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2005.05.30

研修は私でないほうがいい(1)

出社前に、T君(30代前半/男性)から
お休みの連絡が入った。
AM7:00少し前。ドスンと車に乗り込んで、
まさにエンジンをかけようとした
そのときに携帯が鳴った。

「あの…ものすごく頭が痛いんで…」
「それじゃ、今日はお休みになりますか?」
「すみません…」

簡単に書くと、確か、こんな会話だったと思う。

頭痛か…

頭痛かぁ…

電話を切ってからずっと
いつもの嫌な胸騒ぎが起きて、どうにも落ち着かない。
頭の中からその事がずっと離れなくなる。
今まで体調を壊して早期リタイアしたスタッフさんから
何度も感じてきた「これはまずい…」という、あの感覚だ。

T君がまた休む。この前は三週間前か。
T君はたぶん、普通なら遅刻も欠勤も
ほとんどしない人なのではないかと思う。
これは危険信号以外の
何物でもないんだろうな、やっぱり。。。

他の人から見れば、
理由も連絡もきちんとしているわずか二回のお休みで
不安を覚えて考え込んでしまうのは、
あまりに短絡的で神経質に見えるかもしれない。

だが、同じ休みでも、安心できる休みと、
何かの予兆を感じる休みは確実にあるんだよね。

この嗅覚と第六感?は、
スタッフ管理や、採用人事に携わって
多くのケースに関わったことのある人でないと
わかってもらえないかもしれない。

たぶん、仕事をしている様子から
どこかで無理をしていたり、
何かが気になっていたり、
その人の中で、理想と現実がケンカしてるサインを
直感的に肌で感じ取っているのかもしれない。

私のように企業さんを相手に、
スタッフ管理の仕事に従事している人は
スタッフの、まさか!の"超"早期中途退職や
数々のトラブル・アクシデントが
大なり小なりのトラウマになっている。

いくら現在私の関わっている企業さんが、
ボリュームのある外部スタッフを抱え、
その点には淡々として一定の理解があったとしても
何かの前触れを感じるたびに、過去、様々な理由で
職場を去っていった人達のケースが、
即座にありありとフラッシュバックしてしまうのだ。。。

心臓に良くない仕事だな(笑)。

    *    *    *    *    *    *

T君は技術系の仕事を長く続けてきた人だ。

キャリアも能力も十分ある。
むしろ今までのうちでかつて出会ったことのない
経歴的には、かなりのジャストミートな大型新人さん。
人柄も悪くない。

ただし、知識と経験に長けていて
問題解決の能力がずば抜けていても
それは応用の利く一般的な事に限られ、
特定の企業の特定の商品や特定のサービスの
「え?こういうことが可能なの?」
「こういうことはやっていないの?」
と言った、独自の長所・短所に感受性が低いように思える。

普通の新人さんなら、「ウチでそういう事ってありましたっけ?」
と、必ず聞いてくるような部分をほとんど聞いてこない。

結果、せっかくの腕を持ちながら、間違いが多い。
また、取り組んでいることに対して横の先輩からも
よくストップがかかる。面白くない。
個人的には、初めて耳にする話には、
もう少し立ち止まって、周りに聞いて欲しいな。

また、相手の話を柔軟に聞き取ることもどこか苦手である。
お客様や営業担当、お客様を担当している業者さん達は
知識も性格も様々で、何を調査して欲しいのかを
直球ストレートでうまく伝えられない人も多い。

「ああでもない、こうでもない」と、要領を得ずに発せられる
相手の言葉のひとつひとつが先方の主旨ではなく、
そういう事を私達に言ってくるそもそもの核心を
丁寧に聞き取り、読み取っていかなければならない。

例えば…○○がおかしい、故障ではないか?
と言って来る人の中には、
時間がかかる不具合の調査・解決なんかどうでもよくて
究極の本音は「手っ取り早く代替商品を教えてくれ」
「そのための購入方法と見積もりを出してくれ」
だったりするんだよ(笑)?
そこは…やっぱり…読めないか。。。^^;

(そこを、長々とした不具合の解説に入るから
相手が苛立ちをぶつけてくるのだ…。
原因はキミにもある。。。
「わけのわからない客」では、決してない。)

聞いたままそのままの事実を鵜呑みにして
直線的な調査をしていると、落とし穴にはまる。
相手の話を聞きながら、この人は一体、
どういった環境で、どういう使い方をしているのだろう?
と、まずは、そこから特定させていかなければ
原因調査そのものも無駄になる。

T君はシステムに関わってきた経歴が長いので、
たぶんどこでも、「詳しい人」として迎え入れられ、
当時の取引先に対しては、一方通行で解説ベースの
話の経験しかないのかな?

