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2007.02.12

厄介な人8~私の結論

1011

その日のうちに何度か数人と話し合いをして、
今からの穣太君の再立上げのための研修は、
メールを主体にすることにした。

きちんとメール回答ができるのは
それがシフト入りできるかどうかの、
ひとつの見極めポイントでもあるからですが、
質問と回答がともに文章になって残るので、
欠点や正誤をその場で指摘しやすく、
間違いが見つかったときはすぐに言えるし、
穣太君も納得せざるを得ないのではないかと思った。

今大切なのは、まず本人が自分のレベルに
客観的に気が付く事である。それがなくては始まらない。
指導は由香ちゃんではなく、私が担当する事になった。
本当は兼ねてからそうしたかったのですが、
あいにく1月は下旬まで研修が入っており、
手を上げたくてもそれができずにやきもきしていたのが本音です。

ところで、本当はメール回答だけが大事なのではない。
お客様は通常、「値段について知りたい」などと、
ストレートな聞き方はあまりして来ない。

「社員が増えるのでスペックを上げたい」とか、
「今使っている商品は機能に不足があって困っている」とか、
まずは現状の不満を訴えてくるところから始まったりするので、
担当者はそれを改善する提案として上位商品を紹介し、
次に値段とご注文の方法を提示できればいいのですが、
人の言葉の裏側を読み取れない人は、
お客様の真意がわからずに、
「一度購入した商品のスペックを変える事は不可能です。」
と言ったり、ひたすらお詫びするだけで対応を終えたりする。
そんな融通の利かない電話回答やお客様対応をされて、
頭に来た経験はないだろうか?

しかも担当者の誤解や勘違いで、
有料のものを無料と言われたり、
できないものをできると言われて、
お客様が金銭的な損害を蒙った場合は、
必ずと言っていいほどトラブルになるし、
お客様だけではなく契約企業にも大きな迷惑を
掛けてしまう事になる。

だから私達は、回答に自信のない事柄に関しては、
用心深く何度も何度も確認する。
ホームページをつぶさに覗き、マニュアルもよく読む。
なので、そういった周囲からの助言を、
受け入れることができずに、
いつまで経っても自己判断の固執から抜け出せない人は、
結果に対しての想像力に欠ける人であり、
どんな原因がそこにあったとしても、
結果としては「使えない人」という事になる。

また調査対応はそれ以上に聞き取り能力を必要とします。
通常、お客様は一定の思い込みがあって、
原因に関係すると自分が感じている事としか話してくれないので、
ときにはこちらから見れば全く関係のない事を気にして、
その事ばかりを延々と説明してくる時がある。

なので、それをそのまま真に受けて推測で回答をしたり、
詳しそうなお客様に依頼されるまま、
何の疑いもなく特定の調査を進めてしまってはダメ。
必ずそれが真実かどうかを、
問診で切り分けていかないといけないし、
オペレーションや実機検証で確認が可能なものなら、
必ずそれを行って自分の目で、
本当の事実を特定していかなければならない。

皆さんの話を総合すると、穣太君はたぶん、
教わったたくさんの業務知識を
お客様対応に生かすためのアイデアやスキルがなく、
受け取った情報と自分の思考が、
全く連動していないのだろうと思われた。
だったら、そこがうまく結びつくような
手助けをしてあげればいいのかな。
そのためには、様々なお問い合わせを内容ごとに区分し、
ボールペンの先で質問のYes/Noを辿っていけば、
だいたい間違いのない結論にたどり着くような図を作り、
最後の作業だけを正確にこなせばいいようなものを、
提示してあげればいいのかな?と思った。

    *    *    *    *    *    *

再立上げ研修中に、私は自分で確かめたい事があった。
それは、彼がアスペルガー症候群など、
何かの発達障害なのではないか?という事。

私は医師や専門家ではないので、
自己判断で他人をそのように断じる事などできない。
けれど、ここ数年間、様々なスタッフ達と関わって感じる事は、
彼ら・彼女らがそういった診断をされるかどうかではなく、
似たような器質を持つ同じタイプの人達として、
自分達のような普通の一般会社の中にも、
普通にたくさんいるという事実だ。
学歴や職歴や社会経験の有無はあまり関係ない。
難関大学を卒業し素晴らしい経歴の持ち主も、
穣太君のようにブルーカラーの経験しかない若者も、
その特徴のある人は、一様に似たようなミスや
びっくりするような思い違いをよくする。

