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2005.06.21

目標は最小限具体的に

金曜日の夕方、
帰り支度をしている物部さんに声をかけた。

「モンちゃん(20代後半/女性)、来週一週間、隣に座らせてね。」
「え?なんでですか?」

こんなときは、誠実に
でも、はっきりきちんと言うに限る。

「本社からさ、ウチの誰かの対応に苦情が来たって連絡があって、
内容と日付で実績票見たら…モンちゃんみたいなのね。。。」
「またですか…」

表情がキッと突然険しくなって、
怒ったように黙っている。
私は先週、この件を重視した課長(30代後半/男性)に、
お客様対応の指導を依頼されていた。

モンちゃんは、話の仕方やお客様への態度が
少々冷たい印象を与えて、
たまに対応苦情を食らってしまう女の子。
それもたぶん性格なんだろうね。

でも、なんか、気の毒にな…ショックだよな。。。
アタシが同じ立場だったら、すごくいやーな気分になるね。
こんなに一生懸命やっているのに、
一体のアタシのどこが悪いのっ?って、
叫びたくなるかも。。。

「実は、最近、この仕事が向いていないんじゃないかと思って
ずっと相談しようと思っていたんです。」
本当に向くか向かないかは、私にはわからない。
でも、クレームを頂戴しやすいスタッフさんは、
たいてい、自分のことをそんな風に言う。

「仕事続けるのを迷っているっていうこと?
うーん…、じゃ、それもまとめて来週に聞くから。」
「…」
「引き止めてごめんね。遅くなるから来週にまた。」

モンちゃんはチャイムと同時にあっという間に帰る人なので、
定時ギリギリに声をかけて、5分、10分…と時間が経つのを
ちょっと申し訳なく思ったのだ。

モンちゃんは自分の身の回りを乱暴に片付けて、
いかにも気分を害した風な、やけくそな感じで
挨拶もせずに早足で帰ってしまった。

こんなときは、ほんっと、ケンカも仕事のうちだよなぁ…
と、苦笑する。仕方が無いけどね(笑)。

    *    *    *    *    *    *

翌週。

「ごめんください…」と、ノートPCと身の回りの書類一式を持って
恐る恐る隣の席に座ってみる(笑)。
モンちゃん、チラリとこちらに目をやるも、笑いもしないぜ^^;。
冷たいヤツだなぁ(笑)。

自分の朝の作業がひとしきり済んで、
やっと手が空いたので、あらためてモンちゃんに話し掛けてみた。

「え…と。おはようございます(笑)。(←一応改まってみる(笑) )
先週お話したように、モンちゃんの対応に
苦情がきたみたいなんですが、
私も詳細は聞かされておりません。」

「ただ、今回は本社から来た話なので、
課長からも、ちょっと様子を見てあげてね、とお話があって、
もし、横で私がモンちゃんの対応を聞いていて、
ここを直したほうがもっと良くなるのになぁ…と、
何か気がつくことがあったら、それはこの場で言わせてね。」
「課長も知っているんですか?」
「残念ながら…」
「わかりました。。。」

そうは言いながらも、今日は十分動揺しているだろうし、
朝から不愉快な気分で一杯のはずだから^^;、
ここで何を言っても、耳を傾けてはくれないだろうな。。。
そんな風に思っていて、たとえ何か気がつくことがあったとしても、
今日は絶対に口にするまい、と、心に決めていた。

隣に私がいるので、今日一日は、
それなりに気を使ってやってくれるだろう。
それがいい感じだったら、「全然問題ないじゃない!」と、
誉めてあげようと思っていた。

でも、それ、やっぱり違っていたかも^^;。
私が隣にいるのに、やっぱりちょっとけんか腰で
お客さんをピシャッと言い負かすような、
強気で高飛車な話し方なんだね。
もともとのクセなのかもしれないね。

