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2004.06.17

大切な事はルールにはない

昨年、業務拡大に伴って、
たくさんの新人が継続的に入って来たけど、
仕事を教える側の人数も実力も追いつかず、
新しいスタッフ達の監視役として、
モンちゃん(20代後半/女性スタッフ/仮名)を置いた。


モンちゃんは人懐こさのないクールビューティな人で、
ときにキツーいトークが近寄りがたく、
一見リーダー役には向かないんですが(笑)、
仕事にミスがなく、非常に記憶力もよく、
膨大な量のメールを苦も無くすべてに目を通して、
「これって間違ってますよね?」と、
相手が誰であろうとサラリと言って来るので、
処理の手順や運用フローの徹底には「彼女が最適!」と思い、
「引き受けるわけがない」という衆目の声を無視して、
私がお願いした人だった。


大方の予想に反して彼女はそれを快諾してくれ、
また、「物部さん!物部さん!」とみんなが当てにすれば、
意外にもチャーミングな笑顔を見せてくれる事もわかって、
(ってそれは、ある意味私も「確信犯」なんだけど(笑))
周囲が心配したよりは、
かなりうまく行っているように思っていたんだけど、
もしこの「ぷらたなすひとりごと」を、
欠かさずお読みいただいている方がいらっしゃるとすれば
すでにお気づきの通り、彼女は元来、「お客様対応の冷たい人」で、
「ユーザーの役に立ちたい」「感謝されたい」という気持ちは、
ほとんど感じられず、際立つ論理的思考と正統な理屈で、
すべての物事を処理していくタイプの人なのだった。


一昨日、そのモンちゃんが、
苛立つように「はぁっ」とため息をついたあと、
「もうイヤっ」って感じで突如席を立ち、
つかつかと私のところにやって来て、
「ぷらさん!ちょっとお話あるんですけど!」と、
いきなりケンカ腰のような口調で言ってきたので、
私は、「え?何?何?」


聞けば最近、ユーザーの顧客情報の
安易な開示がとても目立つとの事。


「で、具体的には?」と切り出すよりも早く、
「稗田さん、ちょっとこれ、どういうこと?
『登録名義を教えた』って、どういう確認をしたの?」


稗田↓
「あ、ですから、オプションの申込みをしたいので、
お客さんが『ご登録名義を教えて欲しい』と仰せだったので、
現住所も請求書送付先住所も連絡先も担当者名も、
すべて当たっていたので、お伝えしたんですが…」


いいじゃん、それで。と、個人的に思う。
そこでそのように聞いて来るお客様は、
ネット上のフォームから申し込む際の
登録者名が実際のものと違うと、
申込みを受け付けてもらえない事を十分に知っていて、
それでそのようなお問い合わせを
万全の準備を以ってしてきたのだと思われる。
もしかしたら、すでに一度申し込みをしてNGとなり、
時間もないので正確な登録名義を確認しに、
慌てて窓口に電話をしてきたのかもしれない。


登録名義はお客様本人の個人名であったが、
実際の利用は彼が代表になっている任意団体で、
請求書送付左記の宛名も現住所も、
全部その団体名で統一され、
唯一「登録名義」だけが違うのだった。
お客様はこの事実に「身に覚え」はあるはずだった。


    *    *    *    *    *    *


モンちゃんが他人を追及する時は、
畳み掛けるような口調になるので、
タジタジとしてしまってなかなか誰も反論できない。
不安そうに口を閉ざしてしまった
稗田さん(30代後半/男性スタッフ/仮名)の替わりに、
「でも、これってつまりこういうことだったんでしょ?」と、
私が助け舟を出して、彼の言い分を代弁してあげると、
「そうそうそうそう、そういうことなんです!」


「だって、ここ(顧客データベース記録)には、
何も書いてないじゃないですかっ!
そうならそうと、きちんと書いてください。
紛らわしいから。」


稗田さん、書き加える。
「反映」ボタンを押す。
それを目を皿のようにして読むモンちゃん。


「え、でもー、登録者名義がわからなければ、
そもそも問い合わせを受け付けていないのに、
肝心なところがわからないのに質問を受け付けて、
しかもお客様の情報をこっちから教えちゃっているって事が、
非常にマズイんじゃないですか?
こういのって、アタシやっぱり許せないんですけど。」


って、本人がまだ近くにいるのに、
なんだよ^^;そのストレートな言い方は(苦)…


ぷらたなす↓
「あ、でも、登録番号と登録者名がわからなくても、
さっき言った項目が全部合致していれば、
対応は可能という整理は以前ついていたはずだよね?」


「じゃー、これは何ですか?これは?」


モンちゃんが目にも止まらぬ早業で、
あっという間に開いた社内ホームページの記述には、
確かに「登録番号と登録名義の一致を原則とする」
とは書いてあるけど、それはあくまでも「原則」であって、
残りがよければ、みんな普通に対応してあげているじゃない?