そしてほぼ100%、彼ら・彼女らは、
仲間達の大きなストレスと不満となっており、うちの職場で、
「やる気」や「常識」をことさら強く異常に非難されている人は、
たいていそうなのじゃないか?などと、
短絡的に思ってみたりする事がある。

皆さんの話をまとめて自分なりに考えると、
穣太君はたぶんアスペルガー症候群か、
そういった発達障害の特徴を持った人に違いないように思う。

けれど今までそうだと思ってきた人達のように、
言葉を交わしてみて話が大きく食い違ったり、
噛み合わないような事は自分としてはまだなく、
「その辺でちょっと待っててね」と言っても、
「"その辺"ってどちらでしょうか?」
「"ちょっと"って何時までですか?」
と尋ねるような事もなかった。

コミュニケーションは普通に取れている気がするし、
意思の疎通にあまりずれもない。
場違いな言動も表面的には感じられない。
他人をムッとさせてしまうところは多々あるけれど、
前ぽんのように、「一体、今、なぜ、それを?」
と、誰もが首をかしげるような、
あまりにも場にそぐわない行動は見たことがない。
だけど、皆さんの話を聞いた限りでは、
特徴はものすごく出ている気がする。

一昨年、アスペルガー症候群など、発達障害の事を知った。
頭もよく外見も話し方もごく普通の人なのに、
「こんな簡単な事がなぜできないのだろう?」といった事が、
言っても言ってもなかなかできず、
あまりにも人と成りが普通であるがゆえに、
自分達と同じ思考回路を持っていると思われてしまい、
職場ではすさまじいぐらい辛辣に批判されている彼ら・彼女らは、
実は一番障害に見えない障害者と言われている、
発達障害である可能性がとても高いと思った。

そう感じてからは、発達障害の特徴を持つ人が、
どれだけ職場のストレスを増大させるか痛感していたので、
なるべく面接で見極め、(冷たいようですが)
できるだけ職場に入れないように、
アンテナを張っていたつもりだったのですが、
まさか穣太君にその傾向があったとは、
全く思いませんでした。全然気がつかなかった。
今思えば、自分としては痛恨の採用だったと思う。

だから、私は彼を教え伸ばす事よりも、
本当にそうなのかを実際に自分の目で確かめたかったのだ。
こんな事を言ったら専門家の方に激怒されるのはわかっているが、
そのタイプの人は、最初はそうと気付かなくても、
接しているうちにあるとき突然、「もしや…」と思う瞬間がある。
どこでそう思うのか、自分でもよくわからない。
潜在的に分析をし続けている私の計算機が、
長い継続計算の末に、あるときポンと計算結果を出すのかなぁ…
そんなに時間をかけずに、すぐに結論をはじき出してくれよ、
と言いたい。

だから、本音を言うと、彼と直に長く接してみて、
自分にその瞬間が訪れるかどうかを、
私は確かめてみたかったのだ。
事前研修でも昨年のフォローアップ研修でも、
私がそう感じる事はなかったのですが、
今度は疑いを持ってその気で接してみる事にする。

    *    *    *    *    *    *

そしてジャッジのための再立上げ研修を始めて、
二日目に私にその「もしや…」がやって来た。

私は穣太君に、
「今まで教わった事の中から、お客さんと同じような感じで、
課題の模擬メールを出すから、頑張って誰にも聞かずに
ギブアップするまでは自力でやってみてね」
と、お願いしていましたが、
ちょっとした打ち合わせのため席を立って戻ると、
穣太君は契約社員の千葉さんの席に近寄って、
PCの画面を二人で指差しながら、
なにやら教えを受けているではないの!

ん???

