契約会社での事前研修を終えて戻ってくると、
三人チームのC班で二人が連続で休んでいるわ、
他社から入って来る予定の新人の数が増えているわ、
別の他社スタッフの4月退職が決まっているわ、
自分の知らない事ばかりで、もー大変!


まず出社するとすぐに、ウツミ主任(40代前半/男性/仮名)に、
「C班、人が足りなくて、今ちょっと大変なんです。」と言われ、
「じゃ、支援に入りますか?」 「ぜひお願いします。」
と、溜まったメールを読むひまもなく受け付け席へ。
ヒロアキさんが立ち上がっていれば、
こんな風にもならなかっただけに、私はかなり気を使う。


その間を縫って、各班長から居ない間の報告や相談事が、
ひっきりなしにメッセンジャーで飛んできて、
「なにー!」と驚いたり、「これどういうこと?」と走っていったり、
「なかなかレスが来ないんで…」と今度は向こうがやってきたり、
私の仕事はメッセンジャーの送受信か?と、
思うぐらいのすさまじさ^^;


居ないときに限って何かが起こる!というのは、
仕事してみて感じる職場の定石でもあるけれど(笑)、
ウツミ主任(40代前半/男性社員/仮名)からも、
似たようなメッセンジャーが何通か来て、あれれ?


「あれってどうなりました?」「この話って聞いてます?」
こっちが聞きたいぐらいの話を私に尋ねてくるところ見ると、
様々な情報が不足して、ウツミ主任もみんなも困っているらしい。
あーあ、それ、私の担当じゃないんだけどな。


今の私達三課の最大の関心事は、B班の増員なのだ。
増員枠は5名。オーダー形態は各社競合の早い者勝ち。
先にいろいろ書いた事情で、うちの会社は辞退した。
メーンで入っている主管会社が人を出せないのは、
プライドに関わる恥ずかしい話だが、
候補者が企業さんの望む資質に満たなかった以上仕方がない。
が、ユーマン社(仮名)からは2名が挙がっているらしいのだ。


それは先日の会議で報告があってわかっていたが、
それがその後どうなったのか誰もわからない。
以前、4月を目処に進めたいと言っていたのは皆覚えているが、
もうすぐ4月だよ?どうなってんの?


PCの準備、本社へのIDカードや社内アドレス、
各種アカウント類の申請・発行は、
上部の承認がいるので、そうでなくても時間がかかる。
もうタイムリミットをとっくに過ぎているというのに、
確たる情報が何も提供されていなくて、
新人受け入れに関わっている担当者は、
社員もスタッフも皆一様に苛立っているのだ。


こういう状況のときは、誰が悪いのかわかっている(笑)。
二人いる主任のうちのもう片方、
今野主任(50代前半/男性社員/仮名)だ…^^;


彼は人情家で人柄はとてもいいんだけど、
機転が利かず、気働きがあまりできない。
困る点は多々あるが(笑)、一番影響が大きいのは、
今野主任が窓口になっている様々な重要情報を、
風上にも風下にも逐一流してくれない事で、
「どうなってるんですか?」と詰め寄って初めて、
「こうなりました。」
「ゲーッ!なんでそれを早く言ってくれないんですかっ!」
という事ばかり。


それが秘匿すべきものなら納得も行くけど、大勢の人が関わって、
それに関して速やかに動かなければならないときに、
一番大事な事をほとんど伝えてくれないんだよね。
新人は決まったのか?どの会社から何人がいつ来るのか?


ちょうど私が事前研修で不在の間に、
彼も人間ドックやらなにやらで同じ期間を休んでいたんだけど、
情報共有や的確な指示を、
何もせずに休みに入ってしまったために、
みんなが、「またか」と怒っている雰囲気が見て取れた。


    *    *    *    *    *    *


そう、この人ね~、ちょっと問題の上司なんですよ。
私は結構仲が良くて、仕事でもうまくやれている。
向こうも「おかーさん、おかーさん、ちょっと、いい?」
と、ノート持参で隣席にやってきて良く話をしていく。


私は彼の欠点も、陥りがちな悪い癖?もわかっているので、
「主任?いいですか?
これ、絶対明日の朝の朝礼で言わないとダメですよ?
必ず言ってくださいよ?わかりました?
わかってます?本当にわかってんの?」(←しつこく!)
と、お尻を叩くように接する事も多いのだが(笑)、
叩き役が不在で、本人も居ないとなると、
社員やスタッフ達には、一体今、なにがどうなっているのか、
全く見えていないって事なのだな。


ちなみに彼は私より年長で、上司で、
しかも私は他の会社の外部社員である。
が、そんな事は気にしてられない。
突っ込みを入れないと困るのは「私達」なのだ。


    *    *    *    *    *    *


彼の担当は課としての渉外交渉や調整などである。
課の要望を人事部や統括事業部に上げて掛け合ったり、
スタッフ達が所属する複数の契約会社と交渉して、
増員や欠員補充など、スタッフの適正配置の手配をする。


今は応募状況が厳しく、以前のようにうちの会社だけが、
独占的に人を入れ続ける事が事実上できない。
が、契約そのものは生きているので、
「桜カンパニー(仮名)さんが入れてくれれば、
一番問題が無く、こんなにいい事はないのに…」
と、しょっちゅう言われるのだが、
これがなかなか…人がいなくて無理なんです。


結果として私は、
(契約スタッフではなく)某契約会社の出向社員でありながら、
現場では、20名近くいる他の会社のスタッフ達も、
グループの一員として面倒を見て管理・指導するという、
わかりにくい立場でずっと仕事をしているのだね。
契約会社の出向社員=グループの総括リーダー、という、
かつての一社独占体制だった時代の名残でもある。


加えて今野主任がイマイチ至らない人なので、
彼と他の契約会社とのやりとりでも、…


「今の件、すぐにA社に電話しました?」
「B社への発注書にはその条件をちゃんと織り込んでますよね?」
「C社が今こんなにたくさんの人を出してくるのは変ですよ?
24時間交代制ってちゃんと伝えてますか?
平日日勤の仕事だと思い込んでいるんじゃないですか?」


…などと、いかにも二社間の大きなトラブルになりそうな事には、
本当は口を挟むべきではない私が逐一口を突っ込まないと、
見ていてどーーーーにも危険を感じる。


このまま行ったら、絶対にやばい事になりそうだ…と、
目の前で明確にわかっているときに、
それを黙っていられる人なんてあまりいないと思うよ。
女は揉め事を見ているのが面倒だし、元々好きじゃないので、
それが事前にわかっているなら、
例え横から口を出してでも、できるだけ回避したいと思うのだ。


これは多分男女差があると思う。
これが「口うるさい」と言われる所以だろう(笑)。
男は、「あーあーあー、知らねーよ?」と思いながらも、
上司がやっている事だから、と、冷ややかに静観している人も、
多いですよね(笑)。


    *    *    *    *    *    *


あまりにいろんな人達が今後の予定を私に聞いてくるので、
私は、ウツミ主任のほうには、
「とりあえずうちの会社の1名はなくなりました」と言った。
「え!そうなの?」「え?ご存知無いんですか?」
「いや、全然聞いていない。」
「今野主任には、たまたま居たときに電話しましたけど。」

「じゃ、今回は誰も来ないの?いやぁ、参ったなぁ、困るなぁ…」

「え?でもユーマン(仮名)さんから2名来るじゃないですか。」

「え?それって決まりなの?」

「そうですよ。20代の若い人達だそうですよ?」

「ちょっと待って。だったら候補が4名いるらしいって話はなに?
桜カンパニー(仮名)さんが辞退したら残り2名のはずだよね?」

「あ、そうですね。他の会社からも決まったんでしょうか?」

「いや、それ、おれ、全然聞いてない。。。」


どうやら情報が錯綜しているようだ^^


本日は当の今野主任も出勤していて、
今すぐそこの、目の前の席に居るというのに、
誰も聞きに行かない。
ま、その理由はわかってるんで、後述するが、
私は、「しょうがねぇなぁ…」と思いながら、
ツカツカと主任のところに聞きに行く。


そしてなんと!
2名ではなく4名の新人をユーマン社が挙げてきていて、
しかも来週スタートの予定で事が進んでいる事を知る!
なんだよ、それー!


けれど、ユーマン社が初めて取引する会社であるため、
会社として各種の調整があって、
それが終わらないと、「決定」というわけにはいかず、
現在、それに向けて交渉中という事であった。
えー、それじゃ、万が一延びる可能性もあるわけ??
ていうか、それじゃ、先が見えてないよね?


あのさぁ、主任?
私が契約会社のほうに行っているときも、
主任は頻繁に私に電話をかけてきて、
「あれはどうなりました?」「予定はどうなってます?」
って聞きますよね?
でも、それを現場の社員やスタッフ達に全く伝えないから、
いつも行き違いが起こるんだよね?
その情報次第で、今後の人の動き方が大きく変わるって
なんで思わないのさ(笑)???
だから皆がそれを一刻も早く待っているって、なんで思わないの?
思わないんだろうなぁ…


そして社員班長会議があるたびに、
大勢の人達から非難ごうごうの糾弾吊るし上げにあって、
戸惑いと恐怖心で、ますますどうしたらいいかわからなくなり、
何があってもすぐには何もできなくなっちゃう部分もあるんだよね。
それはよくわかっている。理解はするよ?でも困る。。。


    *    *    *    *    *    *


「今の話って、ちゃんとウツミ主任のほうに言ったんですか?」


「あー、今から言う。」


「だったら、それより10:00からの、
社員班長会議で直接行ってくださいよ。
予定が立たないので、みんなすごく困ってますよ?
すぐに伝えてくださいよ。」


「あー、社員班長会議…
俺、それね、忙しくて出られないんだわ。
もう、3日も休んだもんだから、仕事が溜まってて溜まってて…」


「じゃ、会議ではウツミ主任のほうから聞くことにしますから、
それまでにちゃんと詳細をウツミ主任に伝えていてくださいよ!」


「うん。わかった。わかりました。…
大丈夫♪、わかったから(笑)」


しかし…


当の会議でウツミ主任から報告されたのは、
「えー、新人が決まりました。ユーマン社から4人だそうです。」


え?それでけ?あとは?
社員も班長も一斉に突っ込む。


(ウツミ)
「いえ、私が聞いたのはそれが全部です。」
あとは何も言っていませんでした。」


クーッ、これだよ。
(ウツミさんも、突っ込めよ~^^)


私は朝のうちに今野主任から聞いていた内容を、
「私が聞いている限りですが」と前置きして述べた。


(社員)
「調整中ってどういう事?
何にそんなに手間がかかるの?」


(私)
「はい。うちの課としては取引実績の無い会社からの新人のため、
何もかもが一からになるんです。
通常、そういったときは主任が稟議書を上げて、
本社の了解を取るのが一ヶ月かかります。」


(一同)
「一ヶ月!!!!!」(こういう事も誰も知らないのだ…)


(私)
「なので、そこをどういう裏技を使って4月から受け入れができるか、
現在、課長も含めて人事部と調整中だそうです。」


(社員)
「なるほど。スキルのほうは大丈夫なの?」


(私)
「その点は未確認です。
ですが、ユーマンさんとは初めてのお付き合いなので、
うちも含めた今までの各社とは、
違う傾向の人が来るかもしれません。
それにたぶん、契約実績のある会社と違って、
事前研修も現状に合ったものではない可能性もありますので、
導入部分だけは、自分が担当しようと思っています。」


(全員が口々に)
「あぁ、それがいいかもね…」


しかし、この光景を私の契約会社のほうの上司が見たら、
びっくりして肝をつぶすかもしれない。
他社の新人受け入れの進捗情報を、
私が会議で報告しているんだもんな。
でも、私は、今野主任みたいな人は、
少しだけ、しゃぁない、と心の中で思っている。
「なんでも自分でさせないといつまでも変わらない」
という人も居るけど、それで変わるならとっくに変わっているだろう。


それにもし、この場に彼がいたって、
たぶんあまり的確な説明をしないと思うので、
また、みんなが一斉に反発して、
「あーでもない、こーでもない」と、集中攻撃する時間が、
そもそも一番の無駄に感じる。
そんな事より、話し合うべき事はたくさんあるのだ。
自分達のためにも限られた時間は有効に使おうよ(笑)。
私は名より実を取る人なのだ。


    *    *    *    *    *    *


社員達が引き上げたあと、残った班長達がため息をつく。


(箱崎)「なんつーか…もっと、ちゃんとして欲しいっすねぇ。」
(神田)「あの二人の情報共有はゼロだな。」
(芦田)「でもそれじゃ、オレラ、思い切り困るんだけど。」
(レイ)「無理じゃない?だってこの頃ケンカばっかりしてるよ?」


(一同)ケンカ?????


(私)「なにそれ?なにそれ?聞きたい!聞きたい!教えて(笑)」


(レイ)
「あー、そっちは席が離れているからわかんないですよね。
朝の社員だけの打ち合わせのときに、
ものすごく言い合ってますよ?
『そんなんじゃダメでしょぅっ!』とか言って。
もう、毎日毎日すごいっすよ?
その剣幕がすごくて、社員がポカーン…みたいな。」


(一同)
「えー?どっちがどっちを?」


(レイ)
「ダメダメ今野主任がウツミ主任を。」


え?逆じゃないの?一瞬そう思ったが、
実際はそうではないらしい。
どうやら今野主任は自分が普段周りからやられている事を、
朝の社員ミーティングの場で、
ウツミ主任に忠実に実践しているらしかった。。。
男性の職場ではありがちだが、
まさかあのやられっ放しの今野主任がそっちに行くとはね。
でもそれが上司の仕事だなんて、勘違いしてないよね^^


    *    *    *    *    *    *


ウツミ主任は昨年着任した経験の浅い主任で、
運用の事はまだあまりよくわからない。
「聞きに言っても、相談しに行っても、
『そういうのは自分の判断でやってよ。
それぐらい一人でできないとダメなんじゃないの?』
と、取り付く島もなく何も教えてくれない」 と、
私にはよくボヤく。


が、そのくせ、「それじゃ…」と今野主任を入れずに、
ウツミ主任と私とスタッフ達がいろいろ計って話を進めていると、
自分は自分で全く反対の事を、
誰にも言わずに独自に進めている事があって、
先日などは、レイちゃんが切れて私が一喝した。
「私(ぷらたなす)のメンツはどうなるんですかっ!」
「私が今まで進めてきた事は一体何なんですかっ!」てね(笑)
いーの、いーの、この人は、
たまにここまで言わないとわかんない人なの。
そういうのはやれる人がやらないと改善しないのよ♪


まぁ、それに対する回答が
「あれ?それってもう決まった事だったの?(真顔)」なのだから、
みんな返す言葉が無くて顔を見合わせてしまうのだが、
「そういうのはそっちで決めていい。報告の必要も無い。」って、
さも関わりたくなさそうに言ったじゃーん、と誰の胸にも、
不満がくすぶったりするんだわね。


今野主任のイマイチ感は、社員達のリーダー会議でも有名らしく、
私はよく他の課の部長や課長に、
「ぷらたなすさん、三課を頼むね」なんて言われるんですが、
私、ここの社員じゃないんですよ?


あーあ、もう…
至らないスタッフにはどんな指導でもするが、
至らない上司の面倒までは手が回らない。
かつて仕事でしくじるとよく怒られて、
それが自分の励みにもなっていた私だが、
課長や主任が代わってからは、
立場がすっかり逆転している。


上司ってのは、
自分より仕事が出来て尊敬できてこそ機能する肩書きなのに、
そうじゃない場合の職場って大変ですね。
社員よりも、スタッフのほうがよっぽど優秀で、
一緒に仕事のしがいがあると思ったりする。


    *    *    *    *    *    *


さて、今野主任に何かを相談しに行くと、
決まって言われるのが、「それ、今じゃなきゃダメ?」
彼は、いくつかの仕事が溜まってくると一杯一杯になりやすい。
いつもやたらと汗をかきかき、
忙しそうに何かに追われて煽られている感じである。
だが、「主任」という職務で複数の仕事が無いって事はあり得ない。
つまり主任の「後(あと)でね」という、
その「後(あと)」とは、いつなのか?
そんなものはいつになっても来ないのだ(笑)


だから、「今はちょっと…」と言われても、絶対に引いちゃダメ!
「今じゃなきゃダメ?」「はい、今じゃなきゃダメです。当然です。」
そういって、無理やりネタを突っ込まないと、
いつまで経っても何も始まらないよ?
眉間にしわを寄せて迷惑そうな顔をしても気にしちゃダメ!
たぶん本人は、自分がそんな顔をしている事に、
気がついていないはずだ(笑)、構わず前へ出ろ!
それができるか、できないか?が、
この人との付き合いの成否を握る。


女性スタッフはすでに皆それをやっている。
言われても引かない。嫌な顔にも負けない(笑)。
男性は、社員もスタッフも上下関係には弱いので、
なかなかそれができないようだが、
でも、ポイントはここだぜ?皆さん!
言わせる、聞かせる、こっち向かせる。
その辺の頭を、よーく使ってください(笑)


…というかこれが上司を論じていう言葉だろうか(爆)??


そして、最後ににここだけの話ですが、
ASさんで責任者の方や、部下を持った人は大変だろうな、と思う。
今野主任がそうとは思わないけれど、
その傾向はちょっぴりあるよね。
今野主任は最近、体の不調をよく訴えている。


何かに秀でて上司の立場になった人でも、
それはまたそれで、職務としての向き・不向きがあると思う。
上に立つ人は、今までと全く違うスキルを要求されるので、
向かない人は、周りも大変、本人も大変、
体調に出る人もいるだろう。うまくいかない世の中だね。
 

 
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2007.03.28

事前研修の私の今後の課題

私は現在、契約会社で新人さんの事前研修中であるため、
普段と違って朝からそちらに出社している。

今日は少し重い荷物を抱えて家を出た。
頑丈な紙袋の中身は昨年まで使っていた自宅の電話機。
小さなカセットテープに通話内容を録音できるタイプのもの。

3日間の見極め研修の結果として、
今日就業をお断りする予定の小谷君
(20代前半/男性スタッフ/仮名)に、
やっぱり自分のしゃべりやその内容を聞いて欲しかった。

幸せの条件は、自分が自分を知ることではないかと、
個人的に思っている。
いいところ、悪いところ、得意なところ、苦手なところを、
自分がよくわかっていて、そこに折り合いをつけていかないと、
辛くて苦しい悲惨な人生になっちゃうよ?

向き・不向きを他人に指摘されるのは、
非常に面白くないものだが、
やがて納得できる時がくれば、
そこからが人生の本番かもしれない。

かつて地元の交通情報線センターに、
どうしても本番になるとうまくしゃべれない女の人がいて、
私は、放送のたびにハラハラして気が気でなく、
正直その人には早めに職を辞して欲しかった。
交通情報センターにも、いつまで使いつづけるのか?
と、言いたくなった。
が、それは嫌いで言っているのではなく、
その人の全人格を否定しているわけでもなく、
「この一点では向かない」というそれだけの話だと思った。

みんなが当たり前に持っているのに、
自分にだけ欠けているものなんて、
誰にだってザラにあるよ。
あこがれや意欲だけではままらない事も、
世の中にはあるらしい、とわかれば、
それもまたその人のためかな?なんて思う。

私のブログをご紹介くださった、
Zack-Balanさんも書いておられますが、
「人生のマーケティング」って必要なんじゃないかと思う。

    *    *    *    *    *    *

午前中のロールプレイングを終えて、昼を挟んだ午後一に、
私は小谷君にさきほどの録音を聞いてもらった。
先日のヒロアキさんは、自分の録音を全部を聞き終えた最後に、
「ダメですね。これは直りません。」とすぐに言った。
小谷君はどう感じるだろう。

録音はとても長かった。
小谷君は言葉を選んで考え考え話すので、
口調がスローであまりリズミカルじゃないし、
少しの間、何も話せずに黙ってしまう事もよくある。
だから、通常10分ぐらいで終わる内容が、
倍かかってもなかなか終わらない。

並んで座っている小谷君を横からそっと見ると、
マウスを掴んだままじっとPCの画面に見入っており、
話の内容的にそちらに気になる事があるのか、
あまり耳に入っていないようにも見えた。
(マウスから一瞬を手を離して止めた時の手の形が、
 ヒロアキさんの手の癖と少し似ているかな。)

そしてようやく一回分の話が終わった。

「どうだった?自分の対応を聞いてみて。
何か…感想とかある?」

「うーん…」

何も浮かばないのか、
浮かんでいても言葉が見つからないのか、
小谷君はほんの少し首をひねり、
それでも「うーん」と考え込んだままだった。

「どこがいいとか、どこが悪いとか、
何か気が付いた事ってありますか?」

「感想ですか?(私→うん)… 感想… 感想…
そうですね、もっとスムーズに、
しゃべられればいいのにな、って、思いました。」

「あぁ、そう。」

私はお断りの件を、
場を変えてこのあとにきちんとお話をするつもりだったが、
小谷君の様子で、彼が自分に対して何か言われるのを
待っているように思えた。たぶんそうだと思った。
「録音してあとで一緒に聞いてみようね」と告げたときから、
「もしかしたらダメかな」と、思ったのかもしれない。
私は何かをお伝えするなら、今がそのタイミングだと感じ、
咄嗟に予定を変更して、そのまま話を続けた。

「そうだね、小谷君、この仕事、ちょっと向いていないかもね。
お話の仕方もきれいだし、言葉遣いも丁寧だし、
噛んだりつかえたりはするけど、
しゃべり方がそれほど悪いというわけでもないと思うんだよ?」

「でもね、横から見ていると、契約ナンバーを何度も間違えたり、
パソコンを操作し始めるとお話をよく聞いていなかったり、
…忘れてしまったり(笑)…勘違いしたり…
たぶん小さい頃からの"性格"だと思うんだけど、
何かをしながら何かをするという事が、
ちょっと苦手かな?苦手…だよね?」

「あ、はい。」

「電話の仕事は、手を使って頭を使って耳と口も同時に使うから、
そういうところが苦手だと、なかなか仕事にならないかもしれない。
小谷君、自分では気がついていないかもしれないけど、
練習している間中、とても辛そうで険しい顔をしていたし、
なんだか見ていて可愛そうになって来てさ…」

「あぁ。はい。あの…昔から…子供の頃から、
やっぱりそういうのはちょっと苦手でした。」

「うん、あぁ、なるほどね、そうかもしれないね。
そうなると、電話の仕事は小谷君には、
向いていないのが結論という気がするんだけど、
そう言われて、何か納得できないところはありますか?」

「いえ。
やり手のぷらたなすさんがそう言うのなら、
それでいいと思います。自分はそれでいいです。
それはぷらたなすさんにゆだねようと思っていました。」

やり手?? なんかすごい表現をするなぁ(笑)。
こんな場でも内心では受けてしまい、突込みを入れたくなる^^
そういうイメージでずっと見てもらっていたのはうれしいけど。
でも、私に判断して欲しいと思っていたのは意外だった。

「自分は卒論も、ハードのプログラミングでしたし、
あまりいろいろな事をやった事が無かったし、
むしろ、若いうちにこういう仕事が向かないのがわかって、
すごく良かったです。自分のためになりました。
ありがとうございました。今度からは…」

「そうだね、電話の仕事は行っちゃダメね(笑)、アハハ!」

小谷君も「ですね!」と、一緒に笑った。
なんだか初めて心の通じる会話が出来た気がした。

「それじゃ、今回の仕事はお願いしないという事でいいですか?」

「はい、いいです。」

「そっか。わかりました。お役に立てなくてごめんなさい。
それじゃ、研修もこれで終了とさせてください。
今、細川さんにも話してきますから。」

その後、採用担当の細川さんと少し話をしたあと、
私達に挨拶をして彼は去っていった。

    *    *    *    *    *    *

前回のヒロアキさんのときにも思ったけれど、
最近出会う人達は、去り際がとてもきれいで礼儀正しい。

私は以前他の課からお断りをいただいたスタッフの何名かが、
どうしてもご本人がそれを納得する事が出来ずに、
繰り返しメールをもらったり、何度も何度も携帯に電話が入ったり、
(ある青年からは三年経った今でも、
主旨のよく見えないメールが時折来る)
神経をすり減らした経験が幾度かあるので、
こういうった事に関しては、細心の気を使う。

だから、たとえ誰が見ても致し方の無い結果になったときでも、
何事も無く、物事が穏便に進んでいくために、
最大の配慮で臨むわけですが、
ヒロアキさんも小谷君も何の不満を語る事も無く、
むしろ謝辞を述べて去っていくのを見ると、
こういうのって性格(←今回は本当の意味で)なのかな?と、
思ったりする。それは多分にあるんだろうね。

仕事的な事を教えているときは、
結構ぼろぼろ間違えて、あれれ?と苦笑してしまい、
親が小さな子を見つめるような気持ちになってしまう事も多いのに、
そこから離れて話をすると、年齢相応にきちんとしていて、
今回もやっぱり、不思議な気がした。

    *    *    *    *    *    *

さて、ヒロアキさんや小谷君のような人と、
そうでない人達には私としての大きな相違がある。

それは仕事上自分と直接関わりがあるかどうかの有無で、
自分の配下に入っていない他課のスタッフ達には、
先方の責任者に言われた事を伝えるのみになってしまい、
ここまでの具体的な指導や提示ができない事だ。
そこに私のジレンマがある。

自分が直轄するグループに入るスタッフならば、
(私もそこのオペレーターだったので)
手取り足取り教えてあげることもでき、
ロープレまでも、時間をかけてしてあげられる。
が、同じ課の中でも担当外の商品群になるとそれができないし、
まして課が違えば業務も違うのではっきり言って手が出ない。

実は「厄介な人」の穣太君も、
私がよく知らない商品の担当班だったため、
私は二週間も横に付いていながら、
あまり具体的な指導をしてあげる事が出来なかった。
それをずっと残念に思っているのだ。
そして穣太君は、根本的なところには納得しないまま、
違うところに理由を見つけて辞めていった。

逆に考えると、
今後他の課、他の班に入る新人さんが来たとき、
これと同じような適性の見極めができるかといったら、
できない可能性が高いという事だ。

基本は同じだと思う。
けれど、取扱商品も業務内容も、
大きく異なる他班や他の課の事前研修で、
まさか、うちの班の商品でうちの班のやり方を模した研修は、
現実的にできないでしょ?
デジカメのサポートセンターに入る人に、
プリンターのセポセン用研修をしたって意味が無いのと同じで、
イメージ作りと見極めには有効でも、
「就業前の事前研修」という大義名分からは大きく逸脱してしまう。
ここで問題が無ければそのまま業務に入るわけだからね。

適正も判断できて、
かつ就業にも現実的なメリットのある研修。
そこが今後の課題かな、と思う。
あたしゃ、これでも結構忙しいので^^;
全商品と全業務を覚えるわけには行きません。
それでも各課、各班の業務の中から、
キモになりそうな作業や実際の手順を把握して、
次回に生かしていかないとダメなんだろうな。
でも、具体的な指導までは難しいね、結構。

見つかるかどうか目処も立っていませんが、
次の新人さんは他課のスタッフになると思う。
連絡の無い欠勤者考」の山川君が、
ついに正式退職したからだ。

今現在、欠員が出ているのに補充しきれていない人数が、
じわじわ増えてきているのだが、
諸処の事情を鑑みての一番の優先順位は、
山川君の後釜だろうな…
穣太君の後任も、ヒロアキさんの後任も、
小谷君を入れるはずだった増員も、
この際全部後回しだ。

あー、人、来ないなぁ…
私達はこの先どうなるんだろうか。
そして次の新人がもし決まったら、
私はどういう研修を組んだらいいんだろう。

実戦に入って不向きがわかる新人さんには、
実戦に近い事前研修をすればいいとわかった。
だが問題は、その人の今後の仕事にとって、
「何が実戦なのか?」だよね。
もし、人が決まったら、今度は他課の仕事を、
つぶさに見学に行かなくっちゃな。

模索の日々が再び続く。

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2007.03.27

この新人さんは断ろうと思う

そうだ!と思いついて、研修室のPCにSkypeを入れた。
これだと電話機がなくてもヘッドセットで話ができる!
電話という物体にこだわる必要なんてなかったんだ^^;

だったら他でも可能だと気が付いたけど、
人間やった事のあるものしか、
思いつかないように出来ているんだね。
Skypeなんて二年ぶりだなぁ。結構進化してそうだ。
ボイスチャット用のヘッドセットなら安価なので、
研修の必需品と言えば、数本分の許可は下りるだろう(笑)。
(実際下りた!やったね!)

