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2005.11.02

目が見えてくる

今週は、新人の悟さん(30代後半/男性スタッフ/仮名)
にずっとついている。


同期の二人と
あまりにスキルがかけ離れていたせいで、
一ヶ月近くもあった
実習主体の現場研修に
すっかり取り残されて、
途中からついていけなくなってしまい、
膨大な時間をかけた割には、
一切何も身についていないのでは?
と思われる、ちょっと可愛そうな人です^^;。


先行の二名は先週から
研修担当のサポートを受けながら実務に入りましたが、
悟さんは、とてもとてもそのレベルに至らず、
これ以上の三人同時育成は困難と判断、
「おひとり見ましょうか?」
「すみません。助かります^^;…(研修スタッフ)」
と、私が横につくことになりました。


生真面目すぎて、少し風変わりな人。
同じ新人さんでも、
「初心者でもできますか?」
「メモとノートとタイピング」の、ひとつ前の組の前原君
(20代後半/男性スタッフ/仮名)が、初心者ながら、
物事の本質を見抜くセンスを持っていて
ぐんぐん成長していっているのと違い、
悟さんは、とてもそこには至らない。


前原君にはSEの友達がいて、
その彼から得る様々な情報で、
比較的諸所の実情にイメージがあるのに対し、
悟さんは、PC歴数年の割には、
文章を一行右クリックしてコピーするのも
きちんとできなかったほどで
(たぶん右クリックをほとんど使ったことがない)
本っっ当に今まで、周囲に詳しい同僚も友達もなく
PCもそして自分自身も、
スタンドアローンでやってきた人なんだなぁ…と、
痛感する。


    *    *    *    *    *    *


それじゃ、復習から行こうね。
お客様が、突然○○ができなくなった、と言ってきた。
特に何もいじっていない、とおっしゃっています。
そういうときに、真っ先に確認していただくのはどこ?


契約番号です。


いえいえ(笑)。(ガーン…)


あ、お客様の連絡先…?


悟さん?今日のトレーニングは
解決方法の練習だから、
話の内容を良く聞いてね^^;


突然、できない。突然…できなくなった…


たぶん、彼の頭の中は真っ白で、
今、何の情報もないんだと思う。
本当は正社員と研修スタッフが
三回やってくれているはずなんだ。
でも、その時は言われたとおりにできても、
目的への深い理解がまったくないと、
完全にその場限りの意識になっちゃうんだよね。


「悟さん?やったはずだよ?覚えている?」


……


「たぶん、ノートにも書いてあると思うよ?」


慌てて、シャカシャカとノートをめくっている。
でも、たぶん、無理(笑)。


「悟さん。パネルの確認って教わった?」

「パネル…パネル…」

「覚えてない?」

「はい。…パネル…??…なんでしたでしょうか?」

「ランプがどうとか、教わらなかった?」

「あー…なんか言われたような…」


一ヶ月研修してこれでは、
短気な人なら腹を立てるだろうね(笑)。
昨日は一日そんな感じ。
とてもとても実務どころではない。
すべてが一からの説明で、
研修の開始時と一緒。
まるで、今までの一ヶ月は無いのと同様で、
今日から始まった研修のようだ。


    *    *    *    *    *    *


何も記憶が無いので、
ノートに書いたことさえも覚えていない。
どの資料を見ればいいのか、
いやその前に、確認すべき資料が
手元に存在することさえ忘れている。
これは、久々に2月の亜美さん以来のツワモノだな~(笑)。


ほんじゃ、亜美さん方式で行こう。
本来なら履修済みで答えられるはずなのに、
(先行の二名は余裕で出来ている)
答えられなかった質問を詳細に書き出していく。


パネルって何?
記憶に残っている×
パネルがなんだかわかっている×
確認方法を覚えている×
ノートに書いた部分を見つけられる×
説明が載っている資料を特定できる×
資料の中から該当の記載を探せる×


それを今日、もう一回やってみる。
「できる?」「昨日やったので覚えています。」


でも、案の定、曖昧^^;。
暗記が出来ていないのに、頼るべき資料は
冊子の特定にも、該当ページを探すのにも、
「あれ?…あ…あ、こっちか?…」なんて、
すごーーーーく時間がかかっている。
でも待っている。自力で完了するのを待っている。
「できる」と断言した自分の意識が
どれほど現実と違うものかわかって欲しいから。


20分も経ったかなぁ…
「ここです」とやっと資料のページを指差しながら、
「突然○○ができなくなったときは、
お客さんにパネルのランプの状態を見てもらう!
ランプが○○だったら…(以下省略)」


はい、正解。
でも悟さん、予定では「今日から実務」
となっているけど、20分はかかりすぎだよね?
そう思わない?(はい、思います…)


だったらさ、どうして資料を手元に置かないの?
なんで、全部引き出しに入ったままなの?
それに、昨日せっかく見つけたページに、
どうして線を引かなかったの?
なぜインデックスをつけないの?


