働きたくないっ!2

>2


前回からの続きです。


私は40代後半ですが、
今まで一度もハローワークを利用したことがありません。
転職は何度かありますが、
いつも間をおかずに次に仕事に移ったので、
ハローワークというところに足を踏み入れたのは、
実は今回が初めてなんです。


だからハローワークのことはよくわかっていませんでした。、
前回書もいたように、
市内三カ所のハローワークに友人がいるのですが、
彼女達は皆、公務員なのだと思っていました。
なので、その中でも一番親しいAnne(アン)ちゃんから、
年齢(そのときは59歳。→今は60代前半)を聞いて、
それじゃそろそろ定年なんだろうな、と勝手に思っていました。


正確に言えば、私の3人の友人達がやっているのは、
ハローワークの職業相談員です。
私の場合は、
就職の意思がないのに失業給付金をもらうためだけに、
無理にでも悩みを作りあげて並ぶ(笑)相談窓口ですが、
そうでない方にとっては、
キャリアと条件に合う求人を紹介してくれる窓口であり、
閲覧で見つけた仕事に対して仲介(紹介)をしてくれる窓口です。


私はハローワークの職員は全員が公務員だと思っていたので、
そもそもその業務自体に、
全く期待を抱いていないところがありましたが、
ノー!ノー!それは大きな間違いで、
実は彼女達は民間企業出身で、
早々たるキャリアを持っている場合も多いんですよね!


具体的に言うと、
私の友達のAnneちゃん(60代前半女性/仮名)は、
若い頃は客室乗務員でした。
だから、確かに顔立ちは年齢相応ですが、
小顔で、細身で、スタイルがよく、
着る服も若々しくて、白い綿パンなんて最高によく似合います。


彼女は結婚を機に退職し、やがて子育てが一段落したため、
40代のときに再び働こうと思い始めました。


それで、電話オペレーターの仕事なら、
今の自分でもできるのでは?と思い、
(実は電話の仕事は年齢制限があまりありません!40代全然OK!)
募集広告を見てある派遣会社に登録に行ったところ、
採用担当者から、
「こういうキャリア(客室乗務員)があるのなら、
オペレーターではなくオペレーターを教えるほうになってはどうか?」
と打診されました。


そしてそれを機に、彼女はその会社の研修担当者になりました。
彼女はやがて、その会社の人材教育部門のマナー講師になり、
会社から公共機関や企業に講師派遣されて、
ビジネスマナーを教えるのが仕事になりました。


一見そうは見えないのですが、
彼女の当時の研修先を聞いているとすごいですよ。
地元新聞社や地元有名ホテル、
○○温泉地区の旅館は全部行ったと言っているし、
省庁関係や大企業が目白押し!
私はその話を聞いて、思わず三歩引いちゃいましたもん!
※三歩下がって師の影を踏まず(爆)!


ですが、何かの理由でそこは辞めることにして、
(~ここら辺は少し省略~)
次なる仕事を探しにハローワークに行ったところ!
そこで件の"職業相談員"にならないか?と、
言われたという話です。
そこで応募して面接を受けて、見事合格!で、
以後、今の仕事を4年間続けているということです。


なのでAnneちゃんはハローワークの正職員ではなく、
1年ごとに契約更新をして仕事を続けている臨時職員です。
が、年齢制限はなく確かにこの業務には年配の方も何人かいます。
そしてAnneちゃん曰く、
「私の周りの正職員は仕事はしないし、上から目線だし、
できない職員(主に男性らしい^^;)が多いので、
忙しいのに”使えなくて”ホトホト困っている。
うちらのような臨時職員のほうがよっぽど仕事ができる。」 
とのことで、それってなんだかわかる気がするよね(笑)。


    *    *    *    *    *    *


そうなんだ~!
彼女達(たまに男性もいますが)って”官”の人じゃなかったのね!
しかもみんな、キャリアのある人たちなのね!


最近になってそうわかり始めてきたこの時期に、
Anneちゃんとは別なハローワークで職業相談員をやっている、
三雪さん(友人。60代前半女性/仮名)が、
まさに彼女と同じ職業相談員の仕事を私に勧めてくれたことは、
非常にうれしいことでした。
自分という人間に対して、大きな承認をもらった気がしました。


しかもこの三雪さんが、思った以上に対人折衝の熟練者で、
関心の引き方、提示の仕方、仕事の勧め方、検討のさせ方が、
うまい!うまい!半端じゃなくうまい!


三雪さんってコーチングスクールでは、
話が長くて、少々しつこくて、まだるっこしい感じの人、
という仲間内の評価もあったのですが、
ここで見る三雪さんはまるで別人ね!


あまりに手際が見事なので、思わず尋ねてみると、
前職はアパレルの人事・教育担当だったとのこと。
はぁ~、なるほどね~!!!やっぱりね~!!!
ただもんじゃないわ、この人(笑)!!!


つまり、ハローワークの職業相談員の中には、
そういうデキる臨時職員の人が少なからずいるってことです。
そしてその仕事を彼女が私に勧めてくるわけです。
そりゃ、うれしくないわけがない!(笑)


しかも。


・私はコーチやセミナー講師の仕事で食べて行きたい
    ↓    ↓    ↓
・だから状況が厳しくてもその気持ちを捨てる気はさらさらない
    ↓    ↓    ↓
・どこかに雇用されるとそっちの仕事はかなり制限される
    ↓    ↓    ↓
・当然営業活動も不自由になり、逆にいいチャンスに巡り合えない
    ↓    ↓    ↓
・ゆえに就職はしたくない (でもお金が足りない、どうしましょ?)


