« アスペルガーな研修 | トップページ | 仕事納め »

2005.12.27

ストレスがストレス

「明日は『仕事納めの会』がありますから…」

と、主任が朝礼で言うのを聞いて初めて、
今が正月休み目前である事に気付いた。

うわ~、仕事も明日で終わりだったのか!
あらららら…と、迂闊だった自分に苦笑する(笑)。

だって、いつもと変わらぬ調子で、
「明日はこれをして、あさってはこうして、次はここまでやって…」
と、週末までにやりたい事を頭の中で整理して、
何の疑問も持たずに、普通に見通しを立てていたんだもん^^;

いや、参ったなぁ(笑)…
せっかく調子に乗ってきた業務研修も、
ここで一端、中断されるのか。。。

現在、仕上げている新人さん達も、
正月休を挟んで、一度リセットされちゃうんだな。
残念だなぁ、つまらないなぁ…
段々いい感じになってきたところだったので、
このままずっと研修を続けたかったなぁ。。。

    *    *    *    *    *    *

本来なら私は今、毎日契約会社の研修室にいるはずだった。

1月の始めに別部署に入れる新人さんの、
事前研修を年内一杯に予定していたのに、
その人が、たった一日研修を受けただけで、
何の連絡もなしに、翌日から来なくなってしまったので、
「これはラッキー!」とばかりにすぐに現場に引き返し、
以後の毎日は、担当グループに先月入った新人さん達の、
業務研修の仕上げを担当していた。

他部署に採用するスタッフの事前研修のために
毎日職場と営業所を行き来して、
本来の持ち場を不在にするのは毎度気乗りしないのだが^^;
今回は、より強く
「今、現場で行われている業務研修のほうに、
できればもう少し自分も関わりたい」と、思っていたので、
「無断キャンセルの新人さんよ、ありがとう!」
と、心から言いたい(笑)。いや、ホント。マジで、マジで(笑)。

それにしても、
時代劇に出てくる「人の出来た」呉服屋の主人のように、
がっちりしているけど、柔和な人柄。
穏やかな笑顔と丁寧な言葉遣いで、
思い切り腰の低い人だったなぁ。
(細川さんは、「売れないホスト」と表現したけど(爆)!)

たとえ、そこに好感が持てたとしても、
人と違うパフォーマンスがある、という時点で、やはり、
「個性以上の何かがある人物」とみて
用心深く接したほうがいいんだろうね。
なるほど。メモメモ

「何度携帯に電話しても、"呼び出し音"だけなんですが…」
と、申し訳なさそうに契約会社の細川さんが話すをの聞いて、
「いいよ、わざわざこっちから連絡なんか取らなくても。」
と、言い捨てた。

どうせ、もう二度と顔を見せることはないだろうから。

企業さんにはすでに名前までお伝えしてあったのだが、
今日、営業のメグちゃんが正式に課長に詫びを入れて、
人選は、来年頭からの振り出しに戻った。

って事は、次の面接までは身が空くのね?やった~!
ほんじゃ、担当グループの新人さん達をじっくり自在にいじって、
もう少し、業務に適したマインドを持つスタッフになるように、
「本物の?故障屋魂(だましい)」を吹き込もう(笑)♪

いくら業務統合があったとしても、
故障屋(特定商品の不具合診断と修復サポート)の伝統は
保っていたいよ。

今度の新人さん達は、24時間交替制契約なので、
元:トラ管(トラブル管理室)出身のスタッフ達が、
自分達の仲間として受け入れ、面倒を見ることになる。
こいつはまさに、元:トラ管班長のアタクシの出番なのだ!
てやんでぇ、腕まくりしちゃうぞー(笑)!

    *    *    *    *    *    *

…という按配で、水を得た魚状態の今日この頃、
新人さんのひとり、洞口さん(30代前半/女性)
が、吐き気を理由に休んだ。

あー、そうそうそうそう。それもあったの。
こうなる前に、手を入れたかったんだよ!

