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2007.02.11

厄介な人6~緊急集会

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ご縁があって訪問いただき、
このblogをお読みの皆さんは、
自分がいない間、職場で自分以外の
近しいメンバー全員が集まり、
自分へのマイナス評価や
今後の事を相談していると知ったら、
どんな思いがするだろう。

私は嫌です、そんなの。
自分の尊厳が踏みにじられたような気がする。

批判の対象が自分でなくても、
やっぱり嫌です。
そんな事を臆面もなくするような職場は、
こちらから願い下げだと思うでしょう。

夕方の研修室に、「お疲れ様でーす」と
ひとり、またひとり入って来るスタッフを見ながら、
私はそんな事を考えていた。

こんなのって、ちっとも人道的じゃないよな…
厳密に言えば異端者の排斥を確認しあうための
話し合いじゃないか。

けれど、表情はにこやかに、
「ああ、忙しいのに集まってもらってごめんね。」
なんて、笑顔で挨拶する私。
決していい事じゃないと心のどこかで思いながらも、
今このタイミングでは必要な場だと思っていた。
それは、私がA班のみんなを心から信頼している
証でもあった。

全員の顔ぶれが揃い、課長と内海主任が最後に入って、
誰かが部屋のドアを閉めたので、
私は立ち上がって口を開いた。

「えー、皆さん、お疲れ様です。
今日皆さんに突然お集まりいただきましたのは、
ご存知のように、昨年5月に入った後藤穣太さんの件で、
今後の指導と育成に関しまして、
皆さんの率直なご意見を伺いたいと思いまして、
課長と主任にもご同席していただき、
なるべく本音の部分で意見交換をしたいと、
わたくしが思ったからです。」

「個人的にこういった風に集うような事は、
わたくし、あまりやりたくありません。
ですが、穣太さんの指導・育成に関しまして、
非常に負担である、という声が、
先輩である皆さんから上がっているのも事実でして、
本日は、情報共有の意味も含めまして、
率直な話をしていきたいと思います。
司会・進行はわたくし、ぷらたなすが務めさせていただきます。」

いやー、一体何言ってんだ?私(笑)。
時に友達、時に飲み仲間の
気心が知れている彼ら・彼女らを前にして、
なんちゅー堅苦しい挨拶だろうねぇ^^;がはは。

「…て事で、堅苦しい挨拶はこの辺にして(笑)、
現状、どうなんでしょう?一体?
どうなの?どんな感じなの?」

誰も口を開かない。

「何か、言いたい事のある人、いる?」

しーん…

「それじゃ、まず私のほうから、
これまでの簡単な経緯をご説明いたします。
えーとまず、昨年の暮にですね…」

私は、当初の発端が神田班長へんの批判だった事は伏せて、
表面的な事実のみを淡々と語った。

「そして本日、穣太君と契約会社のほうで面談をして、
意思確認をしたんですが、彼は仕事を続けたいと、
はっきり言ったので、それでは一ヶ月間の期間を設けて、
その間にどのぐらい頑張って成長できるのかどうか、
企業さんも見させてもらいたいと言っているので、
その旨をはっきり伝えて、それでダメなら
終了もあり得る事をご本人には言いました。」

「それで、彼の言い分は何かあったの?」と、課長。

「はい…そうですね…、
自分を使えない、仕事ができないと言っているのは誰か?
と、質問があったので、皆さんがそう言っています、
と答えました。」

「うん、うん。」

「そのあと、神田さん(班長)もそう言っているのか?
と聞かれたので、そうです、と答えました。
ですが、穣太さんは、これが正直ショックだったようで…
何か、言いたい事ある?って聞いたら、
『なんで今になって急にこういう話になるかわからない』と…」

「ちょっと待ってください!心外です!
それ、今まで、みんな、彼に言っているんですよ?
俺だけじゃなく、前原君も山崎君も、
折に触れてみんな『このままじゃやばいよ?』って、
言っているはずです。
先日なんか、由香さんがわざわざ時間を取って、
穣太君が今どういう立場にあるのか、
1対1で説明してくれているはずなのに…」
と、我慢がならないという感じで神田君。

「いや、彼が言うにはね、
神田さんに何を聞いても『そんな感じでいいんじゃない?』とか、
『そう言うのはユーザーに決めさせたら?』とか言われるだけで、
特段、注意をされたり叱られた実感がないみたいなので、
今まで自分がイケてないとか、そんな風には…」

「え、それ!ちょっと!ちょっと待ってくださいよ!!!
穣太さんの言い分は、非常識にも程があります。
あれだけみんなで注意したり叱ったりしてきたのに、
この期に及んで『覚えがない』などと言っている事事態が、
俺にとっては良識を根本的に疑うし、はっきり言って腹が立ちます。
そんな事にも気がつかないようでは、
やっぱり彼は、ここで仕事をしていくにふさわしい人間とは、
とても思えません!」

皆さん、実際に間違いを指摘したり注意したりとかは、
したんですか?

