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2006.05.12

ASを伝えるほどに広がる誤解

【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・ASをめぐる夫との会話 ・対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ★ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題

検索で訪れたサイトに、
管理人の方が身近に見聞きした男女のトラブルの記事があって、
最後に、
「そんな女であることも見抜けず安易に肉体関係を結んだのが
彼の最大の落ち度」と結んであった。

そんな女。。。

記事中に登場する女性の行動と雰囲気は、
以前に何度か私もここで日記を書いた
川田さん(30代前半/元女性スタッフ/仮名)にそっくりだった。
(あるはずないが、思わずご本人かと…)

    *    *    *    *    *    *

私は昨春から半年間、
特定のスタッフへの同僚達のすさまじい苦情に、
頭を抱え胸を痛め、どうしたらよいものか?と
毎日真剣に思い悩むうちに、
「アスペルガー症候群」という言葉に出会った。

その後は"怒涛の検索"で各サイトを訪ね、記事を読み漁り、
その某スタッフをアスペルガー症候群か、
またはそれに近い器質の人だと確信した。
こちらのサイトが具体的でわかりやすく、
 まさに彼がそこにいる!と驚きました。
 本来は公的団体のページや、専門家のページに
 リンクを貼るべきなのでしょうが、
 情報を得たい立場から見ると、
 こういった個人サイトなどのほうが主観が本音で書かれており
 具体的でわかりやすかったりします。
 あまり賛成できないことなのはわかっているけど、
 藁をもつかみたいときにはとても参考になる。。。)

本当は、素人が医者の判断も無しに、
誰かをそのように思うというのは、
非常に失礼で差別や誹謗中傷にもつながる
感心できない行為だとは思う。

けれど、職場にとって大切なのは、
その人がそう診断されるかどうかではなく…
つまり専門家の目で見た正しく確かな判断の有無ではなく、
実際に現実に起こっていることなのだ。

彼自身のどこか周囲の意識とずれていて、
首をかしげる言動やとんちんかんな受け答え。
それでいて一流大学を出ており、前職でも肩書きがあり、
口調は丁寧で理知的、(でも内容がピントはずれ(^^;)
見た目も聡明でスーツのよく似合うビジネスマンチックな雰囲気。
この、外見の印象と実際の仕事ぶりへの違和感は、
かつて経験したことのない大きいものだった。

彼をアスペルガー症候群(以下AS)では?と思った瞬間に、
すべての謎が解け、目からウロコがおちたように、
何もかもが納得できた。

そして、「この中のどこにイナゴが?」と思っても、
一匹見つけると目が慣れて、
途端に次々と見つかり始めるイナゴ捕りのように、
(すみません、よろしくない例えですが(^^;…)
「それじゃ、あの人も、この人も、その人も、皆そうだ!!!」
と、様々な班で仲間の槍玉に挙げられている特定の人達や、
過去、「いい人」と絶対の自信を持って他部署に入れたのに、
入れた先から早々に先方に断られて今だ納得のいかなかった、
たくさんのスタッフ達についての一切の謎が氷解した。

その「あの人、この人、その人」の中の一人が、
前述の川田さんであり、
私が目にしたサイトで紹介されていた女性の方も、
多分にその傾向があるように思われた。

川田さんも前述の男性スタッフも、
ベテランの一次面接担当者の評価は、「オールA」評定である。
もし紹介されている女性がアスペルガー的な人であれば、
お互いにまだ格好をつけている時点での「気付き」は、
無理なんじゃないかと思う。
それを責めたら、相手の男性も気の毒というものだ。。。
その後の、その女性の行動も「常識はずれ」の加減が、
どことなくアスペルガー症候群的な方の傾向っぽい。

    *    *    *    *    *    *

AS傾向の人は他者とのコミュニケーションに難がある。
私達の仕事は、電話応対の仕事なので、
リアルタイムな言葉のやり取りで、
行き違いの生じやすいASさんには、
元来不向きな商売であると思う。

かつ、言葉を通しての他人の気持ちへの推し量りが不得手なので、
度合いが少し強い人になると、
研修が研修として成立しないときがある。
こちらの質問の主旨に添う回答をしてくれないので、
理解しているのか、していないのか、
判断がなかなかできない事があるばかりでなく、
何かを教えたときの説明が効率よく伝わらず、
説明は迷走し、非常に遠回りになり、
時には、それでも甚だしい勘違いが修正されない。