    *    *    *    *    *    *

モンちゃんは穏やかに話すととてもきれいな声で
美しい敬語を使う。
波長の合うお客様に当たると、かなり素敵な対応をする。

もったいないんだよなぁ。
ひとつひとつのアイテムがキツめで。。。

でもさ、「優しい話し方」「穏やかな口調」
「感情的でない、冷静で落ち着いた説明」
な~んてあいまいな表現は
もし、自分がそうしていると信じているのなら、
主観的な水掛け論になっちゃって、
何を言っても無駄なんだよね、それ以上。

じゃー、どうするか。。。

やっぱ、誰が見ても「よろしくない」と思われる事を
きちんと具体的に現行犯(笑)で指摘して、
まずは、そこだけ直してもらうのが一番かな。。。

まずは、たった一つだけ守ってもらえば、
それが突破口になって全体が良くなるかもしれない。
つか、本来はスマートできれいな状況解説のできる人なのに、
何で今こうなっているの???

言いたいことは一杯ある。
でも、主観的じゃダメなんだわ。
うーん、どんな突っ込み材料があるかね?

    *    *    *    *    *    *

あぁ、そうだな。

割と「だから!」を連発するね。
これは最低限「ですから」だろうね。

それに「だから!(ですから!)」と繰り返すのは、
こちらの言うことがなかなか相手に伝わらない
苛立ちの感情がこもった言葉なので、
言われたほうは、かなり気分が悪い^^;。

ここが無くなれば、3割ぐらいは穏やかになるかなぁ(笑)。
ま、3割アップならいいっしょ(笑)。

モンちゃんみたいに、頭が切れて理詰めな人は
そもそも「ハートのあるお客様対応」なんちゅう
物差しで計れもしない、基準も無い、
ある意味曖昧で、なんとでも取れる"指導"など
しないほうがいいのだわ(爆)!!(←超割り切りっ!)

はっきり言って、気持ちなんかこもってなくたって、
一見こもっているように、見えさえすりゃーいいんじゃないの(笑)?
元も子もない言い方をすれば、お客様対応なんて
建前と建前が手を結びあう、仮想的握手。
セオリーさえ守っていれば、たいていきれいに終るのだ。
(という開き直りもときには必要さ(笑)!)

これ、かなり”でんじゃらす”な発言ですが(笑)、
「これやめてね」「おけおけ(^_^*)v!」で済めば、
3割アップだよ(爆)!!あはは!

なんかもー、まじめで気持ちを大切にする
世のお客様対応マナートレーナーの
眉をひそめる顔が見えるようだわ(笑)。
まぁ、こんくらいは、よかんべ(笑)!でへへ^^;

    *    *    *    *    *    *

翌日。

モンちゃんは、自分の何がどう苦情だったか気になるらしく、
「ぷらさん、それって何だったか、知りたいんですけど?」
と、自分から尋ねてくれた。

「あ、メールでも主任がもらったって言っていたわ」と、
早速主任からメールを転送してもらう。
内容はメモ書きよりも、もうちょっと詳しかったかな。

モンちゃんに読んでもらう。
「どう?記憶ある?」
「あるけど…でも、このときは、
そんなに悪い感じでもなかったですよ?
たぶん、お客さん、別に怒ってなかったし、
普通だったと思います。」

あぁ、やっぱり自分では気がついていないんだろうね。

「モンちゃん、アタシ、昨日聞いていて思ったんだけど、
『だから!』って、意外に何回も言うよね?」
「え?言ってますぅ?」
「うん(笑)。結構(笑)」
「え~!」

「それ、もし言うなら『ですから』じゃない?
っていうか、『何度言ったらわかるのっ?』ってニュアンスがあるので
できれば、言わないほうがいいよね?」
「アタシ、そんな、言ってないけどな…」
「じゃ、もし言っているの聞いたら、『今言った!』って
サインを送ってもいい?」
「いいですよぉ?」(←受けて立つぜ!みたいな感じ(笑) )

とか言っても、言葉のクセですから(笑)、
ちょっと気を抜くと、言っちゃうわけですよ。
で、私に「今言った!」「ホラ言った!」「また言った」
とか言われて旗色悪いモンちゃん(笑)。