洞口さんは、私の個人的な感覚だと、
アスペルガーさん(これっばかりですみません)と、
普通の方の中間みたいな感じ。
どちらかと言えば、アスペルガーさん寄りかもしれない。

ただのうっかり屋さんとは違う、
とんちんかんなところがやっぱりちょっとあって、
アスペルガー症候群という、
一見障害とはわからない、
職場の「困ったさん」の存在を
私が初めて知ったとき、
ものすごく思い当たる何名かのスタッフさんと共に、
彼女も、限りなくグレーゾーンだなぁ…
なんて、思っていた。

昨年、就業初日に「見て、見て、可愛いでしょう♪」
と、仕事中のおエライ部長にいきなり
ペットの写真を持っていった百子さん(40代後半/女性)に、
どこか似ているオーラを持っていた(^^;。
(年齢や外見・雰囲気は全然違うんだけど…)

「研修が終わって現場に入ったら、欠勤の連絡先はこっち!」
と、契約会社のホワイトボードに大きく書いて、
職場の電話番号を教えたのに、
彼女だけは、何度言っても相変わらず、
私の携帯に、お休みの連絡を入れてくるのだった。。。

アスペルガー症候群の事を初めて知ったのは
まさに彼女達の研修の真っ最中(中盤)だった。

その組には、彼女のほかに、
「だったらこの方の今後は非常に厳しいものだろう」
と、強く確信できる男性スタッフがほかにおり、
そちらの人のほうを、先にお断りしたので、
この上、彼女まで断ってしまって、(気持ちはあった)
結果、約束した人数に、二人も人が足りない、というのは
ここまで就業日が迫ってしまうと、
契約先企業さんに対して、さすがに言い訳が立たず、
最高にマズイのだった。
(このあとに、研修と人選の順番を入れ替えた)

私は主任に相談し、研修の進捗の悪い人が居るので、
現場入りを遅らせて様子を見たい、と言った。
本音は、その間にダメ元で人の交代に賭けてみる為の
時間の猶予が欲しかったのだ。

が、主任は主任で一刻も早い実績数の回復を
上部から強く迫られており、いろいろな計画書も出しているのだろう。
「約束した人数が○日に揃わないのは絶対にマズイ。
できない人は、現場でじっくり育てたらいいじゃないですか。」
と、建前としての「人数」にとてもこだわった。
その気持ちもよくわかった。

「できない人」って言ったって、様々だよ。
が、やはり、イチかバチかの成長を願って、
このまま入れるしかなかった…
(研修しても一定のレベルに届かなかった人がいる、って、
私、ちゃんとあなたに言いましたからねっ!主任?
ちゃんと覚えていてくださいよ?)

経験者さんなので基礎があると思っていたが、
習熟の度合いが、初心者である他の人達よりもかなり遅く、
作業は、隣の人に聞き聞き、周りに着いて行くのがやっと。
今まで、物事の原因や仕組を根本的に
理解できないまま仕事してきた人のように思う。

    *    *    *    *    *    *

洞口さんが、特徴的なアスペルガーさん(以下ASさん)
と、明らかに違うところは、外から感情が読み取れるところかな。

自分と周囲とのレベルの差をはっきり自覚している。
そして、「追いつかなくては」という、切羽詰った気持ちがある。

が、焦っている、困っている、危機感を持っている、混乱している…
そういった感情が見える分だけ、
まだ見込みがあるように私は思った。
だって、ほかのASさん達は、どんなに周りがイライラしても、
その原因が自分にあるなんて、
一向に気がついている様子が外見からは感じられないんだもの。

(今思えばそれは、単に男性のASと女性のASの違いなのかも。)

でも、もしかして、中途半端なASさんであることは、
「筋金入り」の特徴的なASさん達よりも、
「普通」に近い分だけ、
どっちつかずの不安定さがあって、
逆に心と体のバランスが悪いのかもしれない。

私には別の予定が一杯入っていて、
若い人に任せきりにするしかなかった業務研修の
実際の雰囲気がどんなものだったかは想像がつかないが、
最近の洞口さんは体調を崩し気味で、
日を追って欠勤が増えてきた。
出勤のたびに、顔つきまで変わってきていた。

あ~、まずい、まずい。まずい。
これは、完全にストレスなどで
健康な精神を失ってしまっている人の顔だ。

例えば、自分よりも高スキルのスタッフ達から
激しい突き上げを食らって苦しんでいるときのヨッシー班長。
(正社員への転職を目指して11月に退職。)

例えば、着任したての新米上司なのに、
古参の社員達から無能と批判を浴び続けて
どうしたらいいかわからなくなり、
混乱し始めたときの鈴木前課長補佐、赤石前主任。
(共に一年足らずで転勤、または他部署に移動。)

例えば、クライアント企業さんとのトラブル続きで、
毎日先方の担当者から罵声を浴びせられていたときの
前の会社の営業担当。
(夫のいるスタッフとの不倫がばれて(^^;退職。)

これらの人達がある時期に見せた顔つきとまるで同じだね。
寝ぼけている人のように、何かが普段と違う生活感のない目と
乏しい表情。これは本当に、ヤバイときの顔つきだよ。

    *    *    *    *    *    *

私に担当を変えてもらった、業務研修の初日、
私は…、妙に窮屈で、重苦しくて、
みんなの心が全然開放されていないムードを感じた。

マジメでちょっと臆病で責任感の強いレイちゃん自身の
「育てなきゃ…育てなきゃ…」という班長プレッシャーが、
みんなに乗り移ってしまっているんでしょうかね?