が、彼らは決して知的障害ではなく、むしろ平均以上の学歴を持ち、
ご近所や隣のクラスにいて、軽く挨拶を交わすぐらいの程度では、
まったくわからない。わからないどころか逆に
腰が低く言葉遣いも丁寧で好印象を抱くかもしれない。

つまり、一緒に仕事や活動をして、指示を出したり出されたり、
何かをお願いしたりされたりして始めて「?」と周りが首を傾げ始め、
付き合いが深く長くなるうちに、
「うっかり屋さん」「天然ボケ」から、「変わった人」「変な人」へ、
そしてやがて、職場の「困ったさん」として、
非難され軽蔑され、仲間はずれや差別の対象にもなってしまう。
「"いい人"なんだけど、でも、仕事では許せない!絶対おかしい!」

だがそれは、ご本人の生まれつきの機能障害によるもので、
ご本人に大きな罪はない。
頭が良くて見た目も自然、普通に会話ができる人なら、
「障害者」などあり得ない、
という周囲の大きな誤解によるものだと思う。

もちろん私達の仕事には不向きなので、
面談や事前研修でその傾向が強い方が居たら、
私はお断りをせざるを得ない立場であるけれど、一方で、
「普通に見える人なら誰も皆"健常者"」という幻想を根拠に、
そうなっている原因への誰の理解も得られずに、
不当に誤解されたり差別やいじめがあるのなら、
それはあってはいけない事と思っていて、
できればこれは、たくさんの人に伝えたいし、知って欲しいし、
それはご家族にASを持つ人や、
何かでASと関わりその事実に気が付いた人なら
共通に抱く切なる思いなんじゃないかと思っている。

    *    *    *    *    *    *

差し出がましいとは思いながら、私は冒頭のサイトの管理者に、
ささやかなメールを出した。
そのサイトでは、各ページに「感想はこちら」のmail:toがあって、
管理者の方が、感想を欲している印象を強く感じたし。

すると翌日に反応があって、
「無教養なもので知りませんでした。大変参考になりました。」
とレスがあり、しかもその件を、
早速ホームページに載せていただいたとの事。
(ちょっとうれしい!いや、けっこう感激!(^^;)

ところが、該当のサイトを見てみると、
私のメールを引用してくださった部分は別として、
管理者が前後に書いた文章は、
「罹患者」という言葉が使われており、
え!病気じゃないのに。。。

しかも、最後は「精神疾患」の話題に書き及んで
記事が終わっており、私は、「これはまずい」と思ったの。
私の文面が拙文だったこともあって、管理者の方は、
何かを引き金に発症する、
精神疾患のようなイメージを持ったのではないか?
えー、違うよ、そうじゃないんだ。。。
「ASは発達障害」と、どのページにも書いてあるし、
専門家が書いた書籍にも、そうあるじゃないか?
(公的なサイトでは
「高機能自閉症、高機能広汎性発達障害」とも)
「検索してHIT数が56万件もあって驚いた」とあり、
実際にそのうちにひとつには、リンクも張ってあるのに。。。

それらしき人と実際に関わっている経験から語らせてもらうと、
かの人達が途中からそうなるとはどうしても思えず、
どの人も皆、子供時代から「変わった子」と思われて、
いじめられたり、不登校になったり、
自分に自信がなく、
周囲との違和感を常に感じ続け生きている気がする。

私は管理者の誤解を解きたい思いに駆られ、返信に返信し、
ホームページの「罹患」という記述を変えていただくようお願いした。
(なのに今も直っていない。。。冗談ぽく書いたので、
 スルーされちゃったんだろうか?)