本社に返却するタイミングを失ってしまい、
露見を恐れた?周囲の同僚達が、
「ぷらさん、預かってて」と私に管理を押し付けた、
古いノートPCを机の引出しから取り出し、
一番まともそうなやつにVectorから、
Accessを使うフリーウェアをダウンロードして、
顧客管理DBを入れた。

今日は朝から早出してそれに架空の会社をいくつも入力する。
それを使ってよりリアルなお客様対応の練習をするため。

ランダムな契約ナンバー、さもそれっぽい社名、
住所、電話番号、担当者名、購入商品…
思ったより時間がかかってしまったが、
20社分ぐらい投入しておきゃいいだろう(笑)。

いやー、いいな、このフリーウェア、
最初からサンプルのユーザーが、
本当にありそうな内容で20人ぐらい入っている。
作りも、どこか企業で使っている顧客データベースっぽい。
というか、うちの職場のそれに雰囲気が似ている(笑)
(ご利用はこちら(笑)→http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se374242.html
※うあ!今よく読んだら、
「電話サポートをしながらの操作にもぴったりです。」って、
今気が付いた。すげーな、自分は天才か?って思うよ(爆)!

これで準備は完了だ。
3日しかない事前研修の内容を、
できるだけ実戦に近付けるんだ。

お客様のなごふくさんのコメントが大きなヒントになり、
私はなぜ今までの研修で、
事前に気が付く機会がなかったか確信した。
そのひとつは内容が複合作業じゃないからだ。

私が言う。私が教える。板書する、解説する、やって見せる。
それは卓球と同じで、ひとつの玉に注視するピンポンだね。
もちろん業務の基礎知識を覚えてもらうためのものだから、
確実な理解のためにはそうなってしまうのだけど、
そうじゃないんだもの、今回は。

ヘッドセットをかけ、契約ナンバーを聞いて、
専用のPCでデータベースを引きながら、
検索結果が出るまでに自分のPCで必要なツールを開き終えて、
様々な入力を済ませる。
そしてその結果が出揃うのを待たずに、
保留を解除して、お客様の話を聞き始める。

そう、全部が予測ベースのフライングスタート。
ほんの数秒でも待たされるなら先に次の作業に入る。
それを身に付けないとお客様にとって快適な対応にならないし、
リズムが取れなければ件数も取れない。

聞き取りを開始して相槌を打っているうちに、
やがてツール類は次々に値を返してくれるだろう。
それを目で追いながら、耳はお客様の話を聞き取り、
頭で原因特定の切り分けをしながら、
もうひとつのエンジンで回答の組み立てを考えている。
「うわぁ…やばいな、これ。なんて言おうかなぁ…」なんて。
これが大きな努力をしなくても無意識にできること。
できるようになる土台を持っていること。

    *    *    *    *    *    *

新人候補の小谷君(20代前半/男性/仮名)に、
あるテーマで事前に書いてもらった作文は、
理路整然とした論文調であったがどこか理屈っぽく、
彼の文面に使われていたラップトップという言葉を無視して、
私が、「このノートパソコンの話ですが」というと、
「ラップトップがノートパソコンの正式名称です」と訂正された^^

それは前回も書いたけど、他にも気になるところがあって、
私が某書籍から男女の短い会話を抜き出して、
「この意味は?」とスタッフの皆に尋ねたところ、全員が、
「この二人は夫婦だから(恋人からor交際しているから)、
こういう意味」と、短く書いてきているところを、
「1:1の場合/○○○…
  1:2の場合/○○○…」と、一人だけ変わった書き方
だったんだよね。

システム開発の会社に就職して一年未満で辞めて、
現在は公務員を目指している。公務員か…公務員…
辞めた理由は、「先輩達が忙しそうにしているのを見て、
自分には合わないと思った」
希望は「研修があって役割分担がはっきりしている仕事」
長所は「決めた事は最後までやるところが誰にも負けない」
私は一次面接者からのこの引継を読んだだけでも、
何かがピンと来たりしてしまう。

そしてお客様のけるさんがおっしゃるのと似た感覚で、
仕事的にまだ未熟なのに理論優先で、
常に現状に満足せずに現場批判を繰り返すような、
頭でっかちの場違いな理屈屋さんを想像していたら、
そちらはキャラクター的にハズれたので、ちょっとびっくり。

研修を進めるうちに、妙に子供っぽい雰囲気を感じて、
あれれ?と調子が狂っちゃったのは例えばこんな感じ。

「それじゃ、ここのお客様専用ページに、
研修用アカウントでログインしていてね。」と、
電話が入ったので一時立ち去ろうとすると、
「すみません。どういうことかわかりません。」

(キャ、これをお読みのご関係の皆様、ごめんなさい!)
内心、おー!来たか、と思う^^。

取扱商品をすべてホワイトボードに羅列したあと、
「そうそう、こういうのもあるんです。」と脇に小さく書いて、
ふと思いついて、「これ、どうして脇に小さく書いたと思う?」

「わかりません。」(あららら…)

うーん、私だったら何て答えるかな。
「売れてないから」「生産中止したから」
そんな答えぐらいはするかもしれない。
とりあえず、想像がつかなくても、
「うーん」と首をひねって考える振りはする。
「わかりません」と瞬時の即答はしないぞ?

「これはね、古いお客さま用に今も販売はしていますが、
もう一般ユーザーには売っていない事になっている商品で、
ホームページにも載せていないし、
特別な注文をしないと買えない商品だからなの。」

「あぁ…あ、そうですか。」

国語のテスト的な読み取り問題をお願いする。
「時間がないからここから後ろだけでいいですよ。
それでも制限時間に終わらないようであれば、
ここにある呼び鈴を押して延長の申し出をしてくださいね。」

やがて呼び鈴。

「終わらなさそう?やっぱり(笑)?じゃ、終わったら呼んでね。」

ところが、終わったので呼ばれて戻ると、
あれれ?全部やっちゃったの?
それで遅くなったの?
後半半分でいいって言ったじゃーん(笑)

何かが私の中で固まり始める。

    *    *    *    *    *    *

そうね、それだけを半日で教え込んだ超基本的な内容で、
本番もどきにロールプレイングをしてみると、
やっぱり契約ナンバーは「あれ?あれ?」と、
よく打ち間違えるし、
お話の前半はやっぱりすっかり抜けちゃうし、
あのクールで理詰めの論文的な文章から伺えるキャラとは、
ものすごい(!)ギャップがあるんですよね。

それで、つい場を和らげるために、
「ダメじゃーん!(笑)」なんて言っているうちに、
師弟関係だったはず?の事前研修が、
親子関係(爆)(ま、長男のいっこ上でもあるし(笑))、
に変わっちゃうのね^^。

そして案の定、電話応対の部分も難が目立つかな。
この研修の最初のカリキュラムが、
マナー研修から開始したという理由もあって、
きちんとした敬語を使おうとしすぎて、
スムーズにしゃべれません。
コマ切れに止まって、不自然に長い間があくんだよね。

「慣れないなら、普通の話し方でいいよ?」と言うんだけど、
なかなかそれもすぐには切り替えられないみたいだね。
教えられた限りは、間違いの無い、
完璧できれいな敬語を使いたいのだと思う。
それがまず真っ先に頭に浮かんでしまうんだろうな。
こうしてみると、他社さんの同業者が言う、
「しゃべれない人」という括りかたも合点がいく。
でも、しゃべりの素質に問題があるのではないんだよね、きっと。

あ、そうそう、それからもうひとつ大きな事に気がつきました。
小谷君てね、この2日間、私に自分から話し掛けた事が、
一回も無いの。よく考えたら本当にそうなの。

通常こういったマンツーマンの研修のときは、
緊張するし息苦しいので、
新人さんはそれをほぐすように、
自発的によく話し掛けてくるんだよね。

何かの課題作業をさせて私が待っているときに、
「遅くてすみません。こういうのは初めてで…」と謝ったり、
間違えるとバツが悪いのか、
「あーしまった、俺、やっぱ向かないのかな~(汗)」とのけぞったり、
話好きな人だと、
「ぷらたなすさん、この仕事、長いんですか?」なんて(笑)、
何かしらその人の"素"が見えるような働きかけがあって、
それがきっかけで打ち解けてきたりするんだけど、
小谷君、それ、全然ないね。
私の説明を「はい…はい…」って、いつも同じ抑揚の返事で、
一方的に聞いているだけだね。

本当にわかっているのかな~?と気になって、
「何か、質問はありませんか?」と尋ねると、
「いえ、特には。」

「じゃ、このhttpsの『s』って何だろう?
ここに『s』がついているとどういうことになるの?」

「s…s…なんかの略語…ですか?」

うーん…(気持ちはわかるが…)

「じゃ、うちの契約番号で、
この商品群のユーザーの先頭につくアルファベットは?」

「Pです。」

は???
いったいどっから持ってきたんだ??その「P」は?(爆)
何がどう変換されてしまったんだろう?
しかも直前までその話をしていたのに。
(正解は「X」、全然似てない(笑))

「え?そう思った理由ですか?
昨日、『P』って言いましたよね?
スプリクトの読み合わせで」(→一言も書いていない)

しかも、ん?ん?すぷりくと?す、ぷ、り、く、と??
もう一回ゆっくり言ってみて(笑)?

    *    *    *    *    *    *

なーんか、毅然と接しなければいけないのに、
つい噴出して、顔がほころんでしまうのよ。
でもさ、事前の自己申告ではhttpsもスクリプトも、
わからない経歴の人じゃないはずなんだよね。
(ウソはつくような人じゃないと思う。)

本当は採用担当の細川さんに、
今日のうちにお断りの電話を入れてもらおうと思った。
が、思うところがあって今日の連絡はやめた。

明日、マナートレーナーの小原さんと三人で、
ロープレをやる予定なので、
私は今日これで終わりにせずに、
小原さんにも明日参加してもらい、
二人でいろいろと話し合いたいと思ったのだ。
それに電話一本でなんて失礼だし。

「それじゃ、今日は普通に帰ってもらっていいんですね?」
そう言って、研修を終えた私と入れ替わりに、
研修室に入っていった細川さんがなかなか戻って来ない。
辞退の相談でも受けているんだろうか。
彼、たぶん、今日は相当辛かったはずだ。

やがて戻って来た細川さんが言った。
「今日の感想とかを聞いていたんですが、
なんか、小谷君、前よりもやる気満々で、
自分は友達の中では一番しゃべりが上手いんだって、
そう言って帰って行きましたよ。」

そうか。。。そうなのね。。。
そう。。。やる気満々か。。。

私、明日、彼を意識的に否定しなきゃいけなくなるんだろうか?
やだな。わかって欲しいんだけどな。
結局、どう気付いてもらうかなんだ。嫌われるのは構わない。
けれど、私は小谷君が自分に客観的になれる場を、
明日、提供してあげられるのだろうか。

とりあえず、けるさんの予想するような、
>来月の終わりあたりに、このブログで、
>「今度の新人○○さん(仮名)の話だ」とか書かれそう
…な事にはならないと思うので、まずはご報告でした。
あまり口外すべきことではないと思うが、
私は上記の書き込みに少し受けてしまった事を、
ここに白状しておく。

【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・出番です、待たせたね。1(周辺記事) ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について  ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う




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2007.03.25

お互い不幸にならないために

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職★[完]お互い不幸にならないために

--
ヒロアキさんが辞めていくときに、
主任や正社員達への挨拶がとても立派なものだったので、
少し感動した私は、
班長の芦田君(30代前半/男性スタッフ/仮名)にその話をした。

すると彼は、
「退職するときの定型文が、
本人の頭の中には常にあるんじゃないですか?」
なんて、あっさりこんな事を言う^^;

随分な言い方をするよな?と思った私は、
「あのさ…」と言おうとしたが、
それもまた一理あると思い、
あはは!と笑うだけで終わった。

「でも…今回は二人で事前に会っているのに、
マジで全然わからなかったね。。。」

「しかたないっすよ、こればっかりは。
俺もメチャメチャ勉強になりました。
ただ、こういう結果になってみると、
『今思えば…』っていうのはありましたね。」

それは私もあった。

「え?それは何?」

「この前もぷらさんに言いましたが、
ヒロアキさんが面接で俺の話を聞いているときに、
少し気になったので覚えているんですけど、
手がね…手の形がこう…うーん、なんか、独特って言うか…
俺の話を聞いているときの手の形が変だったんですよ。
何かをガツッと掴みかけてそのまま固まってしまったように、
指が曲がったまま開きっぱなしだったんですよね。
緊張したりストレスがかかるとそうなるんじゃないかな。」

私はそこに注意を注いだ事が無かったので、
数日前に芦田君からそれを言われてから、
その気で見てみたらやっぱりそうだった。
ヒロアキさんは難しい説明を聞いていたり、
自分の対応を録音で聞いているときなどは、
指がそういう形(わしづかみ状態)になっていた。

(芦田君)
「普通、人の話を聞いている時の手って、
揃えてひざの上に置いているか、テーブルの上にあるときでも、
指を大きく曲げて開いたりはしないじゃないですか?
だから、今思えば自分は手ばかり見てたような気がします。」

なるほどねぇ。私はそこは全然見ていなかった。
私は以前訪れたAS当事者の方のサイトで、
「自分や自分の知り合いのASは手に少し異常がある」
と、読んだ事があるのを思い出した。
このタイプの人は元々不器用な人が多いらしいので、
もしかしたら何かの特徴が手に出やすいのかもしれない。
そして芦田君はそこに何かの違和感を感じたのかもしれない。
やはりこの人は、細かいところによく気が付く人だ。
さすがに「人間観察が趣味」というだけある。

私の「今思えば」は、声の大きさである。
面接の時のヒロアキさんは、
礼儀正しく言葉遣いも丁寧だったが、
話し声がとても大きかった。
自分の経歴などを明るく笑顔で話してくれたときも、
受け取り方によっては怒鳴っているようにも聞こえる、
大声での話し方であった。

ASの人は声のボリューム調整が、
うまくできない場合があるようだが、
そういえば、「確認を怠って憶測で回答する」と、
周囲の過激な批判を浴びて退職した、
2年前のある40代男性スタッフも、
押し付けるような話し方で、しかも声がとても大きかった。
(彼は会社の元社長だったため、そのせいだと思っていた)

私は最近、そうではないか?と感じるスタッフが、
職場で大きな問題になり始めているときは、
担当の班長や、「この人なら」と信頼の置ける同僚達には、
アスペルガー症候群の話を一応してみる。

もしそのスタッフと今後も一緒に仕事をしていくのなら、
周囲の理解と配慮は必須だからである。
彼らの至らないところが、
人間性やマインドなど蔑視すべき人格の問題ではなく、
生れ付きの障害の可能性があり、
それに適した指導で職場に適応させていかないと、
育ち上がらない場合もある事を知って欲しい。かつ、
そこに攻撃的な感情を持ったり、誹謗・中傷してはいけないと、
わかって欲しい思いが強かったからだ。
けれどそれは諸刃の剣でもあった。

「何かの障害でそういう風になるかもしれない事はわかった。
確かに検索して調べてみると、
○○さんはまさにその通りと思える。
しかし、だったらなぜそういう人を入れるのか?
事前に会っているぷらたなすさんが、
変だ、おかしい、と気がくところはあるはずなのではないか?
それを入れておいてこちらに負担を強いるのは納得できない。」

これには私も全く反論ができない。
結果を踏まえて振り返れば、
確かに「言われてみれば」という事はそのたびにあった。
が、それらはすべて、後になって思い出すことばかりである。
その記憶が今もあるのだから、
ちゃんと自分にインプットはされているのだが…

だが、それが自分にとって初めてのケースのときは、
それを重要なヒントと、とららえる事がどうしても出来ない。
例え声が大きくても、話を聞く時の手の処し方が変わっていても、
それは個々の癖や個性で十分片付けられる事でもある。
(いや待てよ?本当にそうなんだろうか?…、ま、いいや(笑))

今後の面接でなら私は、
話を聞いている時の相手の手の形や声の大きさに、
必ず気をつけるようになるだろう。
だが彼らのどこにその特徴が出るかは決して一様ではなく、
私は「掴めた!」と思う自信と、
面接や事前研修で見抜けなかった喪失感を、
その都度激しく繰り返している。

見えた!と思えてその実、見えていなかった事の繰り返しだ。

    *    *    *    *    *    *

電話によるユーザーサポートの仕事は、
彼らには向かない仕事である。
彼らの一番苦手とする事を強いられるため、
研修がより実戦に近づくごとに、彼らは周囲から、
非常に冷ややかな視線で見られ始めるようになる。
業務に入る前の練習の時点ですでに、
いろいろな「できない事」があからさまになり過ぎて、
その批判のされようは、ときに気の毒でさえある。

それでも応募があるのは、
会社の業種やサポートする商品の、
種類によるところが大きいと思うが、
PCや関連の知識だけではなく、
「お客様を相手にする」という事実にイメージが希薄なため、
自分の趣味やスキルをダイレクトに生かせる仕事と思って、
希望してくる理系の人が多いように思う。
が、それがその通りだったかどうかは、
残念ながら人によって大きく分かれてしまう。

だから私はお互いのためにも、見抜けるものなら見抜きたい。
体調を崩してしまったり、傷つくような辞め方はさせたくない。
入れた以上は育て上げたいし、育ち上がって欲しいと思うが、
それがかなわない時でも、自分のどこがどう向かないのか、
客観的な根拠で理解し、納得のある退職をして欲しい。
例えここでご縁がなかったとしても、ご本人の今後のためにも、
少しでも何かに気がつき、わかって欲しい。

アスペルガー症候群をはじめ、
自閉症や発達障害などの社会的認知が無く、
ときに誤解も多かった時代に大人になり、
たぶん今までもこの先も、お医者様の診断などを、
受けることがないと思われる彼らへの、
私がしてあげられる小さな投げかけでもある。

この頃感じるが、この仕事でNGの人って、
「スキル不足」とか「しゃべれない」という理由で、
断られたりするんだけど、
実際はそうじゃなくて、大半がASとか、
何かの器質的な障害要因なんじゃないだろうか。
逆に考えれば、普通の人(定型発達)でありさえすれば、
どんなに初心者でもほとんどやっていけるようになるのでは?
もちろん、興味・関心のあることが前提だが。

そう思うとなおさら、面接担当の自分の責務は、
(悲しい事だが)そこへの見極めに比重を移さざるを得ない。
以下は今までの苦い経験から私が気をつけるようになったリスト。

・私的モードのリラックスした話し方が出来ない人。
・歩き方やお辞儀がギクシャクしている人。(軍隊調)
・顔立ちがちょっと変わっている人。
・回答と質問がずれる人、話のかみ合わない人。

古本屋で買った難しい専門書を何冊も詰め込んだ重いバッグを開き
「この中でいったいどれを勉強すればいいですか?」と聞く人。

研修の解散のタイミングがわからずに用が無いのに残っている人。

昇給のための資格に関心を持ち、
業務もまだ覚えない研修中のうちからその参考書ばかり見る人。

面接する私の話を何度も止めて、メモを取る事に異常に熱心な人。
その内容が変更になってしまったときに烈火のように怒る人。

面接時にシステム手帳やバインダーにメモする人。電子手帳の人。
(意外に思われるかもしれませんが、普通の方はメモをしません)

表情が見えないぐらいに下を向いて視線を合わせずに話を聞く人。
または面接中に誰かがそばを通るとそちらを目で追ってしまう人。

交通事故の多い人、頭に怪我の痕がある人。

考える素振りを見せずに、すぐに「わかりません」とあっさりいう人。

これらは皆、私がASでは?と感じた過去のスタッフさん達の、
面接や事前研修時での「今思えば」である。
読んで腹が立つと思う方も大勢入ると思いますが、
決め付けではなく、とりあえず注意のフラグが立つという事です。

私は他人には寛容なほうなので、
相手に少し変わったところがあっても、
心情的に理解できたり、共感してしまったり、
事情があったり、運が悪かったりしたのだろう、とつい思ってしまう。
顔立ちに「?」と思う事があっても、
人を外見で判断してはいけない、という道徳的なブレーキがかかり、
話してみていい人なのでGOサインを出して、
結果的に失敗した事もあった。

私はそれらのすべてをありがちな事と、見過ごすのではなく、
何かの"引っかかり"ととらえなくてはいけないんだろうな。。。
それに今度は、「声の大きさ」と「手指の癖」が加わるのだろう。

けれどそういった過敏な姿勢は、事実に反する間違った判断で、
問題の無い人まで断ってしまう可能性も高いように思え、
この人の足りない時期に、自分で間口を狭めているのでは?
と、大きな自問もあるのだ。
(ご縁があってこれをお読みの方も、
断定的な認識は絶対に持たないで欲しい)

    *    *    *    *    *    *

明日から私はまた新しい事前研修に入る。
「今度こそ、ちゃんと人を見て入れてください」と、
クライアント企業に強く念を押されているので、
プレッシャーが大変大きい。

いろいろ書いたが、自分に経験やノウハウのない見極めを、
最初から行う事は到底不可能な話であって、
正確に言えば、前述のパターンに合致しない場合は、
あまり疑う事も無いかもしれないし、
それを事前に見抜くなんてはっきり言って無理だと思う。

だがもう、これ以上不向きな人を入れて、
ご本人が不幸になったり、
職場の感情的な摩擦を起こしたり、
企業間の信頼感を失ったりすることはできない。
いや、もっと正確に言えば、
次だけは絶対できない、という事かな。

いったいどうすりゃいいんだろう。

そんな風に思い、今日は朝から、
明日の研修内容をずーっとツラツラ考えこんでいた。

今度の新人さんは大学の理系学科を出た20代前半の男性。
公務員を目指して退職したが試験のある来年までの収入を、と、
応募してきた。今は人が全くいないので、
私達はそれでも構わない。企業もそこに文句はつけないだろう。
スキルもあり、話した感じも悪くなかったが、
事前にもらったメールに理屈っぽさが目立つのが気になった。
そこにはノートパソコンのことをラップトップと書いてあり、
私がそれを無視して「このノートパソコンの話ですが」と尋ねると、
「ラップトップがノートパソコンの正式名称です」と訂正された。
少し気になる。気にしちゃいけないのかな…
いや、こういうところをスルーして後で後悔するのが怖い。

そこで私はふと気が付いた。いや違う、そうじゃないんだよ。
本当に見るべきところは、
そういった結果としての言葉や態度じゃないはずだ。
花の色や葉の形に気を取られていてはいけない。
私が感じ取らなくてはいけないのは根と幹なんだ、きっと。
そのためには、長所や短所が現れやすいスタイルで、
継続的に関わってあげないとダメかな。

バラエティに富んでいる、
表面的な結果だけをを総ざらえするのは無理。
でも、現場での研修やOJTのように、
より本番に近い形の継続研修なら、
見えてくるものもあるはずかも。

そうたぶん、今までの事前研修をまず見直す必要があるね。
より実戦に近いお客様対応のトレーニングに重きを置いて、
なるべく現場と同じ雰囲気の研修を行えばいいのだ。そうだ!
今までは仕事の準備として知識的な予習にポイントがあった。
でもまずそれを変えなければ。
知識はこの際あとでもいいや(笑)。
クライアント企業と約束した履修必須項目もあるが、
すでに形骸化しているところもあるので、
そいつはこの際、黙っていよう(爆)!

そうだね。ここで自分の気持ちを整理してみると、
私は今まで電話応対中心の事前研修には、
大きな抵抗があった。
なぜならこの仕事の面白さは結局謎解きにあるからだ。

お客様の話を聞いて、「なぜかな?」と考えてみる。
材料を集めて推理し、予測を立てて切り分けし、
エラーを聞き出し、ツール等で確認し、
実機検証で特定させ、ユーザー回答をする。
その面白みを十分感じ取れる人達に、
電話の対応トレーニングばかりを行って、
せっかくのモチベーションを下げたくなかったし、
「だったらやりません」と辞退されるのが怖かった。

だけど、情報収集の一番の手段は結局電話であり、
お客様の話す内容の十分なヒヤリングなのだ。
そこができなければ正解も出ないし、
面白みも感じ取れない。
私は自分の今までの考えを改め、
敬語や言葉遣いに終始する事の無い、
もう少し実戦向きのお客様対応トレーニングを考え始めた。

うーん、でも、
契約会社の研修室はただの会議室なのでその環境が無い。
データベースもなければ電話機も無く、
ツールもイントラネットも無い。
あるのはネットにつながった普通のPCが数台のみ。
シングルフォーカスな彼らの資質を見極めるには、
複数の作業を同時に行い、かつ思考も働かせる環境が、
必要ではないかと思う。

大規模なコールセンターに何百人というスタッフを、
送り込んでいる会社とは違い、
うちは実績の少ない中堅どころなので、
専門の研修システムや環境が無いし当然予算も下りない。

そんな中で、より実戦的な作業を行ってもらう事で、
新人さんの向き・不向きを判断していくためには、
いったいどういった研修にすればいいのだろう。

急ぎの募集だったので、今回の研修期間はわずか3日だ。
日数が足りない。せめて一週間は欲しい。
私は同じ徹を踏まない事ができるのだろうか。
正直大変不安である。
たぶん今の私は他の人から見れば、
自信も無く少し臆病になり過ぎて、
凝り固まっているように見えるんだろうな。
それは自覚してます。

それでもやっぱり淡々と、
歩いて行くしかないんだよね。

考え込む事の多い今日この頃だ。

 
 
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2007.03.23

その人の退職

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…★その人の退職[完]お互い不幸にならないために

--
ヒロアキさんが辞めた。

本日をもって退職した。

続けてもらうのか、辞めてもらうのか、期限を決めて見極めろ、
と、私が職場の上司に言われていたヒロアキさんが、
"来週からは居ない人"となった。

夕方、今日ヒロアキさんが対応した電話の録音を、
席から少し離れたところにある専用の装置で二人で聞いて、
良くなかったところなどを指摘し終えたあとに、
ヒロアキさんが苦笑いしてこう言った。

「ダメですね^^。これは直りません。
このあと、いくら研修してもらっても、
これは直らないと思います。」

???
一瞬真意をつかみかねて、顔を見た。

「中身を理解しているとか、していないとか、
そういう問題じゃないですね。
でもこれは直りません。
ぷらたなすさんには、今まで、
本当に一生懸命教えてもらって、
大変ありがたく思ってますけど、
これ以上研修してもらっても、
ダメだと思います。直りません。」

彼は苦笑いして首を振った。

どういう意味だろう。退職?でいいんだろうか。

(私)
「え……
じゃ、ちょっと…場所変えませんか?
あっちに行かない?」

「はい。」

そして私はヒロアキさんから、
退職を決意したこと、
今日限りで辞めようと思っていることを聞いた。

「今日?今日ですか?」

「はい、だってこれ以上やってもしょうがないし、
来週来たって…無駄じゃないですか(笑)。」

正直なところを述べると、
ほっとした気持ちと意外な気持ちが半々だった。

こんな事を言うのははばかられるが、
世間にはまだらボケという言葉がある。
ボケている状態と正常な状態が混在していることだが、
自覚が足りない、危機感がない、状況が見えていない、と、
影で散々ささやかれる事がとても多かった、
(たぶんアスペルガー症候群では?と思える)ヒロアキさんが、
今こんなときにこんな事をきちんと言うのは、
大変客観的で、しかも的を得ている分析だったため、
私は驚くというよりも、少し感動してしまった。

私は、本当にそれでいいのか?と尋ねた。

構いません、と彼は言った。

そして怒るでもなく、沈むでもなく、
「いや~、ダメだったですね~(笑)」と、
ときに明るく笑いながら身の回りの後片付けを終え、
主任や同僚にきちんと挨拶をして、
出口まで見送った私に、
「お世話になりました」と一礼して去っていった。

わずか一時間足らずのあっという間の出来事だったのに、
妙に、そう本当に妙な気持ちなのですが…

とてもすがすがしい別れであった。

    *    *    *    *    *    *

私達が今日何をやったかというと、
えーと、事前練習や直前の確認作業など一切なし!の、
本格的な本番のお客様対応である。

いつもの私は、自分が元々担当している作業や、
メールのチェックや返信などで、
どうしても10時ぐらいからの研修指導になるのだが、
今日はそれらを一切やめて彼に付き、
朝一から普通に電話を取ってもらった。

実は、私は今日ひとつの決心を固めて出社した。
彼のどうしても表れてしまう先天的な特性を考えると、
それは電話対応の仕事においての、
重大な欠点と思わざるを得ない。

私が思うに、敬語が少しおかしい、スムーズなトークに至らない、
お客様とかみ合わなかったり、とんちんかんな勘違いなどは、
自分的にまだいいんだよ。
これらは時間をかけてのトレーニングやセオリーの落とし込み、
そしてケースバイケースのノウハウをシンプルに固定化して、
膨大な丸暗記計画目標で実行していけば、
ある程度は改善されるだろう。

だが、聞きながらメモを取れない、話の前半を忘れてしまう、
何かに気を取られると残りが一切耳に入っていない、というのは、
向き・不向きというよりも「不適格」だ。ここに難がある場合は、
正確なお客様対応が可能とは言いがたい。

しかも都合の悪い事に、
別な班の欠員に突然希望者が現れ、
それが諸般の事情で急を要する事から、
私は来週の頭からそちらの事前研修に、
出向かなければならなくなってしまった。
いくら融通をつけたとしても、来週は全く現場に来れないか、
来ても午前だけ・午後だけの半端な接し方しかできない。

だから、
今野主任から言い渡されたのは"3月一杯の見極め判断"だったが、
どう考えてみても、何かを伝えるのなら今日しかなかった。
自分の結論はもう出ている。ヒロアキさんには辞退してもらう。
それを今日の夕方に伝えようと思って朝に出てきたのだった。

(班長の芦田君)
「でもっすよ?今日それを言ったとしても、4月まではいるんでしょ?
でも、ぷらさんは、もう次の新人の研修ですよね?」

(うん)

「こっちにその新人を連れてきたら、今度は、
こっちでの研修も引き続きぷらさんがやるんでしょ?」

(うん、今の段階ではそういうことになる)

「…って事は、このままもう俺達のところには、
戻って来ないんですよね?」

(たぶん)

「じゃ、その間のヒロアキさんはどうなるんですか?
もう結論が出たので、研修はここで終わりですよね?
でも、こっちだって今は、日中、3人しか人がいないのに、
誰も彼にかまってやれるだけの稼動なんて取れないっすよ?」

そうなんだよね。。。

「それじゃ4月はどうなるんですか?毎日放置ですか?
研修もしないし、仕事も一人ではできないからさせられないし、
あとは黙って毎日ただ座っていてもらうだけしかないんですが、
そんな無駄な人件費を企業さんは払ってくれるものなんですか?
彼、たぶん、雑用とかだって、
お願いしたようにちゃんとできるかどうか…」

そうなのだ。今度はそこなのだ。
が、終了の告知は退職日の一ヶ月前と決まっている。
契約の終了を例え本日告げても、
そこから一か月分の給料は保証しなければならない。

「その辺は主任もわかっているはずだけど…」
と、私は言葉を濁し、内心では(まさにそこなのだ)と、
もう一度思った。

    *    *    *    *    *    *

さて、今日のヒロアキさんはお客様にも質問内容にも恵まれて、
5本取った電話のうち、なんと3件は自力完了できた!
というか、できてしまった。。。

全体的に稚拙で、決して誉められたものではなかったが、
それでもお客様は(ちょっと変わった人とは思ったかもしれないが)
文句も不満もなく三人とも謝意を述べて電話を切った。

そう、これこそまさに私が当初から目指してきたものだったのだ!
「あらら、できちゃった…」というのが、偽りの無い気持ち。
さすがに私はぐらついた。この調子ならできるんじゃないか?
と、気持ちが大きく揺れたが、それを自分で打ち消した。

が、私がここで心を鬼にして契約終了の告知をしても、
ヒロアキさんのほうが、イケてる感覚を持ってしまったら、
「やった!できた!」とうれしく思った分だけ、
彼を大きく裏切ってしまうようで、
そんな納得感の伴わない不整合なことだけはしたくなかった。

なので、ここは何とか、
「今の対応は、実はちっともイケてないんだよ?」
と教えてあげないと、みんなが傷ついてしまう。そう、私も。

だから、いつもは少し甘かった部分も、
「これは本番なんだからね?
本物のお客様対応であなたをテストしているんだからね?」
と、念を押して細かく指摘を入れた。
あなたに対して判断を下すように言われている、という話は、
すでに二回伝えてあった。

(お客様)
「もしもし?ワンプラスの川田と言います。
お世話になっております。」

(ヒロアキさん)
「は?」(←声でかい!叫ぶな。しかも「は?」じゃないよね^^)

「ワンプラスの川田です。」

「原田さんですか?」

「川田です。」

「あ、川田さんですね」(←"さん"じゃない!"様"をつけんかい!)

