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2006.03.18

成長を見守る事ができますか

金曜日、研修担当の角田君(20代後半/男性スタッフ/仮名)
と、打ち合わせをした。

今、私が契約会社で研修をしている二人の新人さんについて、
スキルとか人柄とかその他、ウィークポイントなどの引継。
ちなみに職場は某企業内での某商品の
電話受付によるユーザーサポートである。

所定の日数の事前研修を終えた私が
二人を連れて現場に戻ってきたら、
今度は角田君が二人を引き受けて、
その後しばらくは実務研修をしてくれることになる。

が、まだ見ぬ新人さんの話など数分で終ってしまい(笑)、
話題は彼がまさに今担当している
一つ前の組の新人さん2名の話に終始した。

「大浦さん(40代前半/男性スタッフ/仮名)は
 話に聞いていたとおり、結構突っ走りますねぇ^^…
 わからなければ一度立ち止まって、
 オレに聞いてくれればいいんだけど、
 そんなのお構いないに憶測でガーッと行くから、
 『おー、ちょっと待って!ちょっと待って!』
 って、オレもストップかけるのに必死よ(笑)。」

「あはは!だって事前研修のときから
 その雰囲気は見えていたもん(笑)。
 工藤さん(40代後半/女性スタッフ/仮名)は?」

「あ、工藤さんは今のところ順調、問題なし。
 工藤さんはね、慌てないんだよね。
 『あれ?』と思ったら必ず聞いてくれるし、
 あやふやな事は言わないので、
 結果的にものすごく間違いが少ないの。
 あれってそのうち大浦さんを追い越すよ、絶対。」

「おー、それは何より(笑)!」

「いや、全然完璧ってわけじゃないんだけど、
 ずっと前にいた
 太田さん(当時30代後半/女性スタッフ/仮名)に
 タイプが似ているんだよね~。
 ほら、太田さんて辞めるときはすごいバリバリだったでしょう?
 だから今はまだまだでも、
 そのうちそうなるんじゃないかと思って。」

話題はその後、太田さんの話になり、
先日その太田さんから
引っ越したメールをもらったばかりだった私は、
「今ね、彼女、八王子にいるんだよ、なんと!」
なんて、仕事もそっちのけで^^
かなりの長時間を世間話に費やしてしまった。

が、話をしながら私は、
「太田さんと同じタイプに見えるからそのうち伸びるよ。」
と言った彼のセリフに、
おー、この人も変わったなぁ…とうれしく思っていた。

年はおおいに若いけど、角田君は私の先輩でもある。
(当時のエピソードはこちら→「MSXの話を聞かせて」

このグループをうちの会社一社で引き受けるようになって、
今やごく少数者の他社スタッフになってしまった彼が
立場的に微妙なところにあるのを、
私はいつも気に掛けているが、
昔から一緒にやって来ている気軽に話せる仲間なので、
私達の間には、上下関係と敬語の隔たりがあまりない。

彼に研修担当をお願いするようになって半年。
古参意識とプライドが高く、スキル重視傾向の角田君は
「あれも知らない、これも知らない。」
「基本を何もわかっていない。」
「スキルが低い。」
と、新人をお願いするたびに
「もっといい人っていなかったの?」と、
不満げな様子がありありだったのが、
今は少しずつ心境が変わってきているようだった。

    *    *    *    *    *    *

さて、契約会社の事前研修を経て新人が入ると、
今度は現場側でそれを受け入れ、
より実務に即した新人研修をするスタッフさん。

そんな役割を聞けば、実力プラスアルファで
何が必要と思うでしょうか。

私は、新人さんの場合はやっぱり包容力だと思うんです。
どんな仕事でどんな人達が待ち構えているかわからない、
新人さんにとっては不安が一杯の転職先で、
まずは態度で歓迎の意を表し、
スキル的に至らない点が少々あっても否定せず、
半年後、一年後を見据えて、
きっちりと技術的な土台を作ってくれる人。

ところが、うちの職場の場合、
なぜかベテランスタッフほど若かったりするので^^
この「包容力」と「技術力」が
なかなか相容れないときがあるんだよねぇ。。。

元々スキルがあって、何事もソツなくこなしてきたた人ほど、
他人にも同じレベルのものを要求しがちだし、
どんな風に言ってもそこが理解できない人に対しては
苛立ったり面倒に思ったり見捨てたりする。

