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2005.03.20

上手な物の頼み方

ぷらたなすさん、ちょっと今いいですか?

出向先の職場で一ヶ月前に入った和弘さん(30代後半・既婚)が遠くから私の席に来て声をかけた。「え?何?」隣の遅番の席が空いているので椅子を勧めたら「いえ、ちょっと…」と口ごもる。「場所、変えた方がいいね?」と、二人で休憩コーナーに行ってテーブルを挟んで向かい合った。

「…で、何?(笑)」(まさか退職じゃないさね^^;(汗) )

和弘さんは手にホチキスで綴じた書面を持っていた。それを私に向けてテーブルの上に置いた。「読んでいただけませんか?」手にとって見ると、タイトルがものものしい。(株)桜カンパニー(←私とスタッフさんの所属元/仮名)への意見書 と書いてある。なんだこりゃ?

中を読み始める。和弘さんとその同期の5名は平日勤務しかできない正社員に代わり、ローテーションで勤務する条件(シフト制)で就業した。企業さんにとってはスタッフが出揃ったのでやっと悲願の365日稼動が可能となったわけだが、問題は土日祝日の勤務で、私が直轄担当している部署と同じく配置人員が1名なのだ。

つまり入ってまだ一ヶ月で右も左もわからない状態が今だ続いているのに、あともう少しでシフト制に移行してしまう。困ったときに助言や判断を仰ぐべき経験の豊富な正社員がいない土日祝日に、たったひとりで業務をこなさくてはならなくなる。しかも出向スタッフを初めて受け入れた部署なので、マニュアルも資料も未整備でかつ正社員と出向スタッフの業務区分も曖昧である。

要するに、このような状況でシフト制に入れられる事を、出向元の(株)桜カンパニーはなんと考えているのか?このままでは、我々6名は業務に対してとても責任など持てない!という怒りの文書なのである。うわ、3年間現職にいるけど、こんなのもらったの初めてだよ^^;。言わんとすることはよくわかるが、現場の実務と運用は(株)桜カンパニーが権限を持っているところではないし、関与できるところでもない。

契約上でも指揮・命令者はあくまでもクライアント企業の部課長だし、ほとんどのスタッフさんは自分達の上司の決定を従うべきものとして受け入れている。そりゃ、不満もあるよ?「なんでこうなるの?」と思うこともしばしばだが、組織なんてそんなもんさ!と苦笑いしてお付き合いする楽観さで乗り切っている。

なので、なんか、ムッと来るなぁ、この言い方…。。。。

1枚目、2枚目、3枚目…と読み進めると、こんなことさえ決まっていない!とピックアップされた箇条書きのリストがあった。ひとつひとつに目を通す。正社員不在のときの ・緊急時の連絡先 ・欠勤の連絡先 ・たったひとりしかいない土日勤務者が休んでしまったときの対応…  お、そりゃそーだわ…と表情が変わる。

正社員だけにしか付与されていない業務上必要なツールの各種パスワードや、現在正社員しか行っていない処理が土日祝日に発生したらどうするのか?など、項目のひとつひとつはかなり納得できるものである。

過去、自分も土日祝日の一人勤務をシフトに従い月数回やってきたが、初めて一人で現場に入ったときは、しばらくの間不安で不安で仕方なかった。自分のスキル不足もさることながら、運用フローがあいまいで、何かをしようとするたびに「これはスタッフがやっても良かったんだっけ?後で怒られたらどうしよう?」とビクビクした。

出向先の企業さんには「やればなんとかなるだろう」という野趣あふれる社風?と見切り発車して走りながら考える傾向があり、長く勤めるうちに段々その空気に馴染んでしまうのだが、確かに私達も新人のうちは随分当時のリーダーに「おかしい」「なんとかしてくれ」と文句を言ったものだ。つまりこれって通過儀礼なのかもしれないね(笑)。

それにしても、こんなに正当な疑問をなぜこのような大げさな形で突きつけてくるのだろう?私の席に来て「決まっていないことが多くてスタッフはみんな不安に思っている。ここにリストアップしたので、早く整理されるよう取り計らってもらえませんか?」となぜ言えないのだろう。肝心なのはその一点ではないか?いや、むしろそう頼まれたら、二つ返事ですぐにでも着手するのに。。。組合関係の経験者と聞いているが、何にでも過敏に反発するようなけんか腰の依頼は良くない。もし私に現場経験がなかったら、最初の1枚目で「却下!」だよ?

さて…と。

「和弘さん、要するにここに書いてある項目が解決できればそれでいいわけでしょ?」「はい。その通りです。」 「だったら最初の三枚は要らないよね?」と、少し強い口調で言ってみる。和弘さんとは同じ趣味があって世間話を良くする。これで信頼関係が崩れることはないだろう。目的を達成するためにはどういう手法が人の心に訴えかけるのか、それをわかって欲しい。

和弘さんはムッとして、「わかりました」とその場で上の三枚を破って剥ぎ取った。精査されて筋の通ったリストだけがテーブルに残った。そこに感情はない。「これ、部長に見てもらうから私にちょうだい。あ、ファイルで保存してあるよね?それ、メールで送ってくれない?」リストアップされたものを片付けていけばいいので、こういったものはあったほうが担当者も処理が楽だろう。

別れた後にちょうど部長とすれ違ったので、まずは「現場の声」として話題を出してみる。「そうなんだよ、なんか、バタバタしていてさぁ。。。。」「実はスタッフから、未整理項目をピックアップしたリストをもらったんですが、ご覧になりますか?」「あー、見せてちょうだい」  私には現場の詳細やその部署特有の専門用語はよくわからないが、担当部長が読めばそれが何のことかすぐわかるだろう。

「ぷらたなすさん、コレ、ファイルでもらえる?あるならオレにメールで送ってちょうだい。(ははは!私と全く同じ事を言っているよ!)あ、CCに課長もつけてね。」

私はその部長へのメールのBCCに先ほど連名のあったスタッフ6名を加えた。「やることはやったからね?」という私からの意思表示だ。追って和弘さんから返信が来た。「動いてくれてありがとうございます。一同感謝しています。」

夕方退社時、和弘さん達は私の席の前を「ありがとうございます」と笑顔で帰っていった。「だけど結果は保証しないよ?やることはやったけど(笑)」「でもいいです。あれで十分です!」すごくいい人なんだけどな。。。でもこの先もこれを繰り返すんだろうなぁ、きっと。。。。気楽に行こうよ、ねぇ(笑)。

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