「はい。」

「かしこまりました。それではタナベさま、
ご契約ナンバーをどうぞ。」(は?なぜに"タナベ"??(謎))

(横からぷらたなす耳打ち)
「ちょっと、ちょっと!タナベさんじゃないよ、川田さんだよ?
さっきメモしてたでしょ?ちゃんと見て。」

ガーーーン!!ダメだ、こりゃ(笑)。
メモには、"サナダ"って書いてある。
なぜにそうなるのだ?全部違うよorz。。。

しかも、お客様は「ワンプラスの川田」なのに、
検索した契約者は個人名だよ?
いいの?それで?手順はそれでいいんだっけ?

「あ…本当だ…」

「本当だ、じゃないよ(笑)、なんで社名もメモしないの?」

「しましたよ?ここに。あれ?ない?あれ?おかしいなぁ…」

「え、ちょっと見せてよ?」(メモを手渡してもらう)

そこには消えるように小さな文字で1+と書いてあった。
1+…ワンプラスね^^、はいはい(爆)、
(わかんねーべ、これじゃっ^^…トホホ)

ま、こんな感じ。出た!って感じ。

(お客様)
「6つの支店のうち、
4ヶ所でお宅の商品を導入しているんだけど…」

(ヒロアキさん)
「はい、5つの支店のうちの6ヶ所ですね?」

ガハハ!あるわけないべ~、そんなこと(爆)!!
ちゃんと内容を考えて聞いているのか~?おーい!

ま、こんな感じ。自己完了している対応でも、
こういった部分がチョコチョコ含まれているので、
ヘタするとお客様の不興を買ってしまうと思うのだが、
本日のお客様は、皆いい人達ばかりで、
細かいところをネチネチ付いて来る人がいない。
この辺で一本、軽いクレームが入るといいんだけどな。

すると、「お待たせしました!」と言わんばかりに、
最初から不機嫌そうな若い男性のお客様から電話が入った。

(お客様)
「え?なにそれ?なによ、それ。一体どういう事よ?
あんた一体何が言いたいの?
俺が聞いているのは、そういう事じゃないでしょ?え?」

(ヒロアキさん)
「あ…はい   (沈黙)      」

(お客様)
「ちょっと、黙ってないで答えてよ。」

(ヒロアキさん)
「えー、では詳しいものに代わりますので…」

(お客様)
「あのさー、だったらさー、
最初からその人出してよ。
あんたもういいから、早く代わってよ!」

ま、こんな感じ。
内心、いい流れだ…と、思った私は悪いヤツです。
ごめんなさい、わかってます。
けれどヒロアキさんはやっぱりこたえている様子がないんだよね。

人の言葉と言うのは、すぐに流れ去ってしまう。
話が曲がりくねったり長くなってしまうと、
自分がポイントと自己判断したところしか、
記憶にインプットされないと思えるヒロアキさんは、
たぶん自分が発した言葉もあまり覚えていないだろう。。。

そうだ!録音を聞いてもらおう!!
そうだ、それがいい!
お客様対応の録音は、一定以上の権限を持つ人なら、
研修や指導や苦情対応に利用ができる。

私は夕方少し早めに応対を切り上げてもらって、
ヒロアキさんと二人で専用端末のところに行き、
今日の彼の対応を自分で全部聞いてもらった。
自分の声や話し方というのは、特に問題が無くても、
聞いていて決して愉快なものではない。

ましてヒロアキさんは、滑舌も少し悪い上に、
聞き取り間違いやお客様が話す内容主旨の食い違い、
つい声に出してしまう「あ!間違った!」「あ、そうか!」
などの独り言やつぶやき。
話し始めに必ずチッと音が出てしまう口の開きや、
何よりも彼が一番驚いた保留時間の長さなど、
今まで言われてきた事を自分の耳で聞いて初めて自覚したのか、
普段あまり目にしないような険しい表情でそれを聞いていた。

そしてこの話の内容が冒頭に戻る。

「ダメですね。これは直りません。
このあと、いくら研修してもらっても、
これは直らないと思います。
中身を理解しているとか、していないとか、
そういう問題じゃないですね。
でも申し訳ありませんが、これは直りません。」

    *    *    *    *    *    *

20分後、私とヒロアキさんは今野主任を交えて、
三人で応接室に座っていた。
ヒロアキさんは主任に言った。

「頑張って続けたかったけれど、
自分にはできない仕事だとわかりました。
だけど一本…一本、電話を自力で完了できたら、
それで辞めようと思いました。
今日は、三本も一人で完了できて良かったです。
短い間ですが、お世話になりました。
大変勉強になりました。」

ヒロアキさんの目が赤くなっているように見えた。
さすがに私も主任も少し目頭が熱くなった。

「せめて一本自己完了できるまでは。」

それは他の人から見ればとても低すぎる目標である。
でも最後にここに来た証をひとつでも得たかったんだろうな。
それを退職の潮時と決めて練習してきたのだろうか。
なんか、すごく切ない。。。

もしかしたら、録音なんて聞かせなくても、
今日彼は三本自己完了したことで満足し、
夕方には退職を申し出るつもりだったんじゃないだろうか?

だとしたら、私は余計な事をしてしまったのかもしれない…
同僚の小山内さんにも、「一本取れたら辞めますよ(笑)。」
と、笑って話していたらしい。私は少し悔やんだ。
今日彼が自己完了した三本の電話は目標達成の宝物だ。
なのに私はそれを、
自分の目的のために一緒に喜び誉めてあげられなかった。
思い返すと可愛そうで悲しくなった。

それにしても、今日のヒロアキさんは、
なんて「普通の人」なんだろう。。。
あの、仕事の驚くべき"できなさ加減"とは、
かけ離れた人格に思えるぐらい、
ものすごく普通の、いやそれ以上に"いい"人だ。

「自分がいつまでもいると、次の新人が入って来れないんで、
そのためにも早く辞めたほうがいいと思いました。
これ以上、皆さんにご迷惑もかけられませんし。」

迷惑…か。
「もうあとがないんだよ?」と私や芦田君に何度も言われても、
気にしてそわそわしたり、落ち着きが無くなる様子など一切無く、
「わかってんのかな?」「さあ…」と班長達にささやかれ、
ちょっと変わった人というとらえ方をされていた人。

「迷惑」についての話も、
チャートに書き図解して教えてあげたりしたけど、
理解できていないのじゃなくて、
理解できている態度が取れずに、
「はぁ…」と漠然とした反応をする事しか、
できなかっただけなのかな。

ヒロアキさんて、仕事さえしなければ、
本当にいい人なんだな、と、思った。
あの、何を教えてもすぐには身に付かず、
少しピンとのずれているところもあったヒロアキさんと、
今、目の前で背筋を伸ばして心中を語る彼とが、
うまくつながらない。

だが、この大きなギャップが逆に、
本人を不幸にしている事もあるのかもしれない。
ヒロアキさんはいい人だが、それと仕事とはやはり別である。
私は自分が間違っていたとは、思っていない。
ここまで、と線を引いた気持ちがもう揺れる事は無かった。

やがて私物をまとめ終えたヒロアキさんは、
「いやー、自分には無理でしたね~(笑)。
でも、すごくためになりました。
ぷらたなすさんも、本当にいろいろとありがとうございました。
それでは、どうぞ、お元気で。」
と頭を下げ、日の傾きかけた夕方の通りに消えていった。
私はヒロアキさんを玄関まで送らずにはいられなかった。

ちっともハッピーエンドなんかじゃない。
けれど不思議な事に、本当に不思議な事ですが、
今回はたぶん誰にも悔いのない、別れだな、と思った。
 
 
【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・出番です、待たせたね。1(周辺記事) ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について  ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ★その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題




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2007.03.22

やっぱダメかな…

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポート★やっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

--
一昨日の火曜日、班長達と課長と主任のミーティングがあった。
その場でヒロアキさんの立ち上がり状況を主任から確認された。

通常の新人と比べて立ち上がりがあまりに遅いので、
懸念した正社員達が主任に突っ込みと入れたのだった。

申し訳ないが、ヒロアキさんは、
「使えるスタッフかどうか今ここですぐ判断せよ」と言われたら、
「難しい」というのが正解かもしれない。

私達の仕事の場合、入社後一ヶ月だと、
サポートメンバーが横に付きながら逐一指示出しをして、
やっと日に1~2本の電話が取れる程度。

が、本番に入ると急速に新人さんは力をつけ始め、
二ヵ月後になると早い人で先輩達とほぼ同程度の20件以上、
遅い人でも7~8件は誰の手も借りずに自己完了できている。

が、先日で入社後2ヶ月が経過したヒロアキさんは、
(40代後半/男性スタッフ/仮名)は、
いまだ机上研修とロールプレイング主体の立上げ中である。
質問には答えられるし、内容もわかっているのだが、
人の話を聞いて、自分で考えて、次の行動を選択するという、
通常誰でも無意識にやっている事がどうやらできないんだよね。
言い換えれば、一瞬一瞬の自己判断をしないという事かな。

普通の新人さんは、だいたい内容がわかってくれば、
サポートメンバーを横につけて本番のお客様対応に、
入れることができる。

お客様の話と新人さんの話を、
両方聞けるリーダー用の専用電話機があって、
横に付いた先輩は双方の話を聞きながら、
新人さんが戸惑いそうになると間髪おかずに
「○○を聞いてみて」
「ツールで確認して」
「できないから断って」
と、逐一脇から短い指示出しをしていく。

新人さんはそれを瞬時に自分の頭の中で咀嚼して、
「○○はどのようになっておりますでしょうか?」
「ただいまこちらで確認しますので、少々お待ちください。」
「申し訳ございませんが、お客様のお宅には伺っておりません。」
と、すぐに自分の言葉に返還して対応してくれる。

だが、ヒロアキさんにはそれが難しい気がする。
ひとつひとつに対して、
「それはどうするんですか?」「なんて言えばいいんでしょう?」と、
聞いてきそうな気がするんだよ。

そしてそこで手短に説明したとしても、すぐに
「あー、違う違う!そうじゃなくて…」と、
再びストップをかけるような事になりそうな気がする。

だから、なかなか本番には入れることができずに、
練習ばかりが続いてしまうのだが、正社員達の間から、
「本人のためにも判断するなら早いほうがいい」という声が上がり、
それを受けて今野主任が、「3月中の判断」を命じてきた。
たぶんそれも社員達の意見だろう。私もそれでいいと思った。

    *    *    *    *    *    *

実は班長の芦田君(30代前半/男性スタッフ/仮名)と、
先週のうちに話し合って、メンバーの気持ちを聞いて欲しい、と、
彼にお願いしてあった。

育成に時間のかかる新人である事は、
早い段階でわかっていたが、
それでも指導に取り組んでいたのは、
この班の欠員状態が断続的に1年以上も続いており、
シフト的に大変苦しい状態が継続していたからである。

何とか仕事が出来るレベルにして、
至らないところがあっても頭数に入ってもらったほうがいいのか、
例えシフトのキツさが続いても、
ヒロアキさんと共に仕事をする手間やストレスを思うと、
いないほうがいいのか。

こんな言い方でヒロアキさんには申し訳ないが、
彼のような人は、結局周囲の理解や存在の納得が無ければ、
なかなか仕事を続けていく事ができない。指導する意味も無い。
みんなが「それでもいて欲しい」と言って初めて、
育成も指導も成立する話だと思う。

その結論次第では、主任や社員達と掛け合うは可能。
社員達はスタッフ側の意思や要望を尊重してくれるので、
そうだといえば、再検討はしてくれるだろう。

もちろん、「使える」「使えない」が一番大事な話だが、
今までいろいろ書いてきた事は、実戦的な指導をしてみて、
初めて明確になった部分が大きい。わかっていても、
まずは取り組んでみないと答えが出ないような人は、
そこの判断が難しい。

そして芦田君の聞き取りに寄ると、
メンバー全員の回答が「NO」だった。
つまり、シフトがきつくてもヒロアキさんはいないほうがいい、
という判断を全員がしたのだった。

そうだね。研修指導がより実戦に近くなると、
研修室でのレクチャーと違って場所が仕事の現場に移り、
教えるほうと教えられるほうとがどういう会話をしているのが、
段々スタッフには見えてくる。

ロールプレイングの様子などを見ても、
ヒロアキさんが問われているのは、
業務スキルの完成やノウハウの習熟度ではなく、
一体この仕事が可能なのか?というレベルとわかってきたので、
皆がようやく納得して出した回答がそれなのだろう。

やっぱり、「こんな人だけど大丈夫?」と言葉でいうのと、
実際に毎日間近にやり取りを見てみるのとでは違うものだな。
「ぷらさーん、大変だと思いますが早く一人前にして下さい。」
「何とか頑張ってもらって、続けてもらえればいいですよね。」
本当にそう思ってきた彼女達の土台が崩れちゃったんだろうな。

    *    *    *    *    *    *

さて、回答を出すと言ったって、受け入れ側が拒否なのだから、
ヒロアキさんには辞退してもらうしかないのだろうね。
そうするとこれからの研修指導は目的がガラリと変わる。
しいて言えば育てるための研修指導ではなく、
辞めてもらうための研修指導だ。

研修というのは目的が変われば手法も変わる。
私は、ここから先はむしろ本番のお客様対応をさせて、
その難しさを感じ取ってもらうのがいいと思った。

そして私のサポート付きで三件の電話を取ってもらい、
そのときにまた別な欠点がわかってしまった。
彼、お客様の質問内容が長いと、
最初に聞いた内容を忘れちゃうんだねぇ。。。

お客様が、
「こうでああでこうしたら、こうなちゃったんですよ。
だからそれをこのようにしてみたら、あんなふうだったので、
どこかをなにしたらうまくいきませんでした。
どうしたいいでしょう?」

こんなときヒロアキさんは、最後の2行しか、
頭に入っていないようだ。
全体を聞いて内容を自分なりに取りまとめた上で、
次の質問を投げかけたり、簡単に回答してみるのではなく、
「どこかをなにしたらうまくいかない」だけを覚えているので、
それについて知っている内容を延々と語りそうになる。
お客様が途中で何度か話し掛けてきても、
耳に入っていないのか、全くお構いなしである。

「保留!保留!」とすぐに電話を代わって対応を終える。

(保留も「あ!」と叫んで、こちらを見たあと、
相手がまだ話し続けているのに全く意に介せず、
「少々お待ちください」と唐突にボタンを押してしまった…
こうなると、逆に苦笑して受けてしまう(笑)。
普通、保留は会話の切れ目やタイミングをうかがうし、
相手の話を遮るときでも早口で断りを入れるとか
それなりに工夫するよね。)

「ヒロアキさん、今のってどんな質問だった?」

「どこかをなにしたらうまくいかないという話ですよね?」

「その前に、お客さん、自分のやった事を話したでしょう?」

「(キョトン)いえ…言いましたっけ?全然覚えていません。」

「最初、こんな風に言っていなかった?(以下略)
思い出してみて?思い出せる?」

「あーーーー、そういえば言いましたね。」

「本当に思い出したの?本当に覚えている?」

「はい。」

「じゃ、今の質問はお客様の手順の間違いだってわかる?」

「わかりません。」

ま、こんな感じ。

それと、知っている言葉や事柄が出てくると、
それに気を取られて他の事は忘れちゃいますね。

(お客様)
「住所が変わったんですけど、住所変更手続きをすると、
契約ナンバーも変わってしまうんでしょうか?」

これも途中で電話を代わる。

「今のはどういうお問い合わせだった?」

「住所変更ですよ。住所変更の申請方法です。」
(彼は住所変更の申請方法はよく知っている)

「お客さんなんて言った?実際に言ったとおりに、
再現してしゃべってみて。」

「…すみません。覚えてません」

「住所変更をしたい、って言ったっけ?
そういう言い方したっけ?」

「はい。そう言いました。」

「ホントに(笑)?」

「はい、間違いありません。」

「マジで?(笑)」

「はい。言いました。」

「あのさ、今のは、
住所変更をしたら、契約ナンバーも変わるのか?
って聞いて来たんじゃないの?」

「…????」

「お客様が知りたいのは、住所変更の申請方法じゃなくて、
そうしたときに契約ナンバーが変わるかどうかの、
Yes,Noなんじゃないの?」

「あ…あーーーーー、そうですね。あ、そうか。ははは。
そうだった、そうだった。」

ま、こんな感じ。

たぶん彼の頭の中では、
「住所変更」という言葉が出た時点で、
聞き取り機能はオートシャットダウン、
入れ替わりに「住所変更」の説明体勢が起動!
という仕組みでしょうか^^?

ヒロアキさんには、すでに何度か面談して、
今が見極め期間であることを伝え、
結果次第では辞退していただくことを話してある。
でも…やっぱダメだね、これじゃ^^
 

 
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2007.03.21

連絡のない欠勤者考

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先々週の金曜日から連絡の無い欠勤がずっと続いていた山川君
(30代前半/男性スタッフ/仮名)と、6日後の木曜日に、
ようやく連絡が取れた。「明日からは出たい」そうだ。

だからと言ってほっとする事などあまりない。
このままならこの人はきっと、これからも同じ事を繰り返すだろう。
だいたい明日は来るのか?私は微妙だと思う。
このパターンでは経験上来るようには思えなかった。
そしてあれから5日の昨日まで、やはり彼は出社しなかった。

入れたスタッフにこういう事があると、私は毎日が針のむしろだ…
山川君は自分が日常的に担当していない、
他の課に入れたスタッフだが、
自分の課より始業が30分早いその課に合わせ、
毎日早めに出勤して出社してくる人達の顔ぶれをチェック、
朝礼までに姿を見かけないと、「また今日もか…」とガックリ来る。
心の中では、先方の課長や主任に何をどう言おうか、
自分がこのあとどのように動くべきか、そればかりを考え始める。

この分だと、どうせ連絡などは入っていないだろう。
これからの流れや想定される苦情、人事からの呼び出し、
請求・支払いに関するゴタゴタまでが一気に脳裏に浮かび、
気持ちが最高に後ろ向きになる。そんな自分を、
「起こった事は仕方がない。ここで誠実に対処するのが
クライアントといい関係で仕事するための最善の方法だろう?」
と奮い立たせて、気乗りしない課長への現状報告に向かう。

これが初めてのケースと言うなら、
そうそう鬱屈した気分にもならないさ。
アクシデントという認識での寛容さも相手に期待できるだろう。
ところが、過去にその課でまとまった増員があったときに、
うちの会社は10数名の増員枠を埋めるのに1年かかったほど、
新人の早期退職者を続出させた。
思えば投入したスタッフ数は定員の3倍以上だ。

いい人を入れては辞められ入れては辞められ、
そうでないときは不向きと企業側から何人も断られたり、
あのときの嫌な感じの不安感がトラウマのように残っている。
「お宅はいったいスタッフにどういった指導をしているの?
ちゃんと人を見てうちによこしているの?」
人が足りないせいでなかなか事業目標が達成できない課長の、
疲れきって落ち窪んだ目と、苛立った言葉の数々を、
あれから三年経った今もはっきりと覚えている。

一寸先というのはわからないもので、その課は意外な理由で、
ある日を境に手のひらを返したように規模縮小に転じ、
新人を入れなくてもよくなったことで新人の早期退職もなくなった。
私は安堵し、ようやく心の安定を得た。

が、あんな事はもう二度と繰り返したくないね。
私も、私の契約会社も、クライアント企業もそれを強く思い、
それぞれが様々な見直しを行ってきたのに、
それでもやっぱり続かない人、働いていけない人は出てくる。
これはもう、割合と確率の問題ではないか?と、
最近の私は思うようになった。たぶん誰のせいでもないのだ。

    *    *    *    *    *    *

自分の担当内でも、
入った当初から休みが多くて大変困る人達がいる。
ときには連絡も入らない。入ってすぐ、
研修でレクチャーを受けているような時期から休む人は、
続けていく事はたぶん出来るが、
その後もポコポコよく休む事が多い。
そしてそのうちの何人かは、
実務開始後に体調不良でやがてリタイアしてしまう。

それはスタッフも経験的に知っている事なので、
入社して数日後の新人からの欠勤連絡には、
誰もが神経を尖らせる。
職場では要注意人物としてマークされたも同然だ。

この時期は人物評価が見極められる大事な時期でもあり、
また走り始めに出遅れてしまう不安や職場への迷惑を案じ、
通常は少々の風邪や熱でも出てくる人が大半なのに、
「体調不良」というイメージの希薄な理由で突然休む人。
そんな人達は精神的に疲れやすく、
研修のレクチャーのように今までになく専門的で少し難しい事を、
延々講義され続けると無意識に体調にまで影響が出てしまう人が、
多いように思う。

遊び好きやサボリ癖のある人は、こんな早くには休みませんよ。
同じ研修でも最初のほうは、正社員や班長など、
立場が上の人が行う事が多いので、自分の真実が露見しないよう、
真面目に出てきて周囲の上下関係を見ている。
そして研修担当が同僚スタッフに変わったときに、
隙を見て休むのだ。サボリ系スタッフには、
そんな抜け目の無さがある。
人の気持ちを逆立てるような、ズルさと賢さを併せ持っている。

次に、遅刻早退や欠勤なしでレクチャー主体の研修を終えても、
ロールプレイングやOJTなど、
実務習熟の時期に入ってから休み始める人は、
上述とは逆にまず続くことはない。

最初にポツポツと休みが目立ち始めて、
あるときから毎日欠勤になってしまう人もいれば、
最初から突然会社に来なくなってしまう人もいる。
欠勤連絡も当初は真面目すぎるぐらいマメに入っているが、
やがてそれも途絶え、電話しても一日中留守電だったり、
呼び出し音が鳴るのみで本人とは話ができない事が多い。

以前一ヶ月以上休んでいるのに連絡だけはきちんと定時に入り、
体調が悪化してからは毎日メールで丁寧な欠勤連絡が入るので、
「そこまでして一体なぜ辞めないのだろう?」と、
皆が首をかしげる男性スタッフがいたが、今はそんな人はいない。
(彼はその後退社した。たぶんそうするよう力がかかった。)

こんな事を書き連ねると、
「最近の若い者は自分勝手で常識がない」
「根性がなく何もかもちゃらんぽらんでいい加減」
と怒りを感じる方もいると思うが、
その人達が普段ふまじめで仕事も手を抜き気味かというと、
実はそうではないのだ。

中には自律した生活ができなくて、だらしなさを感じる人もいたが、
それでも皆、仕事に対しては大変まじめで前向きであり、
数も質も人並み以上にこなせる人が多い。
きちんと出てきてさえくれれば、とても有能なスタッフなのに…と、
裏切られたような悔しさえ抱く事も少なくない。
当然ながら髪の色や服装に派手さは無いし、むしろ地味。
遊び人を想像させるような格好の人もいない。

    *    *    *    *    *    *

あるときから休みがちになり、やがて連続欠勤し、
一ヶ月も続けられずにリタイアするスタッフを、
私は今までにたくさん見てきた。
私達の職場では、それはほぼ間違いなく健康上の理由だ。
入ってすぐに嫌気が差したり、ここは自分に合わないと思う人は、
母の入院だの、父の介護だの、断れない理由を巧妙に作って、
職場と仕事を見極めさっさと辞めていく。

また特定商品のユーザーサポートのような、
相応の勉強の必要性を感じさせる仕事には、
面倒臭がりで物事を学ぶ事が嫌いな人は、
そもそも応募してこない。
(この前提はさほど外れてはいないと思っている)
能力も意欲もあるのに突然休んでしまう彼ら・彼女らは、
もしかしたら精神的な問題を抱える人達なんだろうな、
と、いうのが、今の私の正直な私の気持ちかもしれない。

料金苦情をきっかけに朝起きられなくなってしまった人、
研修担当者の態度にショックを受けて、
ご飯が食べられなくなってしまった人、
出勤しようとすると激しい吐き気に見舞われ、
毎日のように戻してしまう人。
乗り換え駅に来ると具合が悪くなってしまい、
ベンチで一度休まないと出社できない人。
電車に乗ると言い様の無い不安に襲われ、
脂汗が噴出してきて引き換えしてしまう人。

彼ら・彼女らは自分の身に始めて起こった症状に驚き戸惑い、
これこれこいういう理由で働き続ける事が出来ない、と、
正直に打ち明けてきた人達である。

それによって私は初めて、
自分では制御不能な精神と体の問題で、
仕事を続けることができないケースが多々ある事を知った。
今までの仕事でそういう人達を身近に見たことが無い私だったが、
それまでとは職種も、接する人数のボリュームも全然違うし、
工場のスタッフ管理の仕事のときはあったような気もするが、
営業的な業務ではなく採用にも直接関わっていなかったので、
強く意識する事がなかっただけかもしれない。

彼ら・彼女らは一様に「仕事は辞めたくない」と口を揃えて言う。
が、たぶんほとんどが業務分野や電話の仕事が合わない人達で、
自分ではそれに全く気がついていない可能性が高い。
その証拠に、別な仕事で今は元気に働いているスタッフが、
たくさんいる。今の彼ら・彼女らが振り返ってそう気がついたなら、
今後私達のような仕事に就く事はたぶん二度とないし、
もしそう思っても止めた方がいいだろう。

ところがその一方で、
半年や1~2年などの期間で退職を繰り返しながら、
ヘルプデスクやユーザーサポートの仕事を渡り歩く人達がいる。
正社員志向はあまりなく、職歴を見ると今までの仕事はほとんど、
パートやアルバイト、契約スタッフなどだ。

