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2007.02.20

知識と手順とマインドと

仕事でクレームが発生した。
お客様の質問に答えたあるスタッフの回答に間違いがあり、
結果的にお客様が金銭的な損失を蒙ったというものだ。


彼女が「組み合わせて使用できる」と答えたために、
ユーザーは他社のある商品を購入してしまったのだが、
実際は「できない」のが正解だったため、
そちらのミスで支払った分の金額はそちらで補償して欲しい!
と、言ってきているのだった。
(まー、そりゃ当然の流れだわね(笑))


話の雰囲気では、感情的にこじれている様子もなく、
金銭的に解決できればそれで良さそうなムードですが、
こういったイレギュラーな処理は課の一存ではできないので、
この手のクレームが入ると、課長は慌しくどこかに電話をかけ、
担当の班長には社員が入れ替わり立ち代り状況確認に訪れ、
職場には普段顔を出さないような、
事業総括部のえらい人もやってくる。


なので、スタッフ達はそんな職場の雰囲気から、
「何かあったな?」とすばやく察し、
盛んにメッセンジャーを飛ばしあって、
情報交換をし始めるのだ。


職場では以前、料金苦情を発生させたスタッフが、
体調不良で出社拒否症になってしまい、
退職後も数年間、
仕事ができない状況になってしまった事があった。


彼女は本日、"家庭の事情"で欠勤。
「昨日はお昼も黙って一人で食べに出ていつもと様子が違った」
と、心配したほかのスタッフから聞いていたので、
少し気になる。大丈夫だろうか。


    *    *    *    *    *    *


クレームを発生させてしまったのは、
「じっくりマイペース型の受難」
百瀬さん(20代後半/女性スタッフ/仮名)。


彼女は博識でかしこい人ですが、
複数の作業をバランス良くこなせないタイプで、
何かに取り掛かると他の事は一切おろそかになっちゃう。


うっかり屋さんのため時間をかけた割にはミスも多い。
その上人に流されやすいものだから、
自信がないことでも是非を確認をせず、
雰囲気に逆らえないまま対応を進めてしまい、
次に同じユーザーからの電話を受けた人が、
内容を訂正して何かとお詫びする羽目になる。
だから一部のスタッフは彼女の仕事振りに非常に苛立ち、
二言目にはトゲトゲしい批判を露にしていた。


これも今思えば、彼女の仲良しさん達が、
ミスや効率の悪い手際に腹を立てていたわけではなく、
せっかく彼女のために間違いを教えてあげたのに、
言い訳したり隠したり誤魔化したりする態度に
カチンと来ていたのだろうと思う。
(小さい頃から怒られてばかりの人にありがちなんですが…)


けれど私達班長一同は、穏やかで他人に優しく、
お客様対応も誠実で丁寧な百瀬さんを買っていて、
研修担当や育成指導業務をお願いしたりしたので、
それがまた逆に、仲間の女の子達の不満の種にもなり、
一時期、班内は悪口のメッセンジャーが飛び交う、
険悪な空気に包まれたのだろう。


    *    *    *    *    *    *


みんなの話を総合すると、
百瀬さんの最大の欠点は、「とにかく人に聞かない事」だと言う。


理解できないことがあっても質問しない。
不明点があっても左右に確認しない。
困ったときも班長に指示を仰がない。


お客様対応も同様で、
お客様しかわからない用語や固有名詞が突然出てきても、
お客様のお話に矛盾や疑問を感じて首をひねることがあっても、
そして、お客様がいったい何を言っているのか全然わからなくても、
途中で話を止めてその意味や詳細を求める事が、
ほとんどがない(らしい)。


そう書くと、調子が良くて見栄っ張りでカッコつけの
鼻持ちならない女性を想像するかもしれませんが、
ご本人は顔立ちも体型も見るからにおっとりした癒し系。
イメージ的には、天然ボケキャラでそうなっている状況を、
思い描いてもらえば、より現実に近いんじゃないでしょうか(笑)
(なのに言い訳だけは理路整然と冷静に悪びれずにするので、
期待を裏切る違和感を持たれてしまうのでしょうね^^)

