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2006.05.02

「サマーラーメン」との再会

今日は会社に午前中半休&遅刻の申請をして、
所用で街の中を少し歩いた。
場所は私と亭主がかつて自営業を営んでいた地区。
予想通り予定が午後にまで食い込むことになってしまったので、
12:00~13:00の間に、どこかで昼食を取ることにする。

この地区でお昼を取るのなら、
私にはぜひ行きたい店があった。
10数年前の夫との自営業時代に
よく通っていた「Tラーメン」である。

私は巷のグルメさん達のようなラーメンへのこだわりはないけど、
醤油ラーメンならスープの澄んだ「あっさり系」が好み。
男性(特に若者や肉体労働の仕事の人)は物足りないと思う。
でも私は「Tラーメン」の「醤油」が好きだった。
「機会があったらまた食べたい」と常々思っていたので、
歩くには少々距離があっても向かうことにした。

    *    *    *    *    *    *

正午にはまだ5分前。
外で昼食を取るビジネスマン達は、
まだオフィスから出てこない。
少々寒空の中、市の中心街から少し外れたこの街区を歩く。
時間が戻ったような気は全くしない。
あれから10余年、私は服装も髪型も業種も著しく変わった(笑)。
当時の街と今歩いている街は、連続性の途切れた
まったくの別の空間に思えるよ。

…そう、私達は自営業を廃業した。
8年目で継続を断念した。
時流の変化が激しいこの時勢に、
「Tラーメン」はまだあるんでしょうか?

有名でもなんでもない小さなラーメン屋さん。
タウン誌なんかに載ることもない。
検索しても出てこない(笑)。

歩き進んでいくと、おー!
開店時に出す店先のぼり旗が風に揺れているのが遠目に見える。
変わらずにまだやっているんだ!
ここまで歩いてきたことが徒労に終らず良かった(爆)!

長い直線距離を、左右を見渡しながら歩きます。
当時取引のあったA社、B代理店、C広告社、
亭主が退職後にお世話になったU社、
変わらずに看板が出ているところを見ると、
どの会社も皆健在らしい。
そうだよ、継続は力なり。
時代にアンテナを張り、業種・業態を少しずつ変化させながら、
変わらずにずっと存続していて欲しい。
経営者は負けちゃ駄目だ、と思う。

    *    *    *    *    *    *

「いらっしゃいませ!」の掛け声に迎えられて店に入ると、
正午になったばかりのせいか、まだ店内に人はパラパラ。
ラックから週刊誌を取って、
かつて自分が良く座っていた席に座る。
週刊誌は、「この店に来たらポストでしょう!」って感じで(笑)、
当然のように「週刊ポスト」を手に取る。
私は昼時、男性客にひとり混じる事にも臆せず^^;
最新号のポストに目を通しながら、
お気に入りのラーメンをすするのが至上の幸福だったのよね。

それは一日のうちで、唯一ひとりになれる時間だもの。
一人客が多く、他人に干渉しあわないこの店での私は、
周囲から見放されていて、孤独で、それがとても幸せだった。

    *    *    *    *    *    *

注文を聞かれるよりも早く、「醤油」とひとこと。
そう言ってから店内を見渡すと、お!!
もうサマーラーメンが出てるよ♪
この店の「サマーラーメン」(冷やしラーメン)は
すごくおいしいんだ!
ただし、人によって評価大きく分かれる味らしく、
「イマイチ」と感じる人と、病み付きになる人の差が激しい(笑)

「あ、もう、サマー、やってるんだ…」

私は「病み付き」タイプだったので、
一度頼んだオーダーを取り消して、
「サマーラーメン」を注文し直す。
うすら寒い今日の気候には合わない。
でも、今日を逃すともう当分食べられないかもしれない。
ここはやっぱり「サマー」でしょ(笑)。

で、一服しながら往時のように「ポスト」を読みふけっていると、
当時と変わらぬ盛り付けで「サマーラーメン」登場!
あぁ…、うめーなー!!!!!変わらないこの味!
やっぱり「サマー」は「サマー」だ!
当時は、季節が近づくとこのメニューの登場を心待ちにし、
メニューに出てからは、二週間以上連続で
毎日がずっとこの「サマーラーメン」だった事もある。

ハマる人はどっぷりハマるのに、
物足りない人は心から冷淡で、
「好き」と言おうものなら
「いったいどこが?」と返されるこのラーメン(笑)。
だから人にはお薦めしにくいのが弱点です。

正午過ぎて、混んで来た店内では、
「サマーラーメン!」と注文する声もボチボチ。
この薄ら寒い日でも冷たいラーメンを頼むんだから、
注文の主達は、同類と見た(爆)!!

    *    *    *    *    *    *

雑誌を読みながらの食事にはスペース的に難のある狭い店内。
それでも皆、気にせず雑誌やコミックを読む暗黙の了解。
アンテナが私の背中に触れる位置にあるTVではお昼のニュース。
週刊ポストの汁のシミ。断りも気兼ねもなく喫煙できる空間。
どうしてこうも不変でいられるの?と思う。
店主も奥さんさえも、全く年を取っていないように見える。
私は老けたよ(笑)。この10年、いろいろな事が有り過ぎた。
でも、これからもきっとそうなのだろう。
耐性のある人には、
その耐性にふさわしい波風のある人生が用意されているように思う。

支払いを済ませていると、
店主の奥さんが私につり銭を渡すのと同時に、
「お久しぶりです(笑)」と言った。

あ、この人、あれから10数年以上も経つのに、
私のこと、覚えていてくれたんだ。。。

「やっぱりおいしかったです、サマーラーメン(笑)。」
「ありがとうございます。」

それだけの短い会話。
親密な交流などなかった物言わぬ常連客には、
シンプルなやりとりのほうがふさわしいね。
でも、それで十分。
「機会があったら必ずまた来ます」
そう心でつぶやいて、私は店を後にした。

村上春樹氏が確か自分のエッセーの中で、
「お店は客数が多いより、
 少なくても熱烈なファンがいたほうが長続きする」
という意味の事を書いていたのが印象深くて、
何かあると、すぐその言葉を思い出す。

私は客商売はやったことないけど、
きっとそうなんだろう、と思うよ。

    *    *    *    *    *    *

本当は、ものすごくこの話を亭主にしたい。
亭主もTラーメンのファンだったから。

でもね、残念ながらそれは言えないの。
それを言ったら、今日私がこの地区にきた事がバレちゃう。
ここに来た事が知れたら、その目的もおのずと知れる。
今はそれを伝えたくない(笑)。
なーに、大したことじゃないよ、
そのうちここで書くかもしれないし^^;…

でも、誰かには話したいわけで(笑)、
今日はそれをここで書いてみました。




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