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2005.10.09

氏育ち

病気系のネタが続きます。


職場の由真ちゃん(20代後半/女性/仮名)から、
喉にポリープができたので、手術が必要になった
と、報告を受けた。


なんと言っていいかわからず、
「そうなの。。」と、顔を見た。


勘ぐりすぎではあると思うけど、
歌手や電話対応の仕事をする私達のように、
歌ったり話したり、
声を使う商売の人間の喉にポリープができるのは、
仕事に疲弊してきて無意識に拒否感が出てきたか、
あるいは、「お仕事休め」のサインであるかもしれないと
思っている。


    *    *    *    *    *    *


由真ちゃんは、
某業務の男女半々8人の立上げグループに
後からひとりで入った人だ。


先輩達全員とは一年の差があるが、
差があるのは年数だけではなかった。


そうだなぁ…雰囲気って言うのかなぁ…
(たまたまなんだけど)他の3人の女の子達は、
短大や4大を出ており、組織で働いた経験も豊富。
OLさんとしても普通に働いていけそうなムード。


でも由真ちゃんは申し訳ないが高校も少々下のほうで、
キャラ的にも事務系はあまり似合わないかも。


とてもよく気がつくし努力家で
気立てのいい心優しい女の子なのだが、
製造業や食品工場などで、
パートのおばちゃん達にひとりだけ若者が混じって、
「ほらほら、由真ちゃん!」と世話を焼かれながら
仕事をするのが似合いそうな雰囲気だ。


実際、職歴もそんな感じだったと思う。
少々がっちりした外観や顔立ちが、
機敏には見えない誤解も与えていて、
私はルックス的に非常に損をしている人だと思う。


ご実家は確か酒屋さんだったかな?
商売屋の娘さんにしては、世慣れた小賢しいところがなく
お客様対応はウラおもて無しに親身でとても丁寧。
たぶんお年寄りには
大いに愛される人なのではないかと思った。


    *    *    *    *    *    *


昨年、由真ちゃんは人間関係に悩んでいた。


どうしてもグループの人達に
溶け込めない…というのだ。


そうだよなぁ。。。
最初から同期で入った仲間同士というのなら別だけど、
立ち居振舞いがインテリジェンスなお姉さま達とは
雰囲気が違いすぎるもんな。
(といっても、年齢に大差はない)


むしろ、そのインテリジェンスなお姉さま達の
大人の優しさと受け入れに大いに期待していたのだが、
由真ちゃんは、見ず知らずの集団に入っていくときには、
ひたすら自分を低くして相手に敬意を表する手法をとるために、
いつまでたっても、一向に垣根が低くならないのだ。


受け入れるほうが自分達と同等の仲間と思っているのに、
肝心の本人から敬語が取れず、無意味で他愛ない世間話にも
「すみません」「気をつけます」「アドバイスありがとうございます」
という自分と相手に線を引いた態度では、受け入れ側のほうにも
打ち解けてもらえない気持ちが残るし、
逆に先輩風が途端に強まる。
「あたし達は仲良くしたいのに、向こうのほうで勝手に
上下関係という壁を作っている」という話も何度か聞いた。


かと思うと、意外なほど頑固な面もあって、
先輩達が、効率のいい仕事の進め方を教えても、
頑として、試そうとしなかったり、
「何度言ってもやらない」事柄も、あるらしい。
難しいね。ふぅ~。。。


    *    *    *    *    *    *


実は、由真ちゃんには「いじめられっこだった」という
コンプレックスが根強くあるんです。
だから異質と感じる相手に対しては、
いつも自分を蔑んで、
他人の足元にひれ伏すような関わりしか
結べないのかなぁ。


オタクな友達はそれなりにいるみたいなので、
職場でもそれっぽい柔和な男の子とは
抵抗なくタメ口がきけるようなんですが、
そうでない冗談好きな男の子が、
ボケと突っ込みを期待して
「誰ですかー?この落し物~!」なんて大声出すと、
「ごめんなさい…すみません、すみません、…」と
本気で身を小さくして謝って取りに来るので
その子もつい言っちゃうのね。


「由真さーん、オレがボケてんだから、突っ込めよ~!」
一瞬、由真ちゃんがぽかんとすると、
「だから、場を読めって~(笑)」(一同爆笑)