だから周囲は百瀬さんに「確認しろ」「確認しろ」と、
口が酸っぱくなるぐらい言い続けていて、
それでもなかなか進歩がない上に、今回もまた
「自分でも質問内容の意味がわからないまま、
雰囲気と憶測でつい『できる』と言ってしまった」
という、まさに彼女にありがちな理由での苦情発生なので、
班長の小野君(30代前半/男性スタッフ/仮名)と、
レイちゃん(20代後半/女性スタッフ/仮名)が、
「は~」、と力無くため息をついてしまったのは言うまでもない。


班長の二人は主任の要請に応じて、
百瀬さんから「事情聴取(?)」し、優しく間違いを指摘し、
不明点を確認する必要性と勇気の大切さを延々と説き、
「とにかく、アレ?と思ったら、
その流れのまま突っ走らないで必ず止まってね。」
と重点指導して面談を終えた。


でもさ~、これ、結構難しいときもあるんだよね。
お客様と相性が良くていい感じで話ができているときなどに、
突然自分がウィークポイントと思っている質問をされたり、
今まで調子よく説明していた内容が、
最初から見当違いだった事に途中で気が付いたりすると、
どのタイミングで真実をどう伝えようか、一瞬躊躇する。


言い方とどんな演技が最善か瞬間的に探りながら、
まずは出方を考えますよね、やっぱり。
そして、「今だ!」と思ったらGO!です(笑)
でも実際はほんの7~8秒の出来事かも。


録音を聞いてみると、お客様はソフトだが詳しそうな男性。
百瀬さんは迷いを感じさせずに、むしろ頼りがいのある口調で
「できます」と言い切っている。(ここは多分思い違いだね)
むしろお客様のほうが、「業者に聞いた回答と違うが?」と
疑問を述べているのに、それに対してもちょっと間を置いて
「いえ、大丈夫です。」としっかり答えているのだから、
弁解の余地はないなぁ。。
(二回目は自分に言い聞かせている雰囲気でもある)
内心間違っているかもしれない自覚は絶対あっただろうに。


(私)「反応はどうでした?」
(小野)「気をつけます、って言うてました。」
(レイ)「今までマメに聞かなかったのは、
みんなは、もっと難しくて専門的な事を聞いているんだと
勝手に思い込んでいたみたいなんですよ~」
(私)「全然そんなこと無いのにね。
やっぱ抵抗あるんだろうなぁ…」
(レイ)「だからって、それで良いわけ無いじゃないですか。」
(小野)「まぁ…注意もしたことですしぃ、反省もしてますしぃ、
良かったんじゃないですか?」


関西生まれの小野君は、
いつも多くを語らず、基本的に他人には無頓着だ。
彼は、「人」に関心が薄く見たままの受け取りしかしないから、
そのセリフはあまり当てにならないかな(笑)


    *    *    *    *    *    *


さてここのところ、仕事が"ちゃんと"できなくて退職した、
穣太君(20代前半/男性スタッフ/仮名)の事で、
その顛末と自閉症に関連した話題が続いたが、
お読みの皆さんが思っている以上に、
そういったあれこれは自分にとって有益だと思っている。
なぜならそれは、誰の育成にも当てはめることができる、
大変参考になる情報だから。


先日の記事で紹介させていただいた、
山岸徹さんの奥様の美代子さんは、
ご主人の徹さんが書き起こした文章の中で
「私達にはココロがない」とおっしゃっています。


これは喜怒哀楽の感情が無いのではなく、
外からの情報を処理するときに加味される、
自分なりの区分けや序列や関連付けをする機能が、
生まれつき備わっていない、という事だと自分では思う。
(例えば商品がレイアウトも陳列も値札付けもされずに
 むき出しのまま混ぜこぜに床に並んでいるような感じ?)