という論理を軽~く打破するように、
「今回の募集は『月15日』と日数が決められている仕事だから、
実際に働くのは週に3~4日でいいのよ?
それに出勤日は自分で決められるの。もちろん、お休みも。
だから結構好きな事が出来ると思うよ?」
なーんて言われたら、身を乗り出さないほうがどうかしてるよ!(笑)


    *    *    *    *    *    *


なので私は求人票を手にとって、
中身を真剣に読み始めました。
心の中は、「いいかも!これ、いいかも!」で一杯だね~


「三雪さん、かなりいいね、これ!」


「でしょう?これってぷらたなすさんにピッタリだと思うの。
(以下、詳細説明の後)
どう?応募してみる?応募してみない?」


「うーん、いいと思うけど、今日来て今日のこの話だと、
まだ自分の心の準備もできてないし…これっていつまで?」


「それがね、急ぎなの。ここには2日までって書いてあるけど、
応募者が多いと早めに締め切る時もあるので、
もし興味があるなら今応募しないと間に合わないかもよ。」


2日。。。2日。。。
日付を聞いた私は、即答できない、と思いました。
なぜなら、締切日の一日前に人と会う約束があり、
その内容というのが、
「手伝ってもらいたい仕事がある。一度時間を取ってもらえないか?」
というものだったからです。
そちらの内容を聞いてみてからじゃないと、
なんとも結論は出せません。
なのでそれを三雪さんに伝えると…


「あ、じゃね、この求人は、これはこれで来週締めきりだけど、
実はこのあと、同じような仕事が、
もっと大々的に募集されるはずなのね。
まだ時期はわかっていないんだけど、
絶対出るのはわかっているの。
そっちのほうに、
ぷらたなすさんの希望に合うものがあるかもしれないから、
出たら知らせるわ。」


「え?”知らせる”って…??」


「電話します。連絡先ってこれでいいんだよね?」
(と、私の仕事用の名刺を見る。)


「え…わざわざそっちから電話もしてくれるの?ハローワークって?」


「そりゃするわよ、あなた。そのぐらいしてあげないとぉ(笑)」


「そっか。一応ノルマ(目標)もあるんだもんね。」


「ま、そうだけどね、でもさ、私も今は企業さんに頼まれて、
雇用関係や人材教育の研修もよくやっているのよ?
それはもちろん、"ハローワークの職員として"だけど、
○○とか△△とか××にも行ったし(←すべて有名企業)、
あなたみたいな人は、そういうところで自分を発揮していくのも、
ひとつの方法かと思って。
独立起業にこだわる気持ちさえなければ、
やる内容は一緒なわけだし、逆に研修先は大手が多いし。
ぷらたなすさんはね、まだ若いから(←そりゃ60代に比べればね…)
一度そこで名前を売って、
実績をもっと作ってからも遅くないと思うの。」


確かに。。。


いや、ウマイんだよな、ほんっと、マジで(笑)!


「で、もう一回聞くけど、どうする?これ。」


「また似たような求人は出るんですよね?」


「うん。」


「じゃね、今決める。今回はパス。見送ります。
やっぱり月曜日の人の話を聞いてから決めたいと思うんだけど、
それだと間に合わないかもしれないので、今回はいいわ。
これに関しては、応募はしません。 三雪さん、ごめんなさい…」


「あ、いいの、いいの、全然いいの。
そういうことはね、気にしちゃダメ。
だって面接試験もあるんだし、
応募したって採用されないことだってあるんだから、
この段階ではそういう気がねは”なし”よ?」


(何だ、面接試験があるのか。応募したら決まり!じゃないんだ~)
と思いつつ(笑)、
「わかった。ありがと。何かあったら連絡ちょうだいね!」
と言って、その日は帰宅いたしました。


ですがこのお話は、まだまだ続くのです(笑)


つづく…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

働きたくないっ!1

1>


調子のいいときもあるけど、そうでないときもあって、
仕事は全然不安定。


失業保険も切れるし、手持ちのお金もすでに怪しいし、
ちょっとこりゃやばいぞ~と本気で思い始めたワタクシ。


このままじゃ、皆さんの誰もがいかにも予想できるような、
「なんか調子悪いみたいよ?」「いや結局ダメだったみたいよ?」
「やっぱりね~」「だよね~」 に、なっちゃう!
それだけは絶対、ヤダヤダヤダーー!


ところで私は市内三か所のそれぞれのハローワークに、
職業相談員をやっている友人が一人ずつおりまして、
実は彼女達は皆コーチ仲間なのです。


彼女達は同じコーチングスクールの一期上や同期生で、
勉強会のたびに顔を合わせる親しい顔なじみなのですが、
認定資格を取るためのコーチングスクールというのは、
私の知る限り受講者の定番があって、
ひとつはハローワークなどの雇用関係、
ひとつは私のような人材ビジネス系、
もうひとつは社内研修などを担当する人事・教育系で、
最後のひとつは、医療・福祉関係。


これらの業種の人達は、うちのカリキュラム受講者に、
毎期とも必ず一人は入っているんですよね。
やっぱり、人を相手にする商売に携わる人は、
何がしかの思うところが個々にあるわけです。


さて、そのうち一番親しくてたまに食事なども一緒にする、
Anne(アン)ちゃん(60代前半女性/仮名)が、
「うちに閲覧に来ない?お昼に一緒にランチでもしよう!」
と言ってくれたので、その日はちょっとお出かけ。


(ここだけの話ですが)就業する気もないのに、
失業保険をもらうためだけに、
閲覧だの職業相談だのをするのは、
何かと面倒かつストレスのある作業でございまして、
知人はこんなとき、言わずもがなの阿吽の呼吸で、
結構助かります(笑)


