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2006.04.09

共鳴する人

ずーっと前の冬の夜更け、日中の物置の片づけで
二十年も前に嫁いだ妹のクラシックギターが出てきたので、
自室に持ってきたそれを手にとって、
なんとなくボロンと鳴らしてみたら、
部屋のどこかで、ブーン…と音がした。


長い間、誰も触っていないので弦が緩みきっていて、
金属のほうの弦はサビサビ、調弦はめちゃくちゃ。
それで、どうやって合わせるんだっけなぁ…と
あれこれいじっていたら、やっぱりどこかから
弦をはじくたびにブーン…と同じ音がするんだよね。


????
科学的興味がムクムクと頭をもたげて来た私は、
6本の弦を一本ずつ弾いたり、音の高さを変えてみたり、
耳を傾けて部屋中を歩き回ったりして、
同じ音がなっているのは、反射式ストーブ前面の
金網扉の部分が鳴っているのだとわかった。


そして、「これが"共鳴"か…」と、
昔学校であった音叉を使った理科の授業を思い出した。


周波数の同じ音叉を二つ離して置き、
片方を叩いて鳴らすと、もう片方も鳴り出すんだよね。
「へぇ~」と先生の実験を興味深く眺めていたことを思い出す。


    *    *    *    *    *    *


先週の金曜日に、
クライアント企業から協力会社各社への事業報告会があって、
前年度実績や今期の事業計画などの説明を受けたんですが、
ま~、欠勤者や中途退職者の問題など、
私にとってはうなだれてしまう話も満載の反面、
「絶対なんとかしてやる!」みたいな
闘争心?も湧いてきたりして、それなりにシャキッとさせられた
自分にとっては意義のある説明会でした^^;


…で、このあと、参加者全員で懇親会。
酒?もちろんバンバン入りますよ(笑)。
私にはこの機会にぜひ話をしてみたい人がいた。


それは担当先企業のマネージメント担当
成瀬課長(40代前半/男性社員/仮名)。
この人は以前から最高に気になっていたんだ。
挨拶以外に言葉を交わしたことはない。
私達の直接の交渉先ではないので
仕事での関わりも全くない。


でも、昨年転任してきて名刺を取り交わしてからずっと、
社内ですれ違うたびに、
なぜか最初から共感のようなものが強くあって、
深い話をしたら絶対に分かり合える人、
同じ価値観で対等に協議のできる人、
という妙な確信がすごくあった。


それで今回、乾杯の後、
頃合を見てビールを注ぎに行ったら、
彼はやっぱり思ったとおりの人だった。
たぶん向こうも私とはいつか話をしたいと
思っていたんじゃないかと思う。


でもさ、開口一番に、
「どう?最近入った香川君は?」
って、いきなりさほどの面識もない私に、
最近他課から移動してきた社員の評判かよ^^;
それも若い人じゃないんだよ?
私も以前から知っている
他課で長くやってきた中堅の社員さんだ。


だから、一協力会社社員の立場の私としては、
そんな恐れ多いことは、例え何か思うことがあっても、
通常口には出さないのが無難と思われるんだけど、
それは良く考えて見れば、「聞くほうも聞くほう」なのだ(笑)。


いや、組織の中で上下関係に縛られている社員達からは、
決して上がってこない課や社員や業務のリアルな雰囲気を、
外部の人間である私にすごく聞きたいんだと思う。
同じ質問は、昨年退職した前の所長からもよく尋ねられたなぁ…
その前の年に移動して行った人事課の契約担当者からも
「ところで最近、中はどんな感じなの?」と、交渉の最後に、
よく話題に出された。


彼らは皆、私が共鳴を感ずる相手先企業の担当者達であり、
尊敬もしていたし、立場を考えればお互いに好敵手でもあった。
どの人も皆、真剣に職場をよくしたいと思っており、
契約スタッフよりも社員のほうの体質改善にいつも心を砕いていた。


でもわかるんだ、その気持ち。すごくわかるよ。
だから私は、ここで無難な回答なんかしちゃダメね。
せっかくの機会に、ただの世間話でお茶を濁すのは、
共に望んでいないような気がした。


「香川さんですか?いいですよ。
 打ち合わせでも非常にいい意見を出してくださって、
 私達はとても参考になります。」


「そう、それじゃ、この移動は成功だな(笑)。」


「ただ…」


「ただ?」


「以前からいらっしゃる古い社員さん達が
 新しい業務の打診があるたびに、
 『それはできない』『それは無理だ』
 と、毎回後ろ向きな拒絶反応を示されるので、
 どんな計画もそこで頓挫してしまい、
 社内がちっとも利益を生み出す体制にないような気がします。」


そう、そうなのだ。
ここの社員達は役職にある人とそうでない人の、
経済観念があまりにも違いすぎる。


特に私の課は、いくら技術畑出身の社員が多いからといって、
契約スタッフがコーヒーをこぼしてPCを壊してしまっても、
「大丈夫、大丈夫、主任がお金出してくれるから(笑)」では、
スタッフのほうにも危機感が募らない。
修理代15万円の全損だったというのに。。。
課の収支損益は全社員で意識していくべきだ。
怒鳴る必要はない。だが、安易に肯定すべきでもない。


「差し出がましいようですが、私の課の社員さん達は、
 私から見て「儲ける」意識に欠けるように思います。
 これだけ何度も『厳しい状況』と聞かされていて、
 利益を生むような仕事をどんどん外から取ってこないと、
 企業さんの経営は成り立たないのに、
 受け入れ側の現場が拒否していたのでは何にもなりません。
 『できない』『無理だ』『断れ』の打ち合わせではなく、
 『どうやったらそれができるか』を検討するための
 打ち合わせになっていかないと…」


「ぷらたなすさん、そこよ!そこなのよ!
 俺もそこが一番問題と思っているの。
 とくに○○課(私の課)は
 昔っからそうだって聞いているので、(有名らしい^^;)
 俺も、あそこだけは、ずーっと気になっているんだよね。
 あと、ほかには?あとなんかある?
 社員の数は足りてる?随分増やしているつもりなんだけど。」


「ほかには?」って^^;…
まぁいいや、この際だ。
思っていることは何でも言っちゃおう!


「足りないのは社員の数ではなくて上司の数です。
 昨年から業務が増えて、社員スタッフ合わせると、
 今や70余名の大グループですが、
 それで課長が一人と主任が一人では少なすぎます。
 しかも課長は他課との兼務なので、
 実質上、課長がやるべき仕事と主任がやるべき仕事の
 両方がすべて主任一人の肩にかかってきており、
 周りの社員さん達は、『それはあくまでも責任者の仕事』
 と、他人事に思っていて、主任が頼んでも誰もそれを
 分担して引き受けてくださいません。
 これが一番の弊害です。
 なぜなら○○課ではそのため、
 主任絡みのものはすべての業務が遅延していて、
 主任はいつも3つも4つも手前のことをやっている状態。
 リアルタイムに物事が処理されていかないので、
 私達もすごく困っているんです。」
(主任!私、ちゃんと主任の思いは伝えたからねっ!)
(っていうか、なんでこの現状が社員達から上がっていかないの?)


「え!!社員は誰も手伝わないの?」


「いえ。手伝う方もいらっしゃいます。
 が、それも限られた方なので、
 今度はその方に何もかも集中してしまうって言うか…」


「あぁ…そう…。やっぱりね。思った通りだな。
 俺、あそこはこの際、解体したいんだよね。
 もっとバラしてかき回して、新しい風を入れないと
 ダメなんじゃないかと思って。」


まさにその通り!でも、少し異論もあるな。
社員達の結束をここで解いてしまったら、
技術力はおおいに落ちるだろう。
「いいものはいい。悪いものは悪い」
「その仕様はおかしい」「この付加機能が必要」
と、単独でも声高に叫ぶことができる社員が不在なので、
それをあまり強力に進めると、
長年培われた技術的な土台までも解体してしまう恐れがある。
伝統は生かしてもダメだけど、殺してもダメって気がする。
増やしていただけるなら、その辺の阿吽の呼吸がわかる、
調整と交渉能力のある方を…


が、そこまでいかないうちに、
次々と他の人がお酒を注ぎに来て、
この話はそこで終ってしまった。。。(残念(笑)!)


    *    *    *    *    *    *


そう言えば、前の所長と話をしていたときに、
「あそこはねぇ、川原(現40代前半/男性社員/仮名)と
 平畑(現30代後半/男性社員/仮名)がガンなんだよなぁ。
 腕は確かにすごいんだけど、文句ばっかり言って反抗してる。
 他の社員もすぐにそれに習うので、いい人を持ってきても、
 ちっとも状況が改善されない。
 この二人はちょっと修業に出そうかと思って…」


そんなお話をされたときに、
「所長、平畑さんは違います。
 平畑さんは確かに川原さん同様、
 すべてに非協力的に見えますが、
 実際はそんな事はありません。
 パフォーマンスに癖があるだけで、
 平畑さんの見識と状況判断は非常に確かです。
 ユーザーにとって何が一番いいのか、
 全体にとって今何をすべきか、
 大変よく考えていらっしゃいます。
 それは誤解だと思います。」


そんな風に言ったんだっけ。。。


「あ、そう?俺にはそうは見えないけど…」


「いえ、私はそう思っています。」


それからしばらくして、川原さんは他課に移動になった。
ぷらたなす、ちょっとビビった^^;
数百人を統括する責任者が、
一契約社員の言に左右されるわけないと思っているけど、
私が話したことって、他の会社への人事介入じゃないのか?
またはこれって上部の手先かスパイみたいジャン?


でも、あのとき、私と所長は立場を超えて本当に同じ価値観で
対等に話が出来ていたんだよね。
上下関係がないからこそ忌憚のない話し合いが可能だったし、
信頼してもらっているからこそ、際どい話も打ち明けてくれるのだ
と感じていた。それがちょっとうれしくもあった^^;


今回も成瀬課長と話してみて、同じ感覚が持てた。
だから私はありのままを話したかったんですよね。
「この会社(職場)をもっとよくしたい」
「利益の上がる会社にしたい」
思いはみな、同じなんだよ。
その気持ちが波となって私に伝わると、
話さずにはいられなくなっちゃうのかな。


私が思ったままを述べたとしても、
「差し出がましい」「分をわきまえない」
「余計な口出しはするな」とは、
この人達は決して思わないだろう。


なぜなら、私が逆の立場でも、
そんな事はあまり気にせず相手の話から得られた何かを
正確な現状を判断する材料にしたいと思うから。
「最近忙しい?」「あの話ってどうなった?」
そうやって自社他者問わず、たくさんのスタッフさんに声をかけ
意外な事実がわかるケースは本当に多い。
コミュニケーションは相互理解の効果だけではなく、
情報収集の点でも有効な手段と思っている。
たぶん成瀬課長もそうなのだろう。


その共通性を言葉ではなく、空気で感じてしまうのが
「共鳴」って事なんだろうな。


成瀬課長って、やっぱり同じ感覚で話の出来る人だな。
(人は相手の周波数を、どこを見て嗅ぎ分けるのだろう…)
(もしかして顔立ち…なのかな、やっぱり(笑)??)
(ちなみに、誰か似たタレントがいたと思うが
 本人もタレントも決して「いい男」ではない(爆)!! ごめんなさーい!)


でも、仕事をしていてたまにそんな経験をして
意気投合したことは誰にでもあるのじゃないでしょうか。
プライベートで気の合う人は多いけど、
仕事の線上ではなかなかそんな人には出会えない。


ま、もったいぶって大げさな書き方をしましたけれど(笑)、
(しかも事実上、愚痴半分(爆)!)
要するに一緒の土台で話ができる人がみつかると
単純にうれしいってことですね!
そういうケースってたまにしかないので。


でもこういう人は、情に流されずに言うべきことは言ってくるから、
こちらもきちんとした運用をして槍玉に上がらないよう
注意すべきだね(笑)。


こんな言い方もアレですが^^;、
久しぶりの好敵手の出現に「負けん気」が沸いてくる(笑)。
願わくば、早々に栄転などせずに、
もう少しここにいてくれますよね?
そう願いたいぷらたなすでした。

 
 


 
 
 


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