 ………


「すみません。。。」とつぶやいて、
そのまま、資料を閉じようとしたので、ちょっと強く、
「閉じないで。今、ここでマーカーを塗って。
今、私が見ているこの場で、そこのインデックスを貼って。」


ついでに、立ち上がって
周囲の先輩達の机を見回してもらう。
それぞれ、自分が手に取りやすい場所に資料類が置かれ、
色分けしたりシールを貼ったり、効率を考え工夫されている。


どの人も皆、お客様からどんな質問がきても、
すぐに回答できるようになっているが、
それは、そうやっておかないと「自分が困る!」と、
各自が明確にイメージできているからで、
自分の窮地を自らが予測できないと、
適切な準備さえできないのだ。


そ。わからない事は別にいいのよ。
初心者の人なら、それもありがち。
でも、大切なのはそれを主体的に工夫し改善していく
取り組みの意識だと思うんだよね。
わからないときは、調べられるように。
探し物は、すぐに見つかるように。
遅いものは早くなるように。


まずは、一ヶ月も時間をかけながら、
何一つ身になっていない自分の姿と
相対的なレベルを肯定して欲しい。


今回は、待って、待って、待って、待って…
最初はとにかく何が何でも
できるところま自力でやってもらって、
万策尽きてギブアップしたときに、初めて
自分の口から「すみません。わかりません。」
と助言を仰いできて欲しいわけです。
それを情けなく感じたときが本当のスタート地点。


でも、今日はちょっときつかったかな~^^;


    *    *    *    *    *    *


「わからない事があったら言ってね。
いつでも時間を取って補習するから。
恥ずかしい事でも、どんどん聞いてね。」
常にそういい続けていたのに、
彼が私に、質問に来ることは一度も無く、
ノートは持ち歩いて目を通しているようだったが、
手を動かして資料をまとめたり、
PCを使って作業練習しているのを
見かけたことは無かった。


が、今日は
「ノートばかり眺めて理解したつもりでも
実践の役には立たない…」と、
やっと気がついてくれたようだった。
そうなのよね。教科書ばかりを熟読しても、
問題を解いた経験が無ければ、
試験には合格できないもんね。


今日の終業一時間前に、
悟さんは、私のトレーニングにストップをかけてきた。


「あの、ぷらたなすさん、
今までいろいろ研修とか教えていただいて
大変失礼なんですが、
ワタクシ本当に全然わかっていなくて、
えーと、申し訳ありません。
ただ、今、思ったんですが、
今日実務の練習を実際にやってみると、
このたくさんある資料が、何がどれなんだか、
全然自分の中で…こう系統だっていないっていうか…
とにかく、頭の中がさっぱり整理がついていないんです。」


「それをこう、自分がわかるように一度まとめて
一覧表にしたいっていうか…」


「(笑)、でしょ?まとめたくなるでしょ?
それを~、今まで「やってね?」って
何度も言って来たの!(笑)」


「はい。意味がわかりました。」


「じゃ、今から一時間やる?」


「はい!」


あ~、つながってきたんだな~
目が見てきたんだな~…と思う。


でも、一覧表…
エクセルで作るのかと思っていたら、
なんと、メモ帳に文章で入れている!^^;


これじゃ、やっぱり一目でわかりにくく、
実践では役に立たないけど、
まぁ、いいや。言うのは良そう。
明日、トレーニングを開始したら、
自分の作ったものが、全然現実的じゃないことに
すぐに気がつくはずだ。
そうやって試行錯誤を繰り返しながら、
情報の整理の仕方と作業効率を意識してもらえばいい。


今の私の役目は、手際の悪さに苛立ったり、
自分で考える時間を与えずに
すぐに横から正解を与えてしまう、
他のスタッフ達から彼を遮断することだね(笑)。


「もっと良く、もっと詳しく、もっと早く…」
と、自分が自分に対して思えるように、
今のうちにたくさん失敗し、
たくさん後悔して気がついて欲しいの。


ま、それが「お年寄り」の役割なのですが(笑)、
自分の新人の頃とすごくよく似ている悟さんに^^;
「大丈夫!必ずわかるようになるから頑張ってね!」
と、心の中で声援を送っています。

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