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2006.03.26

言わせるよりも聞かせること

私達が今の仕事に就いた当時は、
初めて"契約スタッフ"なるものを受け入れる正社員達の側に、
"これからは彼らに何でもやってもらうのだ!"
という厳然としたムードがあって、
事前にそんな意識合わせがされていたか、はたまた
上からそういった指示が出ていたのかはわからないけど^^、
本当に「何でも」させられた(笑)。


どんなに難しい案件でも頑として対応を引き継いでもらえず、
不具合があったときは、自分達で文案を考えて
メールでの詫び状まで書かされた(笑)。


当時あのメールを受け取ったユーザは、
まさかそれが就業して間もない
ぺーぺーの契約スタッフが書いたモノだったとは思うまい(笑)。
(時効だよね?時効!時効!)
(それが、技術畑の長い正社員達より
 他社経験のあるスタッフ側のほうが、
 文章がうまかった!という事実(爆)!)


が、それは確たる基本方針に添っていたわけではなく、
今思えば、ただ単に正社員達が楽をしたいために、
困難なものを私達に押し付けたかったためだけのようにも思う(爆)!
(今仕事を頼みに行くと、
 「え~、やりたくね~な~、そっちでやってよ」
 と、極めて親しげに本音を言ってくるので^^;そう思うようになった。
 今は当然こっちも「何よ!社員なんだからやってよ!」
 と負けないけど(笑) )


けれど入ったばかりの私達は、
「ここってそういうところなんだ…」と深い疑問も持たず、
むしろ何でも任せてくれるところにやりがいを感じ、
右往左往しながらもそれらをこなしているうちに、
お陰さまであっという間に力がついた(笑)!


だがそれも、すべてが大雑把で牧歌的だった時期の話である。


今は"対応品質"だの"お客様満足度"だの、
なにかときちんとしており、
ものによっては結果が数字で出てくるので、
以前のやり方は通用しない。


当時の私達の電話対応を今の客様と交わしたら、
間違いなく苦情だらけになる事だろう。
だってろくな研修もなく、入って三日目で「じゃ、今日から取って」
って無謀にも電話を取らされたんだもん、
スムーズに行くわけないよ、技術的にも対応的にも。


今思えば、あの頃のお客様は、20分以上も保留にして、
よく怒り出さなかったものだ…と感心する(笑)。
わずか数年前の話なのに、お客様も寛容だったのだ。


さてそんな鍛えられ方をしてきた私達でしたが、
技術的には成長できても、
しゃべりのほうはかなり低レベルだった…


だってそもそも先行して同じ仕事に従事していた社員達が、
いかにも社内の技術担当者って感じの話し方をしていて、
言葉遣いに気をつけている様子が全然なかったし、
自分達がそんな感じなものだから、
当然契約スタッフを指導できるわけもなく、
私達に対してもそっちへの気配りは一切なし(笑)!


ていうか、契約会社から事前に聞かされていた業務内容が
「故障調査」というものだったので、
必要最低限の電話対応はあれど、
「電話の仕事」と思わずにやってきた人もいるぐらいだ。
つまりオーダーを出す企業さん側にも、
「コールセンターをやる」と意識は薄かったのだと思う。


例えば、何かの電化製品を買うと、
取扱説明書の最後のページとか、別途印刷された一枚ものの紙で、
「故障・不具合の相談窓口」とかいって、
各県の営業所一覧などが載っており、
私達は推測として、そこに電話をかけても、
「お電話ありがとうございます。
○○株式会社○○センター○○担当、○山○男でございます」
なんて感じの対応は期待しませんよね?


そそそ。当初の意識は企業側も契約者側もスタッフも、
まさにそんな感じの業務を想定しておりました。


よって入ってからのお客様対応自体も、
「こんなもんでいいんだ」その辺はあまり気にせず、
まぁ、いわゆる失礼のない程度の普通の話し方で、
足掛け6年間やってきたわけですが、
これに近年大きな逆風が吹いてきた。


本社がそういった気持ち的な土台が全くないところに、
「君達はコールセンターでしょ?もっとちゃんとお客様対応してよ」
と言って来て、社員も契約スタッフも意識の変革を
求められちゃったわけね(笑)。


…で、マナー委員会を設置して、
数々の細かい規定項目の元に、
スタッフの電話対応をチェックするような
仕組みが作られたのだった。


うちらにしてみれば、寝耳に水だよ、そんなの~!
今まで誰からも何の正当な指導も受けておらず、
その必要性も感じずに普通の話し方でやってきたのに、
突然、「さようでございますか?」などと
話さねばならないなんて!
「それじゃホントの電話の仕事じゃん、俺、だったら辞める」
と本気で反発していた同期もいたぐらいだった^^;