実際に話をしてみると、人柄もスキルも申し分なく、
面接での会話も充実していて楽しいので、
私はそれまで、「ユーザーサポートの仕事が好きな人達」
と、思っていた。

私達の仕事は、大勢の非正社員で成り立っているような、
典型的な業種なので、この仕事を好きな人はどうしても、
そういった立場を選択しなければいけない部分がある。

だからもっと条件のいい仕事につきたくて転職しても、
同じ業種で給料のいいほうに移るだけの事も多いし
業務が好きで、楽しく意欲的に仕事をしている人は、
皆さんが思う以上にたくさんいるので、
私はこの仕事を気に入ってしまった人達の将来的な不利を、
いつもつい案じてしまうのだが、話がそれるので、
それはまたの機会にする。

彼らの退職理由はほとんどが「契約満了」。
継続の意思確認時に更新を希望せず、
正社員への転職を目指す場合もあるし、
短期の仕事で実際に半年や一年限りというものもある。

だからと言うのも変だが、駆け出しの頃の私は、
何かと運が悪かった人に、(非正社員とは言え)
やりがいがあって面白く、
安定した職場を提供してあげたい思いが強かったので、
コマ切れな職歴やブランクの有無を、
取り立てて神経質に気にした事はなかった。

そういった事実があってもそれまでは、
気にすべき問題が起こった事など無かったし、
実際に彼らにはなりたい職業があって、
固定的な仕事には付かずに勉強してきて、
志破れ、方向転換してやってきた応募者も多かったので、
例えばコンビニでのバイト経験などしかなくても、
それは私の気になるところではなかった。

でも、そういった人達のうちで、
「電話の仕事を転々…」というタイプだけはダメかな?なんて、
あるときから思うようになった。

電話の仕事にもいろいろあるが、
ユーザーサポートやヘルプデスクなどは、
発見と謎解きの要素があるので、私自身は面白い。
低スキルで入って大変だったが、
物事が少しずつ理解できていく過程が楽しかった。
(私は年齢も当時ジャスト40だったし夫もいるので、
正社員はしょせん無理だと思い、また大きなこだわりも無かった)

同じ感覚の人間もたくさんいるけど、
世間的には大変そうで勧めても拒否される事の多い仕事である。
また、たいていの会社が交代制のため、
どこも思うように人が集まらずにそれでとても苦慮している。

けれど、私が自分の年齢でも気にせず採用してくれるのは、
夜勤のある交代制であまり人が集まらない仕事だろうと読んで、
今の仕事にスタッフとして応募し採用されたように、
彼らは多分「ここなら入れる」という読みを持って、
応募してくるのかもしれない。
自分は経験者だしPCや関連の知識は豊富である、と。
例えそうでなくても、実際この分野が好きな人は多い。

が、こんな時期に24時間交代制の電話の仕事に、
自分から応募してくる人のはどういった人達なんだろう。
私の場合は「年齢」という障壁があったけど、
彼らのの場合は鬱、神経症、心身症などの、
メンタルへルス的な心身の障壁なんじゃないかね。

だから自分でそれをよく知っての応募なのでは?と、
今の私は思っている。

朝の絶望的な気持ち、薬を飲まないと普通になれない暗鬱な気分、
何かをきっかけにいつも起こってしまう腹痛、頭痛、吐き気、高熱…

一度きりなら業務に合わなかったと自分を納得させる事もできるが、
いつも同じ事が起こって会社を休んでしまい、
解雇や、退職の勧めや、更新の意思確認なき契約の終了など、
どこへ行っても追われるように職場を辞めてしまう事の繰り返しなら、
やっぱり入りやすい会社、人数の多い会社、
そしてどちらかと言えば責任の軽い、
非正社員の仕事を選ぶだろうな。。。

ところが私達の仕事は、
フロアに立って見渡せば確かに人数は多いが、
実際は担当ごとに班が細かく分かれていて、
人数ギリギリでタイトなシフト運用をしている、
24時間交代制なので、
(交代制のシフト組みをしたことのある人ならわかると思うが、)
夜勤者を含ませて均等にシフトを回すと、
時間帯ごとの出勤者数はとても少なくなる。
運用人数の傾斜配分で土日と夜勤は1名の部署も多い。

なので、欠勤が多い人は怖くてシフトに入れられない。
日曜の夜の交替時間になって「来ません、連絡もありません」
などという事は絶対あっちゃいけない。

しかもその時間帯は正社員不在で、
緊急時は責任も判断力も、機転や裁量も大きく問われる。
電話の仕事だからといって、責任の軽さや甘さは無く、
来てみてビビってしまうのがたいていのメンヘル系スタッフ
なんじゃないだろうか。
これは務まらないと直感する人もいるかもしれない。

けれど、彼らはどんなに休みが多くても、
実際に仕事に出て来れない状態が続いてるのに、
決して「辞めたい」とは口が避けても言わない。
失礼な言い方をしてしまったが、
「辞めたくない」と強固に言っている人にはこれと言う対応もできず、
改善される事を切に願って当面はお願いし続けるしかないのが、
実情である。

どの人も実態に合わない仕事への強い執着があるのが、
特徴にようにも思われるけれど、みんな必死なんだろうな…と、
複雑な気持ちになる。
その勤務状況じゃお金もなかなか貯まらないだろうし、
1月も休みが続くようなときは、どうやって暮らしているのだろうと、
私は思うよ。

    *    *    *    *    *    *

職場での研修2、3日目で「ここは辞めた!」と思う人は、
母の入院、父の介護など断れない理由でさっさと辞めていくと、
先に書いた。

きちんと出社できないのに「辞めたい」と言わない人は、
母の入院、父の介護、そして血縁者の葬儀などを理由に、
会社を"休む"。

本当は体調が悪いんじゃないかと思うよ?
でもこれもまた絶対に体調が悪いとは言わない。
たぶん怖いんだろうな、ばれるのが。
露見を恐れて、なるべく健康とはかけ離れた理由を述べるのだと、
私は感じているが、大勢の人を見ているこちらとしては、
毎度パターンに当てはまるありがちな理由でもあるので、
怪しさについ鼻がピクついてしまう。
それは本当にお母さんが入院したり、
お父さんが倒れたり、おばあさんが亡くなってしまった場合の、
実際のスタッフの動きとはかなり違うからでもある。
よせばいいのにね、そんな言い訳。

山川君は入社数日後に会社を休んだ理由は「私用」だった。
そんな入って間もない大事な研修期間中に、朝に電話をして、
突然「私用」で休まなくちゃいけない事なんてあるか?
あるなら普通は事情を詳しく語るよね。
次も私用。その次も私用。次は病院への母の送迎。
ちょっと調子良かった後、次の休みは祖母の葬儀。
私用も送迎も葬儀も事前にわかっているものなので、
24時間職場には人がいて何時でも連絡可能なはずなのに、
それでも現場連絡が当日朝なのは、
当日朝に別な問題が発生しているって事でしょ?違うの?

連絡が無いのでこちらから電話すると、
「大丈夫です。明日は必ず行きます!(這ってでも行きます)」
これもまたメンヘル系スタッフさんの常套句で、
風邪や熱で周囲が納得しているのにこの表現が出てくると、
私は再び鼻がピクついてしまう。
疑り深いキャラクターになっちゃっちゃなぁ…と思うが、
疑う事から始めて少しずつ武装を解く順番で行かないと、
ここぞ、というときにタイミングを見誤る事が多いのだ。

セキュリティが厳しく取りざたされているこの時代、
職場に入るためのパスワード付きIDカード、
顧客情報を扱うオフィスルームへの非接触型入室カード、
従業員である事を示すロゴ入りネックストラップ、
これらをきちんとすべて返却してから辞めさせないと、
契約会社として大きな汚点となってしまう。

何をするにも今目の前にいるときに働きかけをしないと、
二度と会う事ができなくなってしまうケースもある。
相手を信じ悠長に構えていてそれで過去に何度後悔したやら…

    *    *    *    *    *    *

山川君は1月下旬に入れた新人で、
契約会社での事前研修は、
懸案のヒロアキさん(40代後半/男性スタッフ/仮名)と、
入れ違いだった。

ヒロアキさんが、
「元プログラマーなので開発の仕事がしたい」と言っていた割には、
PC操作が非常におぼつかなく、
実際にも驚くべき仕事の出来なさだったの比べ、
山川君は小太りで少々オタクっぽいが人柄も悪くないし、
どこにも大きな問題の無い優秀な人に見えた。
現場からの評判もなかなか良かった。
ところが、そのほぼ直後から、
私達は彼の勤怠の悪さに悩まされる事になった。
入った月が下旬なのにその月に2回、先月は8回、
そして今月は最初の5日間を出たきり出社していない。
ダメだね、こりゃもう。今回は初めから連絡も無いし。

相変わらず携帯は留守電のみでつながらない。
自宅の電話も同じだ。やがて自宅電話のほうは、
「お客様のご都合により…」と使えなくなってしまった。

連絡もないままこれだけ毎日出社せず、
こちらからの電話にも出ず折り返し連絡も来ないのだから、
すでに退職を覚悟しての行動だろうと思い、
私達は目標を大至急返却物の回収に切り替えて、
先週は営業のメグちゃんに急いで自宅を訪問させた
だが不在。「出かけたようですよ」と近所の人。
一時的に失踪して解雇されてしまった、
JINさんのような心配は誰も持っていないが、
一体何をしているんだろうか。

するとその日のうちに彼から契約会社に電話が入り、
「体調が悪いのでずっと横になっていて電話もできなかった。
今日は病院に検査に行っていた」と釈明と謝罪があった。
メグちゃんは連絡のない非常識と職場への迷惑を問い、
連絡だけはするように話して電話を終えた。
「明日は這ってでも行きます!」でも来なかった。

翌週メグちゃんと採用担当の細川さんが、
彼を契約会社に呼んで状況を尋ねた。
この前の穣太君のときに私がやった面談の真似だな(笑)
私はヒロアキさんから手が離れずにかかりきりだったので、
今回は同席しなかった。
山川君は時間どおりにやって来て、
「ひどい頭痛で割れるように痛く、
何かで縛っていないとダメな状態」という話だったようだ。
私はそれを伝え聞いて初めて彼の話にリアリティを感じた。
もしかしたらそれが本当なんじゃないかな。。。

メグちゃんは、
どうしても電話できないときはメールならできますよね?と、
自分や私のアドレスを伝え、彼を帰したが、
結局翌日も姿は見えず連絡も無かった。
それでも山川君の意思は「辞めたいと思わない。続けたい。」
である。だから今はまだ何も言えないし何も出来ない。

腹を立てている現場のスタッフからは、
「どうしてクビにしないんですか?甘すぎるんじゃないですか?」
という意見がよく出てくるが(私もときにはそう思う)、
人の解雇ってすごく難しいんです。
私もクビとかお断りするという表現をよく使いますが、
実際は食い違いの無いよう本当によく話し合って、
1名を除いてすべて依願退職です。

だからこそそういった事態にならないように、
一生懸命人を見るのだが、これだけは本当にわからない。
むしろ面接で嫌なヤツだなぁ…と思う人のほうが、
自閉傾向もなくメンタルへルスにも問題が無く、
意外に戦力になり得るのでは?とまで思ったりするよ。

私はアスペルガー症候群と思われる人の話をよく書くが、
今はそれであまり重い持ちになる事は無い。
彼らの考え方というのが段々わかってきたし、
なにより彼らは毎日休まず出勤して、
良くも悪くも私の目にその一挙一動を映してくれる。

メンタルへルスに継続する問題があると思われる人達は、
自分を必死に隠そうとするので実態が見えない。
朝起きてどこがどう具合が悪くて何をどう感じて休むのか。
電話してもつながらない間は具体的に何をしているのか。
起きているのか、寝ているのか、
あきらめているのか、また休んでしまったと自分を責めているのか。
彼ら・彼女らはそれを尋ねても詳しく答えてはくれないし、
聞き取りをしたいときにはもう、連絡も途絶え気味になっている。
だから何をどうしてあげれば状況が好転するのか私にも見えない。

アスペルガー症候群など、自閉症的な人の嗜好として、
コンピューターやシステム関連に興味関心の強い人が多いが、
こういった人達もまた同じ志向性があるように思われ、
PC利用に関連する商品の、
ユーザーサポートである私達の職場には、
どうしてもそんな人達が集まりやすい特徴があるのだろうと、
個人的に感じている。

でも、できれば健康的な人達と健康的な仕事がしたいな。
それがこの頃ふと思う事だ。

【職場】(勤怠と健康)※このカテゴリの最新の10件
連絡のない欠勤者考 失踪(完) 失踪 交代勤務の欠勤補充 連絡の取れない人 ダメな奴はリーダーにしちゃえ 欠勤が多い人の周辺 労働者の良識 体調不良によるリタイア スキルと心根
 

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2007.03.18

アスペルガーなユーザーサポート

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのか★アスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

--
何かの機器・装置や利用サービスに問題が起きて、
コールセンターに電話したときに、
「今日の担当者は"ハズレ"だな^^」と、
思った経験はないだろうか。

誠意があるので怒りは感じないけれど、
どこか"イマイチ"だったなぁ…と思う人。
こちらの言い分にすぐにピンと来てなかったり、
説明が少し長くてまだるっこしかったり杓子定規だったり。

それでも内容に致命的な誤りは無く、
問題は解決しているので、
十分に満足はしていないのに、
なぜか最後にお礼なんかはつい言っちゃう人。

私がヒロアキさんを指導するときには、
そんな目標を個人的に掲げて進めている。
「そういう人っているよね?」ぐらいのレベルになれば、
いいんだけどな。。。

が、実際のお客様のお問い合わせと言うのは、
同じ事を尋ねてくるのでも表現が多種多様で、
それにきっちりついていけるかと言えば、
答えはNOのように思われる。

ヒロアキさん(40代後半/男性スタッフ/仮名)のように、
アスペルガーでは?と思われる人は、
人の気持ちがよく読めないので、
相手によって会話がチグハグになってしまう事があるが、
途中でそれに気がついて自分で軌道修正できる事はあまりない。
「この人はこれについて言及している」と思えば、
そこに向かって一直線である。

相手の言葉の中にヒントがたくさん含まれているのに、
話がかなり進まないと食い違いに気が付かない。
それも、"気が付く"というイメージのものではなく、
予想外の反応続きで段々わけがわからなくなり、
「さてどうしたものか…」と沈黙して前に進めなくなる感じかな。

普通の新人さんは、
「そこはお客さんに聞いて確認しないとダメでしょ。」と言うと、
「あ!そうですね。」とすぐに戦法を切り替えて、
相手に様々な質問を投げかけ始めるのだが、
(新人さんはトークがまだ不慣れなので、この聞き方が爆笑!)
ヒロアキさんのようなタイプの人は、
何をどう聞いたらいいのか、一層固まってしまうので、
ここでロールプレイングは一時中断となる。

先日のロールプレイングでは、
お客様を演じる私が「設定を確認したい」と質問すると、
「それではどうぞご確認ください。お待ちしております。」
と言って、ずーっと"待ち"の姿勢に入ってしまった。。。

双方長い沈黙。

「…あの、設定を確認したいんですけど?」

「ですから、ご確認いただいて結構です。
お時間がかかるようでしたら、
再度お電話いただいても構いません。」

は?(笑)

「あのー、そちらで教えてはもらえないのっ?(怒る演技で)」

「はい、
教えます。(←困惑すると敬語が吹っ飛ぶがそれは一般的)
……すみません。(←怒ると反射的に唐突に謝る)
……申し訳ありません。(←いつも注意されているので言い直す)
それではお待ちしておりますので、どうぞ確認してください。」

「ヒロアキさん、ストップ!ストップ!
お客さんが『確認してください』と言ったら、それはどういう事?」

「はい。
マニュアルを見て自分の設定を確認したいんだと思いました。」

「じゃ、なんでコールセンターに電話してくるのよ?^^;
お客さんがわざわざ
『今からマニュアルを見て自分の設定を確認したい』という電話を、
普通はかけてくると思う??」

「あ、そうか。そうですね。」

「お客さんが『確認をしたい』と言って来たら、
それは、あなたに確認を依頼していると思ってください。
だったらどうするの?」

「…???」

「商品を電話口で実際に操作してもらって、
設定内容や方法に謝りは無いかどうか、
ひとつひとつ問診するんだよね?
それは練習で何度もやっているでしょう?
あとはいつもどおりの手順でOKだよね。」

「はぁ…あ、待ってください。今、書きますから…」
(ノートにそれを書いている。少し待たされる)

「それともうひとつ大事な事。
お客様が『設定を確認したい』と言って来たら、
今から設定を開始するのではなく、
もうすでに何かを設定済みだという事だよね?

だ・け・ど、やってみてうまく行かないから、
どこかに間違いがあるのだと思って、
電話してきているんだよね。

だから『設定を確認してください』と言われたらイコール、
『やってみたけどできなかった。どうしたらいいでしょう?』
だと思ってください。ほとんどそれで当たっているから。」

「あぁ。だったら、何か不具合はありましたでしょうか?と、
聞いてみたほうがいいですね。」

「そうそうそう!」
(こういうところの勘が意外にいいので判断に迷うのだが)
私は一瞬躊躇したが、思い切って「そうだ」と言った。

なぜ躊躇したかと言うと、
ヒロアキさんは臨機応変が不得手なので、
そう教えてしまうと何がどうでも必ずそれを聞く可能性が高い。
そうなったときのメリットとデメリットをとっさに計算したのだ。
そして、確認が必要の無いお客様に、
その問いかけをして相手をイライラさせてしまうケースよりも、
それによって根本的な原因が解決される頻度のほうが、
ずっと高いと判断した。なので「そうして下さい」と言った。

この様子を目にした周囲のスタッフ達は、
「ぷらさんは、なぜあんな固定的な指示を出すのだろう?」と、
絶対疑問に思うだろうな。。。
「お客様対応で要求されるのはケースバイケースの柔軟な姿勢で、
今の指示はその重要性を度外視しているではないか?」と。

それは十分わかっているよ。
でも、もしヒロアキさんをどうしても育て上げたいのなら、
指示の出し方と拾捨選択が重要になってくる。
何かを思い切って切って捨てるぐらいの覚悟がないと、
なかなか戦力としては立ち上がらないだろう。

実は周囲の理解が必要と痛感した班長の芦田君は、
班のメンバーに、
「彼はアスペルガー症候群という障害かもしれない」と、
内々に周知済みである。
そうなると、スタッフ達は一斉にその場で検索し始めるが、
実際に自分達が困ったり迷惑を蒙ったりした経験を、
肌で感じた人でないと、なかなかそのニュアンスがわからない。
ヒロアキさんはまだ研修中扱いで、
他の人と実務を通じて密に接触する機会が無いので、
私の研修内容や姿勢にも首をかしげる人はいると思う。

    *    *    *    *    *    *

ヒロアキさんのようなタイプのスタッフを指導してみて、
いつも感じる事は、理由や原因を特定する自発的な発想が、
当初は完全に抜け落ちているという事だ。

コミュニケーションに少々難があるのはわかっているので、
お客様と噛み合わないケースは当然出てくると思う。
が、面接や事前研修等でも大きな違和感を感じない程度の人は、
この日記の冒頭に書いたぐらいのレベルになら、なれると思う。

が、それ以前に強力な指導が必要なのは、
お客様の不具合解決までの手順なのだ。

コールセンターには様々な問い合わせがあり、
料金やオプション、簡単な初期設定や、
ホームページに誘導しての説明など、
暗記項目的な規定の案内で済むような質問も多い。

が、その反面、
「○○ができない」「うまくいかない」「故障では?」などの、
調査系のお問い合わせに対しては、
問診、操作の正常性の確認、
実機での再現、あるいはツールを使っての遠隔調査など、
先方のどこに問題があるのかをまず特定して、
その上で解決方法を案内する事になる。
どうしてもわからなければ、技術部門にエスカレーションしたり、
それでも原因がわからずに長期化することもある。

いずれにしても、どこが悪いのか特定できないと、
お客様に何の解決策も指示できないのが私達の感覚であるが、
アスペルガー的な人達というのは、
そこを強く意識させる指導をしないと、
一番大事なこの手順を吹っ飛ばして、
自分の記憶や知識の中から見込みで回答をしてしまう事が、
大変多い。

それが、
「調べもせずに回答する」「思い込みでお客様対応する」
「決められた調査フローを守らない」という、
周囲の悪評につながってしまうのだが、
それは、"普通ならそうする"という、
まさにこちら側の"思い込み"だったりする。

前半で触れたのは認識の食い違いについてであったが、
それ以外の調査系対応についても、
彼らは物事にあまり疑問を抱かない。
(ように見える)

おかしい事があっても、
「変だな?どうしてかな?」とあまり思わないし、
それを特定していく手法をいくつか提示しても、
ひとつひとつルーチンな業務フローとして教え込まなければ、
最初は決して自分で考えてそれをやろうとはしない。
一般的な新人さん達のように、
「あー、なんだっけ?なんだっけ?
確かそれを調べる方法がありましたよね?」
とは決して言わない。(ように思える)

※余談ですが、そう言えば彼らは、
「思い出しそうで思い出さない!」と悔しがる事が無いね…
「教えられた事実は覚えているけど、
その内容は忘れてしまった」などとという事があまり無い。
しっかり覚えているか、一切すべて忘れているかのどちらかで、
そういう意味では1か0かのデジタルな人達なのかもしれない。
グレーな状態を表現するのが苦手なだけと言うなら、
話はまた別だけど。。。

私は常々新人さん達に、
「この仕事はすべての真偽を確認していく仕事なんだよ?」
と言っていて、
・うちの商品のユーザーである。
・ユーザー登録はしている。
・使っている商品番号はXXXXXXである。
と、いくらお客様が述べてきても、
それが自分の眼で(データベースで)確認できるまでは、
信用して話を進めてはならない、と言っている。
大前提である「うちの商品のユーザーである」という事自体が、
そもそも勘違いである事も多いのだ。

調査系のお問い合わせもまたしかり。
聞いて聞いて聞き込んで、
いつ起こったかを聞き、始めてかどうかを聞き、
操作手順を聞き、設定内容を聞き、エラー番号を聞き、
可能性の範囲をどんどん狭めていく。
問診切り分けをしなくても、ツール一発でわかるときもあるが、
この場合のユーザーサポートと言うのは、
回答するのが仕事ではなく、聞くのが仕事だ。

ヒロアキさんのような人は、
その点がなかなか頭に入りにくい。
今起こっている事の真偽確認をして、
偽の場合は原因を突き止めて修正するという発想が、
生来身の内にあまりないからなのかもしれないね。

自分達のことを考えてみると、
他人と話をするときにも結構それは無意識に行われていて、
「その話ってずっと前にも聞いたけど?」
「それだと本来の目的と矛盾するんじゃない?」
「あの人が今頃になって、なんでそんな事言い出すの?」
などと、おかしいと感じた事に対して私達は、
知らぬ間に真偽確認をたくさんしている。

もちろんアスペルガーだと思われる人が、
そう言ってくることもあるが、
それは非常に短いスパンの話である事が多く、
数分前の話に対して指摘して来ることはあるが、
昔の話、あるいは継続して皆が感じている認識に対して、
すぐに反応してくる事は少ないように思う。

    *    *    *    *    *    *

先週はお問い合わせの数が多く、
私も昨日、休日出勤して、
久しぶりに一オペレータとしてお客様対応した。
(こんなときは、たとえそれが苦情でも大変楽しい(笑))

その中で、こんなご質問をいただいた。

 

ユーザー専用のサポートのページを、
IEの「お気に入り」に登録していたが、
突然「お気に入り」から、
全く接続できなくなってしまった。
マニュアル一式を至急ダウンロードしたいので
大変困っている。どうすればいいか?

これがもし、ヒロアキさんだったら、
「それはIEの不具合なので再インストールせよ。
またはマイクロソフトに聞け。」
と、いきなり即答するかもしれないな(笑)。

正解はBasic認証画面でIDかパスワードを間違えてしまい、
以後は認証画面が出ずにAuthorization Requiredのエラーが
最初から表示されるようになってしまったもので、
こういう事はお客様の質問内容から直接的に推測するだけでは、
最初はなかなかわからない。

「入力間違いでログインできなかった」のが原因とは思わずに、
自分がおかしいと思っている事柄にポイントを置いて、
「お気に入りから接続できない」なんて言うのがお客様だもの。
そこを丹念に聞き込んで切り分けしていかないと、
回答はあらぬ方向に走っちゃうのよね。

開いているIEを全部閉じてもらい、
お客様専用ページをもう一度お気に入りから開いてもらうと、
今度はちゃんと認証画面が出てきて、
正しいIDとパスワードで難なくログインできたが、
この(自分にとっては数分で終わった)お問い合わせを、
ヒロアキさんが受けたらどうなるだろうか?
と、お客様対応をしながら私はずっと考えていた。

コールセンターの利用者にとって、
優秀でないオペレーターも、
電話そのものがなかなかつながらない事も、
「問題がすぐに解決されない」という観点でみれば、
同じベクトルのストレスであるが、
センター側にとっては、人を増やせば増やすほど、
質が落ちていくという反比例な悩みがある。

お客様の立場でこれを読むと、
とんだもない話だ!と、腹の立つ人も多いと思うが、
ヒロアキさんのようなそのままならやっていけないと思える人でも、
お断りすべきかどうか大きな迷いが生ずるほど、
現場の人不足は切羽詰っている。

が実際、今のように非正社員の募集状況に、
極度の逆風が吹いているときは、
「やりたい」と言って応募してくる人の中に、
(言葉は悪いが)果たしてまともな人なんているんだろうか?
と、思わされることが多い。

どこかに大きな原因があって、
普通の職場で普通に仕事できずに、
退職や解雇などで流れてくる人ばかりのような気がして、
以前との大きな違いに盛り下がる気持ちも強まる。
関連する話がもうひとつあるので、それはまた次回に。

【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・出番です、待たせたね。1(周辺記事) ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について  ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ★アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題

 

 




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2007.03.13

なぜ危機感にこだわるのか

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性★なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

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今日、班長ミーティングがあり、
社員に懸案のヒロアキさんの立ち上がり進捗状況を聞かれた。
班長の芦田君(30代前半/男性スタッフ/仮名)の評価は、
散々な酷評で、成長も感じられなければ見込みも全く立たない、
判断としては非常に厳しいと言わざるを得ない、
というものだった。

私は成長は感じられるし、低いレベルでなら、
見込みもありそうな気がしているので、
そこまでの言い方ってない気がするし、
芦田君には何も見えていないような感じもしましたが、
それよりも毎度毎度、非常に気になるのは、
彼の人物評価が議題として取り沙汰されたときに、
最大のNG要素として皆が重視しているその内容が
「一切の危機感が感じられない事」である、と
またその話にばかり終始している事。

私はもう、その話にはウンザリだ。
ヒロアキさんがアスペルガーかどうかの断定なんて、
私にできるはずもないけど、
もしそういった自閉症的な要素の強い人と推測するならば、
危機感を如何に取りざたしても無駄ってもんだろう。

周囲と自分の関係が見えにくい彼らは、
何をどう話しても周囲には焦る様子が感じられないし、
何を言われても暖簾に腕押しでマイペースに見える事が多い。
決して心中焦っていないわけではなく、
マイペースからも脱却を図っていると思うが、
衆目が見た感じ、「このままとクビになっちゃうよ?」と告げても、
状況を知らされて深刻なダメージを受けた気配が感じられないし、
だからどのように振舞えば周囲が納得するのかを、
本人もよくわかっていないと思う。

私は何かの思考的な因子の無い人に、
そこにばかり執着して軌道修正を望みすぎるのは、
効率が悪いような気がして、
ダメそうな事柄であれば、さっさとそれを察知して、
自分のほうが指導方針やアプローチを変更するタイプだ。
どうせなら時間と手間のかからないところから、
改善指導してやっていきたい。
それが自分の勝つための作戦でもある。

「危機感を持て」と言い続ける時間があれば、
エラーのひとつでも暗記してもらったほうが成果があり、
そのほうが本人の現実的な前身につながるから、
結果優先でそうしているだけだ。
誉めたほうが効果があると感じれば誉める。
怒ったほうがいいと思うときは敢えて声を荒げ、
子供に話すような口調のほうが理解されやすいと思えば、
そのようにする。いつも相手に対して計算と選択を試みている。

でも、やっぱり危機感か…
結局、また危機感か…
危機感、危機感、危機感、危機感…

アスペルガーなどの知識が無い人にとっては、
確かにそういった危機感の欠如は、
仕事や職場をどう思っているのか強い疑問を感じ、
その一点を重く見て、
「そんな人間など必要ない」という結論に至りがちである。

けれど、それを強烈に批判する人の言い分に耳を傾けると、
他の新人との差異を冷静に比較検討しているというよりは、
自分の働きかけが思うように相手に反映しないので、
精神的に苛立っている個人の固執感情のようにも思える。

叩いてもダメージを与えられず、
自分の気持ちがおさまらなくなり、
相手が泣き出すまで叩きのめしてしまう、
少年のケンカのようにも見えるよ。

いつも思うのだが、別にアスペルガーじゃなくても、
他人に煽られないタイプの人間は確実にいる。
そんなときに毎度危機感の有無にこだわって、
マインド的な指導を改善が見えるまで繰り返すよりも
業務に役立つ事を淡々と機械的に教えて込んでいったほうが、
よほど人の成長のためには実のある事と思うんだけど、
そういう発想はよろしくないものなのかね。
私は理想にこだわりが無さ過ぎるんだろうかσ(^^;)

職場での新人育成は、
精神を鍛錬し、叩き直すのが最大の目的ではなく、
一刻も早く実務を覚えて即戦力になってもらう事が肝要なので、
何が大事って、ヒロアキさんのような自閉症的な人には、
目に見える結果が出るのが一番大事と思うんだけど。

前途多難になってきた。
穣太君と同じ結果になってしまうんだろうか。
この流れだと、その可能性がとても大きい。

以前のうちの職場には、難のある契約スタッフが入ってきても、
「やっていくうちになんとかなるだろう」という、
正社員達の合意があった。
ちょっと変な人も資質に劣る人も、
「アイツはあんなヤツだから」という固定的な肯定があり、
"変わった人""できない人"というレッテルを貼られたままでも、
周囲の微妙な?理解の元に生き延びていく事ができた。
能力はそりゃ劣るよ?
だけど仕事をしてくれるならそれは戦力だからね、"一応"(笑)。
優秀でない人が優秀である事を目指して、
誰かにムチで走らされるような事があまりなかったように思う。

収支損益を気にする感覚が、
現場にも行き渡ってきた今の職場から考えると、
外部スタッフに経費が発生しているという経済的な発想が希薄で、
当時は企業としては随分牧歌的で甘い部分もあったと感じるが、
それは職場の正社員の大多数を占める、
40代以上で家庭のある男性達の、
(企業人としてではなく)世間的な感覚と一致していたのだと思う。

昔は職場だけではなく、学校でも、地域社会でも、
自立した大人の中に混じる少し異質な人への、
寛容や許容や、あきらめベースの肯定は、
もう少しあったのじゃないだろうか。
自閉症やアスペルガーの人にとっては、
大変生き難い世の中であると感じる。
今のように企業が提供する人的サービスの質が、
社会から大きく問われている時代なら尚更だろう。

人に対する考え方は、もっと柔軟で多様なほうがいいと思う。
だがそれは残念ながら、ヒロアキさんの存在が、
職場やクライアント企業、
そして私達の商品をお使いのお客様に対して、
様々なデメリットを与えている事とは、
別問題と言わざるを得ない。
それが私の悩みの種でもある。

 
【過去記事一覧】~after Asperger~
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誉める事・評価する感受性

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?★誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

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現在私は、ヒロアキさん(40代後半/男性スタッフ/仮名)を、
なんとか使い物になるスタッフにするために、
毎日べったりくっついて業務指導やロープレを行っている。

自閉症的なスタッフの指導」でも書いたけれど、
ヒロアキさんは大変物覚えが悪く、
普通の新人と同じ度合いでは成長していかない、
とても手のかかるスタッフさんだ。

実は物覚えは悪くない。記憶力ならむしろいい。
が、基礎事項を教えても、
それを応用させる手法が通用しない人なのだ。
だから、何事も必ず一度はゼロから教えなければならない。

普通の新人さんは、
調査の理屈と手順をひとつ具体的に習得すると、
「なるほど!こうすればいいのか!」とコツがわかり、
その発想やノウハウを違う調査にも生かし始める。
それを私達は"つながってくる"と表現するが、
こうなると車の車庫入れと同じで、
狭い駐車スペースにバックで入れるコツがわかれば、
視線の動き、車体の確認、
どこに来たらどのミラーを見て、
どのタイミングでハンドルを切るのかを、
自宅以外の駐車場にも応用できるのと一緒。

その例で言えば、ヒロアキさんは、
自宅かスーパーか、屋内か屋外か、車線の色や太さなど、
あまり関係のない外観の違いに惑わされてしまい、
毎回どうしたらいいか考え込んでしまうような人だ。
(あくまでも例え話なのであしからず!)