以下、引用させていただきます。


近年の研究の結果、この一群には、人があまねく持っている「心」がないという点で、
共通しているという事がわかった。
 
心がないなんて、まさか・・・・・
 
では、心を持たない一群は人ではないのかと言えば、歴としたヒトである。
ヒトが心なしで生きていけるのかと言えば、
現に生きているのだから、仕方ない(としても、どうも腑に落ちない)。
 
心という字が醸し出すイメージが紛らわしい。
 
いっそ心を「ココロ」と言い換え、それをある特定の脳内ネットワークの名称だと考える。
それが生まれつき「ない」一群を、ある障害名で括ると、見事奇妙さの謎がとける。
それが自閉症である。


ここで何が言いたいか?と言うと、
特定の資質が無い人に、
いくらそれの向上を強く求めたところで、
ご本人はたぶんその部分では成長困難、
だから、そればかり追求するのは効率的に間違っているし、
当事者だって、毎日が非常に辛いときもある、って事。


私達は仕事で少々知識に不足があり、
ユーザーサポートのスタッフとして至らない点があっても、
保留して誰かに聞いたり、調べて後で回答する時間をもらったり、
"適宜うまくやる"ノウハウさえ身に付いてていれば、
それで十分やっていけるので、知識不足の是非よりも、
対応の適切さや機転の有無を重視する。
自分達がそうやって欠点を補って仕事をしているから。


だが待てよ?そもそもの原因は「回答を間違えた」事で、
百瀬さんが、クレームとなった質問の意味と正解を知っていれば、
この問題は起こらないはずなのだ。


人間は同じ設計図の定型ロボットではないので、
生まれつき(山岸美代子さん言うところの)
「ココロ」がないと括られている人達がいるのならば、
例え「ココロ」があっても"薄い"とか""偏っている"とか、
"動きが悪い"とか"フリーズしやすい"とか…
人間を生き物として捉えると、
障害とまではいかなくても、
器質的にそれに似た個性を持った人が
どこかにいでも全然変じゃない。
(私自身、"こだわり"が強くてすぐに切り替えのできない時がある)


百瀬さんのように、何度言われても、いつまで経っても、
確認不足や不注意がなかなか直らない人は、
「あれ?おかしいぞ?」という自分のココロの声が
元々よく聞き取れないか、聞こえても忠実に従うことができないと
考えたほうがいいかもしれないのだ、きっと。


だったら、そこばっかり責めてもしょうがないじゃん。
人生では確かにそれも必要かもしれないけど、
ここは仕事場なので、問題なくお客様対応さえできれば、
要はそれで良かったりする。
算数ができない人の改善を強く願い過ぎて、
毎日毎日嫌いな算数ばかりさせていたら、
その子はやがて学校そのものが嫌いになっちゃうよ、絶対!
(私だったら!(笑))


百瀬さんのような人には、マインドの指導を強化するよりも、
具体的な手順をルーチンとして、
とことん教え込んだほうがいいと思う。
「確認を!」と言うなら、
そのための具体的な言い回しや実際の謝り方をロープレ、
「危険の回避を!」と言うなら、どういう危険があるか
リストアップ→毎回自己チェックだね。
足りないのは現実的なトレーニングなんだよ、たぶん。


そして何より、「機転」とか「やる気」とか、
そんな曖昧で実体の無い助言よりも、
業務知識をガッチリ詰めるだけ詰め込んで、
いつどんな質問が来ても一次回答が即座にできる、
万全の体制にしてあげればいいのだ。
そういう考えも、あっていいと思うよ?
だいたい、マインド重視は元来女の考えかもしれない。
うちの担当は女の子のほうが元気で発言力があるので、
どうしてもそっちに偏っちゃうのかな。
おーい、男はどうしたー!