Anneちゃん曰く、
「相談員はなんとなくそういうことはわかっているけど、
だいたい、最初からそんな雰囲気の人もすごく多いし、
そもそも、ひとりひとりにかまっている暇などないので、
わかっていても余計なことは言わずにスルーしてんのよ!
そんなことをいちいち気にしていたら、やってられないわ。」


あ、そうなんですか^^; (ま~それはわかっていたけど)


「あ、だったら○○ハローワークの、
三雪さん(60代前半女性/仮名)のところにも、
遊びに行ってみようかなぁ。でも大丈夫かなぁ。
本当は就業する気なくても…」


「大丈夫よ。ただ口には出さないだけで、
そんなの十分わかってるわよ。」


実は前回の"職業相談"のときに、
ベタな演技?で相談員さんに求職の相談をしていたら、
たまたまその三雪さんが、カウンターの奥を通りかかったんだよね。


で、お互いに「あら~!」「あら久しぶり!」と声を交わしたところ、
私の”相談”に乗っていた担当者の女性が、
「お知り合いですか?代わりましょうか?」とすかさず言うので、
え…??と、びっくり。


そのときは心の準備ができていなかったのでお断りしましたが、
担当者は”相談”終了後に、あるチラシを差し出して、
「ハローワークでは担当制予約相談というのやっているんですよ?
三雪さんとお知り合いなら、
この電話番号に連絡して指名して予約すれば、
三雪さんとお話しができますよ?」って、
なんだかいかにも、知り合いならそちらと話したほうがいいのでは?
という雰囲気ありありだったのでした。


これは、あまりに一般の相談窓口と、
三雪さんのいる予約制の窓口との間に、
忙しさと仕事量の大きな開きがあるため、
私のその日の担当者は、
とにかく理由をつけて私の対応を他の窓口に振りたかったのでは?
と、あとから気がつきましたが、
そのときは、「知人のほうが何かとメリットあるんだろうか?」
と、案に勘ぐっちゃったりしましたよね。
(メリットがないことはない、と、今はわかってるけど)


    *    *    *    *    *    *


Anneちゃんの「大丈夫!私達は暗黙の了解で動くときもある」
という言葉を信じて早速手渡されたチラシを見て、
三雪さん指名で予約相談の手続きをとり、
指定日の指定時間に言ってみると、
「あ、やっぱりぷらたなすさんだったのね。」


「職業相談というよりは、
どっちかっていうと三雪さんに会いに来たの。
こういう機会じゃないとあまり会えないし(笑)、
たまにおしゃべりしたいな~と思って☆」


「そうよね。うん、そう、それはわかってる。
自分に入った予約の名前を見た瞬間から、
そうなんだろうな~とは思ってた(笑)
でもね、せっかく来ていただいたのだから、
何かお土産を出さないと申し訳ないので、
一応あなたに合いそうな仕事を2、3出しておいたわよ?」


と、すでに準備済みのプリントを取りだす三雪さん。


「へ??でも…あの…ここだけの話、
働く気はあんまりないっていうか(お、やっぱりマズイか?これは)
ハローワークからの紹介は条件的にも期待していないので、
自分で探そうと思っているというか(とっさにトークを変える私^^)
今はちょっとまだ、具体的には…」


「わかってる、わかってる(笑)
だからね、常勤は無理なのはわかってるの。
だったらこれどう?週に3~4日でいいのよ?」


「え?週に3~4日???」
思わずぐらっと来るぷらたなす。
それならやりたいことをあきらめずに続けていけるし、
収入も安定する!


私はこのあとつくづく感じたのですが、
三雪さんはまさにハローワークの敏腕営業マンだったんだね。


やさしい笑顔と穏やかでハンナリとした関西なまりの口調で、
決して押しつけがましくない態度を取りながら、
その実、人の気持ちと状況を的確に読み取り、
相手が確実に触手を伸ばしたくなる仕事を勧めてくる!
しかも求人票はちゃんと事前に打ち出しておいて、
来たらすかさず手渡して実物で見せる。
すごい手腕です!あっぱれだ!恐れ入った。メチャメチャ見直した!


三雪さんが私に勧めてくれた仕事はなんと、
ハローワークの職業相談員!!!
そう、自分と同じお仕事を私に勧めてきたのでした。


うわ!
これならたぶん(前職の経験を生かして)私にもできるだろう。
たぶん、客観的に見ても適職かも。
しかも半年契約の臨時職員で恒久的な仕事ではなく、
コーチング系の仕事が順調に伸びてきたら、
次期契約は断ることもできて、しかも勤務は週に3~4日。
給料はそれほど高くありませんが、定収入の基盤を保ちつつ、
これならコーチングや人材教育の講師も続けていける!


うわ、いいな、これ!
思い切り興味が湧いて来たぷらたなすでありました。


つづく…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

思ってないから言えないんだな

昨日は、元の会社に頼まれて、
連休明けにクライアント企業の、
昇格試験を受ける契約スタッフさんの、
試験対策研修をしました。


といっても、もう、現場から離れて随分経つし、
ここのところ会社とも接触がなかったので、
元同僚から急に電話が来て「頼むよ~お願い、やって☆」と、
突然言われても、いったい何をどうやればいいのか、
雰囲気さえもよくつかめません。


「だって、急に決まったんだもん、こっちだって大慌てよ。」


「それはいいけど、結局何をすればいいのよ?」


「テクニカル(技術ノウハウと知識)は先輩スタッフを呼んで
明日やるのね。
で、ぷらさんには、面接とか集団ディスカッションとか、
そっち対策をお願いしたいの~♪」


「え~、昇格試験ってそんなのまでやるの?」


「そうなの~。」


「いや、だってさ、
カミちゃん(30代後半女性/仮名)は簡単にそう言うけど、
私、その職場が求めている人間像とか、
企業がリーダーに何を期待しているのか、とか、
そういう雰囲気が全っ然わかんないよ。
それって企業によっても担当者によっても、
本当に全然違うんだからね?」