「でも、そんな記述、どこにもありませんよ?
だったらだったで、逐一更新してくれないと、
こっちが困るんですけど!」


まー、確かにそれは正しいんだけど、
モンちゃんが開いたページは、
すでに誰も参照していないページで、
その存在を知らない人も多いし
(だからメンテもされていない→「だったら消せよ」だな(笑))
一瞥すれば、ここにある情報は、
以前の古い物である事がわかるので、
パッと見で「あ、使えない」ととっさに思ったスタッフ達は、
都度モンちゃんや班長に聞きに行っているのが常なので、
要するにモンちゃんの腹立ちは、
「アタシにひとことも相談も無く勝手に…」という側面も、
少し含まれているのかもしれない^^


ぷらたなす↓
「でもさぁ、このお客さん、
稗田さんの書き込みを読むと、
事情があってオプション申込みを急いでいて、
それをよく理解した稗田さんが、
間違いの無いよう詳細なところまで確認して、
それで教えてあげているのだから、
そうまで言うよりは、むしろ誉めて上げなきゃいけない
事なんじゃないの?」


物部↓
「事情、事情、って、じゃ一体どこまでがOKで、
どこまでがNGなのか、そういうところには全然ルールが
ないじゃないですか?
だったらさっさとルールを作って明示して欲しいし、
そうやって『事情があるから』と言って、
その都度なし崩しになるのなら、
そもそもルールの意味が無いし、
私のやっている業務の意味だってありません!」


何を言っても理詰めで突っかかってくるような彼女の口調に、
「モンちゃんは何もかもがルール化されてないと、
一歩も動けないって言うの?」と反論したくなったが、
それはやめた。だってたぶん、そうなのだから。


    *    *    *    *    *    *


で、ここから先はうなづく人とそうでない人が、
大いに分かれるところなんじゃないかと思うけど、
モンちゃんみたいなタイプの人は、
曖昧であることが非常に嫌いで、
「状況に応じて」なんていう指示が出されるととても反発して、
「決めてくれないと困る」「それではできない」とよく言うし、
明確に特定されたルールが自分に対して提示されていないと、
安心できない体質なんだろうと思う。


まぁ、これがいわゆる「理屈っぽい人」って事になりますが、
同系のスタッフ達をボリュームで見ていると、
彼らが気にしているのはその主旨や目的ではなく、
どうも、「そうなったときに困るか困らないか」という観点で、
物事を見ているように思える。
極論で言えば、誰もが困らない詳細なルールさえあれば、
内容に少々の不満があっても、
取り敢えずは従うって感じにも見える。
決め事に添って行動するのが好きなタイプなのだろうと思う。


でも、ここで一点大事な事が忘れられているんだけど、
それは、サポートデスクはあくまでも、
「お客様のためにある」って事だ。


いえ、厳密には、
顧客満足度を上げ、付加価値を高めて売上向上を計り、
様々なフィードバックによって、
トラブル回避とその訴訟費用を軽減させ、
かつ、市場動向を探り次なる「儲け」のネタを得たい、
企業の利益にためにあるわけですが(笑)、
ま、この際、そんな話は無視しましょう(笑)。


つまり、何を置いてもお客様が最優先で、
困っているお客様のためには、
その声に耳を傾け、ときには尽力せねばならないのに、
彼らの発想の根底には、「ユーザーのために」という考えが、
きれいさっぱり抜け落ちていると感じることが多い。


だいたいにおいて、人間相手の商売は、
いくらルールやフローを決めても、
はみ出すケースが必ず出てくるもので、
臨機応変に対応してあげないと、
思わぬ大きな苦情につながることも多いのに、
ルールやフローを厳密に遵守し、それを盾にとって、
「できない」「やっていない」「受け付けない」「教えられない」
とムゲに断ってしまう彼らは、お客様の逆鱗に触れやすく、
「だったらルールを変えろ、ルールを作れ」というのは、
どこか違うように思えてならない。