「あれれれ?穣太君、自力でやるって約束じゃなかったの?
もしかして千葉さんに何か教えてもらっている?」

「いや、教えてもらってはいません。
そうじゃなくて課題とは全然関係のない、
仕様に関する質問をしていました。」

あとで、千葉さんに確認すると、
それは本当だったらしいのですが、
それにしても、だよ?
この一ヶ月で判断すると言われている崖っぷちのラスト研修で、
私から「自力でやってください」と指示を受けているのに、
いくら内容が課題とは関係ないからといって、
そんな人に疑われるような事、普通はするかね(笑)??

課題メールは本番と同じように質問も回答も
社員・スタッフ全員に配信される方法でやり取りをしているので、
今私達が何をやっているのか、班の人は皆知っているんだよ?

というか、一ヶ月で答えを出さなければクビなんていう研修、
たいていの人は承諾しないかもしれない。
もし私なら、プライドがあるのでその時点で辞める。
そんな馬鹿げた事をするようなクソ会社、
こっちから辞めてやる!と、私なら思うかもしれない。
彼、本当に今の状況がわかっているんだろうか…
これが皆さんの言う「危機感がない」「仕事をなめている」
という事なんだな。確かに真剣な感じは受けない。

さて話を戻すと、そこで私は穣太君に
「今は実力を試しているので、
例え課題回答に関係のない事であっても、
研修時間中は指示のない行動はしないで下さい。」と
命令を出した。お願いではなくて命令です。
「自習以外で何かやりたいときは、
必ず私にひとこと断ってからやってください」と。

彼、不満げに何か言いたそう。
が、今まで何度も周りに「言い訳するな」と言われているので、
何か反論があっても言えないし、そこは気をつけているのだろう。
それを察して私はこう言いました。

「穣太君が私のいない間に他の人から何か教わっていると、
それがもし本当は回答と関係のない事であっても、
『もしかして回答を聞いているんじゃないか?』と皆思うよ?
私は疑いたくもなるし、周りの皆さんも、
『不正な事をしている』と悪口を言うはずです。
他人から怪しまれるような行動はしないでね。」と。

だって、すでに全員からそう思われているのに、
彼、人の気持ちをなかなか類推できない人だから、
スタッフ達の悪意や軽蔑のこもったサインに
一向に気が付かないんだよね。
私としてはできればそれに気が付いて欲しいですよ。
こうしたら、周りからはこう思われるって。

ところが、これが直らないのよ(笑)

翌日、研修をしている最中に、
とあるスタッフが有給申請書の書き方を聞きに来た。
私がそれに答えている間に、
彼、突然席を立ってツカツカと社員の五島さんのところに行き、
五島さんを自分の席に連れて来たのだ。
そしてPCの画面を指差して、また何か聞いている。

え?え?え?何?どうしたの?

「穣太君、指示のない行動は無断でしないように言ったでしょ?」

「あ、でもパソコンの調子が悪くて変なメッセージが出たので。」

「穣太君、あのね、さっきは他の人が来て中断しちゃったけど、
今は研修時間なのね。そしてこの時間の先生は私なの。
わかる?たった二人で端っこの空席に座っていても、
二人の間の責任者は"私"なのね。
だから、パソコンの調子が悪くても、
何か変なエラーが出たとしても、
まず、この場の責任者である私に報告して
どうしたらいいかを一番最初に"私"に聞いて下さい。
どうして突然勝手に五島さんのところに行ったの?」

「あ、いや、五島さんは備品担当でいつもPCのメンテをしているから、
エラーが出たのも五島さんに聞いたらわかるかな?って思って。」

「エラーって、この前新しく入れたセキュリティソフトで、
正式稼動前だから、今は起動時に何か出ても、
"キャンセル"で閉じてください、ってメールで伝達が
出ていたやつでしょ?」