「だからさ~、俗に言う面接対策?
ほら、よく就職情報誌とかに一般論が載ってるじゃん、
そういうやつの、ぷらさんバージョンでいいからさぁ…」


(心の声)
…と急に言われても…


皆さん、よく覚えておいてね^^!
研修を依頼される講師というのは(マジメな人は(笑))
「結果を出して相手の役に立ちたい」と色々考えているので、
より効果を上げるためには、
詳細な情報がすごく欲しいものなんです。。。


「うーん、なんかイメージわかない。見当がつかない。
だってそもそも、あの仕事(コールセンター)って特殊じゃん?
一般会社の非常識がコールセンターの常識って事もあるし、
その逆もあるし、どんなリーダーが望まれているの?現場では?」


「それが、本当に急な話だったんで、
そこまで詳しくヒヤリングできていないんだよねぇ…
とりあえず一般論でいいからさぁ。。。」


一般論って言ってもねぇ…


まぁ、いいや。
コーチングでは「答えは相手の中にある」という言い方をよくします。
そんなのはたぶん、こんなことを突然頼まれる外部の私よりも、
中で働く契約スタッフさんのほうが、よっぽど肌でわかっているはず。
だったらその、"期待される像"に自分が合っているかどうか、
ビデオに撮って見せて自己判定してもらえばいいんだよなっ!
うん、それで行こうっと!♪


そんなわけで昨日は、
ビデオカメラ、三脚、ノートPC、
プロジェクター、PC用スピーカー等々を全部自前で準備して、
(だってビデオも三脚もスピーカも会社にないんだも~ん^^)
まるで旅行にでも行くかのように大きなスーツケースに詰めて、
セッティング撤収も全部自分ひとりで行う代わり、
事前の資料作成が一切不要というズルイ研修をしてきましたよ。


    *    *    *    *    *    *


前にも何度か書きましたが、ビデオに撮るというのは、
受講者のパフォーマンスの改善に大きな効果があります。
「人に向かって話をする」というとても主体的な行動を、
あとから自分で見るのは客観的な自分を知るのに最適です。


だいたい、そんなの、見たい人がどこにいるでしょう?
いないよね(笑)?
なぜなら、とってもカッコ悪くて見たくないからです。
なぜ「カッコ悪くて見たくない」かと言えば、
自分が思っている自分と大きなギャップがあるからです。
人はそれを正視したくないんです。


ですが、研修メニューとして採用すると、
「見たくないものを見せられた」結果として、
すごくたくさんの、自分に対する発見や気付きを得るんですよね。
場合によっては障害もあるかもしれませんが、
個人的にはお奨めです。


ということで、そんな感じでまずは自己紹介。
制限時間1分。
(実は1分は長いです)
参加者の自己紹介を撮影して、
すぐに全員で見る。


さぁ、どうでしたか?~


Aさん
・落ち着きないね(笑)
・言った後で笑ってごまかす。
・颯爽とした言い切りがない。
・合間によく服の袖をつまんで上げる
・トークがダラダラ。
・フレンドリーは好感ですが、締りがないかも。
・話し方が暖かく寛容な印象。


Bさん
・姿勢がいいね。重心が安定していて体がぶれない。
・表情が硬いです。
・手足に動きが全くない。
・クールな印象。ちょっと理屈っぽいかな。
・○○なので○○だから○○して…という延々としたトーク


Cさん
・一番親近感があるが何を言いたいのかよくわからない。
・姿勢が悪い。体がよく揺れる。あと鼻によく手が行きます。
・頭がよく動く。視線も安定しない。
・語尾が曖昧で自信なさげ。
・一番落ち着きがない。たぶんそそっかしい人かも(笑)
・でも人情味を感じます。


なんてことを、皆さんが、自分で感想を述べてくれるのだから、
講師としてこんな楽なことはないや(笑)!


じゃ、次。
同席のカミちゃん、面接官になってね。
リーダー志望の動機を言いましょう。


いやぁ、そしたら、これが最悪(笑)!
3人が3人とも、いったい何が言いたいのか全然わからんっ!
頭に浮かんだ事をただつなげてそれを口に出しているだけで、
しかも中身は誰でも思いつくようなありきたりの事。
「今までの経験を生かして」とか、「人の上に立つのが好きで」とか、
わずか数十秒のセンテンスでも、
聞いていてダラダラとあまりにつまらないので、
私などはすぐに自分の注意が他に移っていくわ(笑)。


なので一回り終わっても、私、
全然、話が自分の身に入りませんでした。
ビデオ撮りながら聞いたから、集中力に欠けていたのかなぁ…
講評を伝えるはずが、誰が何を言ったのか、
全然仔細に覚えていないんだよね。うわ、どうしよう?


困っちゃった私は、話の場つなぎに、
同席していた会社の営業担当のツッキー(20代前半女性/仮名)に、
「それじゃ最後に、営業の築山さんにもやってもらいましょう(笑)」
と、とっさに振ってみる。


ツッキー、「えーーー!!!私ですか~!!!」と言いつつも、
スタッフさんの手前、そこは自覚と強い業務意識で(笑)、
すぐに、「わかりました」と腹をくくる。そうだ、それでよし(笑)!