あるいは、波長と足並みを一にした技術屋同士の
会話なら、難なくできる人なのだろう。

が、そういった事のひとつひとつが積み重なって
彼が盛り下がっているのは、最近見て取れた。

技術屋としての、太すぎる思考回路の脇を
ちょろちょろとしか水が流れていない
手入れのされていない雑草だらけの
細い水路が通っている。

そこにうまく水が流れていかない限り、
彼の心の中は、何かがケンカしたまま、
やがて「退職」の道を選んでくるのではないか?

そんな不安を、ここのところずっと抱いていた。
悔しいのは、自分が就業前新人研修中の真っ最中で、
毎日後ろ髪を惹かれる思いで、職場を後にして
契約会社に向かわなければいけないことだった。

    *    *    *    *    *    *

契約会社営業所の研修室で、
新人の星野君(20代後半/男性)と向き合っていても、
心が晴れず、気が重い。(申し訳ない)

星野君は、ここ一年の新人さんの中では
もっとも安定感を感じる人だ。

あまり気持ちの起伏の高低がなく、何事もスムーズ。
一見「わかっているのかな?」と思うときもあるけど、
慣れてくると元々静かなソツのない人で、
物事にもさほどのこだわりがない性格であることがわかる。

ものすごく、ポピュラーな感覚を持つ普通の人。

既婚者で奥さんと二人暮しだが、
気乗りせずに参加した休日の町内清掃であっても(笑)、
まわりのオジサン達と、無難に会話をこなし、
「持っていけ」と、キャベツ二玉なんかを
もらってきそうな人だ(笑)。

ていうか、彼はそもそも「町内清掃」には
きちんと出る人だ(笑)。

いい新人さんが入ってよかったな…と、
うれしさをかみ締めていたのに、
その矢先に、また足元で心配事が起こる。
平和って、本当に長くは続かないな。。。。

    *    *    *    *    *    *

とりあえず、落ち着こう。

とりあえず、
T君にはご縁がなかったものと一度腹を決めてしまい
対策を考えてみる。

T君がこのまま辞めてしまった場合の交代要員。。。。

先日の面接でお断りしたお二人のうち、
どちらかがあいていればいいな。。。
その前にお断りした人も当たってみようかな。

あまり気乗りはしないけど、
どうしても見つからなければ
昨年の退職者で、今の会社から
先日、解雇通告を受けてしまったらしい
マサユキさんという手もある。。。。
(参考:「非難ばかりしている人」

うん。大丈夫だ。なんとかなるだろう。
そう。必ずなんとかなる!と自分に強く言い聞かせて
気持ちのギアをニュートラルに入れる。
次はT君が続行した場合の対策だ。

星野君に課題を与えている間、
今までとこれからをじっくり考えてみる。

昨年から今年にかけてなぜ新人が定着しないのか。

増員と交代で昨年から今までに、
新人を6名受け入れたが、今も残っているのは
スキル的には下位の二人だ。

探しても見つからないような経歴の新人が来るのも、
ここ最近の傾向だが、キャリアのある人ほど、
体調を壊して辞めて行く。

なぜだろう?

まずは、やはり、人のタイプ、
そしてご本人の資質なんだろうな。
ほとんどの人は普通に毎日を過ごし、
普通に業務を続けている。

たとえば、いわゆるIT関連の仕事についても
十分やっていけそうな人が、わざわざここに来るのは
それなりの事情やワケがあるのだろうが、
たいていは、心身の健康に起因しているんだろうと、読む。

元々精神状態が体に表れやすいか、または
過去の激務やストレスなどで、一度体を壊してしまい、
その後は再発しやすくなっている人が多い?

