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2005.12.25

対話のチャネル

【過去記事一覧】~after Asperger~
・アスペルガー症候群 ・私達の困った性格 ・アスペルガーな人々 ・アスペルガーな日々 ・アスペルガーなつき合い方 ・アスペルガーな考察 ・ASをめぐる夫との会話 ★対話のチャネル ・アスペルガーな研修 ・アスペルガーな現場 ・アスペルガーな新人 ・やっぱり阿吽の呼吸ナノダ ・ASを伝えるほどに広がる誤解 ・羹に懲りて膾を吹くか…? ・彼は本当に立ち上がれるか? ・NGでも走ってみることにしたが ・読めない人 ・面接するほうのキモチ ・厄介な人(1~12) ・Mindblindness?自閉症について ・うちの亭主のメールも変(笑) ・連敗中!句読点をつけない人 ・アスペルガー症候群と犯罪 ・自閉症的なスタッフの指導 ・誉める事・評価する感受性 ・なぜ危機感にこだわるのか ・アスペルガーなユーザーサポート ・やっぱダメかな… ・その人の退職 ・お互い不幸にならないために ・この新人さんは断ろうと思う ・事前研修の私の今後の課題

私は、医療や福祉の関係者ではない。
ましてや、アスペルガー症候群(AS)の研究家でもない。
50余名のスタッフ管理業務に就く、ただの一市井人である。

なのに、一度ASを知ってしまうと、
それらしきスタッフさんには、妙に嗅覚が働いて、
「この人はきっとそうだろう。」と、
自分にしかわからない確信を抱いてしまうのは
なぜだろう。。。

すでに自分の中には、確固とした物差しがあって、
特徴をたくさん持っているのに、「彼女は違う」と断言したり、
「AさんとBさんでは、全然違うでしょう?」と人から言われても、
自分としてはやはり、「どちらも同じASさんだろう」と、思ったりする。

仕事仲間に話しても、わかる人にはすぐわかる。
わからない人には、いくら言葉を尽くしてもわからない。

それは、もしかしたら、
医療的な診断結果とは異なるものかもしれないので、
本当は、あまり「アスペルガー、アスペルガー」と、
障害名を明記するような日記は書きたくないのだ。

アスペルガー症候群の事を
「アスペ」と略して呼ぶのも嫌い。

語感のイメージによるものだと思うが、
「ぺ」で終る言葉には、
どこか蔑視がこもっているようで、
個人的に使いたくない。
なのでAS。こっちの呼び方のほうが、
余計な感情を相手に与えず、
符号のように無機質な表現で、好き。

が、いろいろ考えるところはあっても、
日々に湧き上がってくる思索は止めようがなく、
最近では、PCに向かうとその話にばかりなってしまう事を
ご容赦願いたい。

それにしても、アスペルガー症候群を知って
まだひと月ちょっとにしかならないのに、
さもわかりきっている人のように、
他人をこうまで振り分けて、選別しちゃうその根拠は
私の一体どこにあるんだろうね。

危険じゃないか、だいたい…
ヘタしたらこれって、人権侵害だよ^^;。
きっと、ハラハラしながら読んでいる人もいるに違いない。。。

    *    *    *    *    *    *

ASではないか?と感じてしまう人達の事を
私はこんな風に分析しています。

「コミュニケーション情報を1チャネルで通信する人達」

    *    *    *    *    *    *

先月、ASと思われる班長の班に入れた、
新人の香川さん(30代後半/男性)に
「班長は親切にいろいろ教えてくれる?」と、聞いた所、
「大丈夫ですよ、今のところ、全然問題ありません。
他の人がいろいろ言っているのも事前に教えてもらいましたし
確かに良くないウワサも聞きますが、
オレ的には問題ありません。」と、言ってくれた。

彼のように分別ある大人で、しかも理系の人には、
まだ、ASを理解できる下地があるのだろう。
その香川さんが、こういった。

「彼って、マルチタスクじゃないんですよね。」

そーなんだよ。なるほどね!
うまい言い方だなぁ。。。
(その言い方が、あったか。)

    *    *    *    *    *    *

通常、私達は、他人と会話するとき、
2チャネル以上のセッションを確立させて、
相手と話をしていると思う。

そのうちのひとつは、
言葉が表す客観的な意味の内容。
もうひとつは、相手がその言葉を
発するに至った根拠の読み取りだ。
それは、相手の感情だったり、
会話自体の目的だったりする。

※データ(20番)と制御(21番)でポートが分かれる
  FTPに似ていますよね。

============
例えば、仕事を終えて相手と二人で職場を出ると、
夜空に、いつもよりもひときわ大きい月が出ていたとする。

「うわ~!大きな満月!」と叫んだとき、
私達は、ふたつのプレゼンテーションを行っているのだ。

この場合は、
(1)今日の満月は大きい。(客観的な内容データ)
(2)いつもよりも大きくて綺麗なので驚き、感動した。
   (会話の発端になった感情)

だから、その両方のセッションに対して応答がないと、
あまり満足の行く会話が成立しない。

この場合は、「うん!大きいね。きれいだね~。」
とでも、返しておけば、ふたつの事実が肯定されて、
発信者は満ち足りるのだ。

けれど、アスペルガーの人(アスペルガーと思われる人)は、
(1)のチャネルしかない。 (…と、思う。)
たぶん、(2)のチャネルは、発信者が何か働きかけても
キャッチするアンテナがないのかもしれない。

だから、(1)の内容だけを精査して、
「いえ、今日は十六夜(いざよい)ですから
『満月』では、ありませんが?」
なんて、表情も変えず、ニコリともせずに返してくるのだ^^;