Aの調査もBの調査もCの調査も、
対象や目的や手順は違えど、
「物事を調査する」という点では一致しているので、
通常のスタッフは、
それらに共通する思考やポイントを一度掴むと、
そこから先は何を教えても、短い説明のみで理解してくれる。

そしてまた、勘のいいスタッフの場合は、
調査業務だけでなくお客様対応やPC操作などの、
一見異質な作業にまでもその意識の範囲を広げ始め、
やがて、
「わからない事はそのままにしてはいけない」
「判断に迷ったら必ず責任者に確認する」
「同等の選択肢があるときはお客様の利益を優先する」
などの、業務全般に渡る普遍的な共通項を導き出す。
(OJTというのは、実はそのための指導でもある。)

ここまで来たら仕事人としては一丁上がり!です。
あとはスキルに不足があろうが、苦手な分野があろうが、
困る事があってもセオリーに基づいて行動してくれるので、
安心して野に放つ事ができる。

が、ヒロアキさんは教えられた内容がリンクし合う事は無く、
広がりを持ってどんどんつながっていく希望を感じさせない。
それは単に個別情報の集合体になっているだけのように思え、
教えるほうは著しく疲れて精神的に限界になる。
無限の宇宙に石を投げているような、
深い絶望と虚無感に襲われるらしい。

確かにそうだよね。
(1)「○○がエラーでうまくいかないがなぜか?」と、
(2)「○○をすると必ず出るこのエラーは何か?」
この二つを同じ問題と思わないので、
お客様の聞き方が違うと、回答も違っちゃうんだよ^^;
どちらも同じエラーが出ているのに、
「これなぜか?」と「これは何か?」で、
返答が大きく変わるのよね(笑)。

だからヒロアキさんの指導のサジを投げてしまった芦田君は、
彼に対していい思いが何も無いのか、
今はもうあまり関わりたくない感じが見えてきて、
私の不在時にちょと交代を頼んでも、
返事が非常に後ろ向き。
その心情は非常に理解できるが、そこで耳を塞いでしまっては、
彼なりのレベルで確実に成長しているヒロアキさんの成果を、
評価して誉めてあげる事もできないかな、と、思う。

    *    *    *    *    *    *

私は研修やOJTが好きだ。
苦手じゃないし、面倒ともあまり思わない。
自分にとってそれは、謎解きのようなもので、
勝利を得るための心理ゲームとも言える。

できない人はできるように、
わからない人はわかるように、
どのツボをどう刺激すればいいのか、
作戦を練るのが好きだ。

それは人のためでもあるが、
実は自分のためにやっている。
考えた作戦が図に当たり、
相手が自分の思う方向に動き出すのを見るのが楽しい。
また効果が得られなければそれなりにつまらないので、
また次の手を考え方針を再検討して練り直す。

私が契約会社の管理社員などではなく、
優秀でないスタッフに対しての、
クライアント企業からの苦情や請求上の問題や信頼関係の悪化など、
そういった勘案などせずに取り組めればいいのに、とよく思う。

だから結局遊んでいるんです。
研修やOJTという砂場を与えられて、
嬉々として水路を掘っている子供と同じ(笑)。

言葉は悪いが私にとっては、
誉める・評価するという行為も作戦の一部で、
それによって相手がうれしいと感じ、
その快感や心地良い感情をさらに得たいがために、
何かをより一層自発的に行ってくれるようになるなら、
私はこんなに楽な事は無いのだ(笑)。

これは私の信念だが、
不快を回避したい気持ちと、快感を得たい気持ちと、
人はどちらのエネルギーがより強いだろうと自問したときに、
私は後者だと思っている。
嫌な事から逃げたい気持ちよりも、
一度味わった気分の良さをさらにもっと得たい気持ちのほうが、
人間にとって強力なモチベーションになり得るのでは?

だから、「誉める・評価する」は自分が勝つための手段であり、
人を育成したり指導するには欠かさないアイテムだと思うのだ。
そしていつもそう思っているせいか、
他人の小さな成長にも気がつきやすい。

ヒロアキさんは、まず言葉のつかえが無くなり、
定型トークならスムーズに言えるようになった。
「この点を今からすぐに直せる?」「直せます!」
そう約束したものは、間違うとすぐにハッと気が付くようになった。
できたもの・できなかったものを割合で得点化して毎日見せると、
「明日は60点ぐらいは取りたいですね」と、笑うようになった。
一番気がかりな「それってお客様の質問とかみ合って無いじゃん」
と指摘すると、ちょっと考えて「ああ、そうですね。」
と言うようになった。これらはすべて小さくても大きな変化ですよ?

それを芦田君は気が付いてくれるだろうか。
「随分できるようになったね」と、
誉めてあげる事ができるだろうか。

    *    *    *    *    *    *

私は班長達には、
合格点の思い切り低い研修担当と思われていて、
「ぷらたなすさんの"できるようになった!"は、
どこが"できるようになった"のか、さっぱりわからない!」
と、言われている。
「ぷらたなすさんは"使える"と言うけど、
一体何を見て"使える"と思うんですか?」とも(笑)。

それはねぇ、皆さんが新人さん達の、
日々の小さな変化に気付かないだけだよ?
彼らのレベルまで視点を落としてあげなさいよ。
昨日わからなかった事、昨日できなかった事が、
今日はわかる・できるようになったのは、
新人さんが自分で一番気付いているはずだ。
その気持ちをタイミングよくすくってあげたらいいのに…
と、いつも思う。

2月に退職したアスペルガーと思われる
穣太君(20代前半/男性スタッフ/仮名)に関しては、
「誉めると調子に乗ってそれでいいと思い込むので、
こっちがいい迷惑」な人だったらしいが、
「あなたの今のこの行動のうち、この点が良い!」と、
評価の対象をきちんと正確に限定してあげたのかな?

「最近いい感じじゃない?」なんて誉め方なら、
いくらその行動のすぐ後にそれを差してそう言ったとしても、
確かに彼は自分を全体的にイケていると確信するだろう。
彼らは類推の苦手な字義どおりの人達だからね。
そう、みんな誰もが疲れると言うけど、
自分のエネルギーを多大に消費させないためには、
実はそういった表現の工夫も必要なのだ。

    *    *    *    *    *    *

私は班長達に、「どんな事でもいいから誉めてあげて。」
と、いつもお願いしているのだが、班長達は決まって、
「誉めたいんですけど、材料が無いんです。
いい事がひとつもないから誉められないんです。」と、言う。

個人的にはもう少し人への感受性を、
磨いて欲しいと思うのだが、
これもまた経験だけではなく、
持って生まれた資質にもよるのだろうか。

スタッフの一人一人を見ていると、
お客様対応の上手な人は教え上手でもあり、
人を誉めるのもまた上手い。
そして「ほら!できたじゃない!」と喜んであげているのは、
圧倒的に女性のほうが多い。
(が、技術的な指導者になれるほどの
テクニカルスキルが無い場合が多いので、
残念ながら女性班長は少数だ。ホント、残念。
ここがうまくいかない。)

電話応対は女性に向く仕事と言われているが、
研修担当やインストラクターも同じかもしれない。
もしそうなら、女性のほうが他人への興味・関心や、
感受性に勝っているのかもしれない。

芦田君と話し合った結果、ヒロアキさんは、
いくらなんでも今週中に本格的に本番を開始しないと、
来月のシフトに大きな影響が出るという。
今週中か…まだ様々なお問い合わせを網羅するまでには、
至っていないんだけどな。うーん、どうしようかな。

前回の穣太君のように、せっかく軌道に乗せたのに、
自分の手から離してしまったら元に戻るどころか、
全員に見放されて放置された結果、
どんどん我流に悪化してしまった例もあるので、
もう少しくっついていたほうがベストなんじゃないかなぁ。

芦田君は「俺はダメだ」と言うけど、
私はヒロアキさんに隣で彼を指導するのが、
さほど大きなストレスではない。
ちょっとずつでも伸びて来てくれているので、
やっていて苦痛ではない。
それを芦田君に話したところ、
「福祉関係のほうが向いているんじゃないですか?」
と、言われた。

そうかな。そうね、そうかもね。
もしも自分に何かの長所があるなら、
それは人へのレンジが広く取れるところかな?などと、
勝手に思ってはいる。
が、内心はそのせいで、
面接の時にも奇妙を奇妙と思わず、
非常識を非常識と感じないで、
相手に対してどこか肯定的な見方をしているのではないか、と、
いつも危惧している事は言わなかった。
(ずるいね、私^^…)

現場に入れてみてから初めて、
アスペルガーでは?と気が付くような人は、
私の面接の手前に行っている一次面談での評価が非常に高い。
折り目正しく毅然とした物腰で受け答えをする人が多いので、
誰の目にも常識と分別のある優秀な社会人と映りがちである。
(最近はそれを鵜呑みにしないように心がけている。)

だから、そんな事は無い、と疑念を打ち消しながらも、
全く問題ない(むしろ優秀)と思って採用したスタッフが、
業務において驚くべき能力の無さを見せるたびに、
いつも自分の見る目を後悔し、面接での一部始終を思い出して、
事前に判断される材料がもっとほかになかったものか、
細かく細かく日々吟味を繰り返している私でもあるのだ。

 
 

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2007.03.10

思わぬ事情聴取

【え!私が盗難事件の容疑者!!なによ、それって!】
★思わぬ事情聴取事情聴取はもういいの?事情聴取はまだあるの?ごるぁ~怒るで!警察官!

--
今日(3/10土)のAM10時過ぎに突然私宛に、
警察から電話がかかってきた。
電話を取った私が本人である事を告げると、
「お聞きしたい事があるので警察まで来てもらえませんか?」


え…私はやましい事に身に覚えなどまったくない。
「どういった件でしょうか?」と戸惑って尋ねる。
「それは署でお話します。
昨年の9月の話ですが、来てもらえればわかります。
ご都合のいい日はいつになりますか?」


腰が低く言葉遣いも丁寧ではあるが、
何を尋ねても「来たときに話す」の一点張りなので、
今から出かけることを約束したあと私はすぐに身支度をした。


事情を母と亭主に手短に話すと、
亭主が「俺も行く」と言う。
頼りにならない亭主ではあるが男性がいると心強いので^^;
やりかけの家事もそのままにして二人で車で出かけた。


道すがら、「一体何なんだろうね?」と二人で話す。
亭主があのあとすぐに、「どういう事なんですか?」と、
警察に折り返し電話をして色々カマをかける質問をしたところ、
「何かで訴えられているとか、そういう事ですか?」
「まぁ、そんな感じです。」という返答だったそうだ。


訴えられる?私が?昨年の9月に何かやっているの?
まぁ、商売柄人様の恨みを買っている事はあると思うので、
私から退職を勧められて辞めたスタッフの逆恨みとか、
この日記で実在の人物の事をたまに書くので、
もしや自分では?と思った人からの名誉毀損とか、
または次男の嫁さんの一家があまり誉められた家庭ではなく、
我家と金銭的なトラブルもあったので、それかな?と思ってみたり、
様々な推測が浮かんで来て、
こうなると一刻も早く真相が知りたい。


亭主も、「俺なら何かで訴えられる事もあるかもしれないけど、
あんたって言うのは解せないなぁ」と、言う。
そうね。うちの亭主は、過去ギャンブルで借金も作っているし、
その件で裁判所のお世話にもなっているし、
運転が下手で自宅の塀を壊しちゃったり、
接触事故を起こしちゃったり、何かとお騒がせな人なので、
何かあればまず疑惑の目が注がれるのはうちの亭主であり、
それが我家の日常感覚なのである。


が、「ご主人は同行していただいても構わないが、
奥さんにお話を伺っている間は別室で待ってもらう事になる」
つまり、あくまでも対象は"私"なのだ。
何だろう…私が自分の気が付かないうちに、
誰かに自覚の無い迷惑をかけている事でもあるのだろうか?


    *    *    *    *    *    *


電話の主がいる街中の某交番に到着すると、
「いやいや、本日はわざわざどうも。」と丁寧に頭を下げられるも、
通された部屋はまさに取調室。トホホ。
しかもしょっちゅうその前を通り過ぎている、
見慣れた狭いこの交番に、
こんな地下室があったとは!


そしてコートもまだ脱ぎ終わらないうちに、
「実は、お聞きしたい事というのは、
昨年の9月某日に○○銀行の××支店に
行った記憶があるかどうか?という事なんですよ。」
と、聞かれる。


は?唐突にそう聞かれてもすぐに思い当たるフシはない。
が、半年も前の事なのでNOと断言できる自信もない。
××支店は街中にあり飲み会の前に立ち寄った事もあるので、
昨年の9月にも何かのついでにお金を下ろしに入って、
自分がそれをすっかり忘れているだけなのだろうか?とも思う。
だから歯切れも悪くなる。


「いえ…たぶん行ってはいないと思います。」
残念ながら、こんな言い方しかできない。


「いや、実はですね、盗難事件があったんですよ。
で、我々がそれについてずっと調べておりましたところ、
奥さんにたどり着いたんです。」


「それは一体どういう事なんですか?」


「えーと、それじゃですね、奥さん、
この振込みに心当たりはありますか?」


様々な書類が分厚く閉じられた中から、
警察官がめくって差し出したのは、
振込人が亭主の名前になっている振込記録の写しだった。
たぶん令状などを取って銀行から提出を受けたものだろう。


だが、それを見た瞬間に私は、
この件は自分とは一切関係が無い!と強い確信を持った。
振込依頼人は確かに亭主の名前でも、
振込先は自分とは全く関わりのない知らない会社だ。
いくら半年前で記憶が曖昧でも、
自分がそんな振込みを行っていないのだけは断言できる。


私は今度は自信を持って言った。
「これは私ではありません。
やっていません。全く身に覚えはありません。」


するとその回答が期待はずれのものだったのか、
警察官は少しだけ行き詰まってしまった表情を見せて、
「そうなんですか。」と、困惑している感じがした。


「あのぉ、この紙を見ると、
振込依頼人が主人の名前になっていますが、
今回呼ばれたのがなぜ主人ではなく"私"なんですか?
この振込みと盗難事件がどう関係あるんですか?」


「あーあーあー、わかります、わかります、そうですよね。
それはですね、ありのままに包み隠さずお話いたしますと…」


担当の警察官は、50代前半と思われる方言丸出しのおんつぁん。
(おんつぁん=おじさんを表す地元の方言。田舎臭い印象あり。)
この人の説明がイマイチ要領を得なくて、
理解するのに時間がかかってしまったが、
真相は要するにこういう事だった。


まず真っ先に私は、ある写真を見せられる。
それは銀行のキャッシュコーナーで、
二台並んだ機械の前にそれぞれ人が立って、
何かの操作をしているところを後部上方から撮ったものだった。
写真中の人物がATM操作をして機械から離れて去っていくまで、
愁秒置きと見られる何枚かの写真を提示された。
防犯ビデオカメラからのキャプチャー写真だろう。
こちら向きのショットもあるが顔は良く見えない。
第三者に見せてもいいように、
そこだけぼかしてあるような気もする。


「ここに写っている左側の背中の女性が被害者です。
その隣で機械に向かっているこの右側の女性が犯人です。
そしてこの時間帯にこの犯人の女性が行った処理と言うのが、
調べてみたらこの振込みだったわけです。」


こんなにわかりやすく説明されたわけじゃないよ(笑)?
でも、要約するとそういう事だった。
つまり何かの根拠で犯人はこの女性とすでに特定されており、
その写真の時間帯の当該ATM機処理に合致しているのが、
この振込み操作であった事から、
振込依頼人に亭主の名前が記載されていても、
疑うべき対象はその妻=つまり犯人と同じ女性である、
この"私"という発想なのだった。
だからこれはあなたじゃないの?という事なのね。
(私が容疑者なのだ!)


してみると、盗まれたのは現金かカード類か財布丸ごとなどで、
被害者と加害者を結びつける接点が、
まさに写真のこの瞬間なのだな?
(聞いても答えてくれないだろうと思い、質問はしなかったが。)


でも、見せられた写真に写っている、
その犯人の女性は私じゃないよ(笑)。
(写真の解像度が低いのが悔しい。
鮮明なら別人なのは一発なのに!)


「これは私じゃありません。こんな服も持っていませんし、
それはすぐに今、自宅に来て調べてもらっても結構です。」
そう断言すると今度は、
キャッシュカードを盗まれた事はないか?
誰かにカードを渡して振込みを依頼した記憶はないか?
この写真の人物に見覚えがないか?などと何度も聞かれた。
知らねーよっ、そんなのっ!
だってこの振込みは私と一切関係ないもん。
身に覚えのないことをいくら聞かれたって、
「知りません」と答えるしかないだろう。


だいたい、振込みなんて詐称など簡単にできるし、
本人のキャッシュカードを持っていなければ、
本人名義のATM振込みが不可能なんて事も全くない。
私が自分のカードを使って第三者の名前で振込みをする事なんて
名前と電話番号と振込先さえわかっていれば簡単にできる。
夫の名前で振込みがされているからといって、
それがすなわち妻が行ったものという断定にはならない。
実際に私はこれに全く身覚えがないんだもの、
この人、機械で振込み操作をやったことがないんじゃないの?


さて、そうすると、だ。
それではなぜこの犯人の女性が、
亭主の名前で振込みをしているんだろうか?


打ち出し記録に残っている亭主の名前と電話番号。
これは振込人が機械で自ら入力したものだろう。
黄色い蛍光ペンでラインマークされているその二行を、
少しの間じっと見つめる。


この犯人がキャッシュコーナーを訪れた客の様子を、
至近距離で探るために、
自分も隣で実際にATM操作をする必要があったとしても、
(または自分の所用中の出来心であったとしても)
そこでうちの亭主名義の振込みが行われているのはなぜだろう?
どうしてこの人はうちの亭主の名前と電話番号を知っているの?
この振込先と金額は正しい内容なの?
この人とうちの亭主の間にどんなつながりがあるの?


…と、ここまで来て、私は自分の大きな認識違いに気が付いた。
警察官の話の進め方がそうなのですっかり惑わされていたけど、
「この振込み=犯人の女性が実行者」という、
大前提を疑わないから話が混沌としてくるのであって、
これは見たままそのままに、うちの亭主が振り込んだものでしょ。


だって振込先の会社はその気で思い出すとDMを見たことがあるし、
AM10:XXという打刻の時間帯や○○銀行の××支店なら、
いかにも彼が夜勤明けの仕事帰りに立ち寄りそうな時間と場所だ。
亭主は小遣いが足りなくなると、
たまにキャッシングでお金を借りるので、
これはきっと亭主が借りたお金を返済した真実の記録であって、
この写真の犯人の女性が自分で操作した作業じゃないね、絶対。


当初の話と違って亭主も一緒に部屋に通されていたので、
私は隣に座っている彼に「これ、見覚えある?」と聞いてみた。
用紙を見つめた彼の表情は素直に「知っている」と語っていた。
なんだよ、やっぱり君か~(苦笑)
なるほど。そうすると、見せられた打ち出しには記載がないが、
警察は亭主のカードで操作されたことを、
実はわかっているのかもしれない。


けれど亭主はなぜか、「これは俺ですよ」とは言わない。
なんかやましい事でも本当にあるのかなぁ。亭主曰く、
「これは誰かがお金を借りて××支店から返したって事ですね?」


ガハハハハー!馬鹿だなー、オマエ~(爆)!!
この振込先の会社が貸し金業者だなんて誰も言っていないのに、
それって自ら「知っている」と白状しているようなものじゃん。
しかもそれを見てからの亭主といったら、
携帯の蓋をパチパチと開いては閉じを繰り返し、
落ち着き無い事この上ない。これは妻の目には明白だ!


だとしら、「当該振込みを実行した女性が犯人」という前提は崩れる。
なんでこの女性がその振込みをしたって事になっているんだろうな。
ビデオカメラの時計と銀行の記録の時計が合ってないだけなんじゃ
ないの?そこに疑いの余地は無いものなのかしら??


    *    *    *    *    *    *


帰りの車で私は言ったよ。
「あれって一夫さん(仮名)でしょ?」
「うん。俺。(あっさり)」
「やだー、何であの場でそれを言わないのよ?」
「だって聞かれないから。」
「マジで?」
「うん。俺聞かれたら言おうと思っていたのに、
あんたにばかり質問して、
いつまで経っても俺に聞いてくれないんで、内心不満不満で、
なんでかな~?って、ずっと考えていたんだ。」


カーっ!馬鹿じゃないの?それって。
本気で言っているなら、アンタやっぱりアスペだよ^^;


「もしかして何か悪い事している?」

「何言ってんだ、そんな事するわけないじゃん。」

「じゃ、なんですぐに言わないのよ?
やましいところがなければ、これは俺です、と、
自分から言い出すのが普通だから、
それをわざわざ聞いたりはしないでしょ?
すぐに言わないと逆に怪しまれるじゃないのっ!」

「あ、そうか。」

「私はアレ見てすぐに気が付いたけど、
一夫さんが何も言わないので、
妙な事情でもあるのかと思って、
逆に何も言い出せなくなちゃったでしょう?
人の気持ちってそういうもんでしょ?」

「あ、そうか。」

「電話しなさい。今すぐ。電話!電話!」


まったく、もうっ!!
「どうしてすぐに言わなかったんですか?」と聞かれたら、
「妻にばれるのが怖かった」とか、適当に言って、
妙な話にならないようにしておかないとダメだよ?」


ところが、亭主が電話をしたところ、
警察は、「それはどうでもいい」みたいな雰囲気だったという。
「こちらがお話を聞きたいのはあくまでも奥さん」という事で、
きっと犯人はあの写真の"女性"なので、
"それが誰なのか"の特定が最重要なのだと思う。
捜査線上に浮かんだ人物は、
誰でも実際に話を聞いて白黒をつけていくのが定石だし、
それが彼らの「切り分け」ってもんだろうね。それは理解する。


でもね。でもですよ?
私の知らない間に正しくない情報を前提に、
自分が盗難事件の重要参考人になってしまっているなんて、
素直に納得できます?心情的には心外だね。
おいおい警察の皆さん、あなた達は根本的に間違ってますぜ?
わかってるよね?当然信じてくれるよね?