一同、弱々しく頷く。

じゃ、順番に聞いていこうかな。
由香さん、昨年末から今まで研修してみてどうでした?
担当として。

「うーん、そうですね。
ぷらたなすさんから頼まれて、
割と軽い気持ちで引き受けたんですけど、
…そうですね…正直に言って…
自分が思ったよりもかなり時間がかかると思いました。」

由香さんは慎重な人なので、言葉を選びながらゆっくり話す。

「なんていうんですかね。
ぶっちゃけ、言った事を全然守らないんですよ(急に早口)。」

「そうそうそうそう、ホント、そうなんですよね!」
と、横から縫子さん。

「仕事だけならまだいいんですけど、
穣太君って今は教わる立場じゃないですか?
そして私は教える立場じゃないですか?
だったらもう少し人の意見に素直に耳を傾けてくれれば
可愛げがあるって言うか(笑)、いや、そうなればいいんですけど、
なんか、聞く気がないって言うか、
まじめに聞いていないっていうか、
「はぁい、はぁい…」って、
返事も身を入れていないような、いい加減な話し方だし、
あー、もう、いちいち腹が立つっていう感じで…
(ため息)…疲れました。

あの…ホントに本音で言っていいのなら
(こちらを振り向く。私、頷く)
こういうのってどこまでが私達の仕事なんですか?
私達の仕事って本来、
お客様対応と調査・回答なんじゃないですか?
みんなのためと思って引き受けましたけど、
途中から穣太君を交代させる話とかが出始めて、
それじゃ、私が去年から苦しくても頑張ってやって来たことは、
一体なんだったんだろうか?と思ったり、
私のいう事を全然聞いてくれないと相談したら、
ぷらたなすさんが、『彼は人を見て行動するのかも』
と言ったのを聞いて、それじゃ私が研修している意味がないと思い、
はっきり言ってものすごくモチベーションが下がりました。
契約スタッフの仕事って一体どこまでがそうなんですか?」

途中から声が涙声に変わっていた。
人は悲しくなくてもずっと内に秘めていた本音を語るときに、
わけもなく目頭が熱くなって涙が出る事がある。

いつになく大きな声で強く訴える由香ちゃんに、
居合わせた全員が固唾を飲んでしまった。
由香ちゃんの批判は私に向けられているのだろうか?
すると神田君が言葉を発した。

「この場を借りて俺は皆さんに言いたいですけど、
なんでもかんでも班長、班長って、
みんな班長に押し付ければいいと思ってませんか?
正直俺だって大変なんです。
昨年来からの不良品対応や特定のクレームユーザー対応とか、
そうでなくても目一杯なのに、自分はもうこれ以上の稼動は、
はっきり言って取れません!俺は穣太君の指導はできません。
無理です。稼動的に不可能です。」

みんな心の中では「え…」と思って聞いていたかも?
この流れなら、穣太君の再指導は班長でしょうが。

「わかった!わかった、わかった!」
課長が仲裁に入る。
「今俺、皆さんの話しを聞いていて、
どっちの言い分も正しいと思う。
どっちの気持ちもわかるし、
どっちも間違っていない!
だよなぁ、みんな、大変なんだよなぁ…」

「あの…課長、続けて残りの皆さんの意見も、
ひとりひとり伺ってもいいですか?」

頃合を見て私は場を引き戻した。

「ああ、そうそう、そうだね、続けてください。」

順番は縫子さんに移り、次に社員扱いで入っている
私達とはまた違う立場の契約社員で家族持ちの神谷さん、
同じく優秀だけど実は穣太君に次いで若い千葉さん、
そしてまた席順が契約スタッフに戻って、
前原君、山崎君…と、声高にまくし立てる縫子さんのあとは、
ポツポツと言葉少なに語る男性陣が続いた。

スタッフ側の言葉には、暗に班長批判と受け取れる言もあったけど、
皆一様に共通しているのは、穣太君の今後は厳しいのでは?
という印象と、彼と一緒に仕事をするのは辛いという事だった。

縫子さんからは、「こういうのっておかしくないですか?」という
穣太批判が延々と出た。
すべて仕事人としてのマナーや意識や素養に関するものだった。
皆、自分たちと同じ発想で仕事をする事ができない穣太君に、
多大なストレスを感じ、居ないほうがずっと楽、と
思い始めているのだった。

そして明日からの判定期間、一体誰が研修をするのか?
という事に話題が移った。
もう、彼を指導したいという人は誰も居なかった。
由香ちゃんがあとから、
「あの場では普通班長が手を上げるべきなのに…」
と、私に述懐している。

けれど、神田君じゃやっぱり無理だと私が思っている矢先に、
神谷さんが、「技術的な事なら俺がやってもいいですけど?」
と見かねて手を上げてくれた。神谷さんは本当にいい人だ。
が、神谷さんは二次調査を担当する、
バリバリのエンジニアでもある。
そんな彼が穣太君の育成に時間を取られて、
自分達の上げた二次調査が遅れるのは皆困るので、
「いや、それは困ります!」と言って、
それはスタッフ達が止めた。

じゃ、どうするの?

「わかりました。私がやります。
ただし期限付きで勘弁してください。
それから席が隣なのは苦しいので、
話してもらえるのならやってもいいです。」

由香ちゃん…

「いえ、いいです!どうせ誰もやらないのなら、
私がやります。」

なんだか、自暴自棄になっている気がした。

「お願いできるのならお願いしたいけど、
いいの?本当にそれで?」

「だから、いいんです、もう。
誰かがやるしかないのなら、私が最善だと思います。
その代わり、これからは言いたい事は言わせてもらいます。
今まで黙っていたほうがいいように思って、
飲み込んできた事もたくさんありましたが、
今回の事で私は、それじゃ何も変わらないんだと痛感しました。」

私に対して言っているのか、神田班長に対していっているのか、
それとも先ほどまで同席して、少し前に引き上げた
課長や主任に対して言っているのか、私には掴みかねた。

それにしても困ったスタッフが一人いるだけで、
ここまでゴチャゴチャと揉めるものなんだろうか。
班全体の人間関係がメチャクチャになっていきそうで、
私は、入れてはいけない部分に
ナイフを入れてしまったのではないか?
と、自問自答せずには居られなかった。

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