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2006.01.14

考え方を身に付ける仕事1

今週は、楽しく充実した週だった。


洞口さん(30代前半/女性/仮名)も、
菅原君(20代後半/男性/仮名)も、
一気に波に乗った感がある。


二人とも、日に日に調子が上がってきた。
私達の仕事が、いったいどんな仕事なのか、
今まで抱いていたイメージが払拭されて、
「そういう事なんだ!」という発見と把握が、
どんどん積み重ねられている時期なんじゃないかと思う。


こうやって、新人さんにサポートが付いて
誰かに教えてもらいながら実務をこなしていく訓練を
OJT(On the job training)と言いますが、
私達の仕事では、一人前になるのに半年以上かかるので、
大きな意味で考えれば、9割以上のお問い合わせを、
人に聞かずに対応できるようになるまでは、
ずっとOJT期間中と考えることもできます。


「さあ、今日から独り立ちね♪」
と、先輩達と同等に同じ受付席に座らせても、
そこから1年ぐらいは、メモ紙とペンを持って、
しょっちゅうバタバタと走り回っています(笑)。
(電話を保留にして、リーダーや班長に聞きに行く)


ですが、その「バタバタ」の中身は、
人によって大きな開きがあって、
土台がしっかりと築かれていないために、
ちょっとひねった質問が来ると、
毎回、舞い上がってしまい、
必要以上にお客様を待たせてしまうケースが
よくあります。


この場合の「土台」とは、
「お客様が何を目的に、何をどうして、
 そこで何に対して困っているのか、何が知りたいのか?」
を、まずは自分がわかるまで
十分に聞き取ることなんですが、
それを相手に対して失礼だと思ってしまったり、
「キミ、この意味がわからないの?」と
お客様に軽蔑されたくないような
見栄やプライドがあったりすると、
なかなかそこを打破できません。


でもね、私、新人さんには言うんです。


お客さんは何かに困ったり、
早急に知りたいことがあって、
電話をかけて来ているんでしょう?


だとすると、お客さんが一番欲しいのは、
「問いに対する正しい解答」でしょう?


その解決のために、こちらからいろいろ質問するのは、
お客さんの意図に十分合っているし、
そのためには絶対必要な作業じゃない?


だったら恥ずかしくもないし失礼でもないし、
むしろお客さんの望むところだと思うよ。


そんな風に言うと、たいていの新人さんは、
「あぁ、そうか。なるほど…」と納得して、
「聞き取り」に対して、不要なストレスを持たなくなります。
もちろん、人によっては、そう理解できるまでに、
少し時間がかかる人もいますけどね(笑)。


だから、教え方として大切なのは、
「十分聞き取りをしないとダメ」
と、決まっている規則のように繰り返すのではなく、
「何が大事かよく考えてみてね」
という本人が納得するための誘導だと思うんです。


そして、OJT期間中っていうのは、
まさにそこの訓練だと思っています。


つまり、職場全体の価値観、優先順位、
最善の対処法、立ち居振舞い、
そんな「業務知識」以外のところを身に付けてもらい、
集団の中の自立した一員として、
同じ意識で仕事ができるようにするのが、
一番肝心だと思うんですよね。


実は、そこさえ確立してしまえば、
あとは放っておいても大丈夫なんです(笑)。
べったり横について、いちいち指示出しする必要なんて、
何にもなくなっちゃう(笑)。


    *    *    *    *    *    *


菅原君も、洞口さんも、この数日間のうちに、
本当に、いい質問の仕方をしてくるようになりました。
質問が、以前のようにコマ切れじゃないの(笑)。


「お客さん、昨日、○○という商品を買って、
 まずは○○をしたいと思って、
 ○○を設定をしてみたんですけど、
 パネルに○○のエラーが出て、
 うまくできないそうです。
 でも、そのエラー番号って、オレ、
 始めて聞くんですけど…
 これ、研修で教わりましたっけ?…」


うむ、合格!!!
そこまで聞き込んでから尋ねてくれると、
教える側は、彼を通してお客さんの状況が
手にとるようにわかります。
(当然、キミにも見えているはずだよね?)


菅原君、それね…商品違うわ(笑)。
その番号が出るのは、○○という商品だから、
お客さんに商品の実物に記載されている品番を
その場できちんと読み上げてもらって。
(形が似ているから、お客さん、
 カタログだけを見てよく間違えるんだよね。)
それで本当の商品名がわかったら、
あとはエラーリスト見て回答できるでしょう?


わっかりましたぁ~!


てな具合(笑)。
ここまで来れば、よほど難しい質問が来ない限り、
助言を仰ぎには来なくなる。
聞き取っているうちに、状況が見えてきて、
「なぁ~んだ、そういう事を言っているのか!」
と、自力で気がつくこともどんどん増えてくるんだよね。


あっという間にたくましくなったなぁ…
洞口さんも、菅原君も、表情が生き生きしているよ。


「ぷらたなすさーん、お客さん、
 『書類送ったけどその後どうなってます?』
って聞いてますけど?」


菅原君、書類って何?何の書類?
いつ、どこに送ったって言っているの?
『その後どうなってます?』ってどういう意味?
ウチに何かを申し込んだの?
それとも何かの登録情報の変更?
お客さん、「なんか変だ」と思って
問い合わせしてきている様子があるなら、
何をどこに送って、
どうしてそう思ったのかを聞き出さないと、
私も回答できないよ?


こんな風に叱られ叱られ(笑)、
汗だくで対応していたのが、
本の少し前とは思えないですね。


また、洞口さんは、手際の速さに磨きかかり、
お客さんの話を聞きながら、
自分のパソコンやシステム端末で、
必要な情報はあっという間にすべて揃えて
対応している。


ここを開いておかないと、「自分が困る」
と、十分わかってきたんだね。
あとは、訛りが取れれば
第一段階はクリアだな(爆)!


新人さんて、本当にここまで来ると、
知識不足で回答ができなかったり、
勘違いして回答を少し間違えてしまっても、
それは重要なことじゃなくなるんです。


「『正しい』回答を、『早く』伝えるのが最優先」
とするならば、間違いを恥じてお詫びを躊躇するよりも、
一刻も早い訂正を心がけて、
例えお客様に怒られても叱られても、
優先順位に応じた行動を取るべきだと思うんですよね。


そういった絶対的な発想の元に、
「間違ったら私がすぐに
 お詫びと訂正の電話をかけてあげるから
 連絡先だけは必ず聞いてね。
 いい?最悪、回答を間違えるよりも
 連絡先を聞かないことのほうが
 厳禁だからね?」
と言ってあるので、それだけは守ってくれています。


結果として、すみやかにお客様に
正しい回答が伝われば、それでいいんですよ。
(本当はよくないけど(笑))


彼らにその発想が身につけば
間違いに後で気がついても、
自分でコールバックしてすぐに撤回できるので、
"最悪"、回答ミスによる苦情にはなりませんし、
これからも、そのスタンスは保ってくれるでしょう。


間違いはないほうがいいに決まっていますが、
間違いの無い人間はおりません。
だから、間違いをなくする本人の努力とともに、
間違いを発生させない運用の工夫や、
間違ってしまったときの対処法に対して、
共通の意識と理解のある雰囲気も大事だと思います。


(つづく)

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コメント

折角の職場で浮くっていうのは勿体ないことだと思います。
自分をかたくなに守るんじゃなくて、職場に応じて自分を破壊して再構築する方が自分もバージョンアップできて、本人、職場ともお互いにハッピーだと思うんですがどうでしょう?

すいません。
先のコメントは「結局みんな現場が好き」に書いたものです。
間違えました。(><)

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