こうなると腹が立つというよりは、
好奇心が頭をもたげてきて仕方ない。
一体なぜそうなるのだ?
本当はわかってやっている彼らの確信犯的なノウハウなのか?
妙にあれこれと推理しちゃったりする私だったりする(笑)。


    *    *    *    *    *    *


私は無関係だというのに、再来週も調書作成のために、
再び交番に出向かなければならない。
今度は刑事が聞き取りをするかもしれないと言う。
なんてこったい!たぶんこうなっている限りは、
私の件を何かの公的な書類にする必要があるのだろう。
なのに実際に件の振込みをした本人には何も無い。
もし「振込人=犯人」でずっと捜査を進めて来たならば、
当然亭主からも事情を聞くべきだと思うんだけど。


でも亭主はいいんだってさ。
電話しても真剣に取り合ってくれなかったって。
警察官は言わなかったけれど、もしかしたら、
もっと他に私が疑われるような強力な材料があるんだろうか?
なんとくなく薄気味悪くはある。


警察官は最後まで丁寧で腰が低く、話を進めるうちに、
「我々もわからない事が多いのでぜひ捜査にご協力ください」
というスタンスに変わっていったけど、
どうも最近の警察はイメージが悪いので、
善良な小市民としては、
思い込み捜査や誤認逮捕などがどうにも懸念されて、
彼らを素直に信用して全面協力する事など、
とてもできない感じがする。
迂闊に正直な話などしてはならないような感覚が強まった。


また、私と話をした警察官は、
今時の世間を知らないような気もするし、
普段自分が仕事で関わりを持っている人達のように、
テキパキとしてわかりやすい話し方をしない。
「これだから実際に来もらわないとわがんねぇのっしゃ、ねぇ。」
(=実際に来てもらわないとわからないのさ)
と、二言目にはすぐに同じ言い訳ばかりを、
その部分だけ方言で何度も繰り返すが、
話の内容からも少々思い込みは強い人のようだ。
(しゃべった感じ、あまり有能な人とは思えないねぇ(笑)…)


これで、こちらの言い分が伝わらずに、
余計に妙な誤解でもされて、
何もかも信じてもらえなかったら、
たまったもんじゃないよなぁ、と思う。


    *    *    *    *    *    *


さて今PCに向かっている私の隣で、
亭主が今日の一部始終を思い出して、
涙を流してゲラゲラ笑いこけている。


「俺ってそんなにわかりやすかった?」

「あったり前じゃん。誰も何も言ってないのに、
『これはお金を借りて返した記録ですね?』なんて、
ばっかじゃないの?」

「ガハハハハ~!」

「だから私がすぐにあそこで突っ込みいれたでしょ?
なんでこの会社が貸し金業者だって知ってるのよ?って」

「ブハハハハ~!俺、それでなんて言ったっけ?」

「『この会社の事は、はい、少し知っています』って
言ったんだよ。」

「ガーハッハッハッ!全然覚えていないわ。」

「しかもその後、携帯をこんな風に、
パタン、パタン、ってわかりやすい事この上ないわ。」

「ヒーッヒッヒッヒッヒ、あーもう、俺、ダメだわ(涙目)。」


無関係とわかってしまえば、私達は能天気である(笑)。


だが、再来週はどんな結末となるのだろうか。
関係ないと言っているのにそれでも疑われるようなら、
今度こそ私は、本気で怒っちゃうよ!
何やってんだ、警察!と、言いたい。

自閉症的なスタッフの指導

【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人★自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

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詳細は、
連敗中!句読点をつけない人」に書いたので割愛しますが、
私は今、班長の芦田君が育成にギブアップしてしまった、
ヒロアキさん(40代後半/男性スタッフ/仮名)というスタッフの、
立上げOJTの真っ最中です。

ヒロアキさんは自閉症の傾向が感じられて、
周囲の人が思うような感じでは一向に仕事を覚えてくれません。
通常ならお断りするパターンのスタッフさんですが、
事情もあり、育成してみる事を決意しました。

自閉症の育成にはTEACCHという有名なプログラムがありますが、
私はこれに強い興味はありません。
職場は一人一人が利益を生み出す、
立派な戦力である事を前提として成り立っていますが、
ここで大事なのは、特定のスタッフさんを、
一歩でもそこに近づける事であり、
極端な話、ご本人が周囲といい人間関係を結べようが結べまいが、
あるいは、この仕事に付いて幸福であろうがなかろうが、
そういった事はあまり重要ではないのです。

大事なのは、使えないスタッフさんを、
いかにして使えるスタッフさんにカスタマイズするかで、
そこに定石や王道などないのです。
ですからすべてが手探りであり、
この際何でもいいから思ったことはどんどん試してみて、
反応がよいと感じたものだけを、
絞り込んで取り入れる手法が効果的と思っていて、
今日はそれに関しての自分なりの考えを書こうと思います。

もちろん人間ですから、相手の幸福は願います。
ですが人材産業はお金の絡むビジネスでもあるので、
万が一事前に見抜くことができずに、
自閉症的なスタッフを現場に入れてしまった場合、
見捨てるのか育て上げるのかの迅速な判断が重要になります。

私は今回、こういった手法なら行けるのでは?と、
自分が感じているやり方にかけてみることにしました。
確かな勝算はありません。
ですが何でもまずやってみるのが自分の信条なので、
「ダメかもしれない」と思いながらも挑戦してみようと思っています。

    *    *    *    *    *    *

さて、ヒロアキさんのような人を指導するためには、
まず目標の設定が重要となります。
現状の、
"一人で全く仕事ができずに企業の利益となる戦力にはなっていない"
という状況から脱却するために、どこまでができるようになれば、
「いないよりはいるほうが"まだマシ"」な人材になり得るか?
ドライな言い方ですが、その程度の目標でいいと思います。
高い理想を掲げても不可能な事に多大な時間を費やすのは、
時間の無駄以外の何物でもなく、それよりは、
今できる事を確実に習得させていくほうが近道と判断しています。

また、これもあまりよろしい話ではありませんが、
人並みのものを目指そうとするから、
普通の人とのギャップが大きくて、
指導側は精神的に疲弊してサジを投げてしまうのです。
何か一つだけ業務の役に立つ事を覚えてもらうという発想で、
そこができれば残りは目をつぶるぐらいの気持ちがないと、
なかなか平常心で接する事は難しいかもしれません。

そしてこのときの目標ですが、
「問題なくお客様対応がこなせて自己完結力のあるスタッフ」
なんてのは、ダメです。
それらは、一字一句がすべて曖昧で具体性に欠け、
何を以って合格点とするのか本人も自己判断ができません。

それよりは、「一日10件電話を取る」と明示したほうが、
イメージが明確だと思います。
レベルは低くわかりやすくシンプルに設定したほうが、
ご本人への通りもよくなると思っていますが、
ここで注意しなければいけない事は、
一度設定した目標を簡単に変えてはいけないという事です。

研修やOJTなどをやっていると、
途中から「あれはマズかったな」などと結論が見えてしまい、
すぐにでも軌道修正したくなるのですが、
自閉症的なスタッフさんに関しては、
それはやらないほうがベストと思っています。
なぜなら、突然の目標や方針の変更は、
混乱を招くからなんですよね。
「もっといい目標の設定があったのに…」と、
途中で後悔しても、そこは我慢しないと、
そもそもの当初の目標さえも遠ざかってしまう気がしています。

そして前述と重複しますが、
自閉的なスタッフさんの場合、
あまり質を問うてはいけないと思います。
的外れな聞き方をしたり、
お客様の主旨を的確に汲み取っていなかったり、
傍から見れば突っ込みたくなるところもたくさんありますが、
この際、そこは切って捨てます。

手際が悪く時間がかかっても、
お客様の言い分が理解できずに多少迷走してしまっても、
他人の手を借りずに正しく完結できればそれでよしとします。
みんなね、いろいろ望みすぎるの。
そして一度にたくさんの助言を与え過ぎ!
押さえて、押さえて、アドバイスは端的に、
ひとことでわかるようなものがいいんじゃないのかなぁ。

「あのなぁ、いいかお前、仕事っていうのはなぁ…」
こういった助言は一切通用しないと思ったほうがいいです。
そんな事よりも、「Aの場合は必ずBする。わかったね?」
と、ケース毎の行動を短く指示したほうが効果があります。
でもこれはね、内容をいかに端的に的確にまとめて伝えるか、
指導側の資質も大いに問われる事になります。

次に大事な事は現状と成果を、
毎日目に見える形で提示することだと思います。
ひとつ手前の段階の机上研修で、
必要な事はすべて教わっているはずなのに、
確認の質問をすると、「知りません!」「わかりません!」と、
何の躊躇も無く明解に答えてくれるので、
(「覚えていません」「忘れました」ではない事に注意^^)
教えたほうの人はムッとして「言っただろう?」と
腹を立てることが多いのですが、
そんなところで立ち止まって「やる気」や「自覚」を
追求してはいけません。
他の人へのような精神論は、あまり通用しないと知るべきです。

ただし教わっているのにできないでいることは、
ビジュアル化しないと本人の脳裏に刻まれないので、
私は必ず項目を書きだして、「できないよね?」と同意を取り付けて、
×印をつけることにしています。
それが出てくるたびに同じように抜書きして×を付けていきます。

ここで何をやるかというと、お客様データベースに記録された、
実際のお問い合わせをロープレという形で、
トレーニングしてみるのです。
ユーザーサポートの経験者なら誰もがわかっている事ですが、
お客様からのお問い合わせというのは、
ある程度定型化しています。
ありがちな質問というのがあって、
たくさんのユーザーが同じ事を聞いてくるケースが多いので、
実際にあったお問い合わせへの対応を、
ひとつひとつ潰していけば、
それが一番現実的な研修となるんです。

だから今やっているのは、ひたすらのロープレと、
それに関してのダメ出し。
私がデータベースの記録に残された通りの質問をしてみると、
すっかり忘れてしまっていたり、意外な勘違いが顕になるので、
それらを丁寧にピックアップして、
エクセルに箇条書きしていきます。

そのときも、「必要な聞き取りを正しく行う→×」なんてのはNGで、
これでは本人は自分で自覚のある合否判定ができません。
項目はなるべく狭く限定し、そしたなおかつ具体的に、
「Aの問い合わせに対してBの聞き取りが必須なのを知らなかった」
と書き出します。そして×をつけます。
内容は広げない、まとめない、総括しない、応用力を望まない。
自分はこれをいつも心がけています。

そうすると一回のOJTで×が30個も40個も並びますから、
それを成績表と称して割合で得点をつけて手渡します。
×項目が出たら翌日も必ず同じ事をさせて、
できたならば今度は今日の日付のところに○をつけていきます。

が、思ったより簡単に×は○に変わりませんよ~。
通常、ひとつの質問に対して一箇所引っかかっても、
翌日にはそれが解消されて○に変わるのですが、
ヒロアキさんは、同じ質問で一度は正解を出している部分でも、
翌日には別なところを間違えてしまったりするので、
×がなかなか減らないんです。
でもそこにも特に言及せずに機械的に淡々と進めていきます。
枝葉の部分には突っ込みを入れない。これが信条です。

普通の人はこれを3日続けると軌道に乗ります。
つまり仕事の覚え方がわかるのです。
何がなんだかさっぱりわからず、
どこから手をつけていいのか茫然とする気持ちが整理されて、
出てきたもの(質問されて答えられなかったもの)を、
確実に潰していけばいいのだ、と気が付くようになります。

そうなると俄然進捗がよくなり、
不明点や疑問点も出てきたときにすぐに自分で調べてみて、
早いうちに解消していく行動が見られるようになります。
が!ヒロアキさんは残念ながらそうはなりません(笑)。
自分で調べるという事がどういうことかわからないのです。

なので私はそれも項目に入れちゃいます。
「テスト環境で試した事が無い作業が出てきたらすぐに試す」
これに×をつけます。
内線のかけ方、人の名前、シュレッダーの場所、
そういった事も分類せずに並列に項目化して、
○がつくまで反復&反復&反復の繰返しです。
できないときはできるまで何日でも続けます。
そうするとね、どんな人でも少しは身に付いてくるんですよ(笑)。

それと同時に意外にも忘れてならないのは、
他人が自分をどう思っているのか、
それを気にする癖をつける指導です^^;
ヒロアキさんのような人は、この感覚が欠落しているので、
ここはダイレクトに伝えなければなりません。
普通の人はそんな事を言われたら気にしてしまうような事でも、
なるべくストレートに言います。
大丈夫だよ、たぶん(笑)。
そこでムッとして気分を害したり落ち込むような人なら、
とっくの昔に立ち上がっているはずなのです。

ヒロアキさんは増員でなく欠員補充で入っています。
12月末で退職した佐々木君の代替スタッフなんです。
だから佐々木さんの抜けた穴を少しでも補えないようでは、
入れた意味がありません。
ところがヒロアキさんのような人は、
そういったところへの認識が希薄なんですよね。

私、彼に聞いてみました。
「ヒロアキさん、うちはなんでスタッフを募集していたのだと思う?」

「はい。成長産業なので人が足りなくなったと思いましたっ。」

「ブブー、それは間違いです。
佐々木さんという人が12月で退職したのでその補充です。」

「あ、そうなんですか。」

「それじゃC班の定員は何人か知っている?」

「6人です」

「今は6人で仕事している状態?」

「…??」

「ヒロアキさんがまだ独り立ちできてないということは、
ヒロアキさんは業務にとって今は居ないのと同じだよね。
じゃ、6人のところが5人しかいないと、
どういう悪い事があるの?」

「えーと、一人一人の負担が増える!」

「正解!あとは?」

「あとは…えーと、えーと…」

「6人シフトが組めない。今はヒロアキさんが入るはずの夜勤を
皆が肩代わりしてくれている状態。
それから、処理実績の目標も達成できない。」

「あ、そうか。」

「そうすると、一人一人の負担が大きいのも、
6人シフトが組めずに全員夜勤がとても多くなっているのも、
目標値が達成できないでいるのも、
全部ヒロアキさんのせいということになるよね?」

「あ~そうですね。」

「そうするとヒロアキさんの事をみんなはどう思います?
それに私のことも考えた事ある?
私の仕事って研修じゃないよ?
毎日やることは他にもたくさんあるの。
だけどそれをやらずに、今こうやって毎日何時間か、
ヒロアキさんの研修に時間を取られているは、
どう思う?」

「???」

「はっきり言って迷惑です。」

「はぁ。」

「他の人もみんなそう思っています。
そういう事を今まで考えてみた事がありますか?」

「いえ、そういった事は考えてみた事はありません。」

「だよね?だったらこれから、
みんながヒロアキさんをどう思っているのか、
想像してみる訓練をしてみて。
ヒロアキさん、迷惑って意味わかる?」

「わかります、わかります。」

「それじゃね、ヒロアキさんは今まで、
誰かの事を迷惑だなぁ~と思ったことはある?」

「いえ、ありません。初めて聞きました。」

「だよね?だったらこれからはいつもそれを考えてみるようにして。
何かするときも、これは他の人にとって迷惑かどうか?を
自分で考えてみる訓練をしてみて。」

「はい。」

「わかった?」

「はい。あのー、今までそういた事は、
考えてみた事もありませんでしたっ!」

そうだね。
だから気が付いて欲しいんだよね。
OJTは今日で4日目になるけど、
物事と物事を関連付けして考える事がないので、
ひとつわかっても、
「じゃ、この場合はこうですね!」と自発的に思う事が少なく、
朝起きて、歯を磨いて、顔を洗って…という風に、
ひとつひとつをデジタルな単体として、
漏れなく網羅して教えていかないといけないので、
教える側としてはやはりしんどいね(笑)

通常の新人さんは、手順の抜け落ちやミスについて指摘すると、
そこを気をつけるようになりますが、
そちらにばかり気を取られてしまい、
今度は言葉遣いや対応フローがおろそかになって、
また注意される。

そうすると、自分でその二つ違う事実を統合総括し、
「様々な事に同時に気をつけていかないとダメなんだな」と
全く別の新たな結論を導き出して自分に反映させます。

ヒロアキさんは、手順は手順、言葉遣いは言葉遣いで、
それぞれに間違いが出ても、
それを総合的に考えて自分にフィードバックする事がないので、
両方一緒に良くなる事が少ない。
「手がかかる」というのはこういうことでもあるんだよね。
だからこれをお読みのたいていの方が感じられるとおり、
お断りしたほうが手っ取り早いスタッフさんなんです。

それでももう少しじっくり付き合ってみたいなと思うのは、
例えここまでの人じゃなくても、
ちょっとだけ傾向のある人が来たときに、
どうやったら伸びるのか模索して自分のヒントにしたいし、
今後ための自分用のテストケースにしてみたい。
自分の中に汎用的な手法を確立して、
それを各班長たちに落とし込みたいんです。
なのでもし結果を出せなくても、
自分にとってメリットのある作業と信じて取り組んでいるわけです。

そんな事を考えながら、案外楽しんで指導中。
足取りはのろいですが、私としては伸びていると思います。
独り立ちできる人にはかろうじてなるんじゃないのかな?
そうそうそういったところも、周囲の人は
「そんなのは成長の部類に入らないよ!」と
あっさり否定しがちなんですが、
昨日よりは今日、今日よりは明日と確実に進歩しているところは、
敏感に気付いてあげて誉めてあげたほうがいいと思う。

人並みを期待する気持ちはまず引っ込めましょうよ。
それはすでにわかっている事ですから。
ゆっくり行こう。そして私にたくさんの発見を、
与えてちょうだいね。せっかくのご縁だもの。
目の前にある物は何でも自分のために利用しちゃおう!
そんな事を言ったら怒るかな(笑)。
 

 
【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・出番です、待たせたね。1(周辺記事) ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ★自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題




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2007.03.09

アスペルガー症候群と犯罪

【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ★アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題

最初にひとつだけお断りしておくが、
私は医療関係者でもなく学者でも研究者でもなく、
最近多い「困ったスタッフ」に頭を抱える、
一介の会社員である。

学歴も職歴も性格も決して悪くないのに、
周囲から著しい悪評をくらっている特定のスタッフに関して、
どうしたものか、とヒントを探しているうちに、
自閉症やその範疇に入るとされている、
アスペルガー症候群の事にたどり着き、
目からウロコがはがれるように「これだ!」と
自己判断で確信しただけのただの一般人である。

だからこのblogで日々の感じたままを本音で書いている内容は、
学術的な裏付けなど何も無く、
私が自閉症(またはアスペルガー症候群)と感じている人達も、
そうだと断定できる材料などどこにもない。

がもし、その判断で大筋間違っていないという前提で書いていいのなら、
引き続き個人的な所感は逐一述べていきたいと思う。
ご縁があってこのサイトを訪れた皆さんは、
私の日記がそういったスタンスで書かれている事を、
十分ご理解いただきたい。

    *    *    *    *    *    *

さて、勝手気ままに細々と運用しているこのサイトでも、
ある日突然桁違いのアクセスがあるときがある。

そんなときは、動員力のあるサイトにリンクが掲載されたか、
2チャンネルで誰かがURLを張ったか、
または社会的に何かのムーブメントがあったときに限られる。

私はここ数日、そう3/6辺りから、
初訪問のお客様が普段よりも多くアクセス数も増している理由が、
いったいどこにあるのか計りかねていたが、
昨日営業のメグちゃんの話を聞いてその原因がわかった。

京都・宇治の小6刺殺:元塾講師に、
アスペルガー症候群であることを理由にした、
減刑の判決が下ったのだ。
やがてリンクも切れると思うので、
テキストのみを保存すると、
こちらのニュースが発端となって、
キーワード検索での訪問者が増したものと思われる。

    *    *    *    *    *    *

最近は世間を驚かせた少年事件の犯人が、
実はアスペルガー症候群だったと報道される事も多く、
その名前のマスメディアでの露出が増えるに比例して、
世間一般の認知度も高まって来ているような気がする。

会社で親しい人にその名前を出しても笑って取り合わなかった人が、
「ぷらたなすさんの言っていたのって、あれなんですね。
今日のTVで詳しくやってましたよ。思わず見ちゃいました。」
などと言われると、TVの信頼感の前には、
一個人の解説など本当に非力なものだと思わされるが、
それでも少しでもその認識が世間に行き渡り、
「やる気」や「自覚」などの精神論では片付かない人がいる事を、
できるだけたくさんの人が知ることはいい事なのではないか、
と思っている。

ただし。アスペルガー症候群の人が、
犯罪を犯しやすい危険極まりない存在というイメージが先行するなら、
私は自分の経験則としてそれには異を唱えたい。

アスペルガー症候群は自閉症の一部と言われていて、
病気や精神異常ではなく脳の機能障害なのですが、
彼らは(私がそうだと感じている職場の複数のスタッフ)、
知らない人が思うよりはずっと平和的に暮らしていて、
私の目には、犯罪からは遠い存在のように思える。

過去記事の「Mindblindness?自閉症について」でも述べたが、
なぜなら彼らは私達のうちのたいていの人が当たり前に持っている、
人間として自然と思える感情が欠落しているように感じられるので、
見ていると誰かに継続して強い憤りを感じていたり、
苦手意識はあっても相手の人格を攻撃的に恨んでいる事は少なく、
むしろ鈍感なほうではないかと思うからだ。

短気な人も確かに過去にいたが、相手が自分に、
予想外の困惑をもたらしたときに怒るのであり、
なぜそうなるのか理解できずに、
いったいどうしたらいいのかわからなくなったときに、
混乱してそうなるのだろう。
剣幕がすごいので周囲は引いてしまうが、
実際には自分の世界の中だけで沸騰しているように見え、
だから相手にイジワルをするとか、後で巧妙に仕返しをするとか、
そういう報復的な行動を私は今まで見たことが無い。(私だけ?)

それは喜怒哀楽が無いと言っているのではない。
基本的に他人と自分との人間関係や、
集団の中における自分のポジションを、
読み取って注意を払う因子を持っていないため、
常識に沿わない行動をする人と見られてしまって、
漠然とした居心地の悪さを感じることはあっても、
自分でその不快感の正体を明確に掴んでいることは、
少ないように感じられるということになるだろうか。

後日書こうと思っているが、今研修立ち上げ中のヒロアキさんは、
いつまで経っても独り立ちでききず、
私含め多くの人の手を煩わさせている現実に対して、
恥ずかしいと思う気持ちや申し訳ないという思いが全く無かった。

「みんなが今のヒロアキさんを迷惑に感じているんだよ?」
とはっきり言って初めて、
「そういう事は今まで考えた事が一度も無かった」と言った。
つまりそんなふうに普通は気になる他人の目や評価などさえも、
図に書き文にまとめて「教えてあげる」
という行動をこちらが取らないと、
まったく気が付かず理解が及ばないタイプの人達だからだ。
(けれど頭はいい。知的障害者などでは全然無い。)

それは自分が他人に対してそのように思う事自体が、
ほとんど無いからのように思う。

私は今OJT中のヒロアキさんに聞いてみた。
「迷惑という言葉の意味はわかる?」
「わかります。」
「それじゃ、ヒロアキさんは今まで、
誰かに対して、迷惑な人だなぁ…と思った事がある?」
答えは、「はい!そういう事はまったくありません!」だった。
他人にそういった気持を抱いた事が無い人は、
逆に他人が自分に対してそう思う事実も理解できないし、
いつどのようなときにそう思うのか、その理由もわからない。

一事が万事そんな感じなので、場が読めなかったり、
他人の感情に配慮した行動ができないので、
周囲を逆なでして大いに怒らせてしまうのだが、
アスペルガー症候群(と思える人)は、
他人に負の感情を抱く事が普通よりも少ない人種に見えるので、
そうすると、誰かを異常に憎んだり恨んだり嫌悪しての犯行もまた、
健常な人よりもずっと少ないように感じるのだが、違うだろうか。

彼ら(彼女ら)は、職場ではいたって平和的に生きている。
もちろん過去にはキレやすくて扱いにくい人や、
いつも無表情で何を考えているのかわからない人もいたが、
イメージ的には概ね愚鈍なくらい良い人過ぎてむしろとんちんかん。
報われる事の少ない的外れな一生懸命さが特徴で、
暗黙の了解を解せずにルールをガチガチに遵守し過ぎるあまり、
融通の利かない行動で周囲を失望させながら暮らしている人。
そういった感じでしょうか。

    *    *    *    *    *    *

では一体なぜ、理由が不明確で理解できない殺人に、
アスペルガーの人が多いのか?

ここからは一層の個人的な推測モードになるが、
彼らの殺人や傷害は、相手を恨み憎み忌み嫌ったゆえの
ものではないように思うのだ。

私が考えるに、それは、自分を苦しめるものへの
物質的な排除なんじゃないだろうか。

アスペルガーの人は、
自分の身に困った事が起こり続けていても、
適切な対処を取る事ができない。
例えば友達に「止めて欲しい」と頼んだり、
家族に「自分に不向きな事をこれ以上強制しないで」と伝えたり、
そういったコミュニケーションを取る事ができずに、
自分が何のストレスもなく、
ありのままに生きるアイデンティーを阻害する者に対しては、
抹殺するしかないと思い込みやすいのではないだろうか?

その裏にあるものは、意味のよくわからない苦しみや、
実感の薄い漠然とした劣等感や、
社会的な強者・勝者への曖昧な憧れのようにも思う。

だから、アスペルガーの人が起こす犯罪の影には、
本人にとって異常な状態が長く続いているという条件と、
撃退をトライしても相手にうまく伝わらないので
効果がなかった現実もあるはずだが、
でもそれは普通の人も全く同じ事。

アスペルガーの人は、
杓子定規にルールを守ろうとする気持ちが強く、
元々違反や違法なことをするのが嫌いである。
その一点を取っても法に背く事には手を染めたがらず、
普通に暮らしていれば頑固なぐらいまじめな市民だ。
イメージとしては犯罪の対極にある人達でもあるが、
その掛け金が外れるのはそんなときなのだろうと思う。

よって私は、だからアスペルガー=犯罪予備軍では
決して無いと思っているし、報道等によって、
障害者を必要以上に疎ましく思う傾向には、
歯止めをかけたい。
誤解ばかりが先行するようであれば、
それをいい傾向とは思わないのである。

    *    *    *    *    *    *

「障害だからと言って何かも許されるのは納得できない」
という意見があるが、そこに反論するつもりはない。
法治国家である限り犯罪は犯罪であり罪は罪だ。
起こした結果によって刑を受けなければならないのは、
残念ながら仕方ないと思う。

が、アスペルガー症候群の人は、
感情をうまく表現できないために、びっくりするような言い方で、
自分の気持ちを簡単にひとことで短くまとめてしまったり、
強制されれば何でもすぐに「はい」と認めてしまう傾向が強いので、
経緯の聞き取りや冤罪には十分注意する必要があると思う。

職場でのミスや勘違いにしても、
(そこに納得できる正当な理由がもしあったとしても)
彼らは人の共感に訴えるような説明ができずに、
変な主旨と首をひねるような表現で釈明したりするので、
それを額面どおりに受け取ると誤解を招く。
考えてみれば、報道等で大きく取り上げられるのは、
その「理解できない言い分」のほうであって、
心情的な経緯を深く探れば、ありがちなケースもあるかもしれない。

職場に以前、「天気が悪いので休みます」という欠勤連絡で、
「仕事を舐めている!」と全員のひんしゅくを買った人がいたが、
これもきっとよくよく話を聞いてみれば、
なるほどと思われる経緯があるかもしれないのだ。
アスペルガー症候群の人は何に対しても妥当な説明をしないので、
「なんでそれを早く言わないの?」と大いに怒られる事が大変多い。

オリジナルな発想をしがちな人達なので、
お話を聞いていて「え!」と思う事はしばしばあるが、
本気でそう思ってやっているのか、
人が理解できるような説明ができないために、
ポイントをはずした変な理由を述べているのかは、
イマイチ見えないときがある。

    *    *    *    *    *    *

さて、
アスペルガー症候群の当事者である山岸さんとおっしゃる方も、
自分のホームページで言及しておられるので、
私も以前引用させてもらった事があるが、
新聞・TV・雑誌等でその知識を初めて知り、
「ふーん、そうなんだ。」と思ったような人は、
自分の近所や学校・職場にその傾向の人が実際にいても、
ほとんど気付く事はないと思う。
だから事実と違うイメージが先行するのかも。

私はこの話に関してだけは、
「まずは現実ありき」が真実だと考えていて、
家族を含めた特定の誰かに大いに困って、
「もうちょっと何とかならないものか?」と、
頭を抱えた経験のある人だけが、
そのニュースや記事を目にして、
数々の思い当たるフシにハタとひざを打ち、
一気に世の中の有様が見え始めてくるのではないか?