その点で角田君は本当は研修担当には向いてないの(笑)。
実際、初心者で入ってきた人ほど、
視点を下げない彼のマニアックな説明に反発を感じ、
「私はこの仕事を
 それほど好きで入ってきたわけじゃないですから!」
と、早々に壁を作ってしまう傾向が多々あった。

ところが、それじゃ班長に頼もう、と、
リーダーシップはあるけど技術的にはそれほど詳しくない
レイちゃん(20代後半/女性スタッフ/仮名)を研修担当にすると、
(これも性格なんでしょうが…)
本人のスキルに関する不安や
対人的な恐怖感がどうしても態度に出てしまい、
指導態度や説明のトークがピリピリと非常にトゲトゲしくなってしまう。

こちらの場合は、体調不良による退職者まで出してしまう、という
よろしくない結果になった事も何度かあるのだった。。。
(これもまた新人さんにもよるんですけど…)

実績の著しい低迷を打開するために新人を入れるのだから、
人を教えるのに向いている資質の人が他にいたとしても、
現在実務で必死に数字を稼いでいる状態のメンバーから
誰一人として抜くわけには行かない。
(これ以上数字を下げてはならぬ、という企業命令^^;)

差し当たっては実務に関わりのないポジションにいる
誰かに頼むしかなったんだけど、
これが帯に短しタスキに長しでねぇ…
そんなところがニッチモサッチも行かない
八方塞のジレンマだったな。。。

当初、社員と班長達の話し合いの中で、
研修は、実務からはずれているマナーリーダー
兼務するのが一番いい、という結論になった。
確かにそれだと実績にも響かないし、
仮にもリーダーさんだし、最善の方法に思えた。

該当者は二人ともマナーリーダーになる前は
ベテラン女性スタッフとして毎日高い数字を上げていた。
(でもやっぱり20代ど真ん中(笑))
自分達が今までやってきたことだけを
普通に教えてくれればいいのだから、
そんなに悩む事はないだろうと思っていたら、
これがものすごい不安とストレスを与えてしまったようで、
日に日に二人とも落ち着かなくなり、
「本当に私でいいんですか?」などと口々に聞いてきた。

そして結局、初めて設置した研修担当として
彼女らが最初に受け入れた新人は、
スキルも高く人柄もよく穏やかで大変いい男性だったのに、
研修時に体調を崩してリタイアしてしまった。

「怖かった」「辛かった」「こう言われてショックを受けた」
「それから何度も顔が浮かんでご飯が食べられなくなった」
などと言われた彼女達は、意外にも仲間内では人気のある
明るくてひょうきんな女の子達なのだ。

たぶん…得意のお客様対応とは勝手が違い、
今まで技術的な指導を
人にする側に回ったことがなかった彼女達は、
なんとなく経験やノリで感覚的に習得してきた業務ノウハウを
仕組みと理由をまず示し、論理的に系統立てて
他人に説明をすることができなった。

そのため相手が男性だったり年上だったり、
キャリアのある人だったりすると、
自分達よりも格上かもしれない新人達の
どこから飛んでくるかわからない質問に恐れおののき、
あまり親身に関わろうとせず、態度や表情で
無意識の強力バリアを張ってしまったのだろうと思うよ。
今なら。

結局、他人に対する余裕って自信なんだよね。

どんなに人柄が良くてモチベーションが高くても、
技術的に誰よりも勝っている自信がある人の、
「それって違うよね?」という平常心の言葉には、
感情の起伏がない穏やかさと説得力が宿るのだ…
そこに至らなくては研修担当は務まらない。

そう気がついたときに、
少々理屈っぽくてオタクな人柄が不評ではあるけれど^^
研修担当はもう角田君一本でいい、と思った。
指導者としてのコミュニケーション能力や、
人柄、教えるスキルなどはあまり気にしなくなった。

角田君の言っている内容が、まずはわかる人になろうよ、
ってことで、新人さんには「こんな人だから…」と
事前情報を流すようになった。

そして、こちらもようやく落ち着いた。

    *    *    *    *    *    *

角田君は新人の工藤さんを
「かつて在籍していた太田さんによく似ている」
と、言った。
だから、いつかは彼女みたいに
優秀なスタッフさんになるんじゃないか?と。

私が思うに、これって
角田君が過去のスタッフを参照して
合致した人を思い出し、
そのパターンに当てはめて予測した
初めての言葉なんだよね。

そこで私は思わず「ハッ」としちゃったんだけど、
今まで研修をお願いした若いスタッフ達が、
何年も継続的に人を見て、
様々な経験を通しながらゆっくり成長していくプロセスを
意識して身近に見ていたことってあっただろうか。