また、「早期からの療育によって(以下略)
社会に適応できるよう統制可能」
というどこかのサイトからの一文を引用してあった事に関しても、
社会に適応云々は、人によってとっても差があり、
ASのうちでも、就職して普通に働いているような方は、
社会的地位が高い人がいたり、役職についている人もいるし、
「一人暮らしも自活も十分出来る人達なんですよ?」
といった主旨のソフトな反論を返した。

そして、このメールに対してまた返信が来た。
「先天的」という部分に懐疑的な一行があった。

ここから私の悪い部分が出てしまう(大いに反省だ。。。)
黙って無視して終わればいいものを、
「先天的じゃないんですよ?」と返信し、それに対して
「簡単にアスペルガー症候群と決め付けることも危険な面が」
「どうやって見分けるかが極めて困難では」というレスが来た。

そうなんだよね、確かに。。。
だけど、前述したように、
私にとっては「医者の診断」が大事なのではない。
実際にその傾向が確かにあり、
周囲との摩擦を引き起こしているスタッフさん達のへの、
彼らに真意が届き、主旨を100%きちんとわかってもらえるような、
指示や指導法を心から欲するのみなんだわね。
だから私は、AS傾向ならAS傾向の人、と
早く見極めがついたほうがいいの。

人としてあまりいい考えではないかもしれませんが、
「最初に疑念ありき」で、徐々にそれを払拭するか、
または、確信を強めていくかのほうが、
私の個人的な感覚ではうまく行くことが多い。

それに気が付いたら、すみやかにこちらも出方を変えるわけで、
面接でも研修でもOJTでも私が気が付かず、先輩達からも違和感を
訴える声が出ずに、固定的に就業してしまったASさんに関しては、
ただフォローしサポートしていくのみなんだよね。
同じ気持ちで仕事できる人には、敢えて「AS」の話をし、
それによって彼女がうまく周囲とのクッションになってくれた例もある。

紹介した既出サイト「大人のアスペルガー症候群」には、

自閉症に接し慣れた人であれば数分程度言葉を交わせば、それと理解できる独特の「ずれ」を抱えている。

といった一文があり、そこまで極端な能力は私にはないけど、
言わんとする事はよく理解できる。
出会い頭から、「もしかして…」と思う方は、
その段階で、話が特徴的に一方的だったり、
顔立ちが普通の感じと少し違っているときもあって、
(顔立ちでわかるような方は、実際に度合いも強い気がするけど)
そうでない人は、最初はやっぱりわからない。
でも、「あれ?この人って…」とハッとする瞬間は、
その後のどこかのタイミングで確実にあるんだよね。

でもたぶんこれって、接した経験のある人でないと、
なかなかピンとは来ないものかもしれないのだ。
だから、相手の身近な具体例に思い当たる人がいない場合は、
語るほどに、伝えるほどに、言葉を尽くせば尽くすほど、
イメージは食い違い、論旨は大きくズレていく。

結局、お互いに当初とは打って変わった盛り下がりと、
食い違って理解しあえない思いを残したまま、
メールの交流は終わった。

今、再度そのやり取りを読み返すと、
先方の言い分に過激さは無く、無邪気に思ったままを返信しており、
それに対して、なぜ私がこうムキになってしまったのだろうと、
いたく反省する。。。

たぶん私は、「ASへの誤解」というよりも、
自分の本意とする事がなかなかストレートに伝わらない部分に対して、
NOと声を上げたかったのかもしれない。

管理者の人は、最初の返信で
「なるほど、そういえば…」と書いていたけど、
きっと昨年の私みたいに、
「目からうろこが落ちてすべてがわかった!」
みたいな感覚は持たなかっただけなんだろうな。。。
ただそれだけの話なのに、ダメだなぁ、私って(笑)。

    *    *    *    *    *    *

普段、私はASの話はしない。
なかなか理解してもらえず、不要な誤解の元になるからだ。
それでも、わかる人にはなぜかすぐにわかる。
これってどういう事なんだろう。

私がASを知るきっかけになったスタッフに関して、
困り果てた私は彼をリーダーとする班員のひとりひとりに、
ASという障害がある事実を話し、こう加えた。

「もちろん、前ぽんがそうだとは限らないけど、
 そこまで行かなくてもこういうタイプの方は
 現実にいるって事だよね?
 だったら、前ぽんが私達と同じ感覚を持っているという認識で、
 ひとつひとつに腹を立てて、蔑視のような感情を持つよりも、
 『彼はああいう人だよね?』と、そこに固執するのをやめて、
 自分達で自衛策を取っていくしかないでしょ?
 取り立てて大きな落ち度も無く、
 態度や素行に問題があるわけでもなく、
 ただただ、とんちんかんなだけでは、
 雇用側は客観的な材料もないし、
 今は何の手立ても取れないのよ?」