ツッキーの(なりきり)志望動機:
「私はリーダーとして一番大切なものは、
スタッフの皆さんとの信頼関係だと思います。
今、職場ではうまくいかないこともたくさんありますが、
スタッフの皆さんとの信頼関係があれば解決していけると思います。
そうやって今以上にチームワークを強化して対応品質を上げ、
お客様に喜んでもらえるコールセンターを作っていきたいと思い、
今回の試験に応募いたしました。」


おー、これはストンと入ったね。
すごくありきたりなんだけど、フムフムと聞けました。
え?どうして?
スタッフからも、「さすがだ~」という声が上がる。


じゃ、アタシもやってみようかな。
「カミちゃん、私にも動機を尋ねてよ!」


「オーケー。
じゃ、ぷらたなすさん。(カミちゃん、改めてこちらに向き直る)
ぷらたなすさんは、なぜ今回のリーダー試験に応募したのですか?」


「はい。
スタッフの皆さんが充実して意欲的に働ける、
コールセンター作りにぜひ役に立ちたいと思いました。」


私の口からとっさに出たセリフの一発目が↑これ。
直前までマジで何にも考えていなかったんですけど、
これ以後も、聞かれたことにはスラスラと、
自分が普段思っていることを自分の言葉で話すことができました。


あ!!!そうか!なるほど!!
自分で言ってみて初めて気がつきました!


ポイントは、仕事に対する自分の意思の有無なんだね!
ツッキーは営業担当者として、
私は元現場責任者として、
職場をどんな風にしていきたいのかが常に心の中にあったので、
問われたらその思いを語ればいいだけなんです。
何を考えることもなく、言うべき言葉がすぐに思いつきます。


今回の3人のスタッフは職場に対して、
何をどうしたいという意思表示がなく、
自分の個別事情と正論だけでまとめているので、
相手に全然響かないんだ。。。
なるほど~!!!わかった!


    *    *    *    *    *    *


じ、じ、実は、ここで少し種明かしをすると、
今回の3名はうちからのお願いで応募してくれたらしいんです。


最近、職場ルールの見直しがあって、
諸事情により緊急で各社ともリーダーを増やさなければならず、
どこも焦ってリーダー昇格試験の合格者数を増やすことに、
鋭意努力しているとのこと。


その経緯では、候補のスタッフに、
意思も方針も考えもそんなに強くあるわけがないと思います。
なのでたぶん、そこが弱点になるのかもしれません。


私は皆さんに言ってみました。


「実は今皆さんの志望動機を聞いていて、
ちっとも心に残っていないことに気がつきました。
でも、ツッキーの話だけはすごく覚えているんです。
(全員うなずく。ぷらさんのもなかなかよかったよ!←ありがとう!)
なぜだと思いますか?」


「……」


「あのね、私、たった今気が付いたんですけど、
ツッキーと私の志望動機には、自分の強い"意思"があるんです。
ツッキーは、お客様に喜んでもらえるコールセンターを、
"作りたい"って言ったよね?
私も、確か"役に立ちたい"って言ったような気がします。
今話してもらった志望動機の中に、
皆さんの"○○したい"という気持ちは入っていたでしょうか?
(全員、苦笑して首をひねる)
あはは!忘れちゃったよね?
では、その観点で今からビデオを見てみましょう!」


そうだよなぁ、思っていないことは言えないのだ(笑)
だったら、今から試験までの間、
自分がリーダーになったら、何をしたいのか?
職場をどうしたいのか?どんなコールセンターを目指したいのか?
そんなところをじっくり意識して考えてもらうのも、
ひとつの方法かもしれません。


それが、口下手でも途切れ途切れでも噛み噛みでも、
自分が思う自分の言葉として相手に提示できれば、
案外勝機はあるんじゃないのかしら。
でも、責任者の経験がある人や営業経験者の、
切実な思いから来るリアル感には負けるかもね。
要はどれだけの想像力で、
どれだけ真剣にスタッフとセンターとお客様との、
全体の利益を考えているかどうか、なんでしょうね。


リーダー昇格試験は、どうやら難しい試験らしいです。
テクニカルスキルのテストも難しいし、
面接や集団ディスカッションの模様も、
ビデオに撮って本社に送るんだってさ。
すごいね。そこまでやるんだ。


私が居たコールセンターはそのあたりは甘々で、
それでもなんとなく適任者はなんとなくリーダーに上がって、
なんとなくセンターはそれほど悪くもない感じで、
なんとなくいい雰囲気で運用されていたように思うけど、
今はCSもESも企業側の意識が高いので、
何かと段々厳しくなって行っちゃうんだねぇ。。。


さて昨日の研修は大好評で、
「見たくないものを強制的に見せられて、
自分のクセや相手からどう見えるかがよくわかった。
こんな機会は滅多にないので、大変貴重でした」
という感想をいただきました。


おいおい、「見たくないものを見せられて」って…^^;
まぁ、いいです。
それを言って来た人はかつて私と同じ職場で仕事をしていた、
気心の知れた旧知の元スタッフなので許します(笑)。
連休明けは、ぜひ頑張って欲しいですね。
うちのお願いであれなんであれ、
自分の意思で了解をして臨むのですから、
この機会をチャンスととらえて、
ぜひいい結果を出して欲しいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マンツーマンの魅力

前回、「カリスマはデータを渡す」で、
カリスマと呼ばれる人達の話ってどこか心に染みず響かず、
セミナー講師としてはつまらないなぁ…などと書きましたが、
その後時間が経ってみると、なぜか顔が浮かぶんだよね。


折に触れて思い出すのは、
前回書いた居酒屋社長さんのほうなんですが、
それもステージで話をしている姿ではなく、
知人に連れて行ったもらった楽屋でたまたますれ違い、
通路で名刺交換して少し言葉を交わしたときの、
くしゃっとした笑顔と真摯な感じなんですよね。