私だって何かを知識として学習して、
こういった事を書いているわけではなく、
現実に目の前にいる人がそうだから、
それを見て自分がこうだと思う事を単に書いているだけだ。

が、そういった知り方をした人の話は、
一様に共通したものがあるので、
メールをやり取りしていても食い違う事は無いし、
その認識に大きなブレはないと思っている。

さて私の検索が悪いのか、探してみてもビンゴな情報に当たらないが、
私はこの人(こちらこちら)も、
個人的にアスペルガー症候群ではないか?と感じていて、
ネットで理解できないと批判されているblog等を読むたびに、
「違うだろう。そうじゃないだろう。」と、少しだけ反論したくなる。
今は写真もニュース記事も消えてしまったが、
顔立ちがそれっぽい事や「くわえタバコで焼香」、
「お酒を被害者に供えていた珍しく感じた」等の記事を読んで、
そんな風に何となく自分が思うだけ。(もちろん違うかもしれない)

もし万が一そうならば、
残忍な事件なので異論は多くあるだろうが、
容疑者にとって極端な不利のないよう、
細心の配慮がされる事を祈りたいように思う。

私は自閉症やアスペルガー症候群の事は、
職場の上司や指導者はもっともっと知るべきだと思っていて、
そういった意味では、自称"自閉教"でもある。
そもそも、性格も悪くなく学歴も普通なのに、
「仕事ができない人」として職場で著しく評判が悪い人は、
ほとんどがこのカテゴリーの人なのではないかという気がしている。

多少頭が悪くても、スキルに不足があっても、
常人と同じ感覚で業務をこなしていて、
教えた事柄が身に付いて来ているのが周囲の目に見えていれば、
たいていの指導者はもう少し時間をかけてみようと思うし、
(影で少し悪口は叩かれても)
職場の悩みとして問題が騒々しく表面化する事はあまり無い。
それが全く将来的な見込みを感じさせず、
しかも何を考えているかわからない行動が多いから、
周囲がサジを投げて過敏に騒ぎ出すのだ。

ところがたいていの人はそれを障害とは思っていない。
「やる気」「自覚」「常識」「マナー」の無い人と思われて、
精神的な指導ばかりされているのが現状だと思う。
それを私は、「的外れだよ~」と叫びたいときがあるのだ。

そんな風に感じている私が、
自分の気の小ささに少しビクビクしながら、
アスペルガー症候群(自閉症)と犯罪について、
個人的な意見を負けずに述べてみました。
お付き合いありがとうございます。




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2007.03.07

連敗中!句読点をつけない人

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【アスペルガーな新人さんを何とか立ち上げたい!】
連敗中!句読点をつけない人自閉症的なスタッフの指導?誉める事・評価する感受性なぜ危機感にこだわるのかアスペルガーなユーザーサポートやっぱダメかな…その人の退職[完]お互い不幸にならないために

--
どうも、連敗記録がまた更新されそうな気配だ。。。

今日はヒロアキさん(仮名)の事をごめんなさいモードで、
事実として感じたままに淡々と書こうかと思う。

年齢は40代後半。
新卒で入った会社でプログラマーを5~6年やったのち、
地元に帰り、その後複数の職業を転々としたあと、
直近の仕事は塾の講師を10年間。
教科は数学。大学は県外の国立大を出ている。

が、あまり利発な人には見えない。
笑ったり困惑したりポカンとしたり、
見たままそのままの素直でいい人だとは思うが、
前歯が一本もなくフガフガ舌足らずな話し方と、
大柄でのっそりと口を開けて立っている様は、
少しだけ愚鈍な感じのイメージもある。

でも、話してみるといたって普通。話していてよく笑う。
高校の先生になら、こんな人もいそうな気がする。
実際自分が高校の時の現代国語の教師に良く似ていた。
けれど、やっぱり見栄えはあまりよくない^^
第一印象が企業受けするかどうか甚だ心配…

それでもお願いせざるを得なかったのは、
芦田君のC班は欠員が1年以上も続いていて、
大変厳しいシフトを長期間強いられていたので、
定員の6人に達するのが最優先の悲願だったからだ。

班長の芦田君(30代前半/男性スタッフ/仮名)は、
自分も同席した面接が終わりヒロアキさんが帰ったあと、
「この人を断ったら、あとはいつになるかわからないんですよね…」
と、ポツリとつぶやいた。
私は、「その可能性が非常に高い」と言った。
が、「無理する必要はない。育てられそうもないなら断っていい」
とも言った。

芦田君は、「これ以上欠員が続いたら全員辞めると思う。
悪い人ではなさそうだし、やる気もある。
育成に多少時間がかかったとしても、今は何をさて置き、
班の中に希望的なネタが心から欲しい。」と、言った。
本音は私も同感だった。

芦田君は、人への耐性が強いほうなので、
あまり感情的にならずに辛抱強く育ててくれる事はできるだろう。
「それじゃお願いしてみます?」「それしかないような気がする。」
こうしてヒロアキさんの採用が決まった。

が、昨日、ついに万策尽き果てて、
「正直このあとどうしたらいいか全くわからない」と、
相談を持ちかけてきた。
「もうすぐ二ヶ月になろうというのに、
お客様対応ができるレベルに一向に至らない。
何度教えてもすぐに忘れてしまうので、
進捗が著しく悪く、難易度を上げていくことができない」
という話だった。

    *    *    *    *    *    *

面接での話や事前研修の手応えで、
現場で仕事するにはちょっとスキルの低い人なのはわかっていた。
両指を全部使ってキーは打たず、PCの操作もたどたどしいし、
メールの返信の仕方がわからなかったり、
掲示板への書き込み方法を知らなかったり、
今時の普通の若者よりもはるかに、
ビジネス的なパソコンの使い方を知らない雰囲気だった。

が、このレベルから一人前になっていく人はたくさんいる。
だから、そこはあまり厳格に問うべきところではない。
それに事前研修で教えたことは全部理解できていたし、
非常に意欲があって毎日自宅で復習してきた。
確認の質問に対して「わかりません」という事はあったけど、
場違いな事を言ったり、かみ合わないという事がなかったので、
私は、本当に普通の人で、ただこう言ったことを、
何も知る機会が無く年齢を経てしまった人、という判断をした。

私の職場にはアスペルガー症候群と思われる人の応募が多い。
そういった障害の存在を知らなかった私は、
話してみての感じや見かけに大きく変なところがなければ、
すなわち「普通の人」という解釈をして疑問を持たずに採用し、
結果として何人もの少しとんちんかんな人や、
あまりに仕事ができずに企業からの苦情になる人、
それ以前に、どうしても仕事が覚えられずにクビになる人など、
何人もの問題のあるスタッフに頭を抱え込んだ。

だからそれからは、面接の時には細心の注意を払い、
話のやり取りや態度、仕草、などをよく見て、
事前に「そうでは?」と思える人はお断りをしていたのだが、
ヒロアキさんは、少し不器用で要領は悪そうであったが、
私のアンテナに引っかかるところは何もなかった。

けれど現場入りしてから段階ごとに研修を担当した複数の人が、
「パソコンの操作がちょっとね…」と口を揃えるところ見ると、
通常は研修で何度も課題を実習しているうちに、
どんどん動作も手際もスムーズになっていくべきところが、
ちっとも上達することなく、何をやっても手元が、
毎回マゴマゴしてしまうのだろう。

でもそれ…本当にPC操作だけの問題なんだろうか?
物覚えも飲み込みも非常に悪い、と報告が上がって来た時点で、
私は、「もしや…」と思った。え…また?また、そうなの??
彼は違うだろうと思っていたのに。

    *    *    *    *    *    *

ご専門の方が読んだら、
目をむいてあきれ果てて怒り出す話だと思うが、
最近の私は、この手の評判が立つスタッフは、
十把一絡げに"たぶん自閉症"のカテゴリーに、
いれるのが正解であるような気がし始めている。

「スキルが低い」「飲み込みが悪い」「やる気が無い」
という言われ方をされがちだが、
その人達の本当の原因は違うところにあると思い始めた。

ヒロアキさんが頭が悪い人じゃないのはわかっている。
確認の質問をすると、
こちらが思った以上に理解できている事が多いからだ。

たぶんそれと実際の仕事の結びつきが全くイメージできず、
また情報にタイトルをつけて記憶しないような気がするので、
教えたときと全く同じな表現を使って、
直接的な問いかけをしなければ、
記憶の中からそれに合致するものを探し当てて、
提示して見せる事が出来ないのだろうと感じていた。
それを人は「仕事を覚えられない」と言うのだ。

手際も変わらず非常に不器用。
10桁の契約番号を聞き取りながら、
専用端末に入力することが出来ない。
どうしても必ず一桁抜け落ちるので、
データベース検索が毎回100%エラーになる。
いやぁ、すごいね。
耳で聞いた情報を同時進行でキーボード処理する事が、
出来ないのだ。

こんな風に、どんな人でも当たり前にできる事ができないと、
教える側は頭の中がショートしてパニくってしまう。
が、そこで真っ白になっていたらダメだ(笑)。
できない部分に固執せずに、できないならできる方法に切り替えて、
その分の時間的なロスは"やむなし"と思わなければいけない。

お客様のお問い合わせ内容の聞き取りもそう。
普通の人なら「はい、はい…」と、
お話を伺いながら同時に回答の予測を立てているので、
次にこちらからお客様に投げかける質問は、
どんな人でもだいたい同じ内容になるのですが、
もし、彼がそうなら最初からそこを追及してはいけない気もする。
そこで少々セオリーを踏み外して回り道をしたとしても、
失望のため息で苛立ってはいけないと思う。
そこでわかるまで躍起になって解説をしたとしたら、
彼は余計にわからなくなるのでは?

メーンの研修担当の角田君(20代後半/男性スタッフ/仮名)は、
高スキル者への技術解説は得意だが、
何かと至らない初心者には、苛立って辛く当たるときがあり、
研修の様子が心配で見学しに言った私と芦田君は、
角田君がヒロアキさんを怒鳴ったり軽蔑したり、
ときに罵倒しているのを聞いて、「これではまずい!」と思った。
ヒロサキさんはすでに角田君に反発し、
何を言っても大声で反論したり、口答えするようになっていた。

私はすぐに研修担当を芦田君に変え、
「たぶん、あれじゃ、誰だって素直に従おうと思わないし、
もしそうなら、この二週間は何も覚えていない可能性が高い」
と、言った。人は、「なんだよ、こいつ?」とお互いに思うと、
教えるほうと教えられるほうの関係は決裂し、
身のある研修には決してならない。
そんなとき、たいていの新人は、
「もういいや」と思ってやる気を失い、
期間が過ぎるのをただ待っているだけになる。

その状態のヒロアキさんを「やる気が無い」というのなら、
それは間違った見方でもあり、
私は芦田君を付け直して、彼が理解できるような指導を頼み、
班長が研修を担当する大きな負担を詫びた。

    *    *    *    *    *    *

私達の職場はスタッフの自主運用で成り立っているので、
最近は正社員達とスタッフの接点がなく、
正社員達が個々のスタッフの資質に言及してくる事は、
ほとんどない。

が、先日の飲み会で、
ヒロアキさんと話す機会のあった主任が、
「この人は本当に大丈夫だろうか?」と強い危惧を抱いたようで、
本日のミーティングで珍しく立ち上がりやOJTの
進捗を芦田君に尋ねてきた。

主任は芦田君の歯切れの悪いトークから察して、
「やってダメなら早めに見極めをつけるのも方法」と示唆したが、
芦田君は「手が、かかりすぎるから辞めさせて欲しい」とは、
絶対に言わなかった。私にはその気持ちがよくわかった。
正直言って、中のスタッフ達がカバーしあって、
納得して一緒にやっていってくれるのなら、
ヒロアキさんのような人でも、生き延びる事が可能なのである。

芦田君の班は、長期欠員に困窮している。
24時間交代制で6人シフトが組めないという事は、
不眠で15時間連続勤務に当たる夜勤の頻度が、
大幅に増えているという事でもある。これ、キツイです。
なので穣太君のケースと大きく違うのは、メンバー全員が、
ヒロアキさんの立ち上がりを(たとえ遅くてもいいから)
切に願っているという事かな。とにかくこの時点では、
なんとしても辞めて欲しくないはずだ。

幸い芦田君のC班は取扱商品も一番守備範囲が狭く、
お客様も絵に描いたような初心者が多いため、
お問い合わせ内容がパターン化している。
他の班では無理だったろうし、
そもそもお断りしているね、きっと。
穣太君は、(悪い言い方をすると)身の丈に合わない、
一番難易度の高い班を希望したため、
自分で不運を招いてしまったとも言える。

度合いにも寄るが、高機能自閉症やアスペルガーなど、
そういった知識の全く無かった頃は、
どんな人でも未来を信じて皆で育ててきた。
そしてやがて、たいていの人が戦力として、
かろうじて何とかなった。

彼ら・彼女らは今でも「できない」部類のスタッフさんだが、
現在の"募集しても人が全く来ない状況"下では、
今や貴重な人員である。
少々難のある新人でも育てていかないと成り立たない現実で、
「まずは育ててみる」という事をしないと何の結論も出ない。

私は、最近いろいろな事を知ってしまったせいで、
すぐに人をより分け、結論を早く出しすぎるのでは?と自問し、
何も知らなければ無心に頑張っていたはずだ、と思うときがあり、
何も知らないほうがよかったのでは?と感じたりする。

でもたぶん、ヒロアキさんもやっぱりアスペルガーだろうな。
芦田君を通じで聞く話は、それを確信に変えるものばかりだった。

    *    *    *    *    *    *

それにしても、求人状況が好景気で調子がいいせいか、
契約スタッフの現場は、もうまともな人は来ないのではないか?
と、つくづく思わされる。
自閉症の傾向があるのかな?と感じる人でも、
以前は場が読めず、とんちんかんで困った人が多かったけれど、
今は、自分自身と対話ができないタイプの人が多いように思う。

アスペルガーの人ってこんな感じ!と、
自分なりに掴んでいたものが、
前回と今回でまた見えなくなってしまった気がする。

ヒロアキさんは、とんちんかんじゃないし、
場が読めない行動もないが、
普通の人が普通に持っている内省力が、
外からはあまり感じられない。
何かを案じて不安になったり、気になって心配をすることなく、
いつでも、自分に対して「これでいい」と思っているような空気を
周囲はよく感じる。

通常新人さんは、自分の物覚えが悪かったり、
理解度が劣っていると感じると、
自分のスキルが全体の中でどの程度のものか、
不安を感じ気になり始めます。

そして、過去の新人さんがどの程度の期間で独り立ちしたか、
さりげなく聞いてきたり、解雇の可能性や今までの実例について、
ちょっと探りを入れてきたりします。
そのベースとなる感情は、焦りであり危機感であり、
現状をマズイ状況と感じた人はそれなりに努力します。
ですがヒロアキさんのような人は、それが全くありません。

またいつまでも本番を任せてもらえないのも同様に、
新人さん達は過小評価されていると思ったり、
教える側のやり方に懐疑的になったり疑心暗鬼になったり、
落ち込んだりやる気が失せたり複雑な心境に陥りますが、
ヒロアキさんのような人はそれもありません。
本番に一向にGOサインが出ず新人卒業の合格判定がなくとも、
その事実に深い感情が伴わないので、
そこで問題意識を持つこともありません。
問題意識が無いのでそこで何かが変わるということも無いし、
急に勉強をし始めるということもありません。

正直、どうしたらいいのかわからないという、
漠然とした概念はあると思います。
ですが、自分で自分と対話できないという事は、
自問自答できないという事なので、
「ハッ!それじゃ、こうしてみようかな!」
と言った客観的な気付きが生まれず、
自分で打開策を見つけることができません。

結果として、言われた事はやる。
言われない事はやらない、という事になりますし、
自習や予習・復習を促しても、
実践に則さない的外れな事ばかりを、
繰り返す事になります。
それが傍目には、自分の興味を優先させて、
役に立たない事ばかりをやっているように見えるのです。

それが、
「パソコン教室にでも来ているかのようにすべてに能天気で、
お給料をらってもいるのに未だ戦力になっていないという、
居心地が悪く気恥ずかしい自覚が無い。やる気が無い。
頑張ってついていこうという気概が一切感じられない。」
の正体なのでしょう。

つまり、普通の人の行動は感情にコントロールされているため、
そこに刺激が加われば行動も変化していきますが、
ヒロアキさんのような人は感情と行動がリンクしていないので、
「普通はこうするだろう」という一般的な読みが通用せず、
教える側に人の心理を読むスキルがあればあるほど、
調子が狂う事この上ないのです。
それが途方に暮れてしまう一番大きな原因なのではないかと、
思います。

私はヒロアキさんのような人は、
自覚とかモチベーションの向上とか、
そういった意識付けは一切せずに、
(大変語弊のある言い方ですが)
半ばロボットだと思って端的に指示を出していくのが、
よいのではないかと思っています。
教える側が理想を追わずに、どこまで割り切れるか?
それがポイントなのでは。

    *    *    *    *    *    *

メールのトレーニングをしたときに、
ヒロアキさんが成人した大人として、
常識的な漢字を読めないときがあるのにも驚きましたが、
もうひとつびっくりしたのは、文章に句読点をつけないことです。

若い人の携帯メールにならありがちですが、
社会経験のある40代後半の大人がですよ?
文面もとても塾の講師を10年もやった人とは思えません。

話の様子からウソだったとは感じられませんが、
一体どんな仕事振りだったのでしょうか。
文章は癖も出るので点がなかったり、少ないのはわかるとしても、
お客様に回答するようなビジネスメールで、
文末に丸をつけないって、
一体どういった思い込みによるものなんでしょう。
純粋に心の中をのぞいてみたくなっちゃいますネ^^

もしかしたら、点や丸は原稿用紙に書くときだけのもの、
とでも思っているのかなぁ…
目の前に社会経験の長い40代の大卒の男性がいたら、
そういうところに普通疑いは持たないものなので、
そんなところさえもチェックしていかないとダメなものか?
と、面接のありようを根本的に考えさせられます。

以前、アスペルガー症候群について調べていたときに、
"文章と実際のキャラクターに大きな隔たりがある"と、
読んだ事がありました。
それは個人的な経験で非常に思い当たる事があり、
私は軽妙でウィットに富んだ豊かな文章が書けても、
それは決してその人の、
人と成りをリアルにあらわしたものではないのだ、
「要注意!!」と、思い知りました。

某ホームページのオフ会で見ず知らずが初めて集まってみたら、
管理人がネット上のキャラクターとは似ても似つかぬ人で、
顔立ちも少し変わった感じ。
そしていちいち物事に戸惑って、
じっと黙ってしまう妙な雰囲気に、
盛り上がるどころか大変微妙な空気でした。

ですが、逆にその経験から、
最低限の文章は書けると思い込んでいたので、
それが何かの判断基準に、
なり得ると思ったことはありませんでした。

けれど、先月終了になった穣太君も、
実はメールに句読点をなかなか入れない人だったので、
これは何かのヒントになるのかも。
例え実際の人格と異なっても、
文章が書けるのはまだ即戦力として「使える」証で、
ここで読みやすく日本語にも間違いが無く、
構成のしっかりした文章が書けなければ、
業務に不向きという判断も成り立つかもしれません。

次回からは、試しにメールを書かせてみる!というのを、
面接時の課題にしたり、
内容に差のつきやすい曖昧で抽象的なテーマを掲げて、
職務経歴書と共に提出してもらうなど、
絞り込んだ判定材料を工夫してみたいと思います。

ヒロアキさんの今後は、まだ不透明です。
私はギリギリで戦力にはなり得ると思いますが、
芦田君がどこまで自分のこだわりと自我を捨てられるか、
その一点にかかっているような気がします。
疲れたほうが負け、だな、きっと。

研修担当は、人を伸ばす努力も大事。
人を伸ばそうと思わない割り切りも大事。
何にポイントを絞って育成するかを考えた場合、
選択肢は君が思っているよりも、
ずっとずっと幅広くて「何でもアリ」だと、
思ったほうがいいでしょう。
もしヒロアキさんをとことん指導してみるというのなら、
私はそんな風に思います。
 

 
【過去記事一覧】~after Asperger~
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2007.03.04

トップセールスマンの胡散臭さ

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爽やかなリーダーシップがあり、
ジョークもうまいが説得力もある。

性格は対外的にはちょっと軽め。

でも直属の部下や後輩には、
相手が男性でも女性でも、
かなり辛辣な言葉を投げつける。

社内では案外短気。

女性客には腰が低く、
オバさん達には絶大な人気。
でも、何かがどこかが胡散臭い(爆)!

私がそんなタイプの人に初めて会ったのは、
若い頃に血迷って三ヶ月だけ入社していた、
某英語百科事典のセールスの現場で。
彼、F氏は当時29歳だったと記憶しているが、
若いのに大きな支店の支店長で、
高そうなスーツに身を包みバリバリと仕事をしていた。

この支店長のレクチャーが非常にうまく、
他の上司の追随を許さない。
社員は皆、支店長が前に立って話をするだけで、
熱病にでもかかったように夢見がちになり、
この人に付いていきたいと思い、
自分も頑張らねば、と、ムクムクと意欲が湧いてくる。

そこにあるのは、淀みなく熱い信念を語る格好よさと、
一瞬で場の空気を変えてしまうような巧みな話術だ。
当時20代前半だった私は、かなりあこがれちゃったよ。
頭の毛がとても薄い人だったにも関わらず(笑)

次にそのタイプの人に出会ったのは、
やはりセールス(今度は数年後に化粧品)の現場で、
彼、Sさんは本社から派遣されてやった来た合同研修の講師。
私のような20代後半は少数派で、
大多数を締めるオバさん新人レディ達を相手に、
大爆笑の渦を巻き起こしながら、
AIDMAの法則やクロージングのテクニックなど、
売るためのノウハウを面白おかしく教えてくれた。
老けて見えたけど今思えばたぶん30代後半。
地元にやってくるたびに、取り巻きのできるアイドル的存存在。

その後、もっともっと年齢を経て、
人のタイプもパターン化して掴めるようになると、
訪問販売などの現場でトップセールスといわれる人達には、
この手のキャラクターの男性がとても多く、
彼らに共通して言えるのはトーク的な巧みさだけでなく、
話し掛けやすく親近感を感じさせる「人の魅力」や、
聞くものの心に強い暗示をかけてしまうような独特のカリスマ性が、
一様に共通していると感じるようになった。
これっばかりは天性のもので、努力して身に付くものでは、
ないのではないか。
彼らは皆、成るべくしてそう成っている人達に思える。

それがまっとうなビジネスに発揮されればいいのだけれど、
怪しげな宗教や詐欺まがいのベンチャービジネス、
そして催眠商法や霊感商法など、
「そんな話になぜ引っかかるのか?」と思うような場合は、
教祖や勧誘リーダーや販売担当者は、
たいていがこのケースなんじゃないかと思っている。
こういったタイプの人に免疫がないと、
誰でも一度は引き込まれてしまうんじゃないかと思うんだよね。
オウム真理教だって、麻原彰晃が自分カリスマを悪用した、
すごくわかりやすい例なんじゃないの?

    *    *    *    *    *    *

なぜこんな事を最初に書いたかというと、
昨日興味があって参加した、
「コーチング特別講座」というイベントの講師もまた、
まさにそんな人だったから(笑)

その世界では有名な方らしく(私は知らない(笑))、
隣県やもっと遠方から参加者がいたのには驚いた。
が、演壇に登場した瞬間に、私などは、
「あっ!このタイプね~」とすぐに納得しちゃったりして、
人間も段々年を取ると、物事に熱くなれない仕組みが、
自らの中に出来上がってしまうもんだな…と苦笑する。

この方、N先生は西日本でコーチングの会社を立上げ、
関連会社も併せて現在は数社を経営して売上は軒並右肩上がり。
お話もエネルギッシュでパワフルで、
どうしても自慢したい話は、「自慢するぞ?自慢するぞ?」という、
予告をジェスチャーで提示してから自慢するので嫌味が無く、
ご多分に漏れずジョークも軽妙で大変面白いので、
それなり楽しい独演会?ではありましたが、
私は周囲の皆さんのように、
一言も聞き漏らすまい、と、熱心にメモを取る気にはなれず、
何も考えずに出かけていって、
ボーッと時間を過ごして帰ってきたという感じでしょうか。

私は冷めた天邪鬼でもあるので、
ここまで面白おかしくなくていいから、
もっと感情の起伏のない静謐な空気の中で、
真剣な話を淡々と聞きたい思いが強かったのですが、
あの先生は数分に一回はボケないとダメな体質とお見受けし、
ない物ねだりの気持ちは押さえて、一緒にゲラゲラ笑ってました。

冷めているのは、もうひとつ理由があって、
これも自分の年齢と無関係ではないと思うのですが、
私、他の参加者の皆さんと比べて、
全然切羽詰っていないんだわ。
20名弱の参加者の自己紹介や質疑応答の中で、
すでにプロのコーチとして仕事をしている人はそれに添った質問を。
そうでない一般の人は主に職場での人間関係や育成の悩みを、
口々に語っていましたが、なんか、私はもう、
そういうのは、自分にとってどうでもいい事なんだよね。

トラブルもアクシデントも毎日のようにたくさんありますけど、
世の中はそういうもの、と達観しているところがあって、
対処に頭を抱え改善に尽力はしますが、
できる人はでき、できない人はできない、ただそれだけの話。
いいスタッフがいればそれと同じ数だけよくないスタッフもいる。
そういった清濁の混在するコミュニティが職場じゃないのかなぁ、
なんて。。。

だから、参加者の皆さんが語る苦しい思いの数々にも同調できず、
先生が熱弁を振るえば振るうほど心のひだや揺らぎが見えずに、
核心が遠のいていく気がするので、
個人的にはコーチングに関してなんてあまり触れなくてもいいから、
今なぜ先生がここでこんな仕事をしているのか、
詳細な生身の人間像をもっと知りたかったですね。
体系化されていて、
誰が解説しても同じ説明になるような話よりも、
「あなたはなぜ今のあなたなのか?」を聞きたかったかな。
軽快なトークの中に隠された弱さや迷いなどの真実を見つけて、
それを自分の何かのヒントにしたかったのかもしれない。

講師のキャラクターによって、
自分の素直さや受け入れ度に差が出るのも変だけど、
セールスや営業の現場で似たような人を、
今までたくさん見てきちゃったので、
変な嗅覚が傾聴の邪魔をするんだよねぇ(笑)
どうも、余計な突っ込みを入れたくなってしまうというか^^;
これもいわゆるひとつの自分の"悲しい性"かしら。
今となっては一番師匠に仰ぎたくないタイプですからねぇ(笑)
だって彼のようなタイプは、部下に冷酷な人が多いんだもん。
そのギャップがきっと、胡散臭さの根源なんだよ(爆)!

    *    *    *    *    *    *

昨日ひとつだけ印象に残った話を挙げると、
「人間の長期的・継続的なモチベーションの持続に、
一番効果があるものはなんでしょう?」という、
先生からの私達への質問。

楽しさや充実感かな?と思っていたら答えは違いました。
答えは「成功と達成のイメージ」だそうです。
なるほど~!!確かに!
あんなに以前は勉強嫌いだった次男が、
今は黙々と難関の電検三種を目指して勉強を続けているのは、
それを取ると自分にとって、
どういういい事があるか明確だからです。
直接的なメリットだけでなく、
合格した場合の優越感、ぶっちぎりの勝者感までもが、
よく見えているからです。

先生はこう続けました。
「今職場で、部下や後輩が思い通りに動いてくれない、
とお悩みの皆さん。
皆さんは、その人達に成功イメージを、
きちんと提示出てきていますか?
だから頑張ろうと思うような働きかけを常にしていますか?」

あはは。個人的には、こりゃNO!だな(笑)
というかそうしようにもネタが無い!
リーダーになんてなりたい人はそもそもいないし、
頑張ったって時給が上がるわけでもなく、
正社員になれるわけでもない。
それはどの人も最初から割り切ってあきらめているところだ。

それじゃ、みんなの成功イメージとは?
皆が職場に強く望んでいるものとは?

うーん、今だと絶対的な人手不足の解消と、
新人の底上げによる業務スキルの均一化、かなぁ。
ならばそのために、
「あなたは自分で何ができてどう役立ちたいと思っているの?」
と尋ねてみたらいいのかしら…いや、よそう、止めた、止めた(笑)
それはスタッフさんではなく、自分向けの質問だわ。

いずれにしても、
「自分はもっとこうなりたい!」という強い気持ちを、
誰も持ち得ないでいる事が問題なのであって、
一人一人が自分に対して「これじゃダメだ!」と、
自然に危機感を持つぐらいで無いと、
職場は活性化していかないのかもしれない。
ではそのために何をどう仕掛けていけばいいのか。
まずはそこのところを考えていかなくてはいけない、
いう事なのでしょうね。

昨日は15:30終了のところが、
終わったのが17:00近く。
他の皆さんは個人的に残って先生を囲んでいましたが、
私は夕飯の仕度もあるので早々に帰宅しました。
病み上がりなのでかなりぐったり(笑)。

「どうだった?面白かった?」(母)

「うーん。まあまあ。」(私)

「あんたは何を見てもどこに出かけていっても、
"まあまあ"だねぇ。。。」(母)

そうなのよね。最近本当に、
人の話を聞いて「こいつはスゴイ!」と感動して、
いきなり盛り上がって帰ってくることって、
全然無いんだよね^^;
この、悟りきって漬物みたいになっている自分に、
生きのいい「へぇ」をたくさんくれる泉は、
いったいどこにあるのでしょうか。

今みたいに自分がガムシャラに稼がなくても良くなったら、
いつかまたそういうものに関わってみたいですね。
老後?は他人に注いでいた水を、
今度は自分にかけて上げたいよ。

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学校の住所変更と個人情報

次男の高校(定時制)から来た保護者向けの封書を見たら、
宛名の住所が旧の住所になっていた。


あれぇ?そう言えば町名が変わってからもう三年にもなるのに、
入学当時の古い町名のまま、
学校には変更の届を出していなかったんだ…
なぜ今頃まで全然気が付かなかったんでしょうね(汗)


こういうのは思い立ったときが一番、と、
次男にメールを送ろうと思ったけれど、
テスト中なので遠慮して、直接学校に電話をしてみた。
次男の高校は父兄からの電話を歓迎しているフシもあるので。


「あのー、電気科3年の○○の母です。
いつも息子がお世話になっています。
実は今日授業料のお知らせが届いたんですが、
封筒の宛名が前の住所になっていたので、
たぶんまだ町名変更の届けを出していないと思うんですよ。
新しい住所に変更していただきたいんですが、
手続きはどうなりますか?用紙があるようでしたら、
今日にもでも息子に持たせて欲しいんですけど…」


次男の定時制高校は、
全校4学年8クラスで150名に満たない
こじんまりとした高校なので、
家族的な校風がある。(1クラス10数名)
生徒は教師を全員知らなくても、
教師は生徒全員を知っている。


「あー、なるほど。えーと、どうしようかな…
それじゃですね、直接担任に言っていただけますか?」


「あ、わかりました。谷部先生に直接ですね?
用紙を下さいってお願いすればいいんですか?」


「いやー、こちらで今伺ってもいいんですけど、
聞き違いあるといけませんので~」


「?え?あ、電話でも大丈夫なんですか?」


「あー、それでも結構ですしぃ、一番確実なのは、
やっぱり生徒さんに紙に書いて担任に渡してもらえれば、
それで学校全体に情報が来ますから~」


「紙っていうのは…」


「あーもう、なんでも結構です。
メモ書きみたいなんで大丈夫ですんで~」


微妙に噛み合わない会話をやり取りしながら^^;
そうか学校だもんな…と、思う。
手続き方法や所定の用紙があるのかどうか尋ねても、
ちっともそれに対する回答になっていないのは、
そもそもそういうルールが存在しないから、
先生も何を聞かれているのかよくわからないのだな(笑)?