そう、それを言うなら、最優先されるルールは、
「お客様が第一」という暗黙の大前提で、
それを自然に理解できている人と、
「それが一番大事なルールである」という言い方で諭さないと、
納得できない人の差は大きい。
だが、これもまた「性格」である^^


    *    *    *    *    *    *


うちの班の中に、
まだ技術屋タイプの社員が牛耳っていた頃の方針を、
いまだに頑なに守ろうとしているスタッフがいて、
対応上、判断に迷った後輩が彼に尋ねると、
「そんなの客が悪いんだからやる事無い。なんでやるの?断れ。」
の一点張りなので、最近の新しいスタッフ達は、
彼からの突っ込みが面倒なので、
イレギュラーなユーザー対応は、
断固しない傾向が見え隠れしている。


そんなとき、
他部門との苦情ユーザー対応の連携で問題が発生し、
「ここぞ!」と思ったズルイ私は(笑)、
モンちゃんのほうに、
「神奈川さん(40代後半/男性スタッフ/仮名)て、
見ていると、ちょっとしたことで対応も依頼も断っているけど、
あれってマズクない?」と言ってみた。


「あぁ、神奈川さんは確かによく断りますね。
(でも、キミもそうね(笑)…←心の声)」


「先日、他の課にうちの商品への問い合わせが入ったんだけど、
トラブル調査の受付しかやっていない時間帯だったんで、
どうしようか合議しているうちに、ユーザーが怒って、
電話切っちゃったんだって。
もし万が一、それがウチラに依頼されていたら、
皆さん、当然引き受けてくれたよね?」


「さー、どうなんでしょう。わかんない。
今週の"先輩"は神奈川さんだし(笑)。
(でも、キミもそうね(笑)…←心の声)」


以前、河口さん(当時30代後半、現40代前半/男性社員/仮名)が、
「トラブル受付に入った電話なら、
例え内容が"トラブル調査"じゃなくても、
ひとことそれを断った上で対応してください」
って言っていたよね。
(河口さんは、後に前言を翻したのだった。
 上から何か言われてのことだろうね(笑)。)」


「なのに今って、何でも規則に合わないと、
すぐに断っちゃって、最近評判悪いみたいだよ。
私達って本来そうじゃなかったはずださ。」


物部↓
「そうですね。新しい人なら、
『今度こうしてね』と言えば比較的すぐに直ると思うし、
神奈川さんも連絡帳にそういう指導があったと書いておけば、
大丈夫なんじゃないですか?
(キミもね(笑)←心の声)」


「そう。じゃ、ちょっと方向転換で、
ひとつよろしく頼むわ。」


同じ日の午後、別室で研修をしている私のPCに
メッセンジャーが飛んできた。
やっぱり神奈川さん、全然納得してないみたいです。
以前河口さんはそう言っていなかった。」の一点張り!
ははは!予想通りの展開。
私はあとで、彼にこっそり、
社員や班長達の間でやりとりされている
メールの一部を抜粋で転送して、理解を求めた。


ポイント制の導入後、
資格の無いモンちゃんがリーダーとして振舞うのには、
異論も上がっていて、その一番の理由はやはり、
「お客様に冷たい対応の指示を出す」という事だろう。


でも、私は彼女が好きだし、
彼女の能力を高く買っているんだよ。
できればお客様の満足するような指示を出していただき、
よりよい受付グループに導いて欲しいんですが、
「資格を取る気は毛頭無い」と言っているので、
やがては、彼女を他の人とチェンジしなければ
ならなくなるんだろうなぁ…


現在のモンちゃんはシフト契約者の要であるが、
シフト契約者は、いろいろ突っ込みが入っても、
ことさら感情的にギスギスしているところはあまりなく、
むしろ、間違いを逐一正してくれるところは、
貴重に思われているフシもある。


みんな、あなたの性格をよくわかっていて、
大目に見つつ尊敬していてくれているんだよ?
いい人達じゃないの(笑)
(たぶん彼女も気づいている)
そんな仲間達に「生かされている」ことだけは、
この先も忘れないでいてね。


そういうところは、やっぱり「ルール」じゃないから(笑)。

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