少し時間を経ると、
「素敵な人だったなぁ…」という印象が強まってきて、
もう一回会いたいと思ったりします。


それにとても腰が低くて一生懸命な感じで、
(ぱっと見でも実際にも、
こちらが絶対年齢が高いからかもしれないけど^^)
近くで会うと、とても印象のいい人だったことを思い出しました。


そういうことなんだなぁ…と、ぼんやり思うぷらたなす。


私の知人で、
仕事ができて判断も早くて行動力も十分ある人がいますが、
人に教えるのが苦手で、人の前に立つのも嫌いで、
そういう役目が来そうになるとひたすら逃げ回っている人がいます。
その人は、人間関係に劣等感があって、
口癖のように、「人に話すのが苦手」と言うんですよね。


でもね、私が見ていると違うと思うの。
彼が実力を発揮できないのは、1対多のときだけなの。


相手が複数いて、
その人達に何かを教えなければいけないとき、
伝えなければいけないとき。
あるいはグループの中で何かの担当になって、
全員を仕切っていかなければいけないとき、
全体に対して何かの働きかけをしなければならないとき…
こんなときに彼は、予想外の低パフォーマンスに、
なっちゃうんですよね。


だから逆に相手が一人で、
その人が彼に対して安定した信頼感を持っていると、
二人は全然いい関係だし、会話もスムーズだし、
相互のコミュニケーションはいたって良好で、
「人に話すのが苦手」なんて、いったい、どこがよ?なんて、
思ってしまいます。


だからきっと私の知人は、
すごく優秀だけどメモリが少ないんだと思う。


複数の人数に同時に伝えたい内容があるときに、
自分という主体から少し離れて、
客観的に場を読み全員の注意を一度ひきつけ、
伝わりやすいように文脈を組み立て直して、
優先順位にメリハリのある表現を使い、
自分の意思を全体に効果的に落とし込んでいく…


というところまでは制御が及ばないんだと思う。
ただそれだけのことじゃないのかな?
(人のことを言える私ではないのですが…)


けれど彼にしてみたら、
「誰も自分に注意を払ってくれない」
「誰も自分の話をまじめに聞いてくれない」
「皆が自分の話を聞くのを嫌がっているように感じる」
と、毎度感じて傷つくので、
段々苦手意識が増していくように思います。


私最近思うんですけど、"カリスマ"と呼ばれている人に限らず、
何かの分野で業績を上げている人達には、
対人スキルの高くない人が思ったよりも多いですよね。
「すごいのはわかるけど、私、この人とは一緒に働きたくない!」
みたいな人って、TVのインタビューでも結構いませんか(笑)?


でも、きっとそれ、しょうがないんですよね。


今の業績は、その劣等感の裏返しで、
実はその人にとって、
何かの大きなバネになっているのかもしれませんが、
逆に周りに目もくれず、周囲の騒音もさほど気にならずに、
自分の信ずるところを一筋に貫いてきた結果かもしれないものね。


だけど、そんな人でもマンツーマンで接してみると、
きっとすごく魅力があって、
誰もが付いていきたくなるんですよ、きっと。


さて、私は先週、
ある雑誌社が主催するセミナーに参加してみたのですが、
3人の講師のお話の中で、元機長さんという方のお話が、
明確で論理的でブレがなくて、
しかも内容も興味深くてとてもよかったんですよね。


でも、事前にウェブで見た顔写真は、
頑固で怖そうで気難しそうで、
そんなにいい話をしそうな方には、
全然見えなかったんですよ。
それで、「人ってわからないもんだな」と感じましたが、
同時に、内容が感情・感性的な話ではなく、
データの解説や分析的な話だったので、
このタイプの人は、この系統のお話をするのが、
非常に向いているのだろうと強く思いました。


前の日記と絡めた書き方をすると、
このタイプの人が、
メンターだのモチベーションだの夢をかなえるだの、
そっち方向に進んで多勢の聴衆を前に感情・感性的な話をすると、
何となく違和感を覚えるような、
臭みや偏った感じを呈しちゃうのかな?
そんな風に思いました。


さて、元機長さんのお話がとてもよかったので、
機会を捉えて自分の感想をお伝えしに行くと、
彼、人が変わったようにっこり笑って、
「あぁ、そうですか。そうだったですか。」
と、満面の笑顔でうれしそうにしてくれたんだよね。
(素敵でした!)


その落差にもびっくりしたけど(笑)、
「あぁ、この人もきっと、大勢を前にするのは苦手な人なんだなぁ」
と思いました。


1対1のときと1対多のときでは、
全然パフォーマンスの違う人がいるんですよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カリスマはデータを渡す

_image

デジタルな話ではありません。"しゃべり"の話です。


実は先日の勉強会の講師がある議員さんだったのですが、
この人の話が摩訶不思議でとても面白いの。


熱いです。


身振り手振りも豊かで、口調もとっても意欲的なのですが、
ぜんっぜん心に響かないんです(笑)


いやぁ、こんなに感情が動かない話は初めてだ!