「あぁ、はい。」

「それはメールに書いてあるとおりなので、
ちゃんと読んでいれば、
わざわざ五島さんを呼びにいく必要は、
ないんじゃないの?」

「そうですね。」

「私、正直言って、今、ものすごく面白くなかったのね。
研修の先生としてこうやって横に付いているのに、
いくら他のスタッフが来たからと言って、
その間にいきなり黙ってほかの社員のところに、
何か話し掛けに行くのは、
とても自分が無視されているような気がしました。」

言っても言っても直らないっていうのは、
一事が万事こんな感じなんだな…と思う。
彼はたぶん、自分の行動が人を不快にさせたり、
疑いの目で見られていたりすることに、
自分自身が全く気がついていないんだと思う。

というか、穣太君は他人の行動や動きを見て、
「あの人は何か悪い事や不正をしようとしている」
と、思う事はあるのかな?
もしかしたらないんじゃないのかな。
だから、他の人が自分をどう見ているのかも、
あまりピンと来ないのかもしれない。

あー、この人はやっぱりそっち系の人だな…と、
そのとき初めて自分の推測が確信に変わるように、
すべてがつながったような気がした。

神田君が彼のメールを評して、
「回答自体は正しい。でも間違っている。
なぜなら、北海道に行きたいユーザーに、
東京の行き方を正確に伝えてしまうようなメールだから。」
こう表現したのも、大変合点の行く説明で、
神田君という人は、仕事っぷりは評判悪いけど、
人を見る目はやはり班で一番的確なのではないかと思った。

メール回答のように、
お客様の文面が提示されているものに返信するのはまだいいけど、
何かの調査依頼を設備部門に依頼するようなメールは、
受け取った人が何をどう調べればいいのかが不明で、
文脈も少しメチャクチャ。
一から自分で作成するメールは、完全に無理のようだ。

うーん…

「ビジネスメールも書けないようは人を、
いったいどうして職場に入れてよこすんですか?
契約会社ではそういったテストを全くしないんですか?」
縫子さんに先日言われたセリフが胸に痛い。
ビジネスメールを実際に書かせるなんて事、
確かに今まではやていないよ。
それは募集広告上の業務内容を見て応募して来る人ならば、
"できて当然"の盲点だったから。
あー、次からは研修項目にがっちり付け加えないとなぁ…
そこでNGだった方をお断りする仕組みや事前説明も、
新たに練り直さないと。

    *    *    *    *    *    *

穣太君は、次の日今度は
千葉さんに直接話し掛けるのではなく、
隙を見てメッセンジャーを送るという行動に出た。
彼はたぶん、嘘はつかず約束は守る人である。
なので、課題メールのヒントを求めているとは思えないが、
メンバーから席を離されて寂しいのか、
人目を盗み?ありとあらゆる手段を使って
私以外の親切そうなスタッフや社員に(相手は選んでいる(笑))
コンタクトを取りたがる。
たぶん、今すごく不安でストレスが高まっているのだろうと思う。

けれど班のメンバーは皆、
今私達がどういう研修をやっているか知っているので、
機転の利く人は「レスをしてもいいのでしょうか?」と、
こっそり私に確認のメッセンジャーを投げてくる。

「『研修中だからやめてね』と言って、
キッパリ断っていいですよ。
言い難ければ、私に止められていると
名前を出して言ってもらっても全然構いません。」
私はそう返した。

穣太君て本当にピュアなんだよね~。
人から疑われるという事も、
そういった報告が私に上がってきている事も、
全然気が付かず、たぶん思ってもいないんだろうね。

でも、私はやっぱり穣太君には言いました。
「指示がない事はしないようにって言ったのに、
千葉さんにメッセンジャー打ったでしょ?」

「え(なぜわかるんだ?)…
でも課題メールの回答は聞いていません。」

「内容をどうこう言っているんじゃないの。
穣太君がメッセンジャーを投げた相手が困っちゃって、
『メッセンジャーが来たけどどうすればいいですか?』って、
みんな私に確認を求めてきているのを、知っている?」