次に、私の人をみる目か。。。。
長続きしなかった人を面接で見極めることができたか?
答えはNOだな^^;。。

辞めた4人は現場での評判も当初は非常によく、
その時点では、誰もが彼らに明るい希望を持ったんだ。
その後、意味不明の遅刻や欠勤が頻発し、
職場の大きなストレスとなるまでは。

また、企業さんのオーダーはときに「待ったなし」で、
そういつまでも募集を出して
人選に時間をかけているわけにもいかない。

たとえ募集を出して最初の一人目の応募であっても、
時間がなければ、お会いしてよほど不適切な人でない限り、
即、お願いすることもある。ここは、微妙な部分だね。。。
ここも、変えようと思ってもすぐに…というわけにはいかない。
(↑言い訳っぽいけど(笑)…。。)

じゃぁ、3つ目。

職場に何か問題はあるかな?
職場…これはあまり感じない。
若い人が多く、全体的に人の仲はよく、
和気あいあいと活気に満ちている。

私はOL然として控えめな女性が
黙々と机に向かっている
契約会社に身を置いているときよりも、
男性も女性も、課長や部長さえもシャレが通じて
やんちゃで勢いがある出向先にいるほうが
ずっと好きだ(笑)。

だが、改善すべき点は必ずある。絶対ある。
とりあえずT君がもし、明日出てきたら何をしようか。

    *    *    *    *    *    *

そうだ。この記事は、この際自分の考察のメモとしよう(笑)。
ご縁があって読んでいただく方のことなど気にせずに
思いつくままを、ダラダラを書き連ねることにしよう(笑)。

えーと、私が担当するグループがこの状況になるに至った
原因と思われるもので、私達に今一番欠けているものは
なんだろう???

T君を教え伸ばすことに、私はたぶん自信がある。
今この時期、新人研修など入らずに、
もう少しガッチリそばに付いて指導してあげることが出来たなら
こんな風にはならなかったんじゃないか?と思える確信はある。

しかしそれは思ってみても仕方のないことだ。
出向先を日中抜け出して、別な場所で研修を実施できるのは
出向先企業さんから時給をもらっていない、
契約会社側業務社員の私だけだ。

そして、私からOJTを引き継いだ
班長の青りん(30代前半/女性)も、
結果的に彼の育成という難問をクリアしてくれた。
(ん?難問?)

じゃ、さらに現場で彼を引き継いだ
次期班長のレイちゃん(20代後半/女性)はどうだ?

T君とレイちゃんは、先週感情の行き違いがあった。
T君がお客様と話をするのを横で耳に挟んだレイちゃんが
慌ててT君に頭ごなしにストップをかけ、
かつその内容を批判したのだ。

IPメッセンジャーで双方が
お互い別々に不満を投げつけてくるので^^;
個別にこっそり呼んで、それぞれ事情聴取をしたのだった。

でも、そんなことで"頭に心臓があるみたい"な
ひどい頭痛が起こるかなぁ^^;??

内容は、どっちもどっちだよ。

T君が、お客様にお伝えしてはいけないことになっている
取り扱い商品の詳細な仕組・仕様について、
お客様に話そうとしているのを聞きとがめて、
横から慌てて止めに入ったのがレイちゃん。

お客様とお話をして、相応に詳しい人だと判断できたので
何がどうマズイと思っているのか
突っ込んだ話をして確かめたかったT君。
だがそのために、危険なボーダーラインに
(たぶん)多少、触れてしまった。。。

それがそんなに激しい頭痛を引き起こすの?

まあ、いいや。
現在研修中の星野君にかける時間を少し割いて
明日は、午前中T君と二人でもう一度いろんな事を
T君の納得のいくようにおさらいをしよう。

今日の研修は終わり、星野君はさきほど帰った。
採用担当の細川さん(30代前半/女性)に、
研修時間の変更を電話連絡してもらおうか。

方針が定まると、かなり気が楽になった。
今日は、出向先で新商品の説明会があるので
今の時間から、また戻らなくてはならない。

ビル一階のガラス越しに外を見ると、
夕方の日差しの街が、帰宅を急ぐ人で
混み始めている。

こんな日は、まっすぐ家に帰りたいな。

と。。。。
ふいに携帯が鳴った。取り出して見ると
T君からの着信だ。
息を止めて、3秒ぐらい
ディスプレイの「T」という文字を見つめる。
とらなきゃ。もしもし?

「あ、もしもし?ぷらたなすさんですか?
Tです。お疲れ様です。
実は…話そうかどうか迷ったんですけど、(ヤバイっ!)
折り入ってご相談がありまして…」

あぁぁぁぁ。。。来た!来たか、とうとう!

「え?何?相談って(笑)?悪い話(笑)?」

私は努めて平静を装い、明るい声で
話をつないだ。

(つづく…→)




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