メリハリがあって動きもあるので眠くはならないんですが、
これほど内容が頭にも心に入ってこない話し方も珍しいですね。


もちろんトークがはっきりしてわかりやすいので、
話自体は明確でクリアなのですが、
内容が一語一句理解できても、私にとって、
それはただの音声情報に過ぎないの。


なので終わってみれば、いったい何を話していたのか。
驚くべきことに、
きちんと聞いていたのにあとで思い出せることが何一つなく、
こんなこともあるんだ!本当に不思議な人だったなぁ…と、
別な意味でとても感動しました。


同じ感想を持った友人が複数いたので、
これはたぶん私だけの感覚ではないと思うのですが、
その議員さんの経歴を見ると、
学生時代に弁論大会で優勝経験があるとのことなので、
余計に不思議な気がしました。


    *    *    *    *    *    *


最近二つの講演会に行きました。


ひとつはある経営コンサルタント会社が出した、
本の出版記念セミナーで、
こちらは参加費無料。
もうひとつはチケットが数日で完売したらしい、
ある居酒屋社長さんと人材育成コンサルタントの講演で、
こちらは参加費5000円。


それで面白かったのは、どちらも講師が二人なんですが、
組み合わせのパターンが一緒なんですよね。


先ほどの私の感覚からすると、
前半の方は、何をどう熱く語ってもあまり心に響かないタイプの方で、
後半の方は、出だしの最初の一語を発したときからもう講師の世界。
どちらも後半の方は笑わせたりしみじみとさせたり、
聴衆の感情をうまくつかんで自由自在にいじり、
会場の空気を非常によくコントロールします。


ですが、どちらがカリスマ性があるかと言えば、
どちらも前半の講師のほうなんですよね。


とくに5000円の講演会のほうは彼目当てのお客さんが一杯で、
なんとなく場内はファンクラブ状態の雰囲気でした。


私はこういった現場を見ると、非常に興味関心が募ってきて、
「これっていったいどういうことなんだろう?」と、
すぐに考えちゃうんですよね(笑)
だって、本気で、話、全然面白くないし^^


あ、今検索してみたら、無料のほうの講師の先生も、
○○のカリスマってあちこちのサイトに書いてました。
やっぱりね!なるほど☆


    *    *    *    *    *    *


さて出版記念無料セミナーの講師の方は、
コンサルタント会社の社長さんですが、
私には社員に人望のある人格者という感じには見えませんでした。
経営者も人それぞれですから、それが悪いというわけではなく、
それで社内が締まってうまくいっている場合もあると思います。


ですが、運営をサポートしている社員の方の緊張した様子や、
社長さんが講話中に話の腰を折って社員に出す指示の口調など、
そんなところを見ていると、たぶん絶対、
社内でそこそこに悪口は言われている方ですよね(笑)


片や居酒屋社長のほうは、ファンの皆さんに、
熱烈な信者のような空気も感じられ、
成功を願い夢をかなえたい若者達の、
尊敬を一身に集めたりしているようです。
が、私にはこの少し外れた熱さがどうにも苦手です。


なのでこのときは途中から段々窮屈で居心地が悪くなってきて、
(ちょうどお昼を食べていなかったので)
仕事で電話が入ったような素振りで場外に出ました。
そしてそのまま近くの中華屋に、
さっさとラーメンを食べに行っちゃったのですが(笑)、
「どこがどう人をひきつけるのかその正体を探ろう」と、
思い直して会場に戻るまで、少しエネルギーを必要としましたね。


    *    *    *    *    *    *


さて、ほかの記事中でたまに触れたりしていますが、
私、この頃、人の「タイプ」ということを、
すごく考えるんですよね。


電話の仕事を通じて人の育成に関わってみると、
物事を何でも発展的に捉えて、
1の経験からたくさんの情報を受け取り、
それを自分に次々とフィードバックさせて、
自分を変化させていける人と、
同じ経験をしても発見や気付きの量が少なく、
発想もどちらかといえば固定的で、
他人と関わることに関しても、
無関心だったり苦手感を持っている人と…


そんな二つのタイプにはっきりを分かれることを痛感します。


これもまた、どちらが優れているという話ではなく、
それぞれに大きな長所短所があって、
お互いに補完し合って行けばいい組み合わせなのですが、
それにしては、(ここでいうところの)固定型の人達の、
仕事や社会への劣等感ってすごかったりするんですよね。


私にはそこまで自己価値を低下させる必要はないと思うのですが、
残念ながら今の社会はコミュニケーション能力偏重で、
柔軟で臨機応変で"変われる"思考の人のほうが、
どうしても有利な世の中なので、
そうじゃないタイプのうちでも、特に真面目で向上心のある人は、
自己啓発や意欲向上や夢をかなえるセミナーを渡り歩き、
狭い地方都市では、それでコミュニティができるほどの、
リピーター軍団が暗にできているぐらいです。


でも実際にセミナーがきっかけで主体が変容したという人に、
私はあまり会った事がありません。
私の友人達は皆こういいます。
「頭ではわかっていても実際はなかなかできない」
「そのときはやろうと思っても時間が経つと忘れてしまう」
「こんなに色々出ているのにどうして身につかないんだろう」


そりゃそうだよ。だってたぶん、
セミナーに出ただけで実際に変わることができるのは、
あなた達じゃないほうのタイプの人達なんだもの。
でも、その人達はそもそもたぶん、
その必要も焦りも感じていないから、
こういった場には関心がないし、
わざわざ出かけてくることもたぶんないのさ。


そんな風に考えると、世の中で盛んに開催されている、
各種の自己成長と変化の為のセミナーは、
基本的にアンマッチングで効果がなく不毛なんじゃないかと、
思ったりもするのですが、
それでもカリスマ講師と呼ばれる人達が、
たくさんのファンを挽きつけて止まないのは、
きっと彼らも本来はオーディエンスと、
同じタイプだからなんですよね。


    *    *    *    *    *    *


私が自分の心の中で「固定型」と呼んでいる人達は、
物事をがっちりと固定的に鷲づかみに捉える傾向の人達です。
(私はこのブログでよくアスペルガーの話を書きますが、
今回はそれとは違います。)