    *    *    *    *    *    *


クレームが発生したときは、主任が本社に報告書を書き、
今後の回避策として何をどうしたかを盛り込まなければならない。
その発案を求められた私達は、研修室に集まり施策を考えた。


でも、小野君もレイちゃんも、どうしてもやっぱり、
「意識」や「姿勢」が気になってしょうがないんだよなぁ。。。
この際、ほっとけよ、そんなの(笑)


(レイ)「面談はしたし、指導もしたし、
あと何をしろって言うんでしょうね」

(私)「研修しようよ、フォローアップ研修。
だいたい、ここはみんなの苦手な部分でしょ?
私だって入ってしばらくは、
なぜできるのとできないのがあるのか、
だいたいユーザーはなぜ組み合わせて使いたいのか、
意味が全然わかんなかった。
みんなもそうなんじゃないの?」

(レイ)「ですが、いくら業務の知識があっても、
進め方に不備があったら…」

(私)「レイちゃん、百瀬さんの場合は逆だよ、逆。
マインド的なノウハウは知識を補うために大いに必要だけど、
豊富で正確な知識があって何が来ても即答可能!なら
そんなの最初から必要ない、という理屈も成り立つんだよ?
"意識"や"取り組み姿勢"の強化指導なんて言わないで、
音を上げるぐらいに徹底的に教えたら?
仕様書全部暗記するとか(笑)。
百瀬さんにはそっちが向いてる気がする。
それに彼女、勉強は好きだよ?」

(レイ)「そうでしょうか…(不満げ)」

(私)「うん、それでもきっと、どこかで間違うとは思うけどね(笑)。
それに、ここは結果オーライの職場カラーだから、
作業の手順もその人の好みで早く確実なのが一番で、
私達は誰がどういった順番で何から取り掛かっているのか、
あまりうるさく問わないし、最初から「こうしろ!」と、
強制的に教えることもしないけれど、
それだってパターンを決めて型にハメ込むように、
ガチガチに守らせたほうが、
やりやすい人もいるんだと思うよ。
百瀬さんてそういうタイプなんじゃない?
定型案内が主体の班にいたときは表情がキラキラしていたけど、
調査がメーンの自由案内に変わったらあまり元気がないよね。」


(レイ)「ぷらさんがそう思うなら、
     私は別に反論は無いですけど…(不満げ)」


要するに知識の詰め込み。
要するにマニュアル重視の手順。
これらは、臨機応変なオペレーションと、
柔軟なお客様対応を要求される事が多い私達の現場では、
あまり役に立たないことが多いので、
どこか否定的に捉えられていますが、
実はいいところもたくさんあります。


とりあえず何でも丸暗記して、
例え浅くても広い守備範囲が得られること。
人の能力に関わらず均一のサービスを提供できること。


その良さをもう一度見直そうよ。


もし、そっちのほうが性に合う人がいるのなら、
人と現状を見ながら手法を少しずつ変えていくのが、
育成担当者の工夫のしどころかな、と思う。
量を極めさせる、ルールを厳守させる、
そういった手法もあり、と思う。


マインドは確かに大事。
でも、そこにばかりこだわっていると、
今後も育たない人が出てくるかもしれない。
(それってもしかしたら女の発想でこの際力技もアリかもよ?)


だから、これからは相手の資質に任せていないで、
作戦を練ろうよ。
汎用性のある定型パターンが必要ならどんどん作ろうよ。
頭を使い、実際に自分の手足を動かさないと、
うまくいかないときもあると思う。


いい人がどんどん入ってくればいいんだけどねぇ。。。
どうもそういう状況ではない昨今、
そんな思いを強くしている。
だけど、それをやったらセンターの質は、
段々落ちていくだろうな。
そして本当に興味関心のある人にとっては、
面白みも魅力も感じられない仕事になっていくかもしれない。
人材不足。ま、一番の悩みはそこだったりするのさ。
つたない私のひとりごとですが。

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