でも、私は一足お先に心がけて
皆さんよりも、"すまあと"で"びゅーてぃふる"な話し方が
少しだけできていたので(ウソ(爆)!ガハハ)
さほど困ることはなかった。
むしろ、仲間達の話し方に首を傾げ言いたいことも多かったので、
「おー、やっとコレで堂々と突っ込みを入れることができる!」
と、ひそかにうれしかった。


だって、名乗りさえ徹底されていない状況を憂慮し、
社員に相談すると、「別にいいんじゃない?それぞれで?」
って感じで誰も気にしていなかったから、
私がいくら孤軍奮闘しても個人的な考えと冷ややかに受け取られ、
「社員が必要ないって言ってんだから別にいいでしょ?」
てな感じで反応が悪く、なかなか毅然とした指導は
できかねていたんだもん^^;


    *    *    *    *    *    *


普通の社会人なら、
会社同士として仕事でやりとりする電話は、
誰でも丁寧で節度を保ったよそ行きの話し方をするし、
それができていれば十分と思われがちですが、
お客様に対して使う言葉というのは、
きちんと誰かに教わらないと、
なかなか身につかないものなんですよね。


たとえば、「かしこまりました」「○○という商品がございます」
「承っておりません」「○○いたしかねます」などという言い回しは、
ちゃんとした指導を受けた接客業経験者でないと
なかなか咄嗟には出てこないものだ。


誰も教えてくれず気にする人もおらず、
周りの社員達に習って同じような話し方をしてきた私が、
なぜ、「これじゃダメだ」と思ったかというと、
契約スタッフから今の業務に変わって、
ちょこちょこ契約会社に出向くようになり、
そこで土田さんという人の素晴らしい電話対応を
目の当たりにしたから。


土田さん(当時30代前半/女性/仮名)の話し方は
言葉遣いがとてもきれいなばかりでなく、
穏やかで暖かく、適度にフレンドリーで、
彼女が電話で話しているのを聞くたびに、
「何て素敵なんだろう!」と感心し、
「電話対応はこうあるべき!」と痛感し、
「こんなふうにカッコ良くなりたい!」と強く思った。


そう思ったあとに自分の今までの話し方を思い出してみると、
私の話し方は品がなく、洗練もされておらず、
ちょっとバタバタとしていて田舎臭かった。
「これじゃ全然ダメだわ!」とおおいに反省しちゃったね~^^;


仮にも「電話対応」の仕事をしているのに、
その私よりも契約会社の女性社員達の方が、
数段マナーのいい対応をしていることがショックでもあった。


それからは、土田さんのようにあんな感じで
スマートなしゃべりのできる人になりたい!と
意識して話し方や言葉遣いを変えてきたけれど、
具体的で明確な理想像が一度身の内にできてしまうと、
誰に何を指導されなくても、
思い描いたイメージに添って振舞っていけば、
路線の変更は容易にできた。


そんな自分の経験を思い出す度に、
レベルの高いお客様対応をスタッフの皆さんに行ってもらうには、
ロールプレイングで話し方の練習をする前に、
まずお手本となる対応に何度も接して、
「こんな風に言うんだ…」というイメージを
明確に持ってもらう事のほうが、
大事なんじゃないかな?と思うようになった。


「人の力を借りず何事であっても
 全部一人でこなせ!」
と言われて育ってきた私と同期のスタッフ達は、
「やばくなったらすぐに代わって!」
と新人OJT担当者に出している私の指示には懐疑的で、
「え~、それってちょっと甘いんじゃないのぉ~」
と言って来たりもする。


けれど、自分の手に負えないようなお問い合わせを
熟練者がどうさばくのかつぶさに見てもらう事は、
彼らに具体的な理想像を提供することでもあり、
決して無駄だとは思っていない。


お客様も、途中から熟練者が出てきて
疑問点をスピーディに手際よく解決してくれると、
それまでのイライラ感がウソのように払拭されて、
むしろ感謝の言葉を頂いて電話を終える事が多かった。


お客様というのは、フラストレーションが理想的に解消されると、
ほとんど苦言を言ってこない。
逆にうれしい気持ちになって謝辞を述べてくる方が多いので、
こういうのも、ある意味「作戦」だなぁ…とは思います^^
私はいいとこ取りなので、ちょっと気分いいですけどね(爆)、
いや、むしろそこで悔しく感じて
奮闘していただければいいんですよね(笑)。