みんなベテランで経験は長いけど、
人を指導する立場になんて誰もなったことがなかったので、
そういった感覚で他人を見ていたはずがない。

新人は同僚へ。同僚から友達へ。
と、自分との人間関係の中でしか
相手を意識したことがないから、
今一緒に机を並べている友人達が、
ここに来た当初、どれほど物事を知らず、
どれほど何もわかっていなかったか、
誰もよく知らないんだよね。

角田君もたぶんそうだろうと思う。
席が隣になってなんとなく言葉を交わしたりする
今そこにいるスタッフが、
就業当時はどの程度のスキルでやって来て、
どれだけの時間をかけて一人前になったのかを、
知る由もなく、
とりあえずきちんと話が通じるのでそこそこの同レベルと思って
業務に関する世間話を続けたりするけど、
彼ら、彼女らのかつての事前研修を今見たら、
きっとびっくりして腰を抜かすと思うよ(笑)。
あまりにも初心者過ぎて(笑)。

そう思うと、こういう事はやはり数をこなして、
たくさんの成長事例を実際に見てこないと、
なかなか人には寛容になれないし、
「ここまでやったら、あとは本人のやる気と
 時間の経過に任せましょう」
みたいな考え方を、確信を持って打ち出すこともできないだろうね。

昨年の混乱の中で入った新人さん達が、
最近ようやく(本当の意味で)独り歩きし始め、
角田君もレイちゃんも、
初めて自分達が育成に関わった人達の数ヵ月後を
目の当たりにしている。

それによって、昨年自分達が必死になって教えたことなど
彼らの成長にとってはほんの一部分に過ぎず、
彼らを本当に成長させたのは、実際の実務経験と
それらの成功や失敗による彼ら自身の意識の変わりようである…
と、気がついたはずだ。

同時に私も、私の研修担当者に対する印象が、
角田君やレイちゃんが新人に抱く否定的な感覚と
まるで全く同じだったなぁ…と、すごく反省した。

彼らだって、研修担当の「新人」なんだもの。
最初からはうまくいかない事だってあるよね。
少々の失敗があったって、長くやってりゃそのうち、
いつのまにか、「立派な先輩」として、
ポジションにふさわしい手腕とキャラクターを
身に付けていくんじゃないのかな。

人にアレコレ言いながら、
成長を見守る暖かさに欠けていたのは
私自身かもしれない。

やはりここは、時間に結論を委ねて、
長い目で見てあげないと可愛そうだな…
と、痛感した。

    *    *    *    *    *    *

角田君とは今までは何かと論点がかみ合わず、
「そうじゃないんだ」とお互いに言いたいこともあったけど、
こうやって何度かじっくり話をしているうちに、
どんどん意識が合っていることを感じる。

そういえば角田君、こんな事も言っていたよ。
「どうやら、男性ってどうしても焦っちゃうみたいですね。
 それからスキルのある人ほど、相手の話をよく聞かずに
 自己流で突っ走るし、さっさと終らせようとして逃げますね。」

(確立しているものが壊れるのが怖いんだよ←私)

「あ~、そうかもしれませんねぇ。。。
 聞かれたことに答えるだけなら
 やっぱり女性のほうが向いてますね。
 でも、うちは調査・検証も入るから、
 どっちかっていうと腕の立つ男性も欲しいし…」

これは、そろそろ経験が溜まってきた人の
継続的な観察の結果でしょう。
だって私も全く同感だもの(笑)。

そして彼は、こんな風にくくった。
「でもまぁ、大浦さんの癖も今だけかもしれないし、
 じっくりやっていくしかないっスよ。」
(おおーーーー!これがあの角田君のセリフか(笑)!)
 

新人スタッフだけではなく、新米研修担当も、
同じように成長を見守っていけば、
かつての新人さん達と同様に
彼らもいつかは頼りになる指導者に育っていくに違いない。

角田君との会話の中で、
そんな実感を強めた。

 




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