ひとつ物事を捉えると心の両手がすべてふさがってしまうため、
そのほかの事柄にはあまり手を伸ばせません。
つまり気を回せないというのが正解だと思います。


だからなんでも次々と関連付けて取り込む発展型の人に比べると、
受け取る情報の量の数が少なく、
人の感情にも無頓着だったりしますが、
その分よそ見をせず、状況や人間関係に流されることもないので、
「いいことはいい」「悪いことは悪い」と結論がはっきりしていて、
他人から見ても落ち着きと冷静さと安定感があります。


ですが今現在の職場の風潮にあっては、
人の気持ちを理解しない、融通が利かない、冷たい、無関心、
白黒の決着をすぐにつけたがるなどと言われることが多く、
頑張っても人としての評価が得られなかったり、
自分になぜ人が付いてこないのか意味がわからなかったりします。
でもそれって、単にタイプの問題だと私は思うんです。


だからその場合に必要なのは、
イメージさせて自分で考えさせることよりも、
できるだけ具体的に、手本を見せ実例を見せ、
ほんの少しハードルの高い実体験をさせて、
心身に十分に配慮しながらある程度強制的に、
違った環境の中に身を置いてもらうことが、
成長への近道のように感じています。


    *    *    *    *    *    *


固定型の人達はあまり感情に訴える話の仕方をしません。
もちろん友達同士でリラックスしているときは別ですが、
固定型の人達は、その場の雰囲気を全体で捉えて、
それに合わせて自分の出方を微調整していくことは苦手なので、
自分の考え、思い、伝えたいことはすべて、
言葉という音声に乗せてデータとしてストレートに相手に渡します。


一方発展型の人は、言葉にデータを載せると同時に、
ノンバーバルな見えない通信回路に感情を乗せて送信するので、
相手と自分との通信路は"データ"と"感情"の二本立てです。
なので同じタイプの人にはお話が非常に響きますが、
違うタイプの人には弱さや不安定を感じさせて、
あまり内容が響きません。


だからきっと、俗に言うカリスマ講師とは、
同じタイプである固定型の人達に、
強い波動で強力にデータのみを手渡せる人達で、
ゆえに人によって評価や感じ方が分かれるのも、
私は当然だと思うんですよね。


最初の話題に戻ると、
出版記念無料セミナーの方の前半の講師は、
貧しい家庭に生まれ、厳しい仕事を転々としながら、
勉強を続けて税理士になったそうですが、
この意志の強さとブレない目的意識は、
発展型の人間にはありません。


発展型の人はそこそこ適応力がある分諦めが早く、
「ま、どこへ行ってもそこそこやっていけるさ」と、
人生への取り組みが甘いので、
初志貫徹力はあまりありません。


というか、税理士という職業自体が、
頑固で融通の利かない人が多いように感じているので、
ちょっと”らしい”感じがしますよね!


また5000円の講演会のほうの前半の講師は、
仕事に挫折して一度ウツになっているというお話なので、
たぶんこの方も、環境の中で、
何かに柔軟に適応できなかった方なのかもしれません。


そんな方達がひとたび成功すると、
凡人には賛否の分かれる特有の臭みを醸し出して、
それがまた熱烈なファンを作っていくのですが、
実際にその話の内容に人生の深みを心底感じるかといえば、
私にとっての答えはNOで、これが聞いていてもちっとも面白くない。
なので、頭の中が段々退屈になって来て、
つい寝てしまうんですわ(笑)


出版記念の無料セミナーのときなんて三度も寝ちゃったけど、
一緒に行った知人も同じ。
また、5000円の講演会(の前半)のときは、
私は耐え切れずに外に出ましたが、
戻ったらやはり友人は寝てました(笑)。


どちらも知る人ぞ知る人気講師なのに、
私達ってこの手はダメね~^^;


でも、後半はいきなりシャッキリですよ!
だって話がメチャメチャ面白いんだもん。
頷いたり共感したり、5000円の後半講師のほうは、
ツテのある友人に紹介を頼んで楽屋に連れて行ってもらい、
名刺交換までしちゃったもんね~(笑)


でも、それでも、
その日の300人の聴衆の目当ては、
やっぱりあくまでも居酒屋社長、みたいな。
ま、そんな感じ。


    *    *    *    *    *    *


出版記念無料セミナーのだみ声講師には、
一緒に行った知人が、「なんか好かない。品がない」を、
何度も繰り返していましたが、
内容自体は私は面白かったですよ。


特定の数値を人材教育と管理に使うという発想も、
初めてで面白かったし、今後の自分の大きなヒントになりました。


そのコンサルタント講師も、前述の居酒屋社長も、
両者とも性格は違えど、人のタイプとしては固定タイプで、
しゃべりはあくまでも音声データオンリー型なんですが、
居酒屋社長がデータとして私達に渡したのが「意欲と熱さ」という、
形のないものだったのに対して、
コンサルタント講師のほうは、プロジェクター画像を駆使しての、
「論理と数値」だったため、
それはそれで私の心には染み入りやすかったです。


ただし、いずれの講演会も、
一緒に行ったのが講師仲間だったため、
終わってからの感想が双方どちらも完全に講師目線で、
「発声が悪い」とか「声が聞き苦しい」とか、
「この講師の会社の世代交代が心配」とか、
「この会社は退職者が多いのではないか?」とか、
もしかして私達って、変よね?といいながら帰宅しました。


講演会って面白いですね。
 

 
 

 
【"見て聴いて読んで試して"に関する最新の10件】
★カリスマはデータを渡す 「つぶやき岩の秘密」を見る 【本日のNHK】日本の、これから 人体の不思議展と中国 亀田 三之助は郷土の誇り char! 幻想をベースにするな タイムマシンにお願い 馬の気持ち (続きを見る⇒)

見て聴いて読んで試して | | コメント (0) | トラックバック (0)

«やりにくいね