「あ…」

「穣太君は今研修中で、誰にも何も聞かないで、
自力でメール回答をする練習をしているんだよね?
だから私は先輩達に、
もし何か聞かれても答えを教えないでね?って
前からみんなにお願いしてあるの。
だからメッセンジャーを受け取った人は困っちゃって、
『どうすればいいですか?』と、みんな私に聞いてくるの。
わかる?みんな、こうやって迷ったときは上の人に、
確認するのが仕事では当たり前の事なんだよ?
穣太君が誰かにメッセンジャーを飛ばしても、
研修の時間中は、誰も返して来ないかもしれないよ?
わかる?」

穣太君は的確な指示を出せば、
難しく複雑な調査も手際よくスピーディにこなすし、
決して頭の悪い人ではない。
なのに、物事を説明するときに、
彼に伝わるような表現を心がけると、
こうやって文章に書き出していても、
どこか子供に言って聞かせるような口調になってしまうのは、
どうしてだろうね^^;

    *    *    *    *    *    *

私は他のスタッフ達のように、
穣太君をそれほど「使えない人」とは思わない。
もし例えアスペルガー症候群等だったとしても、
今までそうと思ってきた人達よりは、
はるかに仕事ができるしいい素質も持っている。
それは手際のよさと抜群の処理能力で、
自己判断を介在させずに逐一指示書きを出して、
「これこれのこんな調査をこの条件で調べてくれ」と言えば
普通は時間がかかる調査も、
あっという間にやってくれそうな気がする。

それに、このぐらいの人だったら、
メール回答がなく、ひたすら電話を取るタイプの、
B班だったらたまにいるレベルで、
当然周囲は不満を持つけど、
なにせB班は一日の電話量がすごいので、
概ね間違っていない回答をしてくれるのなら、
"数を取ってくれるからまあいいか"とあきらめられながら、
なんとなく生き延びていくかもしれない。

けれど今が彼がいるA班は上位グレードの商品担当で、
名の知れた大きな企業の法人ユーザーも多いので、
さすがに言葉遣いがおかしかったり、
てにをはが間違っていたり、
話し言葉がそのまま文章になっちゃっているようなメールは、
センターとして恥ずかしくてとても出せない。

しかもこれまた何度も言われている事なのですが、
何回指摘されても、調査に必要な材料(情報)集めを
手順として最初に持ってこないので、
内容的に二往復で済むメールが
最終回答まで迷走を続け、結果5~6往復以上かかる。
しかも実際には質問者の私が回答に返信するたびに
少しずつ小出しにヒントを入れているから、
回り道でも最終的に正解に辿り付くのであって、
これが実際にユーザーからのものであったらどうなのだろうか。

「調査のためにまず材料を集めなさい」
「日時は?商品番号は?エラー№は?ランプの表示は?」

なぜ彼が、言われても言われても
言われた手順を最初にやらないかと言うと、
質問を読んで、まずパッと頭に浮かんだ、
自分なりの予測をに何よりも真っ先に返してしまわないと、
どうにも気が済まずに落ち着かないみたいなんだよね。

どうしてそういう発想になったのかわからないけど、
最初の段階で馬鹿の一つ覚えでもいいから、
「一にも二にもまず調査。そのための情報収集が最優先!」
と、神田君が早い段階で繰り返し教え込んでいれば、
そこはクリアできたんじゃないかねぇ。。。

「言っても言ってもやらない」というのは、
何かに強いこだわりがあり、
どうしてもそちらを選択してしまうからだと思う。

    *    *    *    *    *    *

フローチャート書かせたり、
なるべく自己判断をせずに仕事ができるよう図式化して、
指導を重ねるたびに、メールの中身は、
短期間でも随分と良くなってきましたが、
皆はすでに固定観念と、感情論が先立ってしまっているので、
「相変わらずひどいメール出してますね」などと言い合っている。

由香ちゃんは、
「一度失った信用は簡単には取り戻せませんから」などと、
厳然とした態度を取るんだけど、
自分達と同じ思考回路と思うからこそ腹も立つのであって、
この場合は、仕事で使えない話と、本人への感情とは、
別に考えるべきなんじゃないかと思う。