発信者は、(2)感動 に対する
同調のリアクションが得られなかった上に、
(1)データ をあまりにもあっさり否定されたので、面白くない。
しかも、イザヨイって何?難しい言葉、使わないでよ。

が、心優しい?発信者は、その気持ちを押さえて、
「あれ、そうなの?私、カレンダーとか良く見てないからなぁ^^;」
と、自分側に非を置くことで、相手に敬意を表し、
笑いを取りつつ、穏やかな会話を続けようとする。

この場合は
(1)私はカレンダーを良く見ていない。(データ)
(2)勘違いしちゃった。チョッと照れ臭い。恥ずかしい。(感情)
なのだね(笑)。

でも、やっぱり相手には(1)だけしか伝わらず、
(2)は届かないから、
「カレンダーを見ないと、
今日が何日か全然わからないじゃないですか。
それは改めるべきです。(真剣)」と、来る。

発信者→(1)「……」(無言)(不愉快。返答のし様がない。)
       (2)話が噛みあわないなぁ。
         そういう事を言っているんじゃないのに。
         しかも何よ?その言い方。

受信者→(1)「話はもう終わりですか?」(反応が無いので確認)
       (2) --server down ?--

発信者→(1)「(!!)…あのさぁ…」
受信者→(1)「すいません、ほかに話がないなら、
         電車の時間なので失礼します。
         お疲れ様でした。」

============

と、まあ、こんな感じなんじゃ、ないでしょうかね~。

つまり、続けて書くと、
「うわ~!大きな満月!」(大きな感動)

「いえ、今日は十六夜(いざよい)ですから、
『満月』では、ありませんが?」(冷静な否定)

「あれ、そうなの?(なんだかよくわかんないけど)
私、カレンダーとか良く見てないからなぁ^^;」(照れと羞恥)

「カレンダーを見ないと、
今日が何日か全然わからないじゃないですか。
それは改めるべきです。(真剣)」(批判と指示)

「……」(不愉快)

「話はもう終わりですか?」(無視)

「(!!)…あのさぁ…」(不満の働きかけ)

「すいません、ほかに話がないなら
 電車の時間なので失礼します。
   それではお疲れ様でした。」(一方的打ち切り)

と、感情が一向にかみ合わずに、
気持ちを逆なでされるような会話となる。

発信者がここで、話の接ぎ穂として軽く
「十六夜(いざよい)」を問うたら、
もしかして、「十六夜(いざよい)」について、
誠心誠意の長時間解説をしてくれるかもしれない。
いや、まず、「えーと、どこから話しましょうか?」
と聞いてくるかな(笑)。(発信者、ちょっとゲンナリ(笑))

でも、受信者に悪気は無く、
むしろ親切で言っていることが多いのだ。
そう、つまり思いやりがあって誠実な人が
相手のことを思えば思うほど、
相手の望まない会話となってしまう
悪循環だったりする。

だいたい、このやり取り自体、
さして意味のあるものではない。

簡単な信号を取り交わして、
お互いの信頼関係を確かめ合いたいだけなのだ。
(女性にこの傾向が強い)

なのに、その目的さえも最初から食い違っているように感じられ、
(2)のセッションがパケロスしていることに至っては
より一層の感情的なズレを感じてしまうのだ。

一緒に仕事をしたり、真剣に話し込んだりしたとき、
私自身がそういったやりにくさを実感する人。
それが、私が自分で感じ取っている
アスペルガー症候群の境界線のように思う。
男性に多い、というのもうなずける。
男性は、元々理詰めな生き物だったりするので(笑)。

ちなみに、これは実話ではない。
私の周りのASらしき人達が、
そのシチュエーションならこう言うだろう、
という言葉をイメージしたもの。

わかりやすいように「2チャネル」の例え話をしましたが、
実際のコミュニケーションは、3チャネル、4チャネル…
と、多重発信の事が多く、「言葉」以外にも
声の抑揚、ジェスチャー、顔の表情など、たくさんの情報が
相手に対して発信されている。

それに対して、
どれか一本の通信路しかKEEPできないのであれば、
彼らの言動が、周りとずれて来るのは当然だと思う。
与えられる情報量が、私達に比べてとても少ないんだもん。

そのため、きっと、色彩豊かなこの社会で、
一人だけモノクロの世界に住んでいることに気がつかないような
正体不明の孤独と不安を感じているのかもしれない。

    *    *    *    *    *    *

AS当事者の方のサイトを読むと、
自分が何物なのか…
自分の事なのに、自分を自分で理解できずに、
違和感を覚えたり、混乱したり、
悩んでいる方の日記にたまに出会う。

そうだなぁ…なるほど。
こうやって文章を綴っていても、
私は自分自身と対話しながら書いている。

そういった思考さえも、
自分自身(127.0.0.1/localhost)に対して行っている
たくさんのポートを使った通信であるなら、
使用可能なポートが限られているASの方達は、
自分が自分に提供できるサービスもまた限られている。

もっと別な言い方をすれば、
自分から自分に対して打ったpingに対しても
もし応答が得られないのなら、
自分の生存を自分で確認できず、
混乱するのは、理解できる。

でも、誰もそれを救うことは出来ないんだよ。

が、彼らにはきっと、それを補うように、
この社会で生きていくための、
もっと別な才能が元々備わっているか、
または、長い人生の中で自然に培われて、
持たずに生まれてしまった何かを、
補完してくれているはず、と、どこかで信じている。

神様が非凡で強力な才能を、
ひとりひとりにプレゼントしてくれている事を
願うのみである。

たとえ私が、ASと思える人達に
不採用の判断をする毎日を送っていたとしても。

これに続く日記が、
少し厳しいものであったとしても。

 




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