うちのスタッフって、
やんちゃで天真爛漫なところが持ち味なのに、
なんだよ、この、重く淀んだ空気と閉塞感は。

いじってもいじっても、
心からの明るい笑顔が全然出てきませんね。
いったいどうしたことでしょう。
こっちまで、気分が滅入って来て、
塞ぎ込みたい気持ちになる。
全然、楽しくない。むしろ息苦しくて辛い。

しかし、今日、洞口さんが休んで初めてわかった。
この重い空気の原因は、洞口さんだったんだ。

    *    *    *    *    *    *

洞口さん。

クイズ形式で、確認しあっている私の質問に対して、
今も、あまり満足に答えられない。
そして、実践の練習の為に課した課題で
手助け無しに自力で完了できたものは、
ひとつもない。

たいてい、思考が途中でこんがらがって、
自分の中で時間が止まってしまってしまう。

洞口さんの番になると、私は難易度を落とし、
彼女でもすぐに答えられそうな質問に切り替えて、
質問→回答→正解!という、
スムーズなコミュニケーションを取って
日々、それを積み重ねて行きたかったのだが、
その機会は、結局まだ来ていない。
(必ず、どこか間違える。)

そういった彼女の空回りと、それを見ていると、
自分達まで辛くなってくるみんなの気持ちが、
明るく楽しく、晴れやかな風の吹かない、
沈鬱な研修の空気を作り出していたのだ、と思う。

ひとりだけ、できなくて辛い状態の人が身近に入ると
いろいろ気を使ったり、話題が限られたりして、
誰もが本来の自分の良さを、
なかなか自由に発揮できないものだ。

※思えば、私自身も
班長の重圧に苦しむレイちゃんの存在が
ずっと心の重荷になっていて、
彼女が休んだその日、
開放感にあふれて伸び伸びと
闊達に振舞っている自分を自覚して、
彼女のストレスが、自分のストレスになっていることに
気がついたばかりだった。

そして、洞口さんが居ない今日、
新人さん達はどうだい?
私のジョークに皆が笑い、
私の突っ込みに皆がやり返す。

"慣らし"のため、一人ずつちょっとだけ実務に入れて
一時間経ったら選手交代で、
また研修室に復習に戻って来るトレーニングを繰り返させると、
「突撃決死隊」とかなんとか言って(笑)、
一時間後に、「やられた~」と、腹を押さえる迫真の?演技で
倒れこむように戻ってきたりする(笑)。

「わかった。死ぬんじゃない。
待っていろ、おまえの仇はオレが必ず打ってやる。
(ほんじゃ、タッチ交替!)」って、馬鹿か?あんたら?(爆)

今日の終わりは、まだ座席のない新人さん達が、
研修室に残ったまま、いつまでも本日の自分のエピソードを
ジョーク交じりに語り合っていて帰らず、その盛り上がっている感じが
まるでサークルの部室のようだった。

    *    *    *    *    *    *

洞口さん。。。。

洞口さんがいないと、みんな、こんなに明るいんだよ。

みんな、とてもいい人達だから、
洞口さんが辛いと、気になって自分達も辛いんだわ。
洞口さんのストレスが、みんなのストレスなんだわ。

こうやって、異質な人は少しずつ集団の中から
自然にはじき出されていくんだろうな。

良くない例えですが、
気管支に入った異物が押し出されるように、
目の中に入ったゴミが、やがて涙で排出されるように、
人間の集団も、そういう摂理になっているとすれば、
責められるべき人なんて、実は誰も居なかったりするのだ。

きっと洞口さんは、明日も来ないんじゃないかな?
と、ふと思った。

 




スポサーリンク

« アスペルガーな研修 | トップページ | 仕事納め »

.ビューティフルヒューマンライフ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54136/7866338

この記事へのトラックバック一覧です: ストレスがストレス:

« アスペルガーな研修 | トップページ | 仕事納め »

スポンサーリンク



ウォーターサーバー売上No.1

  • RO水/回収硬質ボトル/法人客多

ウォーターサーバー売上No.2

  • RO水/回収硬質ボトル/法人客多

ウォーターサーバー売上 上位

  • 天然水/使切りボトル/個人客多

ウォーターサーバー売上 上位

  • 天然水/使切りボトル/個人客多

ウォーターサーバー 3位争い

無料ブログはココログ