うん、この辺でいいかなぁ。。。
言葉に無意識のクセがあることに気がつけばいいのだ。
今日はこの後は、(たぶん悔しいから(笑))
気をつけてくれるでしょう。

    *    *    *    *    *    *

さらに翌日。

とりあえず直っているので何も言わない。
モンちゃんの話し方の基本路線は、
今日明日には直らないよね。
いや、本当に「直してみようかな?」と
自分自身が自発的に思うまではずっとそのままかも。

でも今なら、「ちょっとクールな人」ぐらいの許容範囲。
これでいいかな。
話題を変えて、ちょっと手が空いたときに
雑談をたくさんする。

モンちゃんは、常連さんがかなり多いらしい
ホームページの管理人さんなんだよね。
どんなサイトだか全然想像もつかないけど^^;。

忍者Toolsの話なんかして、
しばし盛り上がる。
へぇ、割と重いのか。。。
でも、メリットが多いので、
ぷらさんも、アカウントとったほうがいいですよ。
ふーん。。。

思えばモンちゃんの新人研修のときも
こんな風に、ホームページの話で盛り上がったんだっけ。
まだグループが合併する前の話で、
入った新人さんは、ゆっくりゆっくり育っていくことができたんだ。

全然仕事が無いときは、よくお菓子とか回ってきて
みんなでこっそり仕事中食べたりしたな(笑)。
今は殺伐として、実績目標もあるし、
もともと何事もきちんとこなしたい人だから、
目標達成しようと、無理もしちゃっているんでしょうね。

    *    *    *    *    *    *

お?あ、あれ?
今また「だから!」が出ましたよ(笑)?

「モンちゃん、もしかして、今、言ってから
『あ!』って思ったでしょ(笑)?」

「そうなんですよね。言っちゃってから
『あ、言っちゃった!』って思うんですよね^^;」

    *    *    *    *    *    *

あとから課長と話をした。

「オレもそばを通ったときにチラッと聞いていたけど
全然いいじゃない?オレ、もっと、
ものすごくひどいのかと思ってた。」

「そうですね。悪くはないんですよね?」

「問題なし!だな。」

え?そうなの?
ふと、課長が担当する別部門では、
もしかして、もっとひどい人がたくさんいるのだろうか?と
思いましたけど、それは黙ってました(笑)。

今回、モンちゃんからは、
自分の元の席に戻る先週末に、
ぷらさん、もう少しここにいないんですか?
なんか、ぷらさん、ここにいると安心するんですよね。
といってもらったことが宝物かな。

ふふふ、アタシは詰めが甘いんですよね(笑)。

モンちゃんは、体調が悪かったり、
仕事が込み入ってイライラしてくると、
また、きっと苦情を引くかもしれないよ。

本当は、自分のちょっとした工夫で
お客様にうんとうんと感謝されて、
幸福で楽しい経験をたくさん積めば
欲が出てきて、飛躍的に変わるかもしれないんだけど
何を幸福と感じるかも人によるしね。

でも、次は、もうワンランク難易度を上げて
また少しお付き合いすればいいかなぁ。。。

若い頃は短気で、自分にも周囲にも
「コレじゃダメだっ!!」と、否定ばかりしていた私も
随分気長になりました(笑)。

育てているつもりで、育てられているのは
私のほうかもしれないね。




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コメント

私はクレーム処理の責任者をやらせていただいてます。
適任だと言われています。
会うとわかっていただけます(笑)
得なタイプなんですね。

言葉って、難しいですよね。
今度日記に書きますが、抽象的な表現は駄目ですね。
最近つくづく感じています。

しげきちさん、こちらでは初めまして!
職場では、「ぷらさんって、おかしいんじゃないの?」ってよく言われるんですけど(笑)、実は私もクレーム処理は好きなんです^^。あれはいわゆる「勝負」なんですよね(笑)。うん、5分間一本勝負!みたいな。一回のやり取りのうち、どこで手を握り合える瞬間を持てるか、言葉を選びながら模索するわけです。「まー、あんたに言ってもしかたないけどさ…」←この言葉をちょうだいできたら、こっちの勝ちだと思ってます(爆)!

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