これもビミョー。たいていの女の子なら
「あーーーっ、それ私のっ!」とバタバタ取りに来るし、
わかっているのにふざけて掲げられたときは、
「ちょっとっ!」とひとこと言って
無理やり手から取り返したりするのに
由真ちゃんのリアクションひとつで、
なんだか自分達がいじめっ子になってしまったような、
いやーな気分だもんね。


会話や行動で、共通の意識の元に
思い通りのリアクションが帰ってくるって、
コミュニケーション上、大事なことなんだよね。


集団の和や心の交流は、
「こういったら、こう返してくるだろう」といった、
予定調和の上に成り立っていたりもするのに、
そこをハズしたリアクションが多いと、
なかなか同じ目線では仲良くなれないのかもしれない。

    *    *    *    *    *    *


一度、由真ちゃんを叱ったことがあった。


泊まり勤務だった由真ちゃんが
朝一番で出社した私にいろいろ質問をしてくるので、
どうしたの?と聞いたら、
お客様に出すメール回答をまだ仕上げていないとの事。


だったら、グループは違うけど、
同じく泊まり勤務だったQ(30代前半/男性/仮名)に
夜のうちに聞いてみれば良かったのに。
実際に内容を聞いたら、それはQでもわかる事柄だった。


「え、でも、Qさん仮眠しているし起こしたら申し訳ないし、
それになんか、あんまり話したことないのでちょっと怖くて…」


「ちょっと、由真ちゃん!由真ちゃん今って仕事中でしょ?
このお客様からのメールの返信文を朝までに作るのは
由真ちゃんの当番でしょ?やらなければいけない業務でしょ?
それは『申し訳ない』とか『怖いから聞かない』、という話とは
ちょっと違うんじゃない?」


「でも、私、なんかやっぱり怖いんです。
日中でも、隣に座った同じグループの○○さんに
『なんだよ、これ~(笑)』って言われると
何も言えなくなっちゃって、謝るしかできなくて…」


「でも、他の人は、「どこが文句あるのよっ!」って
やり返しているでしょう?


「気に食わないなら、あんたが直してよっ!」って
Kちゃんなんか、つき返しているじゃない?
あれは、○○くんが、そう突っ込み入れて欲しくて
いっているところもあるんだよ?
仲良くなりたい挨拶なのさ(笑)。」


「でもアタシ、まだまだ新人だし
スキルもみんなほどないし、
そういう事、言っていいのかどうかも…」


「だけど、私から見ると由真ちゃんはそこに
こだわり過ぎて、グループの仲間に
自分から壁を作っているようにも見えるよ?」


AさんやBちゃんのように、
仲良しもたくさんいて、
決して人と仲良くなれない性格ではないんだから
思い切って、言いたいように言ってみたら?
自分を下に置きすぎると、誰とも友達になれないよ?」


ボロボロ泣き出した由真ちゃんにそういって
わかってもらえるのかどうかも不安だった。


しばらくたったその後、「私、もう気にしないことにしました」
「今は、『ウルサイなー』とか普通に言ってますよ?」
というのを聞いて、自分なりに何とかクリアできたのかなと
思っていたけど。。。


    *    *    *    *    *    *


私は公務員の家庭で育ったので、
同じような家庭環境の人とは、
価値観が共通していて
無言で通じ合えるものがあるような気がする。


もっと枠を広げると、サラリーマン家庭で育った人とは
仕事の上でも、姿勢が共通する事が多い。


でも、そうでない家庭の出の人や、
出身校の校風があまりにかけ離れていたりすると、
「自分と同じ発想はないんだな~」と、
やりにくさを感じることもある。
それはお互い様で、私も職場の巡り合わせ次第では
そう思われることもあるだろう。
相容れない集団の中で仕事を続けていくのは、本当は
なかなか辛いことなんだよね。


私も、若い頃にアルバイトした
笹かまぼこ屋さんの本店では
まさに由真ちゃんのようだったもんなぁ。。。
なんか、かつての自分の事を思い出す…


「仕事に支障が出ないように、シフト表を良く見て
入院のスケジュールを調整しました!」
と、笑顔で語ってくれる由真ちゃんなのですが、
由真ちゃんの仕事する幸せって、本当にここに
あるんだろうか?


あまりに健気で一生懸命なので、
そんなことは、口にも出せないのだけれど。。。

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