だけど社会性や常識の部分は、
たぶんこのままずっと直らないだろうな。
課長の言う通り、穣太君が職場から去るのを
すでに皆が願ってしまっているこの状態で、
彼を伸ばし育てて一体何の意味があるんだろう。

神田君が少し前に、
「この先どうするつもりなんですか?ぷらたなすさん?」
と、聞いてきたとき、私にはその意図が良くわかった。
研修には育てる研修と育てない研修とふたつの選択肢がある。
私がどちらを選ぶかでスタイルが変わる。

たぶんどんなに頑張ったとしても、
先輩達と同じ仕事を先輩達と同じレベルでこなす事は、
いまの穣太君には無理だろう。
それは結局、シフトに入れないという事であり、
神田君が早々に出した結論と同じ物なのだ。

私はそこで神田君に詫びた。
「ごめんね。私間違っていた。
穣太君てやっぱり使えないと思う。
彼、もしかしたらアスペルガーのような気がする。
だとしたら、根性を叩き直すとか、
心根を入れ替えるとか、そういう問題じゃないわね。」

「だから俺は最初っからそう言ってるでしょう?」(上機嫌)

「うん、ごめんね。この前はみんなの前でちょっとひどい事、
言い過ぎた。」

それは先日の緊急集会の事ではない。
そのあとに開かれた班長ミーティングでの話だ。
結果的に今回の件とは別物となったが、
由香ちゃんも縫子さんも、積年の班長への不満を、
四半期ごとの個人面談の場で辛辣に批判したらしく、
それを知って驚いた内海主任から
「指導せよ」とのオーダーがやっと下ってきたのだ。
(最近の私は、社員が絡まないと動かない事にしている)
だから私は急に強気になって、
班長達のいる前で、結構彼とやりあったのだった。

神田君の仕事振りは他の班長達も快く思っていなかったので、
その場で表立った批判は出なかったけど、
今回の話題が出たときに神田君には
「サジを投げるべきではない」
「工夫の余地があるのではないか?」
「最後まで最善の努力はすべき」
などの発言が相次いだ。

私には途中からそれぞれに別な話と気が付きながら、
この話を材料にして神田君を批判したい気持ちもあった。

私は、神田君の名誉のためにも、
次回の班長ミーティングでは、
皆の前で彼に詫びようと思った。

そして同時に、そろそろ今の研修を、
育てるための研修ではなく、
自分と他人の違いに気付かせるための研修に
切り替えなければと思った。

課長や主任と話し合いの末、
一ヶ月間様子を見て2/22に結論を出しましょう
「それまでに何とかもう一度育ててみてください」
という事になったけれど、
研修というのは目標が違えば、
内容もがらりと違ったものになる。

穣太君のように、
自分の不足している部分や
周囲の自分に対する険悪な空気が読めない人は、
いくら事前に了解を取ったとしても、
いざその日になって自分に都合の悪い結論が出されたら、
到底納得しないだろう。

私は穣太君は、
周囲の理解と誰かのサポートを受けながらなら、
この仕事を続けていけると思う。

が、班のメンバー全員が今やすっかり拒否モードで、
誰も彼に関わりたくないと思っている現状を思うと、
私一人がゴリ押ししても、周囲の同意は得られないだろう。
いやその前に、
私には先輩達がずっと感じてきたストレスに毅然と対処して、
かつての働きやすい職場に戻してあげる采配の必要もある。

ならばこの先の一ヶ月間は、22日の結論を待つ間でもなく、
穣太君の円満退社に向けて知恵と工夫を凝らすべきで、
そのためにはどうすべきか?
穣太君と他のスタッフ達の違いをどう理論的に説明し、
どのようにビジュアル化して納得の行く形で彼に提示するか?

自分の考えが少しずつ、
そちらの方に傾いていくのがわかった。

今までの自分のあれこれを他人がどう思ったか、
周囲のサインを読み取る事が不得手である。
もしNGの結論が出ても、彼がそれを受け入れるためには、
彼がそこに納得している必要が大いにある。
今からの時間はそこへの気づきのために使わないと、
あとから大モメする可能性もあるのだった。

結論はもう出ていた。

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