確かに学校なら、
「先生、おれんち、住所変わったんだけど?」
「お。じゃ、新しい住所紙に書いてあとで教えて。」
それでオッケーだよなぁ。
なんか、そういう感覚って懐かしいな~。


思えば個人情報保護法の施行からこっち、
会社では何もかも厳しくルール化されてしまって、
今ではスタッフさんから新しい携帯番号を、
口頭で教えてもらっていても、
例え「変更しておいて下さい!」とそのつもりで頼まれても、
だからと言って私達がデータベースの基本情報を、
個々に変更する事は規則上できない。


個人情報の変更はあくまでも本人から。
そして所定の方法で変更申請が出されたときだけ。
家族から電話が来ても受け付けない。
市町村合併で消滅した市のままになっていても、
直さない。
どんなに内容が現状と合わなくなっていても、
スタッフが応募のときに提出してきた情報を、
こちらの判断で直しておく事は、今は無い。
(業務上それでは困るので、私達は苦肉の策として、
任意の書き込みが可能な備考欄を利用して、
そこによく書き込んでおく。基本情報は変えない。)


こういった感覚は、
ほとんどの個人情報を扱う職場で働く人には、
違和感のないものだと思われるし、今はもう、
すっかり仕事の中に溶け込んでしまっているので、
どんな組織でも個人情報に対しては、
同じ感受性を持っていると錯覚しがちですが、
つい忘れてしまうのは、自分の職場が、
個人情報取扱事業者だって言うことなんですよね。
PCでの検索が可能な5000件以上の電子データベースは、
法律で保護されている対象だという事。

そしてプライバシーどうたらとか、ISOなんちゃらとか、
何とか国際認定資格とかを企業としていろいろ取得して、
定期的な○×テストだのDVD研修だのウェブラーニングだの、
(例え内容はすっかり忘れても(笑))、
「ヤバいことはやっちゃいけないみたいだぞ?」という意識だけは、
意外にしっかり浸透している中で仕事しているって事。


だから私などは、
母が自分で集積所に出したゴミ袋(透明)を、
後から通りすがりに見かけて、
彼女が処分した郵便物や古いハガキの差出人なんかが、
たまたま外からむき出しになって見えていたりすると、
思わず目が釘付けになって、「無雑作だなぁ…」と気になるし、
先日も病院(個人医院)の待合室で、窓口から大声で、
「ぷらたなすさーん、
連絡先はXXX-XXXXのままで変わりないですよねー!」
などと大勢の患者さんの前で、
電話番号を読み上げて叫ばれると、
「おー!!なんて無神経な!いいのか、それでっ?」
と、その大胆な感覚に目が点になってしまう^^;


だいたい実際の現実は、
うちのように昔は地縁の濃い農村地区だった地域は元より、
規模の小さい組織、古くからの個人商店や公共機関などは、
世間の潮流などまるでよその国の他人事のような、
牧歌的?な運用に「うわー」と思う事が満載だ。


でもそれを逐一、鈍感、無頓着、と批判にするには、
実はこちらのほうが、
地域の感覚とかけ離れている事に気が付かないと、
妙に浮いちゃうときもあるんだよね。


先日の出向先のほうの職場の内部監査では、
電話で聞き取った顧客の連絡先のメモ書きが、
足元のくず入れに無造作に捨ててあるのが他の課で見つかり、
これが結構大問題になった。
翌朝はそれぞれの課で朝礼時に課長から厳重注意。


職場では顧客に関するメモを紙片に書きとめるのは禁止。
所定のノートに書いて帰宅時には鍵付き専用ボックスに返し、
朝にまたそこから自分のノートを取り出して使う。
メモ紙がNGなのに、シュレッダーにもかけないのは更にNGだ。


面倒ですよね。そう、普通は最高に面倒。
でも今は反論も抵抗も無く、そうしろと言われれば、
黙々と素直に従う空気が社内で確立している。
そんな紙切れがたとえ第三者に渡ったとしても、
何の価値も無いのは一目瞭然ですが、
意識付けが徹底されない事が原因で、
情報漏洩などが発生したら、
企業としての信用や金銭的な損失は甚大なので、
会社も必死である。
だから笑ってはいけないと私は思うし、それでいいと私は思う。

出向先では私の会社と違い、
私達が基本情報を修正する事はシステム上不可能で、
そうと知らずに電話で依頼してきたお客様には、
お手数でもメールでの申請をお願いしている。
送信先は専用のアドレスで、
遠く離れた他県の受付専用センターにいるそこの担当者しか、
データベースを修正できない。
個人情報に関して、
難解ないちゃもん?を付けてくるユーザーがいたら、
私達が頑張って対応する必要は無く、
専用のフリーダイヤルがあって、
そこが法務課と連動して対応してくれる。
が、この2年間、いまだかつてそういったユーザーは皆無だ。


私は自分の会社ではスタッフのデータベースがあり、
出向先の企業では顧客のデータベースがあり、
どちらも個人情報取扱事業者なので、
こういった感覚に当たり前に慣れてしまっていると、
普通の人に何かを尋ねたときに妙に遠回りしてしまったり、
お互いの重視しているポイントが大きくずれていて、
話がかみ合わなかったりするんだよね。


個人情報云々をあまり気にした事が無い人は、
相手がなぜそのような七面倒臭い事を確認して来るのか、
全く理解できない場合が多いので、
回答は概ね的外れになりがちです。


そんなときはすかさずこちらが軌道修正しますが、心の中では、
「そんなに簡単な話で済むのなら、それに越した事はない!」
と、思う反面、
「たったそれだけいいなんて、本当に大丈夫?」と、
あまりにあっさりシンプル過ぎて逆に不安になるときも。
職病病かもしれませんね。


何もかもギスギスぴりぴりしてしまっている世の中で、
システィマティックじゃない学校のあれこれは、
昔を思い出して人を懐かしい気持ちにさせますが、
世の中の流れをわかった上でそうなのと、
その世界しか知らないからそうなのでは大違いで、
先生達にはもうちょっと勉強していただかないと、
父兄との意識の差は広がっていくばかりでは?
なんて、少し思ったりしました。


2007.03.02

インフルエンザ(じゃない)判定

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重い風邪の症状でダウン、
先週の土曜日からずっと床に伏しておりました。
私は(うちは家族全員がそうですが)ベッドではないため、
まさに"床に伏す"という表現がピッタリの日々だったですね。

先週の土曜日は、前夜がスタッフさんの送別会だったので、
朝から調子が悪いのもそのせいだと思い寝坊をしていましたが、
夜勤明けの亭主が帰宅するAM9:30近くになっても、
なぜか起きて朝食の準備を整える気になれず、
「あぁ、どうしよう…」と思っているうちに再び寝てしまいました。
帰宅した亭主に「なんだ、風邪か?具合悪いのか?」と起こされて、
「え!」と気が付き熱を測ったら38度6分で逆に自分がびっくり!

私は平日は気が張っているせい?か、
熱や体調不良が土日に出ることが多く、
特に病院や薬のお世話にならなくても、
二日間じっくり横になっていれば直っていたため、
今回もそのつもりでその日も次の日の日曜も、
終日寝ていたのですが、(というよりも起きていられない)
今回は一向に下がる気配がないんですよね。
しかも関節というか筋肉というか節々が痛い。咳も出始める。
ゾクゾク寒気がするので布団に入っても靴下を脱げない。

この日記は自分の備忘も兼ねているので経過を以下に記すと、

===========================
2/24(土)38.6度 昼夜寝たきり ポカリスエットのみ 食欲はゼロ
2/25(日)38.8度 昼夜寝たきり ポケリスエットのみ 食欲はゼロ
2/26(月)38.8度 午前中病院点滴、投薬、効果なし お粥だけ可
            あの効果のない点滴は何だったのだろう…
2/27(火)39.7度 昼夜寝たきり 解熱剤効かず 日中は39度前後
            やっとPCに向かう気が起きて高熱でもメール可
2/28(水)37.9度 少し長く起きていられるように。去痰薬効果大
            寝すぎたため横になると逆に体が痛い
3/1(木)36.9度 普通に起きていられるようになる。
           肌のザワザワ感消えず。咳し過ぎて腹胸筋肉痛
===========================

まぁ、こんな感じでしょうか。
今は急激に回復中!というところなので、
再びまたblogの虫が騒ぎ始めてこれを書いているわけですが、
実はここまで長引きはしなかったものの、
これと似た経過を辿った事が20年前にも一度ありまして、
その時の診断が、「まさしくインフルエンザですね!」 でした。
あの時ももらった解熱剤がほとんど効かなくて、
薬なんて役に立たないもんだなぁとつくづく痛感しました。

いえ、効果がないというわけではななかったのですが、
(当時)40度の熱がせいぜい38.5度前後に下がるぐらいで、
おまけにすぐそこからまた強烈な寒気と共に熱が上がり始め、
これがお薬の度に繰り返されるんですからその苦しさったら。
私は、「あんなもの飲まないほうがずっと楽。高熱安定で私はOK」
と、勝手に飲むのを止めてしまいました。
けれど、それでも熱はやがて自然に下がりました。

もちろん合併性の危険もありますので、
"よい子はマネをしてはいけない"行為だと思いますが、
実はこの経験が、その後の「熱は出し切って下げる」という、
自分の方針の根拠になってもいるんですよね。
解熱剤みたいなものなんかに頼っていても解決しない、
泣いても笑っても布団かぶって寝ているのが一番なのだ、と。
だってその時の先生も、こんな事言ったんですよ?
「薬はねぇ、出すよ一応。でもたぶん効かないと思うけどなぁ~。」
一見無責任。でも結果的には大変誠実?な説明でございました。

    *    *    *    *    *    *

さてそんないきさつもあり、月曜日、
私は今回もインフルエンザに違いないと確信して病院に行くと、
検査に寄る判定では、なんと「陰性」。あらら、ちょっとがっかり。

だってインフルエンザとそうでないのとでは、
欠勤連絡の信頼性も周囲の配慮も全然違うんだもーん^^;
「インフルエンザ!」 このひとことの重みは、
この時期、葵の印籠に匹敵しますからね~。

でもそうではなく、これはタダの強力な風邪だったんだ。
実際は病院に行くのさえ非常にしんどかった事実があったので、
(なんと例のDemioのバッテリーが上がって自転車で行った…)
職場へ欠勤を告げる気持ちに一点の曇りもなかったのですが、
心情的にはチト残念。うーん、おかしいなぁ…
途中までは調子よかったんだけどなぁ(笑)

そう、先生は(前述とは違う先生)私から症状を聞くなり、
「あー、それはまさにフルコースですね!」と言ったんです。

「周囲にインフルエンザの人はいましたか?」

「えーと、風邪なら今次々と家族が引いていますが、
誰も病院に行っていないのでわかりません。
インフルエンザとはっきり言われたのは、
職場で休んだ人が一人いるだけです。」

「いつから熱が出たって言いましたっけ?」

「土曜の朝です」

「土曜!あーーーーーっ!!(意外に大声)残念!(のけぞる)
今は本っ当にすごくよく効く薬があるんですが、
これが48時間以内に飲まないと効果がないんですよ。
今、副作用とかいろいろ言われてますけどね、
タミフルという薬があって、これは実際本当によく効くんです。」

お恥ずかしい話ですが、私は今までの数ヶ月間、
忙しすぎてニュースもろくに読んでいなかったために、
この日までタミフルという名前も副作用の事も全く知らなかった。
なので、その場は「へぇ」で終わってしまったけれど、
その翌日に地元で中学二年生男子の転落事故があり、
「そういう事なのか…」と、ちょっとびっくり。

「あのぉ、先生?
インフルエンザの検査ってしてもらえるんですか?」

友人や同僚の話では、今は鼻の奥の粘膜で、
その場で判定の出る検査があるらしい。
ならば普通はまずそれが先のように思われるのに、
先生が病院で計った体温計(38.6度)と私からの聞き取りだけで、
どんどん話を進めるので、私はこの雰囲気だと、
検査もされずに未確定のまま帰されてしまいそうな気がしてきて、
そう尋ね、すかさず検査をお願いした。
先生は、熱が出てすぐには判定が出ない場合もある事等を告げ、
「48時間以上経っているので、そうだね、たぶん出ると思います」

が!その結果が「陰性」だったので、
私はすっかり期待が外れちゃったわけなのです。

    *    *    *    *    *    *

さて、寝込むこと4日間。
インフルエンザじゃないとすると、この高熱は、
風邪と言うよりはやっぱり日頃の疲れが溜まっていたのかな。
ここのところ、何かと公私で御難続きだったしなぁ…
でも咳も痰も出るしやっぱり風邪は風邪かしら。

そして、ここでふと思ったのですが、
ここまで高熱続きで直りも悪く、
薬も効かない強力な風邪の正体って何なのでしょうね。
インフルエンザによく似た風邪として、
何か特別な名称でもついているものなんでしょうか。
例えばどんなウィルスが原因で、
どういった特徴があるのか、とか。

私は自信を持って「20年前と同じ」と自分で思っていたのに、
判定キットの無かった時代にはインフルエンザと即断されて、
今回の検査では「陰性」となった理由が知りたくなったんですよね。
だったら、昔の診断は誤診が多かった、とか、
今回と前回はここに違いがあるので同じ診断にはならない、とか。
別に深い意味は無く、
こうなると、言ってみれば単純だけれど強い好奇心です(笑)

ところが、「風邪 症状 重い」とか、「昔 インフル 診断」とか、
その類のキーワードでは、それらしき納得の行くサイトが
全くヒットしないんです。そこで「そうだ!」と思いついて、
今度はインフルエンザと風邪の違いについて調べてみました。
すると(一例として)後述のような記事がありました。
そして読んで驚き!はっきり言って私の今の症状は、
風邪に該当する項目がひとつもなく、
まさにすべてが当てはまる、
インフルエンザそのものだったからです。

 

「インフルエンザ」の場合は全身症状を伴い「発熱」とか「頭が痛い」「関節痛」といった症状があります。そうした全身症状が最初に現れるのがインフルエンザで、風邪の症状と大きな違いがあります。

インフルエンザは最初に全身症状が現れ、その後から呼吸器症状が追いかけてくるという感じです。その間に急激に38度ぐらいまでの発熱があります。

(略)

 そこが違いの決め手です。せきが出る、くしゃみが出る、鼻水というような症状があったら風邪で、それがなくて全身症状が先にくるようだったらインフルエンザというように区別してください。

インフルエンザの場合は季節がはっきりしています。これから迎える冬が流行の季節、シーズンということです。しかし、風邪の場合は冬とは限らないで夏風邪もあります。

(略)

インフルエンザの場合は、特に早期に薬を使うことが大事ですから「見極めが治療の第一歩」ということです。

引用:共同通信社健康ワンポイントホームページより

もっとわかりやすいよう今度は表をひとつ引用掲載しますね。

 

Hyohyo
引用:ディノスRicco(リッコ)~キレイと元気を作る情報サイトより

これで見てみても、私の一体どこがインフルエンザじゃないのよ?
と、思わず勝ち誇ったような気持ちで誰かに伝えたくなります。
(だからここで話題にしているわけですが(笑))

すると今度は、
インフルエンザなのにインフルエンザじゃないのってどういう場合?
と、一瞬の納得も束の間、
謎は次なる新たな疑問を呼んでしまったんですよね~^^;

こういう事をネットで追っていくのは楽しい作業で、
熱や寒気なんてあっという間に吹っ飛んじゃいます。
毎日ずっとご飯を作ってくれている母は、
部屋がすっかり静かなので、
絶対私眠っていると思っていますよね。
見つかったらヤバイっ!絶対怒られるっ!
(そんな元気があるなら次のご飯は自分で作れって言われるー)
これはいわゆる背徳の楽しみというヤツでもあるのでしょうか(爆)

    *    *    *    *    *    *

インフルエンザなのにインフルエンザではない。
答えの無いこの謎を必死に考えてみましたが、
どう頭をひねっても候補さえ浮かびません。
が、私はこういったくだらない事が案外悔しい人間です(笑)
浮かばないものはなんとしてでも、
浮かばせたくなるのが人情?です。

そこで頑張って頑張ってさらに考えて(←何もそこまでせずとも…)
もういいや、無理して起きていないでそろそろ寝よう、と
思った瞬間にふと思いついてしまいました、候補を(笑)。
そうだ、判定キットだよ!
「私の体質は病院で使われている判定キットと
相性がよくないのかもしれない」と、最初は思いました。

が、待てよ?と。
そんな事よりも、そもそも判定キットだってメーカーによって、
それなりに感度にばらつきはあるはず。
うちの地区のお医者さんがたまたま感度の悪いのを使っていたら、
インフルなのにインフルじゃないという結果は、有り得る話だよね。
でも医療の用語なんて全然知らないし、
一体何からどう検索したらいいのか…

欠勤しているのになぜかムキになって調べて、
やがて力尽きて途方に暮れるぷらたなす。
仕事や生活にあまり縁の無い分野の検索は、
「この辺が臭うぞ?」という核心を掴むキーワードが、
全然イメージできませんや^^。何も湧いて来ない。
判定キットだって迅速診断とか迅速検査とか
とにかく呼び名が一定じゃないし巷でどれが主流かも不明。

それでも手当たり次第調べているうちに、
段々こう当たりがよくなって来ると言うか、
感が冴えてくると言うか(爆)
探していたらこんな衝撃的(←おおげさ!)
な記事に出会いました。

 

『インフルエンザ迅速診断検査結果の信頼性は、確実なものではない。』

殆どのインフルエンザ迅速診断検査の検出感度は70%を越える程度で、特異性は90%を越える程度である。すなわち、ウイルス培養が陽性の検体のうち30%もの検体が陰性結果を示す。また、インフルエンザに罹患していなくても陽性結果になることもある。<インフルエンザの流行期にインフルエンザ様症状を呈して来院した患者は、迅速検査が陰性であってもインフルエンザに罹患している可能性が高い。>

引用:県西部浜松医療センター衛生管理室レター第9号(PDF)より

※感度…真の陽性率:ある特定の疾患を持つ患者に行った検査値が、陽性を示す割合。※特異度…真の陰性率:ある特定の疾患を持たない人に検査値が、陰性を示す割合。

えーーー!!70パーセント?3割は誤判定の可能性があるの?
まさかとは思ったけど、いくらなんでも低すぎない??
似たような記載はこちらにも。

 

インフルエンザには効果的な薬があるだけに、早期診断して、早期治療が出来れば子ども達はずっと楽にインフルエンザと付き合えます。そのためには、インフレエンザの迅速診断が正確である必要がありますが、現在の迅速検査では、インフルエンザであるのに、インフルエンザではないと結果がでるのが10%~

 30%はあるようです。

 10人のインフルエンザに罹っている子どもがいた場合、検査で陰性となるのが1人~3人いるのです。そして、この子ども達は、インフルエンザなのに、検査が陰性のために、良く効く薬をもらえない可能性があります。症状からインフルエンザが非常に考えられる場合には、検査が陰性でもインフルエンザの薬を飲んだほうが良いことになります。

引用:河原内科・松尾小児科クリニック連載「今日も元気で」より

ひえー、それじゃ私が本物のインフルエンザ患者であっても、
検査で陰性と出る可能性は十分あるわけね。
うわー、正直驚いた!そんなに低いなんて超びっくりです!
確かに物事に絶対という事は無いけれど、
病院の検査って血液でも尿でも検体を使うものに関しては、
数値的な信頼感があるじゃないですか。
やっぱり"迅速"というところに無理があるんでしょうかね。
実際は、時間をかけて培養した結果のみが、
本当の真実という事になるのでしょうか。
思ったよりも全然信頼感ないじゃん、それって~!(マジか)

ですが、その後あちこち調べてみると、
前述の2サイトはどうやら一番低く書いてあるもののようで、
たいていは80%~90%の範囲の数字で解説されているようです。
当然ですがメーカー側のサイトや説明書だと、
90数パーセントの感度とあるみたいですがが、
実際にはそれよりも低く感じている臨床医師が多い、
と書いてあるところもありました。
2004年の記事ですので、現在は違うかもしれませんが以下。
(どうせ細かな数字を除いては、
大勢に劇的変化はないだろうという読みで引用(笑))
長いので申し訳ありませんが…

 

Q6:インフルエンザ迅速検査はどれくらい信頼できるか?
A:陽性と出た場合はほぼ100%インフルエンザと診断できるが、陰性の場合は注意を要する。特に大人は小児よりも陰性に出やすく、また発症初日は陰性になりやすい。

 以下はMedical ASAHI 2004.1月号p2005(インフルエンザ特集)の一部の要約です。

 迅速診断キットはインフルエンザウイルス抗原を検出する方法で、この検査で簡単、迅速、正確に診断ができるようになった。検査結果が陽性となれば、まず問題なくインフルエンザと診断してよい。しかし、検査結果が陰性の場合は、検体のウイルス量が検出できる以下の量であるのであって、インフルエンザではないと断言はできない。実際の診療においてはこのことに注意する必要がある。検査キット製造元発表の検出感度はいずれも80%以上となっているが、内科の医師の印象では過大評価ではないかという意見をよく耳にしている。
  下にまとめた表で、いままでの印象が間違いではないことがよくわかった。迅速検査キットを過信してはいけない。 メーカーの言うことを鵜呑みにしてはいけない。 しかし、迅速診断キットは、診断の方法として大変役立つ。とくに、インフルエンザの流行初期には積極的に活用したい。

●鼻腔拭い液のほうが咽頭拭い液よりも検出率が高い〔差は5%)。
●鼻腔拭い液や咽頭拭い液の採取者の手技の技術レベルも重要である。
●患者の年齢が高いと検出率が低くなる。
  大人はある程度免疫があり、インフルエンザウイルスの増殖をある程度抑えることができるために、大人のウイルス排出量は小児のよりもずっと少ないことが知られている。
●発症からの期間が短いとウイルス量が少なく、検出率が下がる。
  発症後12時間以内は、ウイルス検出率はかなり悪く、24時間以降はよい。
本文にはコメントはないが、下の表から小児では●インフルエンザBの検出感度はインフルエンザ Aより劣る可能性があるようだ。

引用:まえだ循環器内科のインフルエンザ/ワクチンQ&Aより

へぇ。大人の方が抵抗力があるので、
ウィルスの排出が少ないんだ!意外!

さらにこの検査では陽性と出たものが陰性であることはまず無く、
陽性ならばインフルエンザは即確定、
しかし陰性でも絶対インフルエンザではないという事ではない、
というとらえ方が一番的確なようです。

あれ?ものすごく聞き覚えのあるその説明は何だ?
そう、それは私が乳がん検査のときに何度も言われた説明でした。

この検査結果でがんと診断されたらそれはがんである。
だが、そうでない場合もがんでないとは言い切れない。
白黒の判定は、実際は黒を確定するだけの判定なんですね。
だから私は、
超音波→マンモグラフィー→穿刺吸引細胞診→針生険と、
"疑わしき(たぶん白)"が"黒"と出ないので、
"黒"が出るまでずっと検査が続いたのでした。
なので最後まで"黒"が出ずに「乳がん無し」になったときは、
「だったら最初から最後の針生検だけやればいいのに」と、
本気でブーブー思ったものでしたが。(でも本当になぜ?^^;)
ま、そういう種類の検査も世の中にはあるのだな。

    *    *    *    *    *    *

私はここ数年、
検査以外で病院に足を踏み入れる事など全く無かったため、
そうでなくても興味関心の薄い分野で、
今世の中がどうなっているかなんて全然知りませんでした。

いろいろヒットしたサイトを片っ端から読んでいると、
インフルエンザの治療はこの判定キットとタミフルの登場で、
大きく変わったのが事実のようです。

タミフルの是非や、
「日本だけでなんで世界の75%も使っているのよ?」
という当然の疑問はさて置き、
発症48時間以内に服用すればすごく効く特効薬がある!
という事実はお医者さんには衝撃的な朗報だったはずで、
そのお陰で救われた人もたくさんいると思うんですよね。
(なーんて、その当時/2001年にそんなニュースが、
あったかどうかも一切記憶にありませんが…)
※当時は確かに仕事が自分に難しすぎて、
  悶々と模索の日々だったもんなぁ。。。

だから、冒頭で書いたうちの地区のお医者さんの、
一見「?」と私が思った診断の進め方は、
根拠のある今風のやり方だったんですね~。

 

臨床現場では、発症早期にインフルエンザウイルス抗原を検出するための迅速診断キットがすでに普及しており、通常30分以内に結果を判定でき、ベッドサイドや外来でも診断が可能です。ただ、この方法は、インフルエンザなのにインフルエンザではないと結果が出る(偽陰性といいます)ことがありますので、結果が陰性でも、周囲での流行状況や症状などでインフルエンザと診断することがあります。

引用:洛和会音羽病院のホームページより

なるほど~!(ガッテン、ガッテン♪)

 

検査で陰性と出た場合には最終的には主治医の総合的判断に委ねられる訳ですが 主治医が「検査では陰性だが臨床症状や流行状況から考えてどう考えてもこれはインフルエンザだ」と考えれば発症後48時間以内なら効果のある抗インフルエンザ薬を処方することに なります。

引用:医療法人加古医院のホームページより

なるほど~!(ガッテン、ガッテン♪)

 

 迅速診断キットは、15分もしないうちにインフルエンザA,Bの診断ができて、非常に有効です。ただ、どういう患者さんにどのように使うかということは、考えなければならないところだと思います。疑った全症例に使う必要はないと思います。
流行のピーク時であれば臨床症状のみで診断がつきますので、迅速診断キットを使う必要はありません。また。家族や同僚がすでに診断されている場合も同様です。

引用:まえだ循環器内科のインフルエンザ/ワクチンQ&Aより※2003年

は~、そういう考えがあるんだ。
ということは今のような流行のシーズンは、
わざわざ検査なんかしなくても、
お医者さんが診てインフルエンザなら、
それがイコール医者の正式診断なのね。
どう見てもインフルです。本当にありがとうございました。
って感じですかねぇ。なるほどねぇ…
いやー、勉強したっ!!休んだ甲斐があったよっ(爆)!

    *    *    *    *    *    *

なんだか途中から、日記というよりは、
学校に提出する課題のレポートを、
一生懸命書き上げてている気になってきました。

随分あちこちから引用を貼ったので、
画面からお手軽で軽快な雰囲気がすっかり消えちゃって、
たぶんここまでお付き合いいただいている方は、
誰もいないのではないかと思います(爆)。

ちなみに昨日、次男と亭主が二人とも口を揃えて、
「お母さんの風邪、移った。熱があって頭が痛い」
と帰宅しました。
そして本日は、亭主は会社を、次男はアルバイトを欠勤です。

私は口を酸っぱくして、「病院に行け!検査を受けてくれ!」
と言ったのですが、熱もさほどではないせいか、
亭主はその気もなくひたすら爆睡中です。
(次男は現在同居していないため不明)

亭主は当然だよね。
移るから離れろってあれほど言っているのに、
人が高熱で寝ている枕元にやって来て、
「今日は会社で○さんがどうしたこうした」と、
延々うるさかったですから。

気の毒なのは次男のほうで、
年末から一時的に嫁さんの実家の方に住んでいるのですが、
それがその日に限って珍しく、
近所のバイト先が終わって昼ご飯を食べに来た数時間に、
移っちゃったみたいなんですよねぇ。
「なんで、あんな短時間で!」て、怒ってました、彼。
確かに…

だから尚更、どっちかに、
「陽性」の判断をもらって欲しかったんですよね~。
やっぱ素人はね、そういう判定キットなどがある場合は、
どこかで「黒判定」を望んだりするものなのよねっ♪
家族が黒なら感染源の私も当然黒でしょう(笑)

さて、思わぬ長文になってしまいましたが、
今まで「そうなんだ!」といろいろ参考にしたサイトとは、
全く反対の事が書いているページもあるんです。
引用多用のついでにそれを貼っておしまいといたします。
この会社の言い分て内容は本当にそうだと思えど、
考え方はなんか少数派に思えるんですが、
正しいのは一体どちらなんでしょう。。。
最後っ屁(ス、スミマセン)のつもりでブロック全部貼っちゃいます。
それでは!

 

これまでのデータから迅速診断キットが陰性の場合も、キットの感度は100%ではないためインフルエンザを100%否定は出来ません。状況に応じて抗インフルエンザ薬が処方されると思われます。しかし、一般的にはインフルエンザ以外の原因を考えるのがよいでしょう。冬季に於いてインフルエンザと類似した症状を呈す疾患としては、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスやアデノウイルスなどが多いことが報告されています。これらのウイルスは小児では頻繁にみられます。しかし、近年特別老人養護施設でのヒトメタニューモウイルスの施設内感染が報告され、また、成人や高齢者でもインフルエンザ様の症状の患者の半数がRSであったという報告もされています。したがって、迅速診断キット陰性例では偽陰性例もあるが、他のウイルス性疾患を念頭に置き診療にあたることをお勧めします。

引用:グラクソ・スミスクラインのインフルエンザオンラインより

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