彼らは、皆、主体性と実務能力に優れているウチの精鋭達である。
そのリーダーにAS傾向の人を置いてしまったのだから、
ゴタゴタするのは、ある意味当然であって、
私は非常に責任を感じ、自分の予見の無さを恥じるのみだが、

#当時は私も知識が無く、学歴もよくぎゃリアもあって、
#見た目が非常にスマートな彼が、あれだけ「できない」人とは
#思わなかった。

逆に誠意を持って本音を話せばわかってくれるヤツラである。

で、その話をしてサイトを見せたときに、
「まさに!」とひざを叩いてくれた人と、そうでない人がいて、
同じ人をめぐる話なのに、これほど反応が違うものか、と痛感した。

例えばだけど、
「ASをASだとわかるような受動体」みたいなものがあって(笑)、
それは人によって、あったりなかったりするものなのかもしれないし、
もしそうなら、それを持っていない人は、
いくら事例や解説を見聞きしても、
一生理解できないことなのかもしれない。

ASの特徴のひとつに、
「自分の興味のあることを、
相手の反応などお構いなしに延々と語る」
というのがあるけど、そういえば私もblogにしては、
自他共に認める長文迷惑ライター(爆)だ。
何かに固執してしまうところも少しある。

AS傾向の人に対して、少し鼻が利く人って、
もしかしたら精神の奥底に同じものが流れていて、
そういった人に出会うと、音叉の様に共鳴するのかもしれないね。
それが「わかる人にはわかる」という、
私が感じる「信号」なのかもしれない。

 

 

 

 




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コメント

この前、ASの番組を見たんですが、自分そっくりだったので、自分がASではないかということに、初めて気づきました…。けど、ADHDや、うつなどと似ていて判断しにくいとかいうことも聞きました。今まで自分は少し変わっているけれど、普通だと思っていたし、まさか病気だとは思いませんでした。200人にひとりいるくらいらしいので、たぶんうちの会社では私だけだと思います。とても孤独なんです。プラタナスさんは、日々どう過ごされていますか?

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はじめまして、ぷらたなすです。コメントをありがとうございます。最近の私は周囲に目立ってASさんぽい方もおらず、普通の新人研修を続けています。さて、TV番組を見て似ていると思ったり、家族にそう言われて「もしかして」と思う方は多いみたいです。私が以前自分の日記の中で紹介させていただいた↓
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7498/watashi.html
こちらの方もTVを見てのきっかけだそうです。こちらの山岸さんとおっしゃる方は鬱や体調が悪い原因もそこにあった事がわかり、今はお医者さんの処方や助言で健康な生活を取り戻しておられるということです。月並みなレスで自分でも申し訳ないと思いますが、もし不安で孤独でとても心配なら、医療機関や専門の相談窓口を訪ねてみるのもよいと思いますよ!お医者さんの診断が得られなくとも、ASさんの傾向がある方は、個人的に多いように感じています。ネットで検索すれば同じ悩みの方もきっと見つかると思います!孤独じゃないですよ!
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感激しました!他のASのHPにも相談したんですが、紹介された相談センターは子供向けでしたし、あまり勇気づけの言葉を言ってはくれませんでした。全然つきなみではないです。プラタナスさんは、ASを研究なさっている方なんですね。ASの人はたぶん、話を聞いてくれる人がほしいだけなのだと思います。私は軽度?のほうだと思いますが、先日、恋人に一方的に終わりを告げられました。病気のこともあり、強くは言えず、仕方ないかと諦めています。わらをもつかむ気持ちで書き込みしました。お忙しく、迷惑だったらごめんなさい。また来てもいいですか?

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そうですね。私もあるきっかけでASの事を知るようになったとき、ASってなんだろう?と思って検索すると、子供さん向きの"いかに育てるか?"といったサイトばかりで、実際自分の参考にはあまりなりませんでした。それで、今社会で現実に働いている人の中で、もしその傾向がある人がいるのなら、こんな感じではないのかな?という思いで、この日記を書いたりしています。日々の仕事の話ですので、話題もあっち行ったりこっち行ったりですし、ときにはお腹立ちの内容を書くことも多いと思います。それでもよろしければ、いつでも遊びに来てください!!他人の日常を覗き見するような気持ちで、あららら…と苦笑してお帰れいただければ幸いです!!
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