    *    *    *    *    *    *


ところで、電話の仕事には、
ロールプレイング(略してロープレ。又はロール)と言って、
研修担当者がお客様役になって、
新人さんにリアルな質問を投げかけ、
そこで本番さながらに回答する新人さんの
技術的な間違いやよろしくない言い回しを
正していくトレーニング方法がある。


この場合、より実践的な訓練として、
新人さんが受け付け側を担当するのは
一見当然過ぎるように思われますが、
理想が見えていない新人さんにとっては、
土台があやふやなので、
突っ込みを受ければ受けるほど、
気の弱い人だと体調不良に陥りやすい
諸刃の剣といった側面があるのだった。


で…私、ふと思ったんだけど、
このやり方って手順が間違っているわ。


いくら、今やどの課でも必須になっている研修項目とは言え、
イメージの希薄な人に、いきなり「しゃべってみて」というのも、
非常に負荷の高い話であって、
だったら最初にさせるべきことは、
受付者側ではなく、お客様側だと思ったんだよね。


なので前々回の契約会社での事前研修から、
私は簡単なシナリオを数パターン作って、
受付者ではなく、「お客様」の方を
徹底的にやってもらいました。
受付者を演じる?のはワタクシ、ぷらたなす(笑)。


いえ、私だってまだまだ至らないところが満載なので、
思わずボロが出ちゃうことも多々あるんですが、
それでも、対応姿勢、物腰、口調、声のトーン、言い回しなど、
言葉では表現できない空気感のようなものを
漠然でもいいから感じて欲しいと思い、
新人さんには、ひたすらお客様側に徹してもらったわけですが、
研修中は「つまりこれってー、こういう事なんですよねぇ~」
みたいにアバウトなしゃべり方をしていた私が、
突然人が変わったかのように「お電話ありがとうございます!」
なーんて、姿勢を正して話し始めるものだから、
新人さんに何かの驚愕が走るのが感じられて(笑)、
私は何かの効果はあったんじゃないかな~と思っています。


この新人さんは、直接担当ではない
他課に入れる方だったのですが、
先週たまたま現場で、ロープレ中の脇を通りかかったら、
なかなかそれっぽくいい感じの"しゃべり"していたので、
すごくうれしかったです。


その次の組の新人さん達もなかなかいい感じ!
お手本の提示って大事だなぁ…と今更のように痛感いたしました。


私達は通常、"しゃべる仕事"なので"しゃべる練習が重要"
と思いがちです。でも違うんだよね~。
大事なのは、言わせる事よりも聞かせる事なんだと思います。


特に男性の場合は、疑問点があっても
他人に聞くのは負けを認めるようで、
自己解決に燃えてしまう場合が多いので、
一般的にフリーダイヤルに電話して何かを問い合わせる
という経験が絶対的に不足しています。


だ・か・ら、しゃべれない!(イメージが全くない)
という方も多く、そういった新人さんに
実際のユーザーの気持ちになっていただくためにも、
まずは、「聞かせること」が肝心なんじゃないかと思っています。


    *    *    *    *    *    *


現在は技術面よりも対応面のほうを重視する傾向が社内にあり、
昔から一緒にやって来ているメンバー達は、
その傾向を憂い、ときに寂しく感じていたりするのですが、
実は、新人さん達よりも、これらの古いメンバーが
依然として昔ながらの対応から脱却できないでいる事が、
マナー委員会の議題としてよく取り上げられる。


気持ちはわかるよ?
同じ同期生として、「コールセンターで働いています」
とは語りたくない現状への抵抗感を私も同様に持っている。


自力で自己解決できないことだけが「恥」だったあの頃は、
腕の立つ技術系社員に「これって違うんじゃない?」
とクールに指摘されると、自分に腹が立って悔しくて仕方なかった。


でもなぁ…時代の変化は認めようよ。
ボソボソとつっけんどんな対応でも、
解決すれば感謝された時代は終わり、
今は、未解決でも対応さえ良ければ、
クレームも来ないご時世なのだ。
難しい案件を経験と勘でものの見事に解決できても、
言葉遣いが悪ければ、そこに苦情が入る時代なのだ。


そこに異を唱えたってしょうがないよ^^;
残念ながらそこは割り切るほかないだろう。


なーんて、ラストは愚痴で締める私なのでした。
付け焼刃の浅学な私と違い、天性の高い解決能力を持ちながら、
マナー委員会の評定がいきなり低い彼らを、
私は心から「